JPH0374174B2 - - Google Patents

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JPH0374174B2
JPH0374174B2 JP6024784A JP6024784A JPH0374174B2 JP H0374174 B2 JPH0374174 B2 JP H0374174B2 JP 6024784 A JP6024784 A JP 6024784A JP 6024784 A JP6024784 A JP 6024784A JP H0374174 B2 JPH0374174 B2 JP H0374174B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D23/00Producing tubular articles
    • B29D23/001Pipes; Pipe joints

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は、芳香族ポリイミド樹脂管状物の製造
法に関するものである。更に詳しくは本発明は、
芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分とから得られた芳香族ポリイミド前駆体(ポリ
アミツク酸)を用い、これをイミド化して得られ
る実質的に緻密な構造を有する側壁から構成され
る管状物を製造する方法に関するものである。
〔発明の背景および従来技術の問題点〕
芳香族ポリイミドは優れた耐熱性、機械的特性
および化学的特性を有しているため、フイルムお
よび管状物などの各種の成形体としても広く利用
されている。
芳香族ポリイミド管状物の製造方法としては、
従来より、たとえばテープ状のポリイミドフイル
ムをマンドレル等にスパイラル状に巻きつけ、こ
れを接着剤により接着して製造する方法が知られ
ているが、得られる管状物は熱的特性、機械特性
において満足すべきものとはいえない。またこの
方法では、フイルムの製造、スリツト、接着媒体
の塗布などの製造工程を必要とするために製造工
程が複雑となり、また製品の信頼性も充分でない
との欠点がある。
さらに、芳香族イミド環を含む塗料を金属線上
に塗布し、乾燥固化させる工程を繰返した後、金
属線の降状点以上に引き伸ばして分離する方法
(特開昭51−50378号公報)、芳香族イミド環を含
む塗料にビフエニル系化合物などを添加した塗料
組成物を金属線上に塗布して、乾燥固化した後、
金属線を伸長して分離する方法(特開昭57−
152923号公報)などの乾式法も知られている。し
かしながら、これらの方法によつては厚肉の管状
物を得ることが困難である。すなわち、これらの
方法を利用して肉厚の大きい管状物を製造するた
めには金属線上への塗布厚みを厚くする必要があ
るが、塗布層を厚くすると、塗料が流動して塗膜
にムラが発生する。従つて、実際には、例えば
50μmの肉厚の管状物を製造する場合には、塗
布・乾燥・固化の工程を6〜12回程度繰返す必要
があり、工業的な製法としては適当でない。さら
に、いずれの方法も金属線を伸長して分離する操
作を含んでおり、内径の大きい管状物を得るに
は、伸長の工程で大きな力が必要となり、このた
め製造設備が高価になるなどの欠点がある。
一方、湿式の製造法としては、ポリイミドを含
有するドープ液を凝固液中に中空糸状に押し出し
て、次いでこの中空糸状物と凝固液とを接触させ
ることによりドープ液に使用されている溶媒を抽
出除去する方法(特開昭57−167414号公報)が知
られている。しかしこの方法は、径が大きい、い
わゆるパイプ状、チユーブ状のポリイミド成形体
を得るためには、肉厚、形状を均一にすることが
難しく不適当である。またこの方法によつては、
断面が角形等の異形の管状物は製造が困難であ
る。さらに問題なことは、溶媒によりドープ液中
の溶媒を実質的に抽出除去して得られたポリイミ
ド成形体の側壁の内部構造は緻密とはならず、む
しろ多孔質となるため、不透明となり、また抗張
力などの機械的特性が充分でないとの点である。
〔発明の目的〕
本発明は、芳香族ポリイミド樹脂管状物の製造
にあたり、芳香族ポリイミド前駆体であるポリア
ミツク酸を使用して内部構造が緻密でかつ機械的
特性の良好なポリイミド樹脂管状物を製造する方
法を提供することを目的とする。
また、本発明は、径が大きい、いわゆるパイプ
状、チユーブ状で、内部構造が緻密でかつ機械的
特性の良好なポリイミド樹脂管状物を製造する方
法を提供することもその目的とする。
