JPS6254892B2 - - Google Patents

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JPS6254892B2
JPS6254892B2 JP56152525A JP15252581A JPS6254892B2 JP S6254892 B2 JPS6254892 B2 JP S6254892B2 JP 56152525 A JP56152525 A JP 56152525A JP 15252581 A JP15252581 A JP 15252581A JP S6254892 B2 JPS6254892 B2 JP S6254892B2
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JP
Japan
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multifilament
cross
yarn
false
leaves
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JP56152525A
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JPS5854032A (ja
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Eiji Ichihashi
Koji Nakatsuka
Shigemi Wakatabe
Sotoo Hirai
Jun Nishiwaki
Takao Myazaki
Masahiko Miwa
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NIPPON ESUTERU KK
YUNICHIKA KK
Original Assignee
NIPPON ESUTERU KK
YUNICHIKA KK
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、特殊風合仮撚加工糸に関し、詳しく
は特殊異形断面糸が他の糸条を囲むようにして交
絡し糸条長軸方向に交絡部を有する特殊風合仮撚
加工糸及びその製造方法に関するものである。 従来、熱可塑性マルチフイラメントを用いて麻
ライクな特殊風合を付与する加工方法としては、
熱可塑性マルチフイラメントを融着高温領域で仮
撚加工を施し、単糸相互を部分的に融着させ同時
に未解撚部をも生ぜしめ融着による硬化及び実撚
との相乗効果から得る方法、あるいは先撚仮撚、
仮撚追撚などの方法により麻ライク特殊風合を得
る方法が知られている。しかし、前者の方法は融
着高温領域で仮撚加工を施すため、供給原糸の物
性あるいは仮撚条件、仮撚機自体のコンデイシヨ
ン等、わずかの差異が融着度合、均染性に顕著に
影響し、加工糸品質を低下させ布帛のヨコ段欠点
を誘発させる要因となつている。また後者の方法
は先撚あるいは追撚工程を必要とし、コスト的に
も風合的にも問題があつた。 本発明はかかる現状に鑑みて、鋭意研究を重ね
た結果、熱可塑性マルチフイラメントを仮撚加工
した場合、加撚及び受熱の影響により単糸フイラ
メントの断面形状が変形する事実に着目し、単糸
フイラメント相互を融着させることなく麻ライク
の特殊風合仮撚加工糸が得られることを知見し、
達成されたものであつて、その目的とするところ
は、ソフト感を兼備した麻ライクな風合を有し、
かつ均染性にすぐれた特殊風合仮撚加工糸を提供
するものである。 すなわち、本発明は、単糸フイラメントの断面
形状が放射状の3〜8葉の中から選ばれた少なく
とも1種類の特殊異形断面である熱可塑性マルチ
フイラメントAと、単糸フイラメントの断面形状
が放射状の3〜8葉以外の断面形状であつてかつ
前記マルチフイラメントAと実質的に同一の染色
性を有する熱可塑性マルチフイラメントBとから
なる仮撚加工糸であつて、マルチフイラメントA
の単糸フイラメントの各葉が変形して相互に噛み
合う状態でマルチフイラメントBの外周を囲んで
交絡し、糸条の長軸方向に該交絡による交絡部が
2ケ/M以上存在し、かつ該交絡部は各単糸フイ
ラメント相互が融着することなく形成されている
ことを特徴とする特殊風合仮撚加工糸を要旨とす
るものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明に供する熱可塑性マルチフイラメント
は、断面形状が放射状の3〜8葉の中から選ばれ
た少なくとも1種類の特殊異形断面フイラメント
からなる熱可塑性マルチフイラメントAと、マル
チフイラメントAと特定の関係を有する他の熱可
塑性マルチフイラメントBとが混ざつた糸条であ
る。 次に、マルチフイラメントAを構成する単糸フ
イラメントの断面形状について詳細に説明する。
ここでは、代表として断面形状が4葉の場合につ
いて詳細に説明する。それ以外の3〜8葉の場合
も同様にして形状が規定されるので説明を省略す
る。 まず、4葉の説明にあたり、単糸フイラメント
の断面形状を示す用語を第1図に基づいて説明す
る。第1図は、本発明に供する単糸フイラメント
の例を示す断面図である。第1図1−1,1−2
において凹部a,b,c,dの任意の3点を通る
内接円を描き、それらの最大内接円Xを中心核と
称し、この円Xの半径を「γ」とし、その円の中
心を「O」とする。突起様片y1,y2,y3,y4
「葉」と称し、中心「O」から葉の先端に向かつ
て引き出した線が葉の先端中央と交叉する点を
y1,y2,y3,y4とし、中心Oとy1,y2,y3,y4
を結ぶ線Oy1,Oy2,Oy3,Oy4を葉長βと称す
る。ここで上記葉長βと中心核の内接円半径γと
の比β/γを異形断面係数と定義する。また、マ
ルチフイラメントBを構成する単糸フイラメント
の異形断面係数はマルチフイラメントAについて
の断面形状の上記定義を援用する。ただし、マル
チフイラメントBにおいては円形断面の場合は
β/γ=1.0とし、また棒状(2葉)断面の場合
は巾の最も大きい部分の厚みの1/2をγとし、両
葉の長さの和の1/2をβとする。 第2図は、本発明の特殊風合仮撚加工糸の一例
を示す側面図であつて、強度の交絡によつて実撚
が残存している交絡部1と少量のオーバー解撚部
2、及び多量の捲縮部3とを有しており、これら
が糸条長軸方向にランダムに存在している。 第3図は、第2図の交絡部1の断面図であつて
マルチフイラメントAがマルチフイラメントBを
囲んで交絡しておりマルチフイラメントAの各単
糸フイラメントの葉と葉が変形していてあたかも
歯車のごとく噛み合つて交絡しており、各単糸フ
イラメント相互が融着していないにもかかわらず
容易に離れないように交絡されている。第6図は
第2図のオーバー解撚部2の断面図であつて、マ
ルチフイラメントAがマルチフイラメントBの外
側を囲んでいる。 第4図は第2図の捲縮部3の断面図であつて、
各単糸フイラメントは変形されているが相互に遊
離している。 第5図5−1は3葉断面の単糸フイラメントの
断面図、第5図5−2は6葉断面の単糸フイラメ
ントの断面図である。 本発明の特殊風合仮撚加工糸は、単糸フイラメ
ントの断面形状が放射状の3〜8葉の中から選ば
れた少なくとも1種類の特殊異形断面である熱可
塑性マルチフイラメントAと、単糸フイラメント
の断面形状が放射状の3〜8葉以外の断面形状で
あつてかつ前記マルチフイラメントAと実質的に
同一の染色性を有する熱可塑性マルチフイラメン
トBとからなる仮撚加工糸であつて、マルチフイ
ラメントAがマルチフイラメントBの外周を囲む
形で交絡し、糸条の長軸方向に該交絡による交絡
部が1メートル当り2個以上存在し、かつ該交絡
部は各単糸フイラメント相互が融着することなく
形成されているものである。 本発明の目的とするソフト感を兼備した麻ライ
ク風合を呈するためには、交絡部が2ケ/M以上
存在していることが必要であつて、交絡部が2
ケ/Mに満たないと麻ライクの風合が得られな
い。さらに好ましくは、交絡部が5ケ/M以上存
在していると良い。 本発明において交絡とは、各フイラメントの各
葉が変形して相互に噛みあいあたかも隣接した葉
と葉が接着されたごとく容易には剥離しない程度
に堅牢にからみあつている状態をいう。さらに交
絡の強さは極めて強いものもあるが、少なくとも
1/10(g/D)×該繊度(D)のグラム数の荷重
を長さ方向にかけても剥離開繊しない程度のもの
もいう。この交絡は、特開昭55−30401号公報、
特開昭56−68124号公報等ですでに公知である湾
入部を有する特殊断面糸の接合とはその発生機
構、形態及び効果において基本的に異なるもので
