JPS6256181B2 - - Google Patents

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JPS6256181B2
JPS6256181B2 JP3783583A JP3783583A JPS6256181B2 JP S6256181 B2 JPS6256181 B2 JP S6256181B2 JP 3783583 A JP3783583 A JP 3783583A JP 3783583 A JP3783583 A JP 3783583A JP S6256181 B2 JPS6256181 B2 JP S6256181B2
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JP
Japan
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dope
coating layer
polyimide
core material
liquid
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JP3783583A
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JPS59161433A (ja
Inventor
Kanzo Tabata
Hideyuki Iitani
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、芳香族ポリイミド管状物の製法に関
するものである。更に詳しくは本発明は、3,
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸、2,
3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸などの
ビフエニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分とから得られた芳香族ポリイミドからな
り、実質的に緻密な構造を有する側壁から構成さ
れる管状物を製造する方法に関するものである。
芳香族ポリイミドは優れた耐熱特性、機械的特
性および化学的特性を有しているため、フイルム
および管状物などの各種の成形体としても利用さ
れている。
芳香族ポリイミド管状物の製造方法としては、
従来より、たとえばポリイミドフイルムをテープ
状に切断してマンドレル等にスパイラル状に巻き
つけ、これを接着剤により接着して製造する方法
が知られているが、得られる管状物は熱特性、機
械特性において満足すべきものとはいえない。ま
た、この方法では、フイルムの製造、スリツト、
接着媒体の塗布などの製造工程を必要とするため
に製造工程が煩雑となり、また製品の信頼性も低
下しやすいという欠点もある。
さらに、芳香族イミド環を含む塗料を金属線上
に塗布し、乾燥固化させる工程を繰返した後、金
属線の降状点以上に引き伸ばして分離する方法
(特開昭51−50378号公報)、芳香族イミド環を含
む塗料にビフエニル系化合物などを混入して金属
線上に塗布して、乾燥固化終了後、金属線を伸長
して分離する方法(特開昭57−152923号公報)な
どの乾式法も知られている。
しかし、これらの方法によつては厚肉の管状物
を得るには困難である。すなわち、これらの方法
を利用して肉厚の大きい管状物を製造するために
金属線上への塗布厚みを厚くすると、塗料が流動
して厚みムラを発生するため、実際には50μmの
肉厚の管状物を得るためには6〜12回の塗布、乾
燥、固化の繰返しが必要となり、工業的な製法と
しては適当でない。さらに、いずれも金属線を伸
長して分離する操作を利用するために、内径の大
きい管状物を得るには、伸長の工程で大きな力が
必要となり、このため製造設備が高価になるなど
の欠点がある。
一方、湿式の製法としては、ポリイミドを含有
するドープ液を凝固液中に中空糸状の形態にて押
し出して、この極性溶媒からなる凝固液中でドー
プ液に使用されている溶媒を抽出除去する方法
(特開昭57−167414号公報)が知られている。し
かしこの方法では、径が大きい、いわゆるパイプ
状、チユーブ状のポリイミド成形体を得るために
は、肉厚、形状を均一にすることが難しく不適当
である。また断面が角形等の異形の管状物は製造
が困難である。さらに問題なことは、溶媒により
ドープ液中の溶媒を実質的に抽出除去して得られ
たポリイミド成形体の側壁の内部構造は緻密とは
ならず、むしろ多孔質となるため、不透明とな
り、また抗張力などの機械的特性が充分でないと
の点である。
従つて、本発明は、一般式: (ただし、Rは芳香族ジアミンのアミノ基を除
いた二価の残基である)で表わされる繰返し単位
を90%以上有する芳香族ポリイミドの一種または
二種以上がフエノール系化合物を主成分とする溶