〔発明の要旨〕
本発明は、 (A) 芳香族ポリイミド前駆体の一種または二種以
上が溶解されている芳香族ポリイミド前駆体ド
ープ液を、該芳香族ポリイミド前駆体をイミド
化して得られる芳香族ポリイミドよりも熱膨張
係数の大きい芯材に被覆しながら押出す工程
(被覆工程); (B) 芯材の周囲に被覆されたドープ液被覆層の外
周面に、該ドープ液の溶媒と相溶性のある凝固
液を接触させることにより、該ドープ液被覆層
中の溶媒の5〜70重量%を抽出除去して、少な
くとも外側表面に凝固層が形成されたドープ液
凝固体被覆層を形成する工程(凝固工程); (C) ドープ液凝固体被覆層を耐熱性芯材の存在下
で加熱することにより、該被覆層に含有されて
いる溶媒およびイミド化反応により発生する低
分子化合物を除去しながら、芳香族ポリイミド
前駆体のイミド化反応を行ないポリイミド被覆
層とする工程(乾燥イミド化工程);そして (D) 該ポリイミド被覆層を芯材から分離する工程
(分離工程)、 を含むことを特徴とする芳香族ポリイミド樹脂管
状物の製造法を提供するものである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、芳香族ポリイミド樹脂の本来
の優れた耐熱性を生かしながら、内部構造が緻密
で、抗張力などの機械的特性が優れた芳香族ポリ
イミド樹脂管状物を得ることができる。
また本発明によれば、径が大きい、いわゆるパ
イプ状、チユーブ状の耐熱性および各種の機械的
特性が優れた均一なポリイミド樹脂成形体を得る
ことができ、また所望により断面が角形等の異形
のポリイミド樹脂管状物も製造することが可能と
なる等の利点がある。
〔発明の詳細な記述〕
本発明においてポリイミド樹脂管状物の製造の
ために使用するドープ液は、芳香族テトラカルボ
ン酸成分と芳香族ジアミン成分より得られる芳香
族ポリイミド前駆体(ポリアミツク酸)が適当な
溶媒に溶解されてなるドープ液である。
上記の芳香族テトラカルボン酸成分の例として
は、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸、2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸、3,4,3′,4′−ビフエニルエーテルテトラ
カルボン酸、3,4,3′,4′−ベンゾフエノンテ
トラカルボン酸およびピロメリツト酸を挙げるこ
とができる。また、芳香族テトラカルボン酸の誘
導体を使用することもでき、その例としては、上
に例示した芳香族テトラカルボン酸の二無水物、
有機塩基もしくは金属カチオンとの塩、アルコー
ルとのエステル化物などを挙げることができる。
本発明において使用する芳香族ポリイミド前駆
体(ポリアミツク酸)を得るためには、3,3′,
4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物も
しくは2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボ
ン酸二無水物を用いることが特に好ましい。な
お、芳香族テトラカルボン酸および芳香族テトラ
カルボン酸誘導体は、それぞれ単独でも、あるい
は混合物としても使用することができる。
芳香族ジアミン成分としては、下記の一般式
〔〕、〔〕あるいは〔〕で表わされる化合物を用
いることが好ましい。
これらの式においてR1,R2およびR3は、水素、
低級アルキル基あるいは低級アルコキシ基などの
置換基を表わし、Aは、−O−、−S−、−CO−、
−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−などの
二価の基を表わす。
一般式〔〕で表わされる芳香族ジアミンの例と
しては、 4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルエー
テル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,3′−ジアミノジフエニル
エーテル、3,4′−ジアミノジフエニルエーテル
などのジフエニルエーテル化合物; 4,4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニル
チオエーテル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジ
アミノジフエニルチオエーテル、3,3′−ジアミ
ノジフエニルチオエーテルなどのジフエニルチオ
