JPS6256180B2 - - Google Patents

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JPS6256180B2
JPS6256180B2 JP3783483A JP3783483A JPS6256180B2 JP S6256180 B2 JPS6256180 B2 JP S6256180B2 JP 3783483 A JP3783483 A JP 3783483A JP 3783483 A JP3783483 A JP 3783483A JP S6256180 B2 JPS6256180 B2 JP S6256180B2
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JP
Japan
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tubular
dope
polyimide
liquid
coagulate
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Application number
JP3783483A
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English (en)
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JPS59161432A (ja
Inventor
Kanzo Tabata
Hideyuki Iitani
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP3783483A priority Critical patent/JPS59161432A/ja
Publication of JPS59161432A publication Critical patent/JPS59161432A/ja
Publication of JPS6256180B2 publication Critical patent/JPS6256180B2/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、芳香族ポリイミド管状物の製造法に
関するものである。更に詳しくは本発明は、3,
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸、2,
3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸などの
ビフエニルテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミ
ン成分とから得られた芳香族ポリイミドからな
り、実質的に緻密な構造を有する側壁から構成さ
れる管状物を製造する方法に関するものである。
芳香族ポリイミドは優れた耐熱特性、機械的特
性および化学的特性を有しているため、フイルム
および管状物などの各種の成形体としても利用さ
れている。
芳香族ポリイミド管状物の製造方法としては、
従来より、たとえばポリイミドフイルムをテープ
状に切断してマンドレル等にスパイラル状に巻き
つけ、これを接着剤により接着して製造する方法
が知られているが、得られる管状物は熱特性、機
械特性において満足すべきものとはいえない。ま
た、この方法では、フイルムの製造、スリツト、
接着媒体の塗布などの製造工程を必要とするため
に製造工程が煩雑となり、また製品の信頼性も低
下しやすいという欠点もある。
さらに、芳香族イミド環を含む塗料を金属線上
に塗布し、乾燥固化させる工程を繰返した後、金
属線の降状点以上に引き伸ばして分離する方法
(特開昭51−50378号公報)、芳香族イミド環を含
む塗料にビフエニル系化合物などを混入して金属
線上に塗布して、乾燥固化終了後、金属線を伸長
して分離する方法(特開昭57−152923号公報)な
どの乾式法も知られている。
しかし、これらの方法によつては厚肉の管状物
を得るには困難である。すなわち、これらの方法
を利用して肉厚の大きい管状物を製造するために
金属線上への塗布厚みを厚くすると、塗料が流動
して厚みムラを発生するため、実際には50μmの
肉厚の管状物を得るためには6〜12回の塗布、乾
燥、固化の繰返しが必要となり、工業的な製法と
しては適当でない。さらに、いずれも金属線を伸
長して分離する操作を利用するために、内径の大
きい管状物を得るには、伸長の工程で大きな力が
必要となり、このため製造設備が高価になるなど
の欠点がある。
一方、湿式の製造法としては、ポリイミドを含
有するドープ液を凝固液中に中空糸状の形態にて
押し出して、この極性溶媒からなる凝固液中でド
