JP2001163974A - ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られるポリイミド塗膜並びにポリイミドシームレス管状フィルム及びその製造方法 - Google Patents
ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られるポリイミド塗膜並びにポリイミドシームレス管状フィルム及びその製造方法Info
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Abstract
せず安定であるポリイミド前駆体溶液及びその製造方
法、それから得られる良好な物性を有するポリイミド塗
膜並びにシームレス管状フィルム及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 特定のカルボン酸と特定のジアミンとか
らなる塩を溶質として30重量%以上含有し、かつ溶液
粘度が100ポイズ超えるポリイミド前駆体溶液。溶媒
中で特定のテトラカルボン酸二無水物1モルに対して
0.75〜0.98モルの特定のジアミンを反応させ、
ついで水またはアルコールと反応させてカルボン酸を得
た後、このカルボン酸1モルに対して特定のジアミン
0.95〜1.05モルを加えるポリイミド前駆体溶液
の製造方法。前記ポリイミド前駆体溶液から得られるポ
リイミド塗膜並びにシームレス管状フィルム。
Description
粘度で溶解していても安定であるポリイミド前駆体溶液
及びその製造方法、それから得られる良好な物性を有す
るポリイミド塗膜並びにポリイミドシームレス管状フィ
ルム及びその製造方法に関するものである。
性等に優れているので、種々の分野で使用されあるいは
使用を検討されている。中でも電子写真方式を用いたレ
ーザープリンターならびに複写機等におけるトナー画像
の被写体(紙、厚紙、OHPシート等)への加熱定着用
基材(ロールまたはベルト)、あるいは転写用基材(ロ
ールまたはベルト)としてポリイミドシームレス管状フ
ィルムが検討されている。
の製法としては、ポリイミド前駆体溶液を成形用の円筒
状型の内面あるいは外面に塗工した後、加熱して、溶媒
を除去し、ポリイミド前駆体をイミド化させて得られる
ポリイミドの塗膜を円筒状型から剥離して、ポリイミド
のシームレス管状フィルムを得る方法が知られている。
駆体溶液としては、特開平9−277287号公報には
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット
酸二無水物の等モルをジメチルアセトアミド/ナフサ
(9/1)中で重合した固形分濃度が20重量%、粘度
2000ポイズのポリアミド酸が開示されている。ま
た、特開平11−58423号公報では、ピロメリット
酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの
等モル量をN−メチル−2−ピロリドン中で20℃で重
合した固形分濃度が20重量%で20℃での粘度が1,
500ポイズであるポリアミド酸溶液が開示されてい
る。
は、溶媒がジメチルアセトアミド/ナフサ(9/1)で
あり、樹脂分18.8%、粘度が740ポイズであるポ
リアミド酸(宇部興産社製、商品名uワニスS)をポリ
イミド前駆体溶液として用いる方法が開示されている。
ィルムをポリイミド前駆体溶液から作製する際に、熱処
理工程での溶媒蒸発による体積収縮による応力が、塗膜
形状が管状であるために緩和できず、その結果、ポリイ
ミド被膜が歪んでクラック割れするという問題があっ
た。特に従来使用されているポリイミド前駆体溶液であ
るポリアミド酸溶液の固形分濃度は20重量%前後であ
り、溶媒の蒸発による体積収縮は非常に大きいものであ
った。また、ポリアミド酸の濃度を高めようとしても、
高分子量である故に、高濃度になると粘度が極端に高く
なり、流動性が消失したり、ゲル化するという問題があ
った。さらに、ポリアミド酸を重合する際に、1官能の
芳香族アミンや無水カルボン酸等を反応させてポリアミ
ド酸の分子量を下げて低粘度化すると、イミド化して得
られるポリイミドの強度や伸度等の機械的性質が低下す
るという問題があった。
発明の課題は、溶質が高濃度・高粘度で溶解していて
も、その溶液はゲル化せず安定であるポリイミド前駆体
溶液を提供すること、及びこのポリイミド前駆体溶液を
容易に製造する方法を提供すること、このポリイミド前
駆体溶液から得られ、割れ、クラック、歪みがなく良好
な物性を有するポリイミド塗膜並びにシームレス管状フ
ィルムを提供すること、このシームレス管状フィルムを
容易に製造する方法を提供することにある。
解決すべく鋭意研究した結果、後述する特定のカルボン
酸とジアミンとからなる塩を含有するポリイミド前駆体
溶液は、高濃度でかつ高粘度であるにも関わらずゲル化
が起こらず安定していること、並びに熱処理過程でその
塩(ポリイミド前駆体)が高分子量のポリアミド酸にな
り、その後、イミド化して高強度のポリイミドが得られ
ることを見出した。その結果、このポリイミド前駆体溶
