JP2024033730A - 織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】防透け性とストレッチ性に優れ、さらには伸長時にも優れた防透け性が得られる織物を提供する。【解決手段】織物の緯密度が経密度の0.50倍以下、かつ平組織である織物であり、緯糸には同方向に別々に仮撚された2本の仮撚糸の交絡糸を含み、かつ前記仮撚糸は少なくとも酸化チタン含有率が5質量%以上の内層部を有する織物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、防透け性とストレッチ性に優れた織物に関する。
従来、織物に防透け性を付与する技術としては、セラミックス、中でも酸化チタンを、織物を構成する繊維に練り込み、かつ高密度で糸と糸の間の空隙を少なくするように織り込む方法が周知で一般に良く行われている。しかしながら、高密度で織り込むために、風合いも硬くなりやすい問題があった。
織物の風合いはストレッチ性を付与することにより改善できる。例えば、ポリウレタン系の繊維を混用する方法が知られているが、染色堅牢度が悪く、変色や色移りしやすいことや、繰り返し使用による強度劣化などの問題があった。また、ストレッチ性を得るためには、織物拘束がルーズなツイル組織、サテン組織、二重織組織等が好ましいが、そうすると、生地伸長時に糸が動き易く、防透け性が低下しやすい、という課題があった。
一方で防透け性については、芯鞘型複合繊維に仮撚加工を施す手法が提案されている。本手法では内層部に高濃度の酸化チタンを含有させ、外層部の酸化チタン含有率を少なくすることで、仮撚糸道ガイド類の摩耗を改善しつつ、一定の防透け性効果を得ている(例えば、特許文献1参照)。
また、芯鞘型ポリエステル扁平断面繊維とすることで、仮撚後も高い防透け性能を持つ繊維が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、仮撚後の断面変形を制御することで、湿潤時の防透け性に優れた仮撚糸が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10-317230号公報 特開2013-44055号公報 特開2021-188156号公報
しかし、風合いを改善するストレッチ性と防透け性とを両立させることを課題とした技術は存在していない。例えば、上述した文献はいずれも防透け性を向上させる技術に関するものであるが、特許文献1においては、ドライ感、シャリ感等の独特の風合いを得ることを課題とし、特許文献2においては、薄いことにより優れた風合いを得ることを課題としている。一般に衣料、特にアウター衣料等では、ストレッチ性や防透け性が重要となり、それぞれ検討されているにもかかわらず、ストレッチ性と防透け性とを両立させることを課題として検討された例はなかった。特に、ストレッチ性を有する織物を用いた衣料の場合、実際の着用時に生じる伸長状態での防透け性も重要と考えられる。
本発明においては上述の課題に鑑み、ストレッチ性と防透け性とを両立させた織物、特に生地伸長状態の防透け性にも優れる織物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下のいずれかの構成を特徴とする。
(1)織物の緯密度が経密度の0.50倍以下である平組織の織物であって、緯糸に少なくとも2本の同方向に別々に仮撚された仮撚糸の交絡糸を含み、前記仮撚糸の少なくとも1本は酸化チタンを5.0質量%以上含む内層部を有する少なくとも2種類の成分を有する複合繊維である、織物。
(2)前記交絡糸のトルク撚数が40T/m以上である上記(1)に記載の織物。
(3)10%伸長時の防透け性が90.0%以上である上記(1)または(2)に記載の織物。
本発明によれば、ストレッチ性と防透け性に優れ、さらには伸長時にも優れた防透け性が得られる織物をも提供することができる。