ープ液に使用されている溶媒を抽出除去する方法
(特開昭57−167414号公報)が知られている。し
かしこの方法では、径が大きい、いわゆるパイプ
状、チユーブ状のポリイミド成形体を得るために
は、肉厚、形状を均一にすることが難しく不適当
である。また断面が角形等の異形の管状物は製造
が困難である。さらに問題なことは、溶媒により
ドープ液中の溶媒を実質的に抽出除去して得られ
たポリイミド成形体の側壁の内部構造は緻密とは
ならず、むしろ多孔質となるため、不透明とな
り、また抗張力などの機械的特性が充分でないと
の点である。
従つて、本発明は上記のような従来技術の欠点
を改良した芳香族ポリイミド管状物の製造方法を
提供するものである。
本発明は、一般式[]: (ただし、Rは芳香族ジアミンのアミノ基を除
いた二価の残基である)で表わされる繰返し単位
を90%以上有する芳香族ポリイミドの一種または
二種以上がフエノール系化合物を主成分とする溶
媒に溶解されてなるポリイミドドープ液を管状に
押出す工程; 管状に押出されたドープ液の内外周面に、フエ
ノール系化合物と相溶性のある凝固液を接触させ
ることにより、管状ドープ液中のフエノール系化
合物の10〜70重量%を抽出除去して、主として内
外表面に凝固層が形成された管状ドープ液凝固体
を形成する工程;そして、 このドープ液凝固体を乾燥固化する工程、 を含むことを特徴とする芳香族ポリイミド管状
物の製造法からなるものである。
本発明によれば、芳香族ポリイミドの本来の優
れた耐熱性を生かしながら、側壁の内部構造が緻
密で、抗張力などの機械的特性が優れた芳香族ポ
リイミド管状物を得ることができる。
また本発明によれば、径が大きい、いわゆるパ
イプ状、チユーブ状の均一なポリイミド成形体を
得ることができ、また断面が角形等の異形のポリ
イミド管状物も製造することが可能となるとの利
点がある。
次に本発明について詳しく説明する。
本発明において使用される芳香族ポリイミドは
下記一般式[]により表わされる繰返し単位を
90%以上(好ましくは95%以上)ポリマー主鎖に
含む芳香族ポリイミドである。
上記一般式[]において、Rは芳香族ジアミ
ンのアミノ基を除いた二価の残基である。
上記一般式[]のポリイミドはビフエニルテ
トラカルボン酸もしくはその誘導体と芳香族ジア
ミンとの反応により得ることができる。
ここでビフエニルテトラカルボン酸の例として
は、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸、2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸、および2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカ
ルボン酸を挙げることができる。また、ビフエニ
ルテトラカルボン酸の誘導体の例としては、酸二
無水物、有機塩基もしくは金属カチオンとの塩、
アルコールとのエステル化物などを挙げることが
できる。本発明の一般式[]の芳香族ポリイミ
ドを得るためには、3,3′,4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物もしくは2,3,3′,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物を用い
ることが特に好ましい。なお、ビフエニルテトラ
カルボン酸および誘導体は、それぞれ単独でも、
あるいは混合物としても使用することができる。
芳香族ジアミンとしては、下記の一般式[]
あるいは一般式[]で表わされる化合物を用い
ることが好ましい。
これらの式においてR1およびR2は、水素、低
級アルキル、低級アルコキシなどの置換基を表わ
し、Aは、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−
SO2−、−CH2−、−C(CH32−などの二価の基
を表わす。
一般式[]で表わされる芳香族ジアミンの例
としては、 4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルエー
テル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル、3,3′−ジアミノジフエニル
エーテル、3,4′−ジアミノジフエニルエーテル
などのジフエニルエーテル化合物; 4,4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニル
チオエーテル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジ
アミノジフエニルチオエーテル、3,3′−ジアミ
ノジフエニルチオエーテルなどのジフエニルチオ