エーテル化合物; 4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジアミノベンゾフエノンなどの
ベンゾフエノン化合物; 4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−
ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、
3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルメタンなどのジフエニルメタン化合物; 2,2′−ビス(4−アミノフエニル)プロパ
ン、2,2′−ビス(3−アミノフエニル)プロパ
ンなどの2,2′−ビスビフエニルプロパン化合
物; 4,4′−ジアミノジフエニルスルホキシド、
4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−
ジアミノジフエニルスルホキシドなどの含硫黄化
合物; などを挙げることができる。
一般式〔〕で表わされる芳香族ジアミンの例と
しては、3,3′−ジメチルベンチジン、3,3′−
ジメトキシベンチジン(o−ジアニシジン)、3,
3′−ジアミノビフエニルなどを挙げることができ
る。
また、一般式〔〕で表わされる芳香族ジアミン
の例としては、o−フエニレンジアミン、m−フ
エニレンジアミン、p−フエニレンジアミンなど
を挙げることができる。
また芳香族ジアミンとしては、2,6−ジアミ
ノピリジン、3,6−ジアミノピリジン、2,5
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン
などのジアミノピリジンを用いることもできる。
本発明における芳香族ポリイミド前駆体を得る
ため特に好ましい芳香族ジアミンとしては、4,
4′−ジアミノジフエニルエーテル、4,4′−ジア
ミノジフエニルチオエーテル、4,4′−ジアミノ
ジフエニルメタン、3,3′−ジメトキシベンチジ
ン、3,3′−ジメチルベンチジン、p−フエニレ
ンジアミンを挙げることができる。なお、芳香族
ジアミンは、それぞれ単独でも、あるいは混合物
としても使用することができる。
本発明で芳香族ポリイミド前駆体ドープ液を調
製するために用いられる溶媒は、前記芳香族ポリ
イミド前駆体を溶解することのできるジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドンなどの有機極性溶媒を主成分とする溶
媒である。この溶媒は、その全量が上記の有機極
性溶媒であることが望ましいが、これらの有機極
性溶媒と相溶性のある他の溶媒との混合溶媒であ
つてもよい。
ただし、使用する溶媒は、前記有機極性溶媒に
限定されるものではなく、本発明で用いる芳香族
ポリイミド前駆体(ポリアミツク酸)を溶解する
ことができる溶媒であれば、これを単独であるい
は混合して使用することもできる。
前記芳香族ポリイミド前駆体(ポリアミツク
酸)は、公知技術におけるポリアミツク酸製造法
に従つて、芳香族テトラカルボン酸(もしくはそ
の誘導体)と芳香族ジアミンとを比較的低温(た
とえば、30℃)で反応させることにより得ること
ができる。このようにして得られたポリアミツク
酸は、粉末として分離したのち、これを再度ドー
プ液溶媒に溶解させて使用してもよく、あるいは
前記有機極性溶媒を芳香族ポリイミド前駆体製造
のための反応溶媒として使用し、この反応液をそ
のまま、本発明で使用する芳香族ポリイミド前駆
体ドープ液とすることもできる。
本発明で使用する芳香族ポリイミド前駆体ドー
プ液は、必要によりその粘度を調整して使用する
ことができる。
芳香族ポリイミド前駆体ドープ液のポリイミド
前駆体濃度は、一般に5〜40重量%、好ましくは
10〜25重量%から選ばれる。また、ドープ液の粘
度は、0〜130℃の温度(管状物の製造に利用さ
れる温度)において。10〜10万ボイズ、好ましく
は2000〜5万ポイズを示すようにされる。
本発明においてドープ液被覆層形成のために使
用する芯材は、用いた芳香族ポリイミド前駆体を
イミド化して得られる芳香族ポリイミドよりも熱
膨張係数の大きい材料からなるものである。すな
わち、芯材外周面に形成されるポリイミド被覆層
を部分凝固させ、これを室温に戻したのち、この
被覆層から芯材を容易に分離できるようにする必
要があるため、芯材の熱膨張係数は、得られる芳
香族ポリイミドの熱膨張係数(2×10-5/℃〜5
×10-5/℃)よりも大きい値を示す必要がある。
また、この芯材は使用する溶媒、特に前記有機極
性溶媒などによつて容易に侵されるものであつて