ある。つまり、本発明の交絡は単に単糸フイラメ
ントの2本の間の交絡にとどまらず第3、第4の
フイラメントとの交絡によりマルチフイラメント
全体として集束している交絡部とオーバー解撚部
が存在し、その集束効果は極めて有用のものであ
り麻ライクな風合を与える。 本発明により得られた特殊風合仮撚加工糸は、
断面形状が第3図に見られるようなマルチフイラ
メントAがマルチフイラメントBを囲んで交絡し
ている交絡部と第4図に示すマルチフイラメント
AとマルチフイラメントBを構成する単糸がラン
ダムに存在する捲縮部とを糸条長軸方向に混在さ
せることにより、ソフト感をも兼備した麻ライク
特殊風合を表現するものである。 以下に本発明の加工糸を得るための製造方法の
一例について説明する。通常の仮撚加工におい
て、仮撚ゾーンでの加撚−セツト−解撚を経るこ
とによつて単糸断面形状がかなりの変形をきたす
ことは周知であり、単糸が円形断面糸に比較し角
状あるいは葉状を呈する異形断面糸は変形状態が
複雑であるとともに変形度も顕著であり、本発明
において放射状の3〜8葉から選ばれた少なくと
も1種類の特殊異形断面糸をマルチフイラメント
Aとして仮撚加工に供した場合、加撚ゾーンでマ
ルチフイラメントAがマルチフイラメントBの外
周を囲み、マルチフイラメントAの単糸フイラメ
ント相互間に葉と葉が歯車の如く噛み合う現象を
随所に生ずる。この歯車の如き噛み合い状態下に
葉の変形が生ずるのみならず、単糸フイラメント
相互間の葉と葉があたかも接着されたごとく容易
に剥離しない堅牢な噛み合い現象すなわち、交絡
が生ずる。特により堅牢な交絡が解撚ゾーンへ到
達しても葉交絡力が解撚旋回力を上廻るため未解
撚状の部分つまり交絡部が形成されることとな
る。このようにして交絡部が発生すると、仮撚の
システムから仮撚−解撚の撚のバランスを取るた
めに必然的に逆撚が入る。この逆撚は多くの場
合、捲縮部で吸収されるが、吸収しきれない場合
には、オーバー解撚部が発生することもある。こ
のようにして交絡部、オーバー解撚部、及びマル
チフイラメントAとマルチフイラメントBを構成
する単糸がランダムに存在する捲縮部とが混在す
る結果となる。この交絡をより顕在化させるため
には、マルチフイラメントAの断面形状が葉数が
3〜8葉の中から選ばれた少なくとも1種類の特
殊異形断面である必要があり、これ以外の円形、
棒状(2葉)及び9葉以上では交絡の発現がほと
んど見られず、たとえ発現したとしても交絡部が
糸条長軸方向に2ケ/M未満しかあらわれない。
マルチフイラメントAの断面形状が3〜8葉の特
殊異形断面であれば葉と葉の間の角度は必ずしも
等配されたものでなくとも良いし中心部が中空で
あつても良い。また、葉は先端に行くにつれて
徐々に細くなるのが好ましい。さらに中心核の内
接円半径γと葉長βとの比が各葉の内、少なくと
も2葉の葉のβ/γが2.0〜6.5範囲にあることが
必要となる。この範囲の未満、すなわちβ/γが
2.0未満になると交絡の発現がほとんど見られ
ず、交絡部が糸条長軸方向に2ケ/M未満しかあ
らわれず、目的とする集束を有する加工糸は得ら
れなくなる。また一方、上限を超えるとすなわち
β/γが6.5を超えると原糸製糸上、安定したも
のが得られず、得られたとしても仮撚加工時に葉
の欠落現象が発生し、操業的にも品質的にも実用
に耐えられない。 この2葉間のなす角度は40゜以上であることが
好ましく、さらに葉長が上位第3番目以下の葉の
葉長も、上位第1番目の葉長の1/2以上であるこ
とが好ましい。 次に、ソフトな麻ライク特殊風合を表現するた
めには前述の断面形状もさることながら、マルチ
フイラメントA及びマルチフイラメントBを構成
する単糸繊度によつても効果が左右される。した
がつて、葉形状との相乗効果を加味した場合、マ
ルチフイラメントAの単糸繊度は2〜32デニール
が好ましい。さらに好ましくは5〜20デニールが
良い。単糸繊度が2デニール未満の場合は原糸製
糸上安定したものを得るのが困難なことがあり、
また風合面においても麻ライク効果のシヤリ味の
風合が乏しくなる傾向がある。また一方、単糸繊
度が32デニールを超えるような太繊度では、糸と
しての剛性が過多となつて、得られる生地の価値
が低くなる傾向がある。 次に、マルチフイラメントBについて詳細に述
べる。マルチフイラメントBは、マルチフイラメ