エーテル化合物; 4,4′−ジアミノベンゾフエノン、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジアミノベンゾフエノンなどの
ベンゾフエノン化合物; 4,4′−ジアミノジフエニルメタン、3,3′−
ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルメタン、
3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフエニ
ルメタンなどのジフエニルメタン化合物; 2,2−ビス(4−アミノフエニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノフエニル)プロパ
ンなどの2,2−ビスビフエニルプロパン化合
物; 4,4′−ジアミノジフエニルスルホキシド、
4,4′−ジアミノジフエニルスルホン、3,3′−
ジアミノジフエニルスルホキシドなどの含硫黄化
合物; を挙げることができる。
一般式[]で表わされる芳香族ジアミノの例
としては、3,3′−ジメチルベンチジン、3,
3′−ジメトキシベンチジン(o−ジアニシジ
ン)、3,3′−ジアミノビフエニルなどを挙げる
ことができる。
また芳香族ジアミンとしては、2,6−ジアミ
ノピリジン、3,6−ジアミノピリジン、2,5
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン
などのジアミノピリジンを用いることもできる。
本発明における一般式[]の芳香族ポリイミ
ドを得るため特に好ましい芳香族ジアミンとして
は、4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、4,
4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、4,4′−
ジアミノジフエニルメタン、3,3′−ジメトキシ
ベンチジン、3,3′−ジメチルベンチジンを挙げ
ることができる。なお、芳香族ジアミンは、それ
ぞれ単独でも、あるいは混合物としても使用する
ことができる。
本発明でポリイミドドープ液を調製するために
用いられる溶媒は、前記一般式[]で表わされ
る芳香族ポリイミドを溶解することのできるフエ
ノール系化合物を主成分とする溶媒である。この
溶媒は、その全量がフエノール系化合物であるこ
とが望ましいが、フエノール系化合物と相溶性の
ある他の溶媒(たとえば、二硫化炭素、ジクロル
メタン、トリクロルメタン、ニトロベンゼン、o
−ジクロルベンゼン)とフエノール系化合物との
混合溶媒であつてもよい。ただし、この混合溶媒
を用いる場合には、そのなかにフエノール系化合
物が少なくとも50重量%含まれていることが必要
であり、また特に70重量%以上含まれていること
が好ましい。
フエノール系化合物としては、融点が約100℃
以下、特に好ましくは80℃以下で、その沸点が常
圧で約300℃以下、特に好ましくは280℃以下であ
るものが好ましい。このような好ましいフエノー
ル系化合物の例としては、フエノール、o−クレ
ゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,
5−キシレノール、カルバクロール、チモールな
どの一価のフエノール、あるいはその一価フエノ
ールのベンゼン核の水素をハロゲンで置換したハ
ロゲン化フエノールを挙げることができる。ハロ
ゲン化フエノールの好ましい例としては、3−ク
ロルフエノール、4−クロルフエノール、3−ブ
ロムフエノール、4−ブロムフエノール、2−ク
ロル−4−ヒドロキシトルエン、2−クロル−5
−ヒドロキシトルエン、3−クロル−5−ヒドロ
キシトルエン、4−クロル−2−ヒドロキシトル
エン、2−ブロム−4−ヒドロキシトルエン、2
−ブロム−5−ヒドロキシトルエン、3−ブロム
−5−ヒドロキシトルエン、3−ブロム−6−ヒ
ドロキシトルエン、4−ブロム−2−ヒドロキシ
トルエンなどを挙げることができる。また、上記
以外のハロゲン化フエノールであつても、融点が
約100℃以下、沸点約300℃以下(常圧)のフエノ
ール化合物は好ましく使用することができる。
前記一般式[]の芳香族ポリイミドを製造す
るためには、まずビフエニルテトラカルボン酸
(もしくはその誘導体)と芳香族ジアミンとを反
応させてポリアミツク酸(粉末、ドープ)を得
て、次に、このポリアミツク酸をイミド化する方
法が利用される。このようして得られたポリイミ
ドを次にフエノール系溶媒に溶解してポリイミド
ドープ液を調製する。あるいは、ビフエニルテト
ラカルボン酸(もしくはその誘導体)と芳香族ジ
アミンとを上記のようなフエノール系溶媒中で一
段重合・イミド化反応させることによりポリイミ
ドドープ液を得ることもできる。この場合には必
要により、フエノール系溶媒の追加あるいは一部