はならず、また乾燥イミド化工程において一般的
に利用される加熱温度においてもその形状を保持
できる程度に高い融点(たとえば100℃以上、特
に300℃以上)を持つことが望ましいことは当然
である。
芯材の材料の例としては、四フツ化エチレン樹
脂、三フツ化エチレン樹脂、シリコン樹脂、低密
度架橋ポリエチレン樹脂、高密度架橋ポリエチレ
ン樹脂などを挙げることができる。特に好ましく
は、四フツ化エチレン樹脂、シリコン樹脂であ
る。これらの樹脂は、中空のパイプなどの形態で
利用することができ、また中空でないロツドなど
の形態で利用することもできる。
さらに上記の芯材の材料は、硬質材料、たとえ
ば、鉄、銅、アルミニウム、各種の合金などから
なるパイプ、ロツド、線に被覆した形態でも使用
することができる。芯材の断面については特に限
定はなく、たとえば、円形、楕円形、三角形、四
角形、六角形など各種の断面形状をとることがで
きる。また、芯材全体もしくはその表面を多孔質
とすることにより、ドープ液被覆層中に含まれる
溶媒を、この被覆層の外周面からだけではなく、
芯材に接触する面(内周面)からも抽出除去する
こともできる。
また加熱処理用の芯材として比較的低い融点を
もつ物質を使用する場合には、乾燥イミド化工程
の加熱を段階的に昇温して行ない、比較的低温で
の乾燥工程(溶媒除去工程)に使用する低融点物
質からなる芯材と高温でのイミド化反応のための
工程に使用する高融点物質からなる芯材とを、適
当な段階で取り換えるようなこともできる。
本発明において芳香族ポリイミド前駆体ドープ
液は公知の押出し用装置などにより、熱膨張係数
の大きい芯材に被覆しながら押出される。押出し
用装置については、ポリイミド前駆体ドープ液を
芯材に被覆させながら、芯材と同時に押出すこと
のできるものであれば特に制限はない。
たとえば、クロスヘツドダイの先端部を有する
押出し用装置を利用することができる。なお、ド
ープ液押出し管の断面形状については特に限定は
なく、たとえば、円形、楕円形、三角形、四角
形、六角形など各種の断面形状をとることができ
る。また、芯材の押出し操作は、芯材を引取る操
作と置き換えてよいことも当然である。
得られたドープ液被覆層は次いで凝固工程にか
けられ、少なくともその表面に凝固層を有する被
覆層(ドープ液凝固体被覆層)とされる。この凝
固工程は押出された芯材に形成されたドープ液被
覆層を凝固液と接触させることによりなされる。
このドープ液被覆層と凝固液との接触を実現する
ためには、ドープ液被覆層表面に凝固液を流下も
しくはシヤワー状に吹き掛ける方法、あるいはド
ープ液で被覆された芯材を凝固液浴に導入する方
法などが利用される。
凝固液としては、芳香族ポリイミド前駆体ドー
プ液の調製に用いた溶媒と相溶性のある液体であ
つて、該芳香族ポリイミド前駆体を実質的に溶解
することのない液体が使用される。そのような凝
固液の例としては、低級アルコール類(例、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケト
ン)、エーテル類、アミド類、低級カルボン酸類、
スルホキシド類およびこれらの各化合物と水との
混合溶媒および水を挙げることができる。
芯材に被覆された芳香族ポリイミド前駆体ドー
プ液は、その外周面において凝固液と接触するこ
とによつて、ドープ液被覆層中の溶媒が凝固液中
に速やかに移行し、その結果、ドープ液被覆層中
の溶媒は順次抽出除去される。そして、この溶媒
の抽出除去により被覆層の外周面は白濁して不透
明となり、ドープ液被覆層が自己支持性を有する
程度に凝固する。この白濁はドープ液被覆層中の
溶媒の一部が凝固液により表面から抽出除去され
た結果、表面部分の芳香族ポリイミド前駆体(ポ
リアミツク酸)の量が溶媒の飽和溶解量以上にな
り、ポリイミド先駆体が凝集してボイド(非緻密
構造)が形成されるためと考えられる。
本発明の製造法において、ドープ液被覆層に凝
固液を接触させることにより、ドープ液被覆層中
の溶媒(原液である芳香族ポリイミド前駆体ドー
プ液に含まれる溶媒)の5〜70重量%(好ましく
は、10〜60重量%)を抽出除去する必要がある。
溶媒が過剰に残存している場合には、充分な自己
支持性を持たないため、次の乾燥イミド化工程で
の必要な作業性と強度を有するドープ液凝固体被
覆層とすることが困難である。また、溶媒の残存
量が少な過ぎる状態はボイド(非緻密構造)が多
量に存在していることを意味し、乾燥イミド化工
程においてそれらのボイドを破壊して緻密構造を
有するポリイミド被覆層とすることが困難とな
る。上記のようにして適度な量の溶媒が残存する