本発明の織物に含まれる交絡糸は、少なくとも2本の仮撚糸を含む。このうち少なくとも1本の仮撚糸は、酸化チタンを5.0質量%以上含む内層部を有する少なくとも2種類の成分を有する複合繊維(以下、「酸化チタン含有複合繊維」と称する場合がある)である。酸化チタンが光を吸収・散乱させ、防透け性を向上させることができる。好ましい内層部の酸化チタン含有率は10.0質量%以上である。上限は特に限定されないが、酸化チタン含有率を60.0質量%以下とすることで、糸強度の極端な低下を抑制でき、好ましい。ここで、内層部とは、少なくとも2種以上の成分よりなる複合繊維において、相対的に内側にある部分をいう。例えば、芯鞘型複合繊維であれば芯側の部分をいい、サイドバイサイド型複合繊維であっても、断面がC型などに湾曲していた場合には、その内側の部分をいう。なお、上記複合繊維における、少なくとも2種類の成分とは、異なる2種以上の成分であれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルやナイロン、などの異なるポリマーの他、同一ポリマーであっても酸化チタン等の添加剤量が異なる成分や、粘度が異なる成分、であってもよい。
上記の酸化チタン含有複合繊維は、上記の酸化チタンを含む内層部に加え、それよりも酸化チタン含有量が低いかあるいは含まない最外層部を有することが好ましい。最外層部とは、複数の成分よりなる複合繊維において、最も外側にある部分をいう。最外層部の酸化チタン含有率を0~2.0質量%とすることで、紡糸や仮撚、製織工程で酸化チタンとガイド等の糸道擦過を低減することができ、工業的に安定生産することができ、また発色性にも優れるため好ましい。なお、最外層部の酸化チタン含有率を2.0質量%以下とすると、製造工程通過性が良好となり好ましい。より好ましい最外層部の酸化チタン含有率は0~1.0質量%であり、最外層部に酸化チタンを全く含有しなくてもよい。最外層部と内層部の質量比率は、2層構成の場合、最外層部:内層部が10:90~40:60の範囲であることが好ましい。この範囲の比率が防透け性と工程通過性を両立する点で好ましい。より好ましくは15:85~25:75の範囲である。
また、酸化チタン含有複合繊維は内層部と最外層部の2層構成のみならず、3層構成以上であっても構わない。積層数が増えると、積層界面でも光反射され、防透け性がさらに向上するので、好ましい。コストと防透け性の両立の点から、より好ましくは、最外層部と内層部と、その内層部のさらに内側に設けた最内層部とからなる3層構成である。このような3層構成の場合、酸化チタン含有率が高い内層部の糸の質量比率を仮撚糸の25質量%以上とすることが、防透け性の点で好ましい。
本発明における仮撚糸はポリエステル繊維でもナイロン繊維でも構わないが、好ましくは高屈折で捲縮堅牢性が高いポリエステル繊維である。具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族系ポリエステル繊維、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などの脂肪族系ポリエステル繊維、およびこれらの共重合繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの繊維は、機械的特性や耐久性に優れ、捲縮が堅牢であるため好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートの繊維はポリエステル繊維特有の洗濯耐久性が得られるため好ましい。複合繊維の場合は、適宜上記のポリマーを1種または2種以上適宜選択できる。
ポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とする、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリエステルを用いることができる。また、本発明の効果を阻害しない範囲内において、他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含んでも良い。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スルホン酸基などの置換基を含むジカルボン酸類等を例示できる。
本発明における仮撚糸の断面は、丸型、三角、扁平、六角、L型、T型、W型、八葉型、ドッグボーン型などの多角形型、多様型など任意の形状を有するものを選択することができるが、仮撚の断面変形を受けても内層部の構造が変化しにくく堅牢度が低下し難い点で丸型が好ましい。
また本発明の織物の緯糸は、少なくとも2本の同方向に別々に仮撚された仮撚糸の交絡糸を含む。緯糸に交絡糸を含むことで、捲縮の立体障害を低減し、トルクを発現しやすくなる。本発明において、交絡糸の交絡数は20~150個/mが好ましい。より好ましい交絡糸の交絡数は30~100個/mである。20個/m以上とすることで、トルクが発現し、防透け性が向上する。また、150個/m以下とすることで、風合いがより柔軟になる。