除去などの操作を行ない、ドープ液の濃度の調製
を行なう。
ドープ液のポリイミド濃度は、一般に5〜30重
量%、好ましくは10〜25重量%から選ばれる。ま
た、ドープ液の粘度は0〜150℃の温度(管状物
の製造に利用される温度)において10〜100000ポ
イズ、好ましくは100〜50000ポイズを示すように
される。
本発明においてポリイミドドープ液は押出し用
装置などにより管状に押出される。押出し用装置
はポリイミドドープ液を管状に押出すことがで
き、かつ、その管状を形成しているポリイミドド
ープ液の内周側に芯液として凝固液を供給し、接
触させることのできるものであれば特別の制限は
ない。
たとえば、第1図に示すような先端部を有する
チユーブ・イン・オリフイス型押出し用装置を利
用することができる。
第1図において、押出し用装置の先端部はドー
プ液押出しオリフイス11および凝固液(芯液)
注入管12からなる構成を有する。この第1図の
装置を用いる場合には、ポリイミドドープ液13
はドープ液押出しオリフイス11より、そして内
周面凝固用の凝固液(芯液)14は凝固液注入管
12より、それぞれ凝固浴15中に押出される。
なお凝固浴15にはガイドロール、ニツプロール
などを適宜備えさせる。押出し装置の先端部の断
面の形状については特に限定はなく、たとえば、
円形、楕円形、三角形、四角形、六角形など各種
の断面形状をとることができる。
上記の工程により、管状に押出されたポリイミ
ドドープ液は速やかにその内周側および外周側に
おいて凝固液と接触させられる。
凝固液としては、ドープ液の溶媒として用いた
フエノール系化合物と相溶性のある液体が使用さ
れる。そのような凝固液の例としては、低級アル
コール類(例、メタノール、エタノール、プロノ
ール、イソプロパノール)、ケトン類(例、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メ
チルプロピルケトン)、エーテル類、アミド類、
低級カルボン酸、スルホキシド類、およびこれら
の各化合物と水との混合溶媒を挙げることができ
る。
管状に押出されたポリイミドドープ液が、その
内周面および外周面において凝固液と接触するこ
とによつて、ドープ液中のフエノール系化合物
(溶媒)は凝固液中に速やかに移行し、その結
果、管状ドープ液中のフエノール系化合物は順次
抽出除去される。そして、フエノール系化合物の
抽出除去が進行するに従つて、管状ドープ液の内
外周面は凝固を始め、柔軟性のある管状ドープ液
凝固体(チユーブ)が得られる。この凝固した内
外周面は白濁して不透明となる。これはドープ液
中の溶媒(フエノール系化合物)の一部が凝固液
により表面から抽出除去された結果、特に表面層
のポリイミドが凝固するためと考えられる。この
ドープ液表面のポリイミド凝固層には抽出溶媒の
通路となるためボイド(非緻密構造)が形成され
る。
本発明の製造法において、自己支持性を有する
管状ドープ液凝固体を得るためには、ドープ液に
含まれていたフエノール系化合物の10重量%以上
(好ましくは20重量%以上)を抽出除去する必要
があり、またドープ液凝固体には、溶媒として使
用したフエノール系化合物が最初の使用量の30重
量%よりも多く(好ましくは40重量%よりも多
く)残存している必要がある。すなわち管状に形
成されたドープ液に凝固液を接触させることによ
り、管状ドープ液中のフエノール系化合物の10〜
70重量%(好ましくは20〜60重量%)を抽出除去
する必要がある。溶媒のフエノール系化合物が過
剰に残存している場合には、次の乾燥工程を行な
うために必要とされる強度を有する管状ドープ液
凝固体を得ることが困難になる。また、フエノー
ル系化合物の残存量が少な過ぎる場合には、ドー
プ液凝固体の凝固が既に過度に進行しているた
め、その凝固体を次の乾燥工程にかけても目的と
する緻密で、強度の高いポリイミド管状物が得ら
れにくい。
上記のようにして適度な量のフエノール系化合
物が残存するように調製されたドープ液凝固体は
初期においては表面に白濁不透明層を有するが、
時間の経過とともに、その白濁不透明層が残存す
るフエノール系化合物に再溶解するため、全体と
してほぼ透明な凝固体となる。
ドープ液凝固体は、白濁不透明層を有する状態
で、あるいは全体としてほぼ透明となつた状態
で、次に乾燥固化する工程にかけられるが、前者
の白濁不透明層を有する状態で乾燥固化する工程
を行なうことが好ましい。
この凝固体の乾燥固化工程は、凝固体中に残存
するフエノール系化合物およびその他の溶媒(た
とえば、凝固液)を除去し、凝固体を緻密な構造
を有する側壁から構成される管状物に変換する工
程である。フエノール系化合物等の除去は通常、
凝固体を常圧下もしくは減圧下に置いて加熱する
方法により実施される。たとえば、凝固体を真空
下において、40〜310℃に加熱する方法などが好