液から得られるポリイミド塗膜は、ポリイミド前駆体溶
液が高濃度であるが故に溶媒の蒸発による体積収縮が小
さく、特に、シームレス管状フィルムとして作製した場
合にも歪まず割れやクラックが発生せず、かつ機械的物
性が高く、生産性も良いという知見を得、これらの知見
に基づいて、本発明に到達したものである。
一般式(1)に示すカルボン酸と下記一般式(2)に示
すジアミンとからなる塩が溶質として溶媒中に30重量
%以上溶解しており、粘度が100ポイズを超えている
ことを特徴とするポリイミド前駆体溶液である。
を含む4価の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基は
この残基中異なった炭素原子に直接連結されており、4
つのうちの2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接す
る炭素原子に結合しており、R’は少なくとも1つの炭
素6員環を持つ2価の芳香族残基を示し、R''は水素ま
たは炭素数7以下の1価の有機基を示し、R''' は少な
くとも1つの炭素6員環を持つ2価の芳香族残基を示
し、nは1〜20の整数を示す。〕
トラカルボン酸二無水物1モルに対して、一般式(4)
に示すジアミンを0.7〜0.98モルの割合で反応さ
せて、一般式(5)に示すカルボン酸二無水物を生成さ
せ、水または任意のアルコールを加えて末端の酸無水物
基を開環させて一般式(1)に示すカルボン酸を得た
後、この一般式(1)に示すカルボン酸1モルに対し、
一般式(2)に示すジアミン0.95〜1.05モルを
加えることを特徴とするポリイミド前駆体溶液の製造方
法。
を含む4価の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基は
この残基中異なった炭素原子に直接連結されており、4
つのうちの2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接す
る炭素原子に結合しており、R’は少なくとも1つの炭
素6員環を持つ2価の芳香族残基を示す。R''は水素ま
たは炭素数7以下の1価の有機基を示し、R''' は少な
くとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示
し、nは1〜20の整数を示す。〕
られるポリイミド塗膜であり、第4に、ポリイミド前駆
体溶液から得られるポリイミドシームレス管状フイルム
である。第5に前記ポリイミド前駆体溶液を、円筒状型
の外周面及び/又は内周面、又は円柱状型の外周面に、
塗工し、熱処理してポリイミドの塗膜層を形成させ、ポ
リイミドの塗膜層を円筒状型又は円柱状型から剥離する
ことを特徴とするポリイミドシームレス管状フイルムの
製造方法である。
る。まず、本発明で用いる用語について説明する。 (1)ポリイミド ポリマー鎖の繰り返し単位の80モル%以上がイミド構
造を有する有機ポリマーをいう。そして、この有機ポリ
マーは耐熱性を示す。 (2)ポリイミド前駆体 加熱又は、化学的作用により閉環してポリイミドとなる
有機化合物をいい、閉環とはイミド環構造が形成される
ことをいう。
すジアミンとからなる塩(ポリイミド前駆体)が溶質と
して溶媒に溶解しているものである。ここで溶媒とは、
25℃で液状の化合物をいう。 (4)粘度 (株)トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計
(B型粘度計)を用い、20℃における回転粘度を測定
したものである。 (5)溶質濃度 溶液中に占めるポリイミド前駆体の重量割合を百分率で
表した数値である。
ラス等の基材上に形成されたポリイミドの膜をいう。こ
れらポリイミド塗膜のなかで基材と密着したまま使用さ
れるものをポリイミド被覆物といい、基材から剥離して
使用されるものをポリイミドフィルムといい、ポリイミ
ド被覆物及びポリイミドフィルムはポリイミド塗膜の範
疇に入るものである。 (7)ポリイミド塗膜の厚み (株)ミツトヨ製デジマチックマイクロメーターを用
い、ポリイミド被膜の厚みを10箇所で測定し、その平
均値として求めたものである。
ポリイミド前駆体溶液は、一般式(1)に示すカルボン
酸と一般式(2)に示すジアミンとからなる塩が溶質と
して溶媒中に溶解している。一般式(1)において、R
は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基
を示し、4つのカルボニル基はこの残基中異なった炭素
原子に直接連結しており、4つのうちの2つずつは対を
なし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合してお
り、R' は少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳
香族残基を示し、R''は水素又は炭素数7以下の有機基
を示し、1価の有機基は後述するアルコールに起因する
基が挙げられる。また、nは1〜20の整数を示す。ま
た、一般式(2)に示すジアミンにおいて、R''' は少
なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示
す。そして、一般式(1)に示すカルボン酸と一般式
(2)に示すジアミンとからなる塩において、R' 及び
R''' として同一のもの、あるいは異なったものが用い
られてもよく、R、R' 、R''' は上記構造が満足され
れば、具体的には限定されない。
例としては次のものが例示できる。
好ましい。
R' 、R''' の具体例としては次のものが例示できる。
挙げるものが好ましい。
もの特にが好ましい。
れ単独又は2種類以上の構造が選ばれてもよい。
(1)に示すカルボン酸と一般式(2)に示すジアミン
からなる塩を溶かす溶媒であればいかなる溶媒も用いる
ことができる。
−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルフォスフォラアミド、エーテル系化合
物である、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタ
ノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノー
ル、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタ
ノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレ
ングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、
テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパ
ノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、水溶性アルコール系化合物
である、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−
メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、ジアセトンアルコール等が、非水溶性
アルコール系化合物ではベンジルアルコールが、ケトン
系化合物では1,5,5−トリメチル−3−シクロヘキ
サノンが、その他ではγ―ブチロラクトンが挙げられ、
上記各化合物を単独、もしくは二種以上を混合して用い
ることができる。このうち特に好ましい例としては、単
独溶媒としてN−メチルピロリドン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、混合溶媒として
は、N−メチルピロリドンとジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、N−メチルピロリドンとメタノール、
N−メチルピロリドンと2−メトキシエタノール等の組
み合わせが挙げられる。
度は、30重量%以上が好ましい。35重量%以上がよ
り好ましい。ポリイミド前駆体溶液の濃度が30重量%
未満の場合には、蒸発する溶媒量が多くなるために体積
収縮による応力が増大し、管状の塗膜が歪んでクラック
が発生したり割れたりする場合があるので好ましくな
い。濃度の上限は50重量%であり、それを超えるとゲ
ル化することがある。
0ポイズを超え、500ポイズ以上が好ましく、100
0ポイズ以上がより好ましい。溶液の粘度が100ポイ
ズ以下の場合、塗工した際に溶液が流れ、所定の塗り厚
みにできないというハンドリング性の点で好ましくな
い。粘度の上限は10000ポイズであり、それを超え
ると流動性がなくなることがある。
一般式(1)に示すカルボン酸溶液中のカルボン酸と一
般式(2)に示すジアミンとからなる塩が溶質として溶
媒中に溶解しているものであり、一般式(1)に示すカ
ルボン酸の溶液を作製する際には、モノマー及び溶媒の
混合順序はどんな順序にしてもよく、一般式(2)に示
すジアミンを添加する方法は、このジアミンを固体のま
まか、もしくは溶液にして前記カルボン酸溶液に撹拌下
に添加する。
るための好ましい製造方法を、溶媒として非プロトン性
極性化合物を用いた場合について述べる。非プロトン性
極性化合物中で、一般式(3)に示すテトラカルボン酸
二無水物と一般式(4)に示すジアミンを反応させ、一
般式(5)に示すカルボン酸二無水物を生成させる。こ
のときの反応温度は、−30℃〜70℃が好ましく、−
20℃〜40℃がより好ましい。ついで、この反応溶液
に水またはアルコールを加え反応させ、一般式(1)に
示すカルボン酸を生成させる。このときの反応温度は、
0〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。
また、この際、必要に応じてジメチルアミノエタノール
などを触媒として用いてもよい。さらに、この一般式
(1)に示すカルボン酸の溶液に、一般式(2)に示す
ジアミンを添加することにより、本発明のポリイミド前
駆体溶液を得ることができる。
生成させるための一般式(3)に示すテトラカルボン酸
二無水物と一般式(4)に示すジアミンとの割合は、テ