本発明においては、同方向の仮撚方向とすることで交絡糸にトルクを付与し、低密度織物においても、捲縮発現時に糸が捩じれることで織物の交錯点を埋めることができる。捩じれた糸形態は伸長状態においても、捻じれが減少はするものの、織物の交錯点を埋める効果が保持されるので、防透け性の低下を防ぐことができる。これにより、伸長時においても良好な防透け性を得ることができる。好ましい交絡糸のトルク撚数は40T/m以上である。より好ましくは、60T/m以上である。上限は特に限定されないが、製織性を考慮すると、200T/m以下であることが好ましい。さらに別々に仮撚することで、捲縮の位相をずらし、織物が伸長した際に伸ばされる捲縮の位相もずらすことができ、糸と糸との間の隙間ができにくくなり、良好な防透け性を得ることが可能になる。
また本発明において交絡糸の捲縮率は25%以上であると、織物にストレッチ性を付与しやすくなり、かつ、捲縮により単糸が開繊して光散乱を効果的に行うことができ、防透け性が向上するので、好ましい。
本発明の織物に含まれる交絡糸とは、交絡を有している糸であれば特に限定されないが、トルクを安定的に発現できる点で、交絡数が60個/m以上の糸であることが好ましい。交絡数の上限は特に限定されないが、実用上200個/m以下である。また交絡糸の総繊度は50~700dtexであることが、織物にハリ腰、防透け性を付与する上で好ましい。このとき総繊度が50dtex以上であると、防透け性がより向上できるので好ましい。また総繊度が700dtex以下であると、衣服としたときに適した厚さや風合いとなり好ましい。また本発明における交絡糸の繊度は経糸の繊度対比大きいことが、交絡糸が用いられる緯糸の密度を低く設定できることで好ましい。交絡糸の単糸繊度は0.8~10dtexであることが、防透け性とストレッチ性を両立する点で好ましい。このとき単糸繊度が0.8dtex以上であると、織物にストレッチ性を付与し易くなるので好ましい。また、同じ総繊度の織物の場合、単糸繊度が細い方ほど、単糸本数が多くなることにより光を散乱して防透け性を得易くなるため、単糸繊度は10dtex以下が好ましい。なお、本発明における交絡数とは、0.1cN/dtexの張力下における1m当たりの交絡部の数である。具体的には実施例に記載の方法で求めることができる。
また、本発明の織物に含まれる交絡糸は、一部の捲縮が開繊した状態を維持するために、無撚り使いが好ましいが、撚糸を施しても構わない。好ましい撚数は50~700T/mである。
本発明の織物は、平組織で、かつ緯密度が経密度の0.50倍以下である。上述したように、これまで防透け性とストレッチ性とを両立させる試みがなされていなかったが、これは課題としての認識がなかった可能性もあるが、その両立が困難であったことも一因として考えらえる。一般にストレッチ性を得るためには、織物拘束がルーズなツイル組織、サテン組織、二重織組織等が好ましいが、生地伸長時に糸が動き易く、防透け性が低下しやすくなる。逆に防透け性の観点からは、高密度織物かつ交絡部はないことが好ましいが、そうするとストレッチ性が得られにくい。本発明者らは、柔らかい風合いが得られる織物で防透け性とストレッチ性を両立させることを着想し、緯糸に上述した特定の交絡糸を含む平組織の織物とし、捲縮が生地水平方向に広がる等の効果で、透過光低減により防透け性を向上させ、かつ伸長時にも防透け性の低下を大きく抑制できることを見出した。平組織の織物であることで、他の組織の織物や編物と比較して、特にこの効果が優れる。ここで、緯密度が経密度の0.50倍を超える場合には、交絡糸の捲縮が生地の垂直方向に広がるようになり、防透け性が低下する。下限は特に限定されないが、0.20倍以上であることが好ましく、0.30倍以上であることがより好ましい。
本発明の織物において、経糸は任意の糸を使用することが可能であるが、防透け性を向上させるためには酸化チタン含有率は1質量%以上であることが好ましい。
本発明の織物には、本発明の目的が損なわれない範囲内であれば、常法の柔軟剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、艶消し剤、耐電防止剤、硬仕上げ剤、形態安定剤、撥水剤、吸水剤、抗ウイルス剤、消臭剤、防虫剤、再帰反射剤等を含ませてもよい。