ましく利用される。ただし、このような加熱を行
なうに際しては、まず凝固体を比較的低温(例、
40〜100℃)で短時間(例、10分〜1時間)加温
することにより凝固体中のフエノール系化合物を
均一に分散させたのち、次に更に高温(例、40〜
310℃)に加熱乾燥することが望ましい。上記の
ような加温および加熱は、たとえば、熱風乾燥
器、加熱真空乾燥器などを利用して行なうことが
できる。
なお、この管状ドープ液凝固体の乾燥固化工程
は、使用した芳香族ポリイミドよりも熱膨張係数
の大きい芯材(常温時におけるその外径が、凝固
体の孔部の径よりも小さいもの)を凝固体の孔部
に挿入した状態で行なうことが好ましい。すなわ
ち、この方法を利用することにより、管状ドープ
液凝固体が比較的強度の少ない凝固体の状態(す
なわち、フエノール系化合物を比較的多量含有す
る状態)であつても、そのまま乾燥固化工程にか
けることが可能となる。そのような状態の凝固体
から乾燥固化して製造した管状物は、フエノール
系化合物の含有量の少ない凝固体から製造した管
状物に比較して特に高い強度と特に緻密な構造を
有することになる。
また、凝固体の孔部に挿入された芯材は、凝固
体の孔部の径を一定に維持する役目も果し、これ
により所望の内径を有する管状物の製造が容易に
実現する。なお芯材は、フエノール系化合物を所
定量抽出除去した凝固体に不透明白濁層が残存し
ている状態で挿入するのが好ましい。
上記の方法に用いられる芯材は、使用した芳香
族ポリイミドよりも熱膨張係数の大きいことが望
ましい。すなわち、芯材を凝固体の孔部に挿入す
るためには、常温もしくはその付近の温度では、
芯材の外径が凝固体の孔部の径(凝固体の内径)
よりも小さいことが必要である。また、乾燥固化
工程を終了した後、常温に戻した時に、生成した
管状物から分離除去できるようにする必要がある
ことも考慮すると、芯材の熱膨張係数は、使用し
た芳香族ポリイミドの熱膨張係数(2×10-5/℃
〜5×10-5/℃)よりも大きいことが望ましい。
この芯材はフエノール系化合物などによつて容易
に侵されるものであつてはならず、また凝固体の
乾燥工程において一般的に利用される加熱温度に
おいてもその形状を保持できる程度に高い融点
(たとえば100℃以上、特に200℃以上)を持つこ
とが望ましいことは当然である。
芯材の材料の例としては、四フツ化エチレン樹
脂、三フツ化エチレン樹脂、低密度架橋ポリエチ
レン樹脂、高密度架橋ポリエチレン樹脂などを挙
げることができる。これらの樹脂は、中空のパイ
プなどの形態で利用することができ、また中空で
ないロツドなどの形態で利用することもできる。
上記のような材料は、他の高い材料、たとえば、
鉄、銅、アルミニウム、各種の合金などからなる
パイプ、ロツド、線に被覆した形態でも使用する
ことができる。
芯材は直線である必要はなく、たとえば、S字
状、一部分が開放されたリング状などの曲線であ
つてもよい。また芯材の断面についても特に限定
はなく、たとえば、円形、楕円形、三角形、四角
形、六角形など各種の断面形状をとることができ
る。
芯材は、凝固体の乾燥固化終了後、通常はこれ
を常温に戻したのち、分離除去される。乾燥固化
した凝固体、すなわち芳香族ポリイミド管状物と
芯材との熱膨張率が前記のように相違するため、
芯材は管状物から容易に抜き取ることができる。
このようにして分離された芯材は繰返し使用する
ことができる。
次の本発明の実施例および比較例を示す。
[実施例 1] 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物121ミリモルと4,4′−ジアミノジフエ
ニルエーテル121ミリモルとを4−クロルフエノ
ール440gと共に、撹拌機を備えたセパラブルフ
ラスコに入れて160℃の温度で2時間加熱して一
段の重合反応を行ない、ポリイミド溶液を得た。
このポリイミド溶液の回転粘度は19600ポアズで
あつた。
このポリイミド溶液をドープ液として、これを
第1図に示したようなチユーブ・イン・オリフイ
ス型押出し装置を用い、外径13mm、内径12.5mmの
リング状スリツト(オリフイス)の中央の注入管
からアセトンを注入しながら、スリツトからドー
プ液を管状に6.6ml/分の速度で押出した。次
に、15mm下方に設けられたアセトン凝固浴に管状
体を導入し、この管状体の内外周面をアセトンに
30秒間接触させて内径9mm、肉厚300μm(内外
周面に不透明な凝固部分を有する)の柔軟性を有
する管状凝固体を得た。この管状凝固体の4−ク
ロルフエノール含有量はドープ液の同含有量の55
重量%であり、従つて、4−クロルフエノール抽
出除去量は45重量%であつた。
上記の管状凝固体を280mmの長さに切断しこの
孔部に、芯材(外径5mmのステンレス鋼線を、外
径7mm、内径5mmの四フツ化エチレン樹脂製パイ