トラカルボン酸二無水物1モルに対してジアミン0.7
〜0.98モルが好ましく、より好ましくは0.9〜
0.97モルである。テトラカルボン酸二無水物1モル
に対してジアミンが0.7モル未満では、塗膜の形状並
びに塗膜の厚みによってはイミド化工程の熱処理中に割
れが発生する場合があり、0.98モルを超えると溶液
が著しく増粘、ゲル化する場合がある。
応させる水又はアルコールの添加量は、末端の酸無水物
基と同モル量又は多少過剰量が好ましい。ここで用いる
アルコールとしては、次に示すものが挙げられる。中で
も好ましくは、メチルアルコール及びエチルアルコール
が用いられ、この場合一般式(1)のR''は各々メチル
基及びエチル基となる。
加量は前記のようにして得られた一般式(1)で示され
るカルボン酸1モルに対して、一般式(2)に示すジア
ミン0.95〜1.05モル、より好ましくは0.97
〜1.03モルである。一般式(2)に示すジアミンの
添加割合が、0.95〜1.05モルの範囲外では目的
とする塩が得られにくくなる傾向にある。このときの温
度は、−30℃〜120℃が好ましく、−20℃〜80
℃がより好ましい。
は、必要に応じて例えば、有機シラン、顔料、導電性の
カーボンブラック及び金属粒子のような充填剤、摩滅
剤、誘電体、潤滑剤等の他公知の添加物を本発明の効果
を損なわない範囲で添加することができる。また、他の
重合体や例えば水不溶性のエーテル類、アルコール類、
ケトン類、エステル、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素
類等の溶媒を本発明の効果を損なわない範囲で添加する
ことができる。
状にして利用することができ、例えば、ポリイミド前駆
体溶液を銅、アルミニウム、ガラス等の基材上に塗工
し、熱処理して、溶媒を除去し、ポリイミド前駆体をイ
ミド化してポリイミド塗膜を得る。ポリイミド塗膜は、
基材と密着したままポリイミド被覆物として、または、
ポリイミド塗膜を基材から剥離してポリイミドフィルム
として利用することができる。前記イミド化の条件は2
00℃以上、好ましくは250℃以上、より好ましくは
300℃以上で5分間以上、特に300℃以上で30分
間以上加熱することが好ましい。
イミド塗膜を経てポリイミド被覆物を得るには、ポリイ
ミド前駆体溶液を従来公知のスピンコート法、スプレイ
コート法、浸漬法等の方法により基材上に塗工し、乾燥
して溶媒を除去した後、イミド化する。また、ポリイミ
ドフィルムを成形するには、スリット状ノズルから押し
出したり、バーコーター等により基材上に塗工し、乾燥
して溶媒を除去した後、これをイミド化した後、基材上
から剥離する。上記のように、本発明のポリイミド前駆
体溶液を用い、上記のように塗工し、イミド化すると、
ポリイミド塗膜を、生産性良く得ることができる。
の製造について詳細に述べる。まず、ポリイミド前駆体
溶液を、円筒状型の外周面及び/又は内周面に、又は円
柱状型の外周面に、均一に塗工する。塗工方法として
は、例えば、ポリイミド前駆体溶液中に円筒状型又は円
柱状型を浸漬して引き上げる方法、円筒状型の片端部内
にポリイミド前駆体溶液を供給した後、この円筒状型の
径と一定のクリアランスを有する走行体を、走行させる
方法、円筒状型又は円柱状型と一定のクリアランスを有
する孔内をポリイミド前駆体溶液が全面又は一部に供給
された円筒状型又は円柱状型を通過させる方法、ポリイ
ミド前駆体溶液を円筒状型又は円柱状型の周面にスプレ
ー塗工する方法等を挙げることができる。
筒状型の片端に供給した後、円筒状型内を走行させる際
に用いる走行体としては、例えば、金属製、セラミック
ス製、溶剤不溶性のプラスチック製、ガラス製等のもの
をあげることができる。そして、この走行は、圧縮空
気、ガス爆発等により走行体を押す方法、牽引ワイヤー
等により牽引する方法、減圧法あるいは自重走行法(型
を垂直にたて、走行体をその自重により下方に走行させ
る)等により行うことができる。この走行をいずれの方
法で行うにしても、塗工厚みを均一にするため、円筒状
型を垂直あるいは水平に維持することが好ましい。ま
た、円筒状型自体や走行体自体を、上記走行に際して回
転させることもできる。
リイミド前駆体溶液を熱処理して、溶媒を除去、イミド
化することにより、円筒状型の内周面及び又は外周面、
又は円柱状型の外周面ににポリイミドの層を形成させた
後、これらの型から剥離することによりポリイミドシー
ムレス管状フィルムを得る。なお、この剥離作業は、ポ
リイミド前駆体溶液を塗工する面にフッ素系離型剤ある
いはシリコン系離型剤を予め塗布しておくことにより、
容易に行うことができる。また、塗工表面の表面粗さを
小さくすることでも、剥離を容易にすることができる。
上記のように、本発明のポリイミド前駆体溶液を用い、
上記のように塗工し、イミド化すると、ポリイミドシー
ムレス管状フィルムを、生産性良く得ることができる。
ド塗膜(ポリイミド被覆物及びポリイミドフェイルを含
む)は、例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着テープ、高