媒に溶解されてなるポリイミドドープ液を、該芳
香族ポリイミドよりも熱膨張係数の大きい芯材に
被覆した状態で押出す工程; 芯材とともに押出されドープ液被覆層の外周面
に、フエノール系化合物と相溶性のある凝固液を
接触させることにより、ドープ液被覆層中のフエ
ノール系化合物の5〜70重量%を抽出除去して、
主として外側表面に凝固層が形成されたドープ液
凝固体被覆層を形成する工程; この凝固体被覆層を乾燥固化する工程;そして 乾燥固化した被覆層を芯材から分離する工程、 を含むことを特徴とする芳香族ポリイミド管状
物の製法からなるものである。
本発明によれば、芳香族ポリイミドの本来の優
れた耐熱性を生かしながら、側壁の内部構造が緻
密で、抗張力などの機械的特性が優れた芳香族ポ
リイミド管状物を得ることができる。
また本発明によれば、径が大きい、いわゆるパ
イプ状、チユーブ状の均一なポリイミド成形体を
得ることができ、また断面が角形等の異形のポリ
イミド管状物も製造することが可能となるとの利
点がある。
次に本発明について詳しく説明する。
本発明において使用される芳香族ポリイミドは
下記一般式[]により表わされる繰返し単位を
90%以上(好ましくは95%以上)ポリマー主鎖に
含む芳香族ポリイミドである。
一般式[]: 上記一般式[]において、Rは芳香族ジアミ
ンのアミノ基を除いた二価の残基である。
上記一般式[]のポリイミドはビフエニルテ
トラカルボン酸もしくはその誘導体と芳香族ジア
ミンとの反応により得ることができる。
ここでビフエニルテトラカルボン酸の例として
は、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸、2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸、および2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカ
ルボン酸を挙げることができる。また、ビフエニ
ルテトラカルボン酸の誘導体の例としては、酸二
無水物、有機塩基もしくは金属カチオンとの塩、
アルコールとのエステル化物などを挙げることが
できる。本発明の一般式[]の芳香族ポリイミ
ドを得るためには、3,3′,4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物もしくは2,3,3′,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物を用い
ることが特に好ましい。なお、ビフエニルテトラ
カルボン酸および誘導体は、それぞれ単独でも、
あるいは混合物としても使用することができる。
芳香族ジアミンとしては、下記の一般式[]
あるいは一般式[]で表わされる化合物を用い
ることが好ましい。
これらの式においてR1およびR2は、水素、低
級アルキル、低級アルコキシなどの置換基を表わ
し、Aは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−
SO2−、−CH2−、−C(CH32−などの二価の基
を表わす。
一般式[]で表わされる芳香族ジアミンの例
としては、 4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルエー
テル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,3′−ジアミノジフエニル
エーテル、3,4′−ジアミノジフエニルエーテル
などのジフエニルエーテル化合物; 4,4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニル
チオエーテル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジ
アミノジフエニルチオエーテル、3,3′−ジアミ
ノジフエニルチオエーテルなどのジフエニルチオ
エーテル化合物; 4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジアミノベンゾフエノンなどの
ベンゾフエノン化合物; 4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−
ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、
3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルメタンなどのジフエニルメタン化合物; 2,2−ビス(4−アミノフエニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノフエニル)プロパ
ンなどの2,2−ビスビフエニルプロパン化合
物; 4,4′−ジアミノジフエニルスルホキシド、