ように調製されたドープ液凝固体被覆層は初期に
おいては表面に白濁不透明層を有するが、時間の
経過とともに、その白濁不透明層が残存する溶媒
が白濁不透明層に拡散し再溶解するため、全体と
してほぼ透明な凝固体となる。
ドープ液凝固体被覆層は、白濁不透明層を有す
る状態で、あるいは全体としてほぼ透明となつた
状態で、次に加熱を利用する乾燥イミド化工程に
かけられるが、前者の白濁不透明層を有する状態
で乾燥イミド化工程にかけることが好ましい。
なお上記の工程で使用した芯材をこの時点で他
の芯材に変えてもよく、特に上記の工程で使用し
た芯材が耐熱性に乏しいものであつた場合には、
この芯材の交換が必要となる。
この乾燥イミド化工程における加熱は、主とし
てドープ液凝固体被覆層中に残存する溶媒をこの
被覆層中に分散させ、さらにこの溶媒およびその
他の溶媒(たとえば、凝固液)を除去するための
加熱、そして主として被覆された芳香族ポリイミ
ド前駆体をイミド化の際に発生する水を除去しな
がら脱水縮合(イミド化)してドープ液凝固体被
覆層を緻密な構造を有する側壁から構成される管
状物に変換するための加熱の目的で行なわれるも
のである。
この乾燥イミド化工程の実施にあたつては、ま
ずドープ液凝固体被覆層を比較的低温(例、40〜
100℃、好ましくは60〜80℃)で短時間(例、10
分〜1時間)加温することにより、ドープ液凝固
体被覆層中の溶媒を均一に分散させて溶媒等の一
部を除去したのち、更に高温(例、100〜310℃、
好ましくは120〜300℃)に加熱しイミド化するこ
とが望ましい。そして高温の加熱は、芳香族ポリ
イミド前駆体のイミド化に伴なう反応生成水など
の低分子物質の除去を円滑に行なうために段階的
に昇温して行なうことが好ましい。この段階的な
加熱は、たとえば、その中心温度を150℃、200
℃、270℃、300℃のような温度に設定しそれぞれ
の温度を10分〜1時間維持して行なう。このよう
な加熱は、たとえば、熱風乾燥器、加熱真空乾燥
器などを利用して行なうことができる。
芯材は、ドープ液凝固体被覆層の乾燥イミド化
工程終了後、通常はこれを常温に戻したのち、ポ
リイミド被覆層から分離される。分離の際、形成
された芳香族ポリイミド樹脂管状物、すなわちポ
リイミド被覆層と芯材との熱膨張率が前記のよう
に相違するため、芯材は管状物から容易に抜き取
ることができる。このようにして分離された芯材
は繰返し使用することができる。
次に本発明の実施例および比較例を示す。
実施例 1 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物200ミリモルと4,4′−ジアミノジフエ
ニルエーテル202ミリモルとをN−メチルピロリ
ドン400g、エチルアルコール0.79gと共に、撹拌
機を備えたセパラブルフラスコに入れて30℃の温
度で20時間重合反応を行ない芳香族ポリイミド前
駆体ドープ液を得た。
この芳香族ポリイミド前駆体ドープ液の回転粘
度は107200ポアズであつた。
つぎに、クロスヘツドダイの先端部を有する押
出し装置(ドープ液押出しノズルの内径:26.8
mm)を用い、長さ360mmの芯材(外径22.1mmのス
テンレス鋼線を、外径25.0mm、内径22.0mmの四フ
ツ化エチレン樹脂製パイプで被覆したもの)を得
られた芳香族ポリイミド前駆体ドープ液とともに
10mm/分の速度で押出し、芯材の外周面にドープ
液被覆層を形成させた。
上記操作により得られたドープ液が被覆された
芯材をメタノール(凝固液)浴に8分間浸漬し
た。所定時間経過後、ドープ液が被覆された芯材
をメタノール浴から引上げたところ、被覆層の表
面には凝固層が形成されており、またメタノール
浴中で抽出除去されたN−メチルピロリドンの量
はドープ液(原液)のN−メチルピロリドン量の
33.7重量%であつた。
上記のドープ液凝固体被覆層を芯材と共にまず
熱風乾燥機中にて80℃の温度で1時間保持したの
ち、さらに150℃、200℃、270℃および300℃の温
度でそれぞれ30分間保持することにより芳香族ポ
リイミド前駆体のイミド化反応を行なつた。
この乾燥イミド化工程終了後、ポリイミド被覆
層を有する芯材を水中に投入して冷却し、次いで
芯材とポリイミド被覆層を分離して、内径25.5
mm、肉厚130μm、長さ379mmのポリイミドパイプ
(芳香族ポリイミド樹脂管状物)を得た。得られ
たポリイミドパイプは褐色透明であり、通常のイ
ンストロン型引張試験機を用いて試験を行なつた
ところ、その引張強さは18.6Kg/mm2であつた。