密度磁気記録ベース、コンデンサー、FPC(フレキシ
ブルプリント基板)用のフィルム等の製造に用いられ
る。また、例えば、フッ素樹脂やグラファイト等を充填
して摺動部材、ガラス繊維や炭素繊維で強化して構造部
材、小型コイルのボビン、スリーブ、端末絶縁用チュー
ブ等の成形材や成形品の製造に用いられる。また、パワ
ートランジスターの絶縁スペーサ、磁気ヘッドスペー
サ、パワーリレーのスペーサ、トランスのスペーサ等の
積層材の製造に用いられる。また、電線・ケーブル絶縁
被膜用、太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙断熱材、集積
回路、スロットライナー等のエナメルコーティング材の
製造に用いられる。また、限外ろ過膜、逆浸透膜、ガス
分離膜の製造に用いられる。また、耐熱性を有する糸、
織物、不織布等の製造にも用いられる。
管状フィルムは、例えば電子写真方式の複写機、プリン
タ(レーザービームプリンタ等)、ファクシミリ等の画
像形成装置の定着用ベルト部材並びに中間転写用ベルト
部材等として用いられる。ポリイミド前駆体溶液に導電
性フィラーを添加して得られるシームレス管状フィルム
は、上記電子写真方式の画像形成装置の感光体用ベルト
部材として用いられる。
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。 実施例1 ジアミノジフェニルエーテル2458.9g(12.2
8mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド1000
0gに溶解し、室温下で攪拌した。これにピロメリット
酸二無水物2790.5g(12.79mol)を1分
間で加え、室温下2時間攪拌した。メタノール49.1
g(1.53mol)およびジメチルアミノエタノール
2.46gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し、下記
式に示すカルボン酸を得た。
エーテル102.5g(0.51mol)を加え、さら
に1時間撹拌を続けたところ、均一な黄橙色透明溶液が
得られた(溶質濃度35重量%)。この溶液の粘度を測
定したところ、20℃で2300ポイズであった。得ら
れたポリアミド酸前駆体溶液をフィルムアプリケーター
を用いて、ガラス板上に150μmの厚みで流延し、窒
素雰囲気下において80℃で2時間乾燥した後、昇温速
度1℃/分で300℃まで昇温し、次いで300℃で5
時間加熱イミド化を行った後、塗膜をガラス板上から剥
離したところ、ポリイミドフィルムが得られた。このポ
リイミドフィルムの厚みは、43μmであり、引張強度
は15kg/mm2 、伸度30%、引張弾性率398k
g/mm2 であった。次に内径50mm、肉厚5mm、
長さ550mmで内周面の表面粗さ(Rz)が3μmに
調製されたステンレス製円筒状型を上記のポリアミド酸
前駆体溶液に浸漬し、引き上げた。その後、この円筒状
型を垂直に保持し、その中を外径49.4mmの円筒状
走行体を自重により下降走行させることにより、円筒状
型内周面に厚みが均一であるポリアミド前駆体溶液から
なる層を形成させた。
囲気において、80℃の温度で2時間乾燥した後、30
0℃まで昇温速度1℃/分で昇温し、さらに300℃で
5時間加熱イミド化し、円筒状型内周面にポリイミドの
層を形成させ、このポリイミドの層を円筒状型内周面か
ら剥離してシームレス管状フィルムを得た。なお、この
管状フィルムは、長さ549.6mm、外径50mm、
厚み57μmであり、この管状フィルムには体積収縮に
よるクラックや歪み、割れは確認されなかった。この管
状フィルムの引張強度は15.2kg/mm2 、伸度2
8%、引張弾性率385kg/mm2 であった。引き続
いて、本発明のポリアミド前駆体溶液を用いて同様な条
件で10本のポリイミドのシームレス管状フィルムを作
製したが、クラックや割れは発生しなかった。
z)が3μmに調製されたステンレス製円筒状型の外周
囲を実施例1で得られたポリイミド前駆体溶液に浸漬
し、引き上げた。その後、この円筒状型を垂直に保持
し、内径50.8mmの円筒状走行体を自重により下降
走行させることにより、円筒状型外周面に厚みが均一で
あるポリイミド前駆体溶液からなる層を形成させた。そ
の後、実施例1と同様の乾燥、加熱イミド化を行って円
筒状型外周面にポリイミドの層を形成させ、剥離して管
状フィルムを得た。なお、この管状フィルムは、長さ5
49.8mm、外径50.2mm、厚み75μmであ
り、体積収縮によるクラックや歪み、割れは確認されな
かった。この管状フィルムの引張強度は15.0kg/
mm2 、伸度29%、引張弾性率390kg/mm2 で
あった。引き続いて、実施例1で得られたポリイミド前
駆体溶液を用いて同様な条件で10本のポリイミドのシ
ームレス管状フィルムを作製したが、クラックや割れは
発生しなかった。
8mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド1000
0gに溶解し、20℃に保った。これにピロメリット酸