4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−
ジアミノジフエニルスルホキシドなどの含硫黄化
合物; を挙げることができる。
一般式[]で表わされる芳香族ジアミンの例
としては、3,3′−ジメチルベンチジン、3,
3′−ジメトキシベンチジン(o−ジアニシジ
ン)、3,3′−ジアミノビフエニルなどを挙げる
ことができる。
また芳香族ジアミンとしては、2,6−ジアミ
ノピリジン、3,6−ジアミノピリジン、2,5
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン
などのジアミノピリジンを用いることもできる。
本発明における一般式[]の芳香族ポリイミ
ドを得るため特に好ましい芳香族ジアミンとして
は、4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、4,
4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、4,4′−
ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジメトキシ
ベンチジン、3,3′−ジメチルベンチジンを挙げ
ることができる。なお、芳香族ジアミンは、それ
ぞれ単独でも、あるいは混合物としても使用する
ことができる。
本発明でポリイミドドープ液を調製するために
用いられる溶媒は、前記一般式[]で表わされ
る芳香族ポリイミドを溶解することのできるフエ
ノール系化合物を主成分とする溶媒である。この
溶媒は、その全量がフエノール系化合物であるこ
とが望ましいが、フエノール系化合物と相溶性の
ある他の溶媒(たとえば、二硫化炭素、ジクロル
メタン、トリクロルメタン、ニトロベンゼン、o
−ジクロルベンゼン)とフエノール系化合物との
混合溶媒であつてもよい。ただし、この混合溶媒
を用いる場合には、そのなかにフエノール系化合
物が少なくとも50重量%含まれていることが必要
であり、また特に70重量%以上含まれていること
が好ましい。
フエノール系化合物としては、融点が約100℃
以下、特に好ましくは80℃以下で、その沸点が常
圧で約300℃以下、特に好ましくは280℃以下であ
るものが好ましい。このような好ましいフエノー
ル系化合物の例としては、フエノール、o−クレ
ゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,
5−キシレノール、カルバクロール、チモールな
どの一価のフエノール、あるいはその一価フエノ
ールのベンゼン核の水素をハロゲンで置換したハ
ロゲン化フエノールを挙げることができる。ハロ
ゲン化フエノールの好ましい例としては、3−ク
ロルフエノール、4−クロルフエノール、3−ブ
ロムフエノール、4−ブロムフエノール、2−ク
ロル−4−ヒドロキシトルエン、2−クロル−5
−ヒドロキシトルエン、3−クロル−5−ヒドロ
キシトルエン、4−クロル−2−ヒドロキシトル
エン、2−ブロム−4−ヒドロキシトルエン、2
−ブロム−5−ヒドロキシトルエン、3−ブロム
−5−ヒドロキシトルエン、3−ブロム−6−ヒ
ドロキシトルエン、4−ブロム−2−ヒドロキシ
トルエンなどを挙げることができる。また、上記
以外のハロゲン化フエノールであつても、融点が
約100℃以下、沸点約300℃以下(常圧)のフエノ
ール化合物は好ましく使用することができる。
前記一般式[]の芳香族ポリイミドを製造す
るためには、まずビフエニルテトラカルボン酸
(もしくはその誘導体)と芳香族ジアミンとを反
応させてポリアミツク酸(粉末、ドープ)を得
て、次に、このポリアミツク酸をイミド化する方
法が利用される。このようして得られたポリイミ
ドを次にフエノール系溶媒に溶解してポリイミド
ドープ液を調製する。あるいは、ビフエニルテト
ラカルボン酸(もしくはその誘導体)と芳香族ジ
アミンとを上記のようなフエノール系溶媒中で一
段重合・イミド化反応させることによりポリイミ
ドドープ液を得ることもできる。この場合には必
要により、フエノール系溶媒の追加あるいは一部
除去などの操作を行ない、ドープ液の濃度の調製
を行なう。
ドープ液のポリイミド濃度は、一般に5〜30重
量%、好ましくは10〜25重量%から選ばれる。ま
た、ドープ液の粘度は0〜150℃の温度(管状物
の製造に利用される温度)において10〜100000ポ
イズ、好ましくは100〜50000ポイズを示すように
される。
本発明において使用する芯材は、用いた芳香族
ポリイミドよりも熱膨張係数の大きい材料からな
るものである。すなわち、ポリイミド凝固体被覆
層を乾燥固化し、室温に戻したのち、この被覆層
から芯材を容易に分離除去できるようにする必要
があるため、芯材の熱膨張係数は、使用した芳香
族ポリイミドの熱膨張係数(2×10-5/℃〜5×
10-5/℃)よりも大きい必要がある。この芯材は
フエノール系化合物などによつて容易に侵される