ントAのみではシヤリ感のある麻ライク特殊風合
糸は得られるが、こわすぎるために混繊するもの
であり、ソフト感を増し、ボリユーム感を付与す
るためのものである。そのため、交絡部1または
オーバー解撚部2ではマルチフイラメントBはマ
ルチフイラメントAに囲まれた形で糸条の中心付
近にあり、主にマルチフイラメントAの特徴が現
われ麻ライク感が表現される。またマルチフイラ
メントAとマルチフイラメントBを構成する単糸
とがランダムとなる捲縮部3で糸条の表面にマル
チフイラメントBも現われ、マルチフイラメント
Bの特徴が加味され、ソフト感を付与することに
なる。このためにマルチフイラメントBが具備す
べき条件としては、マルチフイラメントBを構成
する単糸フイラメントの異形断面係数及び単糸フ
イラメント繊度のうち少なくとも一方がマルチフ
イラメントAを構成する単糸フイラメントの異形
断面係数及び単糸フイラメント繊度より小さい
か、あるいはマルチフイラメントBを構成する単
糸フイラメントがマルチフイラメントAを構成す
る単糸フイラメントとの関係において下記式を満
足することが重要である。 YB≦−6.0XB+0.6YA+6.0XAA、XBはそれぞれマルチフイラメントA及び
マルチフイラメントBを構成する単糸フイラメン
トの異形断面係数β/γ。 YA、YBはそれぞれマルチフイラメントA及び
マルチフイラメントBを構成する単糸フイラメン
トの繊度(デニール)。 ただし、2≦YA≦32 つまり、マルチフイラメントAがマルチフイラ
メントBの外周を囲む形で交絡するためにはマル
チフイラメントAが前述の断面形状を満している
ことは当然のことながら、マルチフイラメントB
を構成する単糸フイラメントがマルチフイラメン
トAを構成する単糸フイラメントとの関係におい
て断面形状及び繊度が一定の範囲に入る必要があ
る。しかしマルチフイラメントAを構成する単糸
フイラメントの断面形状及び繊度に応じてソフト
感を効果的に付与できる適正なマルチフイラメン
トBの構成単糸フイラメントの断面形状または、
繊度の範囲が変わるのである。マルチフイラメン
トBの単糸フイラメントの断面形状は上記の規制
を満足する限りいずれの断面形状であつてもよ
い。また、マルチフイラメントA及びマルチフイ
ラメントBは、それぞれ単一の断面形状及び繊度
から成る必要はなく、2種以上の単糸フイラメン
トが混ざつているものであつても前述のそれぞれ
の条件を満足するものであれば良い。また、この
範囲をはずれると、マルチフイラメントAとマル
チフイラメントBが並列に並んだ形や、それぞれ
の単糸フイラメントがランダムになつたりして交
絡が生じないか、または生じても糸条の長軸方向
に葉と葉が噛み合つて交絡による交絡部が2ケ/
M未満しか現われないものとなり、ソフト感とシ
ヤリ感とを兼備した良好な風合の加工糸とはなら
ない。 この葉と葉が噛み合つて交絡による交絡部の発
生頻度は前述のように単糸フイラメントの断面形
状、単糸繊度により影響されるが、さらに仮撚条
件によつても大きく変わる。特に撚角度による影
響が大きく一般に採用されている条件とは異なる
条件を採用することが必要である。つまり、一般
の仮撚加工で採用されている撚角度θは下記式で
与えられ、通常44〜45゜の範囲で仮撚が行われ
る。 θ=tan-1VD×T/31138 θ;撚角度(゜) D;マルチフイラメントの繊度(デニール) T;仮撚数(T/M) しかし、本発明の交絡による交絡部を多発させ
るためには、撚角度は30〜40゜にすることが好ま
しい。この範囲をはずれると2ケ/M以上の交絡
による交絡部が発生せず、目的とするソフト感を
兼備した麻ライクな風合が得られないことがあ
る。 マルチフイラメントAとマルチフイラメントB
とを混ぜるのは、紡糸工程から仮撚加工までのど
の工程で行なつても良く、その混合割合は重量比
(A/B)で30/70〜90/10の範囲であることが
好ましく、この範囲をはずれると所望のソフト感
を兼備した麻ライク特殊風合加工糸は得られない
こともある。 本発明の特殊風合仮撚加工糸は、前記のように
マルチフイラメントAが葉と葉が噛み合つて交絡
した交絡部が形成されているので、麻ライクの風
合を呈するものであり、しかもマルチフイラメン
トAがマルチフイラメントBの外周を囲む形で葉
と葉が噛み合つて交絡した交絡部が糸条の長軸方