二無水物1303.51g(5.98mol)を2時間
にわたり徐々に加え、さらに6時間攪拌し、20℃での
溶液粘度が1,500ポイズのポリアミド酸溶液を得た
(溶質濃度20重量%)。このポリアミド酸溶液を用い
て、実施例1の方法でポリイミドのシームレス管状フィ
ルムを10本作製したが、4本は被膜に割れが発生し、
生産性は低いものであった。
8mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド5833
gに溶解し、室温に保った。これにピロメリット酸二無
水物1303.51g(5.98mol)を2時間にわ
たり徐々に加え、さらに6時間攪拌したところ、溶液は
ゲル化した。(溶質濃度30重量%)。
40mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド100
00gに溶解し、室温下で攪拌した。これに3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下
BPDAと略す)3188.0g(10.84mol)
を5分間で加え、室温下2時間攪拌した。メタノール4
1.61g(1.30mol)およびジメチルアミノエ
タノール2.08gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌
し、下記式に示すカルボン酸を得た。
エーテル86.79g(0.43mol)を加え、さら
に1時間撹拌を続けたところ、均一な黄橙色透明溶液が
得られた(溶質濃度35重量%)。この溶液の粘度を測
定したところ、20℃で1800ポイズであった。得ら
れたポリイミド前駆体溶液を実施例1と条件と同様にフ
ィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に150μ
mの厚みで流延し、乾燥、熱イミド化して、ガラス板上
に形成されたポリイミドの層を剥離して、厚みが48μ
mのポリイミドフィルムを得た。引張強度は14kg/
mm2 、伸度78%、引張弾性率425kg/mm2 で
あった。さらにこのポリイミド前駆体溶液を使って、実
施例1と同様な条件でポリイミドのシームレス管状フィ
ルムを作製したところ、被膜の割れや歪みは発生しなか
った。得られたシームレス管状フィルムは、長さ54
9.7mm、外径50mm、厚み65μmであり、引張
強度は13.8kg/mm2 、伸度75%、引張弾性率
420kg/mm2 であった。引き続いて、同様な条件
で10本のポリイミドのシームレス管状フィルムを作製
したが、クラックや割れは発生しなかった。
25mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド100
00gに溶解し、室温下で攪拌した。これにBPDA3
893.63g(13.23mol)を5分間で加え、
室温下2時間攪拌した。メタノール190.57g
(5.96mol)およびジメチルアミノエタノール
9.53gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌した、次
いで室温まで冷却した後、ジアミノジフェニルエーテル
397.49g(1.99mol)を加え、さらに1時
間撹拌を続けたところ、均一な黄橙色透明溶液が得られ
た(溶質濃度40重量%)。この溶液の粘度を測定した
ところ、20℃で670ポイズであった。
の条件と同様にフィルムアプリケーターを用いて、ガラ
ス板上に150μmの厚みで流延し、乾燥、熱イミド化
して、ガラス板上に形成されたポリイミドの層を剥離し
て、厚みが58μmのポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの引張強度は14.5kg/m
m 2 、伸度76%、引張弾性率420kg/mm2 であ
った。さらにこのポリイミド前駆体溶液を使って、実施
例1と同様な条件でポリイミドのシームレス管状フィル
ムを作製したところ、被膜の割れや歪みは発生しなかっ
た。得られたシームレス管状フィルムは、長さ549.
6mm、外径50mm、厚み76μmであり、引張強度
は14kg/mm2 、伸度75%、引張弾性率418k
g/mm2 であった。引き続いて、本発明のポリアミド
前駆体溶液を用いて同様な条件で10本のポリイミドの
シームレス管状フィルムを作製したが、クラックや割れ
は発生しなかった。
6mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド1000
0gに溶解し、20℃に保った。これにBPDA148
7.58g(5.06mol)を2時間にわたり徐々に
加え、さらに6時間攪拌し、20℃での溶液粘度が14
00ポイズのポリアミド酸溶液を得た(溶質濃度20重
量%)。このポリアミド酸溶液を用いて、実施例1の方
法でポリイミドのシームレス管状フィルムを10本作製
したが、3本はフィルムに割れが発生し、生産性は低い
ものであった。
6mol)をN,N’−ジメチルアセトアミド5833
gに溶解し、室温に保った。これにBPDA1487.