ものであつてはならず、また凝固体の乾燥工程に
おいて一般的に利用される加熱温度においてもそ
の形状を保持できる程度に高い融点(たとえば
100℃以上、特に200℃以上)を持つことが望まし
いことは当然である。
芯材の材料の例としては、四フツ化エチレン樹
脂、三フツ化エチレン樹脂、低密度架橋ポリエチ
レン樹脂、高密度架橋ポリエチレン樹脂などを挙
げることができる。これらの樹脂は、中空のパイ
プなどの形態で利用することができ、また中空で
ないロツドなどの形態で利用することもできる。
上記のような材料は、他の高い材料、たとえば、
鉄、銅、アルミニウム、各種の合金などからなる
パイプ、ロツド、線に被覆した形態でも使用する
ことができる。芯材の断面については特に限定は
なく、たとえば円形、楕円形、三角形、四角形、
六角形など各種の断面形状をとることができる。
本発明においてポリイミドドープ液は押出し用
装置などにより、熱膨張係数の大きい芯材を被覆
した状態で押出される。押出し用装置について
は、ポリイミドドープ液を芯材に被覆させなが
ら、芯材と同時に押出すことのできるものであれ
ば特に制限はない。
たとえば、第1図に示すようなクロスヘツドダ
イの先端部を有する押出し用装置を利用すること
ができる。
第1図において、押出し用装置の先端部は、ド
ープ液押出し管11および芯材押出し管12から
なる二重管の構成を有する。この第1図の装置を
用いる場合には、ポリイミドドープ液13は、芯
材押出し管12から押出される芯材14の外周面
を被覆しながら、ドープ液押出し管11より押出
される。なお押出された芯材の被覆層を形成する
ドープ液は、次いで凝固液と接触させられる。こ
のドープ液被覆層と凝固液との接触は、ドープ液
被覆層表面に凝固液を流下もしくはシヤワー状に
吹掛ける方法、あるいはドープ液で被覆された芯
材を凝固浴に導入する方法などを利用することが
できる。なお、ドープ液押出し管の断面形状につ
いては特に限定はなく、たとえば、円形、楕円
形、三角形、四角形、六角形など各種の断面形状
をとることができる。また、芯材の押出し操作
は、芯材を引取る操作と置き換えてよいことも当
然である。
凝固液としては、ドープ液の溶媒として用いた
フエノール系化合物と相溶性のある液体が使用さ
れる。そのような凝固液の例としては、低級アル
コール類(例、メタノール、エタノール、プロノ
ール、イソプロパノール)、ケトン類(例、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メ
チルプロピルケトン)、エーテル類、アミド類、
低級カルボン酸、スルホキシド類、およびこれら
の各化合物と水との混合溶媒を挙げることができ
る。
芯材とともに押出されたポリイミドドープ液
は、その外周面において凝固液と接触することに
よつて、ドープ液中のフエノール系化合物(溶
媒)は凝固液中に速やかに移行し、その結果、管
状ドープ液中のフエノール系化合物は順次抽出除
去される。そして、フエノール系化合物の抽出除
去が進行するに従つて、管状ドープ液の外周面は
凝固を始め、柔軟性のある管状ドープ液凝固体
(チユーブ)が得られる。この凝固した外周面は
白濁して不透明となる。これはドープ液中の溶媒
(フエノール系化合物)の一部が凝固液により表
面から抽出除去された結果、特に表面層のポリイ
ミドが凝固するためと考えられる。このドープ液
表面のポリイミド凝固層には抽出溶媒の通路とな
るためボイド(非緻密構造)が形成される。
本発明の製法において、自己支持性を有するド
ープ液凝固体被覆層を得るためには、ドープ液に
含まれていたフエノール系化合物の5重量%以上
(好ましくは、10重量%以上)を抽出除去する必
要があり、またドープ液凝固体には、溶媒として
使用したフエノール系化合物が最初の使用量の30
重量%よりも多く(好ましくは、40重量%よりも
多く)残存している必要がある。すなわち、ドー
プ液被覆層に凝固液を接触させることにより、ド
ープ液被覆層中のフエノール系化合物の5〜70重
量%(好ましくは、10〜60重量%)を抽出除去す
る必要がある。溶媒のフエノール系化合物が過剰
に残存している場合には、次の乾燥工程を行なう
ために必要とされる強度を有するドープ液凝固体
被覆層を得ることが困難になる。また、フエノー
ル系化合物の残存量が少な過ぎる状態では、ドー
プ液凝固体の凝固が既に過度に進行しているた
め、その凝固体を次の乾燥工程にかけても目的と
する緻密で強度の高いポリイミド成形体が得られ
にくくなる。
上記のようにして適度な量のフエノール系化合
物が残存するように調製されたドープ液凝固体は
初期においては表面に白濁不透明層を有するが、
時間の経過とともに、その白濁不透明層が、残存
するフエノール系化合物に再溶解するため、全体
としてほぼ透明な凝固体となる。
ドープ液凝固体は、白濁不透明層を有する状態
で、あるいは全体としてほぼ透明となつた状態