また、本発明の織物においては、通常の防透け性に加え、10%伸長時の防透け性が90.0%以上とすることが好ましい。従来は伸長時の防透け性を考慮していなかったが、本発明者らの知見によると、ストレッチ性を有する場合、この特性が実着用を想定した環境において防透け性を維持できるので好ましい。さらに好ましい10%伸長時の防透け性は93.0%以上である。上限は100%である。この10%伸長時の防透け性は、上記した交絡糸、繊度、織密度等により調整することができる。
次に、本発明の織物の製造方法の一例を説明する。
まず、本発明を構成する仮撚糸の元糸となる原糸を紡糸する。原糸は酸化チタンを5.0質量%以上含む内層部を有する複合繊維とすることが好ましい。原糸は捲縮率を向上させるためには非晶部が高配向状態であることが好ましく、好ましい紡糸速度は2800~3800m/minである。一方、仮撚工程通過性を向上させるためには、仮撚張力を調整させるべく、原糸伸度は高い方が好ましい。好ましい原糸伸度は70~200%である。
続いて、本発明を構成する交絡糸を製造するにあたっては、少なくとも2本の高配向未延伸糸を、好ましくは別々に、同方向の仮撚(SおよびS方向の仮撚、もしくはZおよびZ方向の仮撚)を行う。その後交絡することで、高捲縮かつ高発現トルクの複合加工糸が得られ、低密度織物においても、捲縮発現時に織物の交錯点を埋めることができ、防透け性が向上する。
仮撚条件としては任意の仮撚条件を選定できる。ツイスターにはスピンドル式、フリクションディスク式、ベルトニップ式いずれを用いても構わないが、高速で仮撚可能で単糸スナールが比較的少ないフリクションディスク式、ベルトニップ式が好ましい。仮撚温度は接触式ヒータの場合、170~225℃であれば、強固な捲縮付与ができる点で好ましい。仮撚数においては、仮撚係数(仮撚数(T/M)×繊度(dtex)0.5)が26,000~33,000となる範囲で設定することが、強固な捲縮付与ができる点で好ましい。
また、交絡条件としては、ストレッチ性と収束性のバランスを考慮して、交絡圧は0.1~0.5MPaであることが好ましい。
糸加工速度については早ければ生産性が高くなり好ましいが、安定加工性を考慮すると、100~800(m/min)が好ましい。
また、本発明を構成する交絡糸はダウンツイスター、ダブルツイスター等任意の撚糸機を用いて撚糸することができるが、防透け性の点で500T/M以下が好ましい。さらに好ましくは無撚りである。
本発明の織物は一般に使用される普通織機、レピア、ウオータージェツトルーム、エアージエットルーム等に例示される織機を用いることができるが、これらに特に限定されることなく採用できる。組織は上述した交絡糸を緯糸に用いた平組織にする必要があるが、緯糸を2本引き揃えた平組織も可能である。この際の本数は2本引き揃えた状態を1本と換算する。2本引き揃えて緯糸に使用することは、緯糸が生地の水平方向に広がりやすくなり、防透け性が向上するので、好ましい。
また本発明により得られた織物は、特に衣料としてスーツ素材、ユニフォーム素材、学生衣料素材、カジュアルパンツ素材、スポーツ素材、フォーマル素材等などの用途に好適に用いられる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、本発明における各種測定法は以下の通りである。測定において用いられる「対象糸」とは、それぞれの測定に際して対象とする本願発明で特定している糸(例えば、緯糸に含まれる交絡糸や複合繊維など)という意味である。複数の糸がある場合は、それぞれにおいて測定した後、本願発明の範囲に含まれるか、最も近いものを対象糸とする。
1.繊度
織物から対象糸を抜き取り、JIS L1013:2010:8.3.1bのB法にて、繊度を求めた。
2.交絡数
織物から対象糸1.2mを30本抜き取った。交絡数は、0.1cN/dtexの張力下における1m当たりの交絡部の数である。糸に0.02cN/dtexの張力下で非交絡部にピンを刺し、糸1mにわたり0.1cN/dtexの張力でピンを糸の長手方向の上下に移動せしめ、抵抗なく移動した部分を非交絡部として移動した距離を記録し、ピンが止まる部分を交絡部とした。この作業を30回繰り返し、その非交絡部の距離の平均値から1m当たりの交絡数を求めた。
3.捲縮率