58g(5.06mol)を2時間にわたり徐々に加
え、さらに6時間撹拌を続けたところ、溶液はゲル化し
た。(溶質濃度30重量%)
mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド10000
gに溶解し、室温下で攪拌した。これにBPDA391
3.30g(13.3mol)を5分間で加え、室温下
2時間攪拌した。メタノール51.07g(1.60m
ol)およびジメチルアミノエタノール2.55gを加
え、70℃湯浴上で2時間攪拌し、下記式に示すカルボ
ン酸を得た。
ミン57.53g(0.53mol)を加え、さらに1
時間撹拌を続けたところ、均一な黒緑色透明溶液が得ら
れた(溶質濃度35重量%)。この溶液の粘度を測定し
たところ、20℃で2000ポイズであった。この溶液
をフィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に15
0μmの厚みで流延し、実施例1と同様な条件で乾燥、
熱イミド化してポリイミドフィルムを得た。このポリイ
ミドフィルムの厚みは、50μmであり、引張強度は2
8.1kg/mm2 、伸度9%、引張弾性率1050k
g/mm2 であった。さらにこのポリイミド前駆体溶液
を使って、実施例1と同様な条件でポリイミドのシーム
レス管状フィルムを作製したところ、被膜の割れや歪み
は発生しなかった。得られたシームレス管状フィルム
は、長さ549.8mm、外径50mm、厚み75μm
であり、引張強度は29kg/mm2 、伸度10%、引
張弾性率1000kg/mm2 であった。引き続いて、
同様な条件で10本のポリイミドのシームレス管状フィ
ルムを作製したが、クラックや割れは発生しなかった。
mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド10000
gに溶解し、室温下で攪拌した。これにBPDA480
0.90g(16.32mol)を5分間で加え、室温
下2時間攪拌した。メタノール156.65g(4.9
0mol)およびジメチルアミノエタノール7.83g
を加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し、室温まで冷却し
た後、次いでパラフェニレンジアミン176.46g
(1.63mol)を加え、さらに1時間撹拌を続けた
ところ、均一な黒緑色透明溶液が得られた(溶質濃度4
0重量%)。この溶液の粘度を測定したところ、20℃
で1200ポイズであった。この溶液をフィルムアプリ
ケーターを用いて、ガラス板上に150μmの厚みで流
延し、実施例1と同様な条件で乾燥、熱イミド化してポ
リイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの厚
みは、68μmであり、引張強度は27.5kg/mm
2 、伸度9%、引張弾性率1030kg/mm2 であっ
た。さらにこのポリイミド前駆体溶液を使って、実施例
1と同様な条件でポリイミドのシームレス管状フィルム
を作製したところ、被膜の割れや歪みは発生しなかっ
た。得られたシームレス管状フィルムは、長さ549.
8mm、外径50mm、厚み63μmであり、引張強度
は28.5kg/mm2 、伸度10%、引張弾性率10
30kg/mm2 であった。引き続いて、同様な条件で
10本のポリイミドのシームレス管状フィルムを作製し
たが、クラックや割れは発生しなかった。
l)を、N,N−ジメチルアセトアミド10000gに
溶解し、20℃に保った。これにBPDA1828.0
9g(6.21mol)を2時間にわたり徐々に加え、
さらに6時間攪拌し、20℃での溶液粘度が1600ポ
イズのポリアミド酸溶液を得た(溶質濃度20重量
%)。このポリアミド酸溶液を用いて、実施例1の方法
でポリイミドのシームレス管状フィルムを10本作製し
たが、5本は被膜に割れが発生し、生産性は低いもので
あった。
l)をN,N−ジメチルアセトアミド5833gに溶解
し、室温に保った。これにBPDA1828.09g
(6.21mol)を2時間にわたり徐々に加え、さら
に6時間撹拌を続けたところ、溶液はゲル化した。(溶
質濃度30重量%)
09mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド100
00gの混合物に溶解し、室温下で攪拌した。これに
4,4’−オキシジフタル酸二無水物3260.53g
(10.51mol)を1分間で加え、室温下2時間攪
拌した。メタノール40.36g(1.26mol)お
よびジメチルアミノエタノール2.02gを加え、70
℃湯浴上で2時間攪拌し、下記式に示すカルボン酸を得
た。
アニリン84.19g(0.42mol)を加え、さら
に1時間撹拌を続けたところ、均一な黒茶色透明溶液が
得られた(溶質濃度35重量%)。この溶液の粘度を測
定したところ、2200ポイズであった。この溶液をフ
ィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に150μ
mの厚みで流延し、実施例1と同様な条件で乾燥、熱イ
ミド化してポリイミドフィルムを得た。このポリイミド
フィルムの厚みは58μmであり、引張強度は15kg
/mm2 、伸度70%、引張弾性率395kg/mm2
であった。さらにこのポリイミド前駆体溶液を使って、
実施例1と同様な条件でポリイミドのシームレス管状フ
ィルムを作製したところ、被膜の割れや歪みは発生しな
かった。得られたシームレス管状フィルムは、長さ54
9.7mm、外径50mm、厚み65μmであり、引張
強度は15.6kg/mm2 、伸度75%、引張弾性率
385kg/mm2 であった。引き続いて、同様な条件
で10本のポリイミドのシームレス管状フィルムを作製
したが、クラックや割れは発生しなかった。
mol)を、N,N−ジメチルアセトアミド10000
gに溶解し、20℃に保った。これに4,4’−オキシ
ジフタル酸二無水物1519.28g(4.90mo
l)を2時間にわたり徐々に加え、さらに6時間攪拌
し、20℃での溶液粘度が1,500ポイズのポリアミ
ド酸溶液を得た(溶質濃度20重量%)。このポリアミ
ド酸溶液を用いて、実施例1の方法でポリイミドのシー
ムレス管状フィルムを10本作製したが、3本は被膜に