向にメートル当り2個以上存在するので、集束性
がよいものであり、その上マルチフイラメントB
の存在によりソフト感が与えられるものである。
また上記交絡部は各単糸フイラメントが相互に融
着することなく形成されているので、風合の均斉
度に優れるとともに均染性にも優れたものであ
る。従つて布帛にしたときに従来の方法で得られ
た融着を利用した特殊風合仮撚加工糸を用いた布
帛と比べて「めりはり」のある極めて品位の高い
麻ライク特殊風合を有し、定安した特殊な表面効
果を与えることができ、布帛のヨコ方向全面欠点
などが生ずることがないものである。 また、本発明の特殊風合仮撚加工糸は、上記し
た製造方法で得られるので、従来のように熱可塑
性マルチフイラメントの融着高温領域で仮撚加工
を施し、単糸相互に部分的融着させて得る方法、
あるいは先撚仮撚または仮撚後追撚などの複数工
程により類似風合を得る方法のような高度な機械
条件、精度、管理技術、作業の煩雑性等のネツク
を有する加工方法と異なり、通常の仮撚条件ある
いは数段マイルドな条件下でも発現可能な交絡に
よるソフト感を兼備した麻ライク特殊風合を容易
に得ることができる。この事実から周知の融着高
温領域で得られる麻ライク特殊風合工糸加工方法
に比較し、通常捲縮仮撚温度領域、あるいはそれ
以下の温度域においてもその効果は十分得られる
ことよりエネルギー消費は20〜30%程度の節減可
能であり、省エネルギー型加工方法として注目に
値する。また前述の省エネルギー型加工方法であ
ることをあわせて原価面においても多大の肯献を
及ぼす麻ライク特殊風合仮撚糸の製造方法を適用
できるものである。 本発明でいう熱可塑性マルチフイラメントとは
ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等の
繊維形成能を有するポリマーからなるマルチフイ
ラメントを指す。 以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。 実施例 1 固有粘度〔η〕が0.65であるポリエチレンテレ
フタレートを各種形状の紡糸口金を通して紡糸温
度285℃、紡糸速度1000m/minで紡糸し、それ
に続いて延伸を行ない表1に示した各種断面形状
の100D/10FのマルチフイラメントAを得た。 これとは別に同一ポリマーを用い円形の紡糸孔
を通して同様の条件で紡糸し、それに続いて延伸
倍率3.3で延伸を行ない50D/12Fのマルチフイラ
メントBを得た。 マルチフイラメントB 繊度(デニール) 49 単糸繊度(デニール) 4.1 強度(g/D) 3.8 伸度(%) 33.5 これらの原糸を、三菱重工社製LS−6仮撚機
を用いて下記の条件で合糸仮撚し、その得られた
仮撚糸について表1の評価結果を得た。 スピンドル回転数(rpm) 25.0×104 ヒーター温度(℃)(第1/第2) 225/215 仮撚数(T/M) 1900z 撚角度(゜) 36.6
【表】 風合評価は筒編地を作り手ざわりで評価した。
また、交絡部発生頻度は1/10(g/D)×該フイ
ラメント繊度(D)相当グラム数の荷重下で拡大
観察し、1メーターあたりの個数として求めた。
【表】 実施例 2 固有粘度〔η〕が0.65であるポリエチレンテレ
フタレートを十字型をした各種寸法の紡糸孔を通
して、紡糸温度285℃、紡糸速度1000m/minで
紡糸し、それに続いて延伸倍率3.3で延伸を行な
い、表2に示した各種断面形状の100D/10Fのマ
ルチフイラメントAを得た。 この各種マルチフイラメントAと実施例1で用
いた50D/12Fの円形断面マルチフイラメントB
とを実施例1と同様にそれぞれ合糸仮撚し、表2
にその結果をまとめた。
【表】
【表】 実施例 3 相対粘度2.6のナイロン6を十字型をした紡糸
孔を通して、紡糸温度280℃、紡速1000m/min
で紡糸し、それに続いて延伸倍率3.3で延伸を行
ないβ/γが3.3の4葉断面を有する100D/10F
のマルチフイラメントAを得た。このマルチフイ
ラメントAと各種紡糸口金を用い同様の条件で得
た各種マルチフイラメントBとをそれぞれ組合わ
せて、以下の条件で合糸仮撚加工を行ない表3の
結果を得た。 スピンドル回転数(rpm) 25.0×104 ヒーター温度(℃) 185 仮撚数(T/M) 1900z 撚角度(゜) 36.6 オーバーフイード率(%) −3.1/5.0