実施例 2 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物223.1ミリモルと3,3′,4,4′−ビフエ
ニルテトラカルボン酸0.6ミリモルとp−フエニ
レンジアミン223.7ミリモルとをジメチルアセト
アミド410gと共に、撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに入れて30℃の温度で15時間重合反応を
行ない芳香族ポリイミド前駆体ドープ液を得た。
この芳香族ポリイミド前駆体ドープ液の回転粘
度は8800ポアズであつた。
この芳香族ポリイミド前駆体ドープ液を用いて
実施例1と同様にしてドープ液被覆層を形成し
た。このドープ液が被覆された芯材をメタノール
(凝固液)浴に10分間浸漬した。所定時間経過後、
ドープ液が被覆された芯材をメタノール浴から引
上げたところ被覆層の表面には凝固層が形成され
ており、またメタノール浴中で抽出除去されたジ
メチルアセトン量は、ドープ液(原液)のジメチ
ルアセトン量の41.5重量%であつた。
実施例1と同様にして乾燥イミド化工程終了
後、芯材とポリイミド被覆層を分離して、内径
25.5mm、肉厚127μm、長さ358mmのポリイミドパ
イプを得た。
得られたポリイミドパイプは褐色透明で、通常
のインストロン型引張試験機を用いて試験を行な
つたところ、その引張強さは32.7Kg/mm2であつ
た。
実施例 3 凝固液をアセトンとし、凝固液浴中の保持時間
を8分とした以外は実施例1と同様な操作により
ポリイミドパイプを得た。
アセトン浴中で抽出除去されたN−メチルピロ
リドン量は、ドープ液(原液)のN−メチルピロ
リドン量の20.0重量%であつた。
実施例 4 凝固液を水とし、凝固液浴中の保持時間を10分
とした以外は実施例1と同様な操作によりポリイ
ミドパイプを得た。
水浴中で抽出除去されたN−メチルピロリドン
量は、ドープ液(原液)のN−メチルピロリドン
量の22.4重量%であつた。
実施例 5 凝固液をn−プロピルアルコールとし、凝固液
浴中の保持時間を20分とした以外は実施例1と同
様な操作によりポリイミドパイプを得た。
n−プロピルアルコール浴中で抽出除去された
N−メチルピロリドン量は、ドープ液(原液)の
N−メチルピロリドン量の30.7重量%であつた。
比較例 1 実施例2において、凝固液浴での保持時間を30
分とした以外は同様な操作によりポリイミドパイ
プを得た。
メタノール浴中で抽出除去されたN−メチルピ
ロリドン量は、ドープ液(原液)のN−メチルピ
ロリドン量の81.0重量%であつた。
得られたポリイミドパイプは白黄色不透明で、
その断面を観察したところ緻密構造を有してはい
なかつた。
また、インストロン型引張試験機による引張強
さは、6.4Kg/mm2であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 芳香族ポリイミド前駆体の一種または二種以
    上が溶解されている芳香族ポリイミド前駆体ドー
    プ液を、該芳香族ポリイミド前駆体をイミド化し
    て得られる芳香族ポリイミドよりも熱膨張係数の
    大きい芯材に被覆しながら押出す工程; 芯材の周囲に被覆されたドープ液被覆層の外周
    面に、該ドープ液の溶媒と相溶性のある凝固液を
    接触させることにより、該ドープ液被覆層中の溶
    媒の5〜70重量%を抽出除去して、少なくとも外
    側表面に凝固層が形成されたドープ液凝固体被覆
    層を形成する工程; ドープ液凝固体被覆層を耐熱性芯材の存在下で
    加熱することにより、該被覆層に含有されている
    溶媒およびイミド化反応により発生する低分子化
    合物を除去しながら、芳香族ポリイミド前駆体の
    イミド化反応を行ないポリイミド被覆層とする工
    程;そして、 該ポリイミド被覆層を芯材から分離する工程、
    を含むことを特徴とする芳香族ポリイミド樹脂管
    状物の製造法。 2 芳香族ポリイミド前駆体ドープ液の溶媒が、
    ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドお
    よびN−メチルピロリドンよりなる群から選ばれ
    た少なくとも一種の溶媒であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリイミド樹
    脂管状物の製造法。
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