周長0.8mの検尺機に、90mg/dtexの張力下で糸を10回巻回してカセ取りした後、2cm以下の棒につり下げ、約24時間放置した。このカセをガーゼにくるみ、無緊張状態下で90℃×20分間熱水処理した後、2cm以下の棒につり下げ約12時間放置した。放置後のカセの一端をフックにかけ他端に初荷重と測定荷重をかけ水中に垂下し2分間放置した。このときの初荷重(g)=1.8mg/dtex、測定荷重(g)=90mg/dtex、水温=20±2℃である。放置したカセの内側の長さを測り、Lとする。さらに、測定荷重を除き初荷重だけにした状態で2分間放置し、放置したカセの内側の長さを測り、L1とする。次式により、捲縮率を求めた。この作業を5回繰り返し、平均値により求めた。
・捲縮率(%)={(L-L1)/L}×100。
4.トルク撚数
織物から対象糸75cmを5本抜き取った。糸約75cmを横に張り、中央部に0.02mN/dtexの初荷重を吊るした後、両端を引揃えた。糸は残留トルクがある場合回転しはじめるが、その場合は初荷重が静止するまでそのままの状態で持ち、撚糸を得た。こうして得た撚糸を1mN/dtexの荷重下で25cm長の撚数を検撚器で測定した。得られた撚数(T/25cm)を4倍にしてトルク撚数(T/m)とした。この作業を5回繰り返し、平均値を算出し、少数第1位を四捨五入して求めた。
5.ストレッチ率(%)
JIS L 1096(2010)8.16.1に伸び率に記載のB法に従い、1.5kgf(14.7N)荷重時の織物の緯方向の伸び率を測定し、本発明のストレッチ率とした。
6.防透け性
JIS L 1923:2017 「繊維製品の防透け性評価方法」B法(計器法)に基づき、防透け性を求めた。
7.10%伸長時の防透け性
織物を緯方向に10%伸長させた状態を維持したまま、JIS L1923:2017 「繊維製品の防透け性評価方法」B法(計器法)に基づき、防透け性を求めた。
8.織密度の比
JIS L 1096(2010)8.6.1に記載の基づき密度を求め、下記式での緯密度の比を求めた。
・緯密度の比=緯密度/経密度
9.酸化チタン含有率
織物から任意に採取した対象糸1本について、パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、対象糸を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の対象糸を横断面方向に切断し、繊維断面を確認しながら、最外層部、内層部のポリマーに切り分けた。その後、それぞれの酸化チタン量は、JIS R9301-3-7:1999:「化学分析法-7:酸化チタンの定量法(ジアンチピリルメタン吸光光度法(A法))に基づき求めた。得られた質量をそれぞれのポリマー質量で除して、含有率とした。含有率は少数第2位を四捨五入して少数第1位まで求めた。本操作を3回繰り返し、平均値を本発明における酸化チタン含有率とした。
<実施例1>
酸化チタンを0.7質量%含有する最外層部(鞘部)と15.0質量%含有する内層部(芯部)とを20:80の質量比率で配した芯鞘型丸断面のポリエチレンテレフタレートを紡速3,000(m/min)で紡糸し、繊度140dtex、36フィラメント、伸度170%の高配向未延伸糸を2本得た。そして、上記2本の高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー株式会社製)を用いて上記高配向未延伸糸をフィードローラから給糸し、加工速度:400m/min、延伸倍率:1.6倍、ヒータ温度:200℃、仮撚係数:30,000で別々にS方向に仮撚を行い、その後、交絡圧:0.35MPaでインターレース加工を行い、繊度:175dtex、交絡数:78個/m、トルク撚数:79T/m(S方向)、捲縮率:32%の交絡糸を得た。
その後、経糸には酸化チタンを2質量%含有する丸断面のポリエチレンテレフタレート仮撚糸(繊度167デシテックス、72フィラメント、交絡数:55個/m、トルク撚数:40T/m(S方向)、捲縮率:28%)を用い、緯糸には上記交絡糸を用いて、エアージェット織機により平組織(緯糸は2本引き揃え)で製織を行った。次に、得られた製織生地を98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:120本/2.54cm、緯糸:45本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は非伸長状態だけでなく、伸長時の防透け性も大変良好であり、ストレッチ性にも優れ、防透けアウター衣料として大変好適であった。