割れが発生し、生産性は低いものであった。
mol)をN,N’−ジメチルアセトアミド5833g
に溶解し、室温に保った。これに4,4’−オキシジフ
タル酸二無水物1519.28g(4.90mol)を
2時間にわたり徐々に加え、さらに6時間撹拌を続けた
ところ、溶液はゲル化した。(溶質濃度30重量%)
体溶液は、溶質が高分子量の重合体ではなくオリゴマー
とモノマーの塩であり、高濃度で溶解して、高粘度であ
るにもかかわらず、その溶液はゲル化せず安定である。
したがって、本発明のポリイミド前駆体溶液から得られ
るポリイミド塗膜は、製造時に体積収縮による応力が小
さいので、割れやクラック、歪みが発生しにくく、良好
な物性を有する。特に本発明のシームレス管状フィルム
を形成する際には、被膜の割れやクラックが発生せず、
生産性が著しく向上する。したがって、本発明のポリイ
ミド塗膜は、大規模集積回路等の層間絶縁膜や保護膜と
して、また特に、シームレス管状フィルムは、電子写真
方式を用いたレーザープリンターならびに複写機等にお
けるトナー画像の被写体(紙、厚紙、OHPシート等)
への加熱定着用基材(ロールまたはベルト)、あるいは
転写用基材(ロールまたはベルト)として優れた効果を
奏する。また、本発明のポリイミド前駆体溶液の製造方
法によれば前記のポリイミド前駆体溶液を容易に製造す
ることができ、ポリイミドの塗膜並びにシームレス管状
フィルムの製造方法によればポリイミド塗膜並びにシー
ムレス管状フィルムを生産性良く製造することができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(1)に示すカルボン酸と下
記一般式(2)に示すジアミンとからなる塩が溶質とし
て溶媒中に30重量%以上溶解しており、粘度が100
ポイズを超えていることを特徴とするポリイミド前駆体
溶液。 【化1】 〔式中、Rは少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の
芳香族残基を示し、4つのカルボニル基はこの残基中異
なった炭素原子に直接連結されており、4つのうちの2
つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に
結合しており、R’は少なくとも1つの炭素6員環を持
つ2価の芳香族残基を示し、R''は水素または炭素数7
以下の1価の有機基を示し、R''' は少なくとも1つの
炭素6員環を持つ2価の芳香族残基を示し、nは1〜2
0の整数を示す。〕 - 【請求項2】 一般式(1)及び一般式(2)におい
て、Rは構造式群1から選ばれ、R' 及びR''' はそれ
ぞれ独立に構造式群2から選ばれることを特徴とする請
求項1記載のポリイミド前駆体溶液。 【化2】 - 【請求項3】 溶媒中で、一般式(3)に示すテトラカ
ルボン酸二無水物1モルに対して、一般式(4)に示す
ジアミンを0.7〜0.98モルの割合で反応させて、
一般式(5)に示すカルボン酸二無水物を生成させ、水
または任意のアルコールを加えて末端の酸無水物基を開
環させて一般式(1)に示すカルボン酸を得た後、この
一般式(1)に示すカルボン酸1モルに対し、一般式
(2)に示すジアミン0.95〜1.05モルを加える
ことを特徴とするポリイミド前駆体溶液の製造方法。 【化3】 〔式中、Rは少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の
芳香族残基を示し、4つのカルボニル基はこの残基中異
なった炭素原子に直接連結されており、4つのうちの2
つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に
結合しており、R’は少なくとも1つの炭素6員環を持
つ2価の芳香族残基を示す。R''は水素または炭素数7
以下の1価の有機基を示し、R''' は少なくとも1つの
炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示し、nは1〜2
0の整数を示す。〕 - 【請求項4】 請求項1又は2記載のポリイミド前駆体
溶液から得られるポリイミド塗膜。 - 【請求項5】 請求項1又は2記載のポリイミド前駆体
溶液から得られるポリイミドシームレス管状フイルム。 - 【請求項6】 請求項1記載のポリイミド前駆体溶液
を、円筒状型の外周面及び/又は内周面、又は円柱状型
の外周面に、塗工し、熱処理してポリイミドの塗膜層を
形成させ、ポリイミドの塗膜層を円筒状型又は円柱状型
から剥離することを特徴とするポリイミドシームレス管
状フイルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35044599A JP4475711B2 (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | ポリイミド前駆体溶液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35044599A JP4475711B2 (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | ポリイミド前駆体溶液 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001163974A true JP2001163974A (ja) | 2001-06-19 |
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Family
ID=18410551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35044599A Expired - Lifetime JP4475711B2 (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | ポリイミド前駆体溶液 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4475711B2 (ja) |
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