で、次に乾燥固化する工程にかけられるが、前者
の白濁不透明層を有する状態で乾燥固化する工程
を行なうことが好ましい。
この凝固体の乾燥固化工程は、凝固体中に残存
するフエノール系化合物およびその他の溶媒(た
とえば、凝固液)を除去し、凝固体を緻密な構造
を有する側壁から構成される管状物に変換する工
程である。フエノール系化合物等の除去は通常、
凝固体を常圧下もしくは減圧下に置いて加熱する
方法により実施される。たとえば、凝固体を真空
下において、40〜310℃に加熱する方法などが好
ましく利用される。ただし、このような加熱を行
なうに際しては、まず凝固体を比較的低温(例、
40〜100℃)で短時間(例、10分〜1時間)加温
することにより凝固体中のフエノール系化合物を
均一に分散させたのち、次に更に高温(例、40〜
310℃)に加熱乾燥することが望ましい。上記の
ような加温および加熱は、たとえば、熱風乾燥
器、加熱真空乾燥器などを利用して行なうことが
できる。
芯材は、凝固体の乾燥固化終了後、通常はこれ
を常温に戻したのち、分離除去される。乾燥固化
した凝固体、すなわち芳香族ポリイミド管状物と
芯材との熱膨張率が前記のように相違するため、
芯材は管状物から容易に抜き取ることができる。
このようにして分離された芯材は繰返し使用する
ことができる。
次の本発明の実施例および比較例を示す。
[実施例 1] 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物121ミリモルと4,4′−ジアミノジフエ
ニルエーテル121ミリモルとを4−クロルフエノ
ール440gと共に、撹拌機を備えたセパラブルフ
ラスコに入れて160℃の温度で2時間加熱して一
段の重合・イミド化反応を行ない、ポリイミド溶
液を得た。このポリイミド溶液の回転粘度は5560
ポアズであつた。
このポリイミド溶液をドープ液として、これを
第1図に示す押出し装置(ドープ液押出しノズル
の内径:9mm)を用い、長さ380mmの芯材(外径
5mmのステンレス鋼線を、外径7mm、内径5mmの
四フツ化エチレン樹脂製パイプで被覆したもの)
の外周面に被覆しながら芯材とともに10mm/分の
速度で押出した。芯材上のドープ液被覆層の表面
にアセトンをノズル(芯材の移動線の上方に複数
連続して備えらたノズル)から流下させることに
よりアセトン(凝固液)とドープ液被覆層との接
触を行なつた。この方法によりドープ液被覆層
に、アセトンを30秒間接触(流下しているアセト
ンとドープ液被覆層との接触時間)させ、ドープ
液被覆層を凝固させた。この凝固被覆層の4−ク
ロルフエノール含有量は、ドープ液の同含有量の
70重量%であり、従つて、4−クロルフエノール
抽出除去量は30重量%であつた。
ドープ液凝固体被覆層を芯材と共に真空乾燥器
中にて80℃で1時間予備加熱したのち、160℃で
2時間加熱して凝固体被覆層の乾燥固化を行なつ
た。乾燥終了後、乾燥被覆層を有する芯材を水中
に投入して冷却し、次いで芯材を分離除去して、
内径7.2mm、肉厚110μm、長さ379mmのポリイミ
ドパイプを得た。
得られたポリイミドパイプは褐色透明で、通常
のインストロン型引張試験機を用いて試験を行な
つたところ、その引張強さは19.2Kg/mm2であつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の製法の実施に際して用いる
ことができる押出し用装置の先端部を示す断面図
である。 11:ドープ液押出し管、12:芯材押出し
管、11:ポリイミドドープ液、14:芯材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式: (ただし、Rは芳香族ジアミンのアミノ基を除
    いた二価の残基である)で表わされる繰返し単位
    を90%以上有する芳香族ポリイミドの一種または
    二種以上がフエノール系化合物を主成分とする溶
    媒に溶解されてなるポリイミドドープ液を、該芳
    香族ポリイミドよりも熱膨張係数の大きい芯材に
    被覆した状態で押出す工程; 芯材とともに押出されドープ液被覆層の外周面
    に、フエノール系化合物と相溶性のある凝固液を
    接触させることにより、ドープ液被覆層中のフエ
    ノール系化合物の5〜70重量%を抽出除去して、
    主として外側表面に凝固層が形成されたドープ液
    凝固体被覆層を形成する工程; この凝固体被覆層を乾燥固化する工程;そして 乾燥固化した被覆層を芯材から分離する工程、 を含むことを特徴とする芳香族ポリイミド管状
    物の製法。
JP3783583A 1983-03-07 1983-03-07 芳香族ポリイミド樹脂管状物の製法 Granted JPS59161433A (ja)

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