<実施例2>
酸化チタンを0.7質量%含有する最外層部(鞘部)と50.0質量%含有する内層部(芯部)と酸化チタンを0.7質量%含有する最内層部(最芯部)を20:50:30の質量比率で配した芯鞘丸断面のポリエチレンテレフタレートを紡速3,000(m/min)で紡糸し、繊度140dtex、36フィラメント、伸度165%の高配向未延伸糸を2本得た。そして、上記2本の高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー株式会社製)を用いて上記高配向未延伸糸をフィードローラから給糸し、加工速度:400m/min、延伸倍率:1.6倍、ヒータ温度:180℃、仮撚係数:29,000で別々にS方向に仮撚を行い、その後、交絡圧:0.4MPaでインターレース加工を行い、繊度:175dtex、交絡数:85個/m、トルク撚数:90T/m(S方向)、捲縮率:28%の交絡糸を得た。
その後、実施例1と同様の方法で製織、仕上げ加工を行い、加工密度(経糸:118本/2.54cm、緯糸:45本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は非伸長状態だけでなく、伸長時の防透け性も大変良好であり、ストレッチ性にも優れ、防透けアウター衣料として大変好適であった。
<実施例3>
酸化チタンを0.7質量%含有する最外層部(鞘部)と15.0質量%含有する内層部(芯部)とを20:80の質量比率で配した芯鞘型丸断面のポリエチレンテレフタレートを紡速3,000(m/min)で紡糸し、繊度280dtex、72フィラメント、伸度172%の高配向未延伸糸を2本得た。そして、上記2本の高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー株式会社製)を用いて上記高配向未延伸糸をフィードローラから給糸し、加工速度:400m/min、延伸倍率:1.6倍、ヒータ温度:190℃、仮撚係数:29,000で別々にS方向に仮撚を行い、その後、交絡圧:0.2MPaでインターレース加工を行い、繊度:350dtex、交絡数:46個/m、トルク撚数:58T/m(S方向)、捲縮率:35%の交絡糸を得た。
その後、実施例1と同じ経糸を用いて、エアージェット織機により平組織で製織を行った。次に、得られた製織生地を98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:115本/2.54cm、緯糸:55本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は非伸長状態だけでなく、伸長時の防透け性も良好であり、ストレッチ性にも優れ、防透けアウター衣料として好適であった。
<実施例4>
酸化チタンを0.7質量%含有する最外層部(鞘部)と15.0質量%含有する内層部(芯部)とを20:80の質量比率で配した芯鞘型丸断面のナイロン6を紡速3,300(m/min)で紡糸し、繊度100dtex、36フィラメント、伸度78%の高配向未延伸糸を2本得た。そして、上記2本の高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー株式会社製)を用いて上記高配向未延伸糸をフィードローラから給糸し、加工速度:400m/min、延伸倍率:1.2倍、ヒータ温度:170℃、仮撚係数:30,000で別々にS方向に仮撚を行った。その後、交絡圧:0.25MPaでインターレース加工を行い、繊度:174dtex、交絡数:70個/m、トルク撚数:62T/m(S方向)、捲縮率:40%の交絡糸を得た。
その後、経糸には酸化チタンを2質量%含有する丸断面のナイロン6仮撚糸(繊度167デシテックス、72フィラメント、交絡数:48個/m、トルク撚数:46T/m(S方向)、捲縮率:34%)を用い、緯糸には上記交絡糸を用いて、ウォータージェット織機により平組織(緯糸は2本引き揃え)で製織を行った。次に、得られた製織生地を98℃拡布連続精練、160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:125本/2.54cm、緯糸:50本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は非伸長状態だけでなく、伸長時の防透け性も良好であり、ストレッチ性にも優れ、防透けアウター衣料として好適であった。