【表】 実施例 4 固有粘度〔η〕が0.65であるポリエチレンテレ
フタレートを十字型をした紡糸孔を通して、紡糸
温度283℃、紡速3500m/minで紡糸し、β/γ
が3.5の4葉断面を有する246D/10Fの高配向マ
ルチフイラメントAを得た。また、これとは別
に、同一ポリマーを用い、円形の紡糸孔を通して
同様の条件で紡糸し94D/12Fの高配向マルチフ
イラメントBを得た。
【表】 この2種の原糸をバーマーグ社製FK−6CS機
を用いて以下の条件で合糸延伸仮撚加工したとこ
ろ葉と葉が噛み合いによる交絡による交絡部が
19.5ケ/Mランダムに混在するすぐれた品質のソ
フトで麻ライク特殊風合仮撚加工糸を得た。 デイスク材質 ポリウレタン 糸速(m/min) 410 フリクシヨン表面速度/糸速 2.01 延伸倍率(倍) 1.785 ヒーター温度(℃) 215
【図面の簡単な説明】
第1図1−1,1−2は本発明に供するマルチ
フイラメントを構成する単糸フイラメントの例を
示す断面図、第2図は本発明の糸条の例を示す糸
条長軸方向の形状側面図、第3図は第2図の交絡
部の拡大断面図、第4図は第2図の捲縮部の拡大
断面図、第5図は本発明に供するマルチフイラメ
ントを構成する単糸フイラメントの他例を示す断
面図、第6図は第2図のオーバー解撚部の拡大断
面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 単糸フイラメントの断面形状が放射状の3〜
    8葉の中から選ばれた少なくとも1種類の特殊異
    形断面である熱可塑性マルチフイラメントAと、
    単糸フイラメントの断面形状が放射状の3〜8葉
    以外の断面形状であつてかつ前記マルチフイラメ
    ントAと実質的に同一の染色性を有する熱可塑性
    マルチフイラメントBとからなる仮撚加工糸であ
    つて、マルチフイラメントAの単糸フイラメント
    の各葉が変形して相互に噛み合う状態でマルチフ
    イラメントBの外周を囲んで交絡し、糸条の長軸
    方向に該交絡による交絡部が2ケ/M以上存在
    し、かつ該交絡部は各単糸フイラメント相互が融
    着することなく形成されていることを特徴とする
    特殊風合仮撚加工糸。
JP15252581A 1981-09-26 1981-09-26 特殊風合仮撚加工糸 Granted JPS5854032A (ja)

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JP15252581A JPS5854032A (ja) 1981-09-26 1981-09-26 特殊風合仮撚加工糸

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JP15252581A JPS5854032A (ja) 1981-09-26 1981-09-26 特殊風合仮撚加工糸

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JPS5854032A JPS5854032A (ja) 1983-03-30
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JPS6256132A (ja) * 1985-09-05 1987-03-11 株式会社 麗光 Ag光沢調フイルム
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JPS5482460A (en) * 1977-12-14 1979-06-30 Unitika Ltd Crimped blended fiber yarn and producing same
JPS54106648A (en) * 1978-01-31 1979-08-21 Unitika Ltd Specific high bulk processed yarn and production thereof
JPS5841922A (ja) * 1981-09-03 1983-03-11 ユニチカ株式会社 特殊風合仮撚加工糸及びその製造方法

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