プで被覆したもの)を挿入し、真空乾燥器中にて
80℃で1時間予備加熱したのち、160℃で2時間
加熱して管状凝固体の乾燥固化を行ない乾燥物を
得た。乾燥終了後、乾燥物を水中に投入して冷却
し、次いで芯材を分離除去して、内径7.2mm、肉
厚70μm、長さ278mmのポリイミドパイプを得
た。
得られたポリイミドパイプは褐色透明で、通常
のインストロン型引張試験機を用いて試験を行な
つたところ、その引張強さは18Kg/mm2であつた。
[実施例 2] 実施例1と同じドープ液を用い、同様にして内
径7mm、肉厚400μm(内外周面に不透明な凝固
部分を有する)の柔軟性を有する管状凝固体を得
た。この管状凝固体の4−クロルフエノール含有
量はドープ液の同含有量の62重量%であり、従つ
て、4−クロルフエノール抽出除去量は38重量%
であつた。
上記の管状凝固体を280mmの長さに切断しその
孔部に、芯材(外径3mmのステンレス鋼線を、外
径5mm、内径3mmの四フツ化エチレン樹脂製パイ
プで被覆したもの)を挿入した後、実施例1と同
様に乾燥固化、冷却および芯材の分離除去を行な
い、内径5.2mm、肉厚110μm、長さ279mmのポリ
イミドパイプを得た。
得られたポリイミドパイプは褐色透明で、その
引張強さは19Kg/mm2であつた。
[実施例 3] 凝固液としてメタノールを用い、管状体と凝固
液との接触時間を60秒間とした以外は、実施例1
の処理を行なつたところ、4−クロルフエノール
含有量がドープ液の同含有量の52重量%となつた
管状凝固体が得られた。従つて、4−クロルフエ
ノール抽出除去量は48重量%であつた。
上記の管状凝固体について実施例1と同様に処
理してポリイミドパイプを得た。このポリイミド
パイプの物性は実施例1で得られたものと同じで
あつた。
[実施例 4] 凝固液として、アセトンと水の混合物(50:
50、容量比)を用い、管状体と凝固液との接触時
間を2分間とした以外は、実施例1の処理を行な
つたところ、4−クロルフエノール含有量がドー
プ液の同含有量の65重量%となつた管状凝固体が
得られた。従つて、4−クロルフエノール抽出除
去量は35重量%であつた。
上記の管状凝固体について実施例1と同様に処
理してポリイミドパイプを得た。このポリイミド
パイプの物性は実施例1で得られたものと同じで
あつた。
[比較例 1] 管状体と凝固液との接触時間を4分間とした以
外は、実施例1の処理を行なつたところ、4−ク
ロルフエノール含有量がドープ液の同含有量の8
重量%となつた管状凝固体が得られた。従つて、
4−クロルフエノール抽出除去量は92重量%であ
つた。
上記の管状凝固体について実施例1と同様に処
理してポリイミドパイプを得た。このポリイミド
パイプには局部的な変形が見られ、また、一部不
透明な部分が存在した。なお、その引張強さは
5.2Kg/mm2であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明において用いることができる
押出し用装置の先端部を示す断面図である。 11:ドープ液押出しオリフイス、12:凝固
液(芯液)注入管、13:ポリイミドドープ液、
14:凝固液(芯液)、15:凝固浴。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式: (ただし、Rは芳香族ジアミンのアミノ基を除
    いた二価の残基である)で表わされる繰返し単位
    を90%以上有する芳香族ポリイミドの一種または
    二種以上がフエノール系化合物を主成分とする溶
    媒に溶解されてなるポリイミドドープ液を管状に
    押出す工程; 管状に押出されたドープ液の内外周面に、フエ
    ノール系化合物と相溶性のある凝固液を接触させ
    ることにより、管状ドープ液中のフエノール系化
    合物の10〜70重量%を抽出除去して、主として内
    外表面に凝固層が形成された管状ドープ液凝固体
    を形成する工程;そして、 このドープ液凝固体を乾燥固化する工程、 を含むことを特徴とする芳香族ポリイミド管状
    物の製造法。 2 管状ドープ液凝固体の乾燥固化工程を実施す
    る際に、使用した芳香族ポリイミドよりも熱膨張
    係数の大きい芯材を凝固体の孔部に挿入し、乾燥
    固化終了後に該芯材を分離除去することを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の芳香族ポリイミ
    ド管状物の製造法。
JP3783483A 1983-03-07 1983-03-07 芳香族ポリイミド樹脂管状物の製造法 Granted JPS59161432A (ja)

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