<比較例1>
実施例3と同様の高配向未延伸糸を2本得た。そして、上記2本の高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー株式会社製)を用いて上記高配向未延伸糸をフィードローラから給糸し、加工速度:400m/min、延伸倍率:1.6倍、ヒータ温度:180℃、仮撚係数:28,000でS方向に同時延伸仮撚を行い、その後、交絡圧:0.15MPaでインターレース加工を行い、繊度:350dtex、交絡数:42個/m、トルク撚数:35T/m(S方向)、捲縮率:25%の仮撚糸を得た。
その後、実施例1と同じ経糸を用いて、同様の方法で製織、仕上げ加工を行い、加工密度(経糸:115本/2.54cm、緯糸:55本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は非伸長状態の防透け性には優れていたが、伸長状態では防透け性が低下し、防透けストレッチアウター衣料として不適であった。
<比較例2>
実施例3と同様の方法で交絡糸を得た。その後、実施例1と同じ経糸を用いて、エアージェット織機により平組織で製織を行った。次に、得られた製織生地を98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:112本/2.54cm、緯糸:60本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は非伸長状態の防透け性には優れていたが、伸長状態では防透け性が低下し、かつストレッチ性も不足しており、防透けストレッチアウター衣料として不適であった。
<比較例3>
実施例3と同様の方法で交絡糸を得た。その後、実施例1と同じ経糸を用いて、エアージェット織機により2/1ツイル組織で製織を行った。次に、得られた製織生地を98℃拡布連続精練、120℃液流リラックス、160℃仕上げセットを施し、加工密度(経糸:115本/2.54cm、緯糸:60本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は非伸長状態の防透け性には優れていたが、伸長状態では防透け性が低下し、防透けストレッチアウター衣料として不適であった。
<比較例4>
実施例3と同様の高配向未延伸糸を2本得た。そして、上記2本の高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー株式会社製)を用いて上記高配向未延伸糸をフィードローラから給糸し、加工速度:400m/min、延伸倍率:1.6倍、ヒータ温度:180℃、仮撚係数:28,000でS方向とZ方向に別々に仮撚を行った。その後、交絡圧:0.2MPaでインターレース加工を行い、繊度:350dtex、交絡数:48個/m、トルク撚数:1T/m(S方向)、捲縮率:26%の仮撚糸を得た。その後、実施例1と同じ経糸を用いて、同様の方法で製織、仕上げ加工を行い、加工密度(経糸:115本/2.54cm、緯糸:55本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は防透け性が不足しており、防透けストレッチアウター衣料として不適であった。
<比較例5>
酸化チタンを0.7質量%含有する最外層部(鞘部)と3.0質量%含有する内層部(芯部)とを20:80の質量比率で配した芯鞘型丸断面のポリエチレンテレフタレートを紡速3,000(m/min)で紡糸し、繊度280dtex、72フィラメント、伸度172%の高配向未延伸糸を2本得た。そして、上記2本の高配向未延伸糸を、フリクション仮撚機(ATF12:TMTマシナリー株式会社製)を用いて上記高配向未延伸糸をフィードローラから給糸し、加工速度:400m/min、延伸倍率:1.6倍、ヒータ温度:190℃、仮撚係数:30,000で別々にS方向に仮撚を行った。その後、交絡圧:0.2MPaでインターレース加工を行い、繊度:350dtex、交絡数:45個/m、トルク撚数:40T/m(S方向)、捲縮率:36%の交絡糸を得た。
その後、実施例1と同じ経糸を用いて、同様の方法で製織、仕上げ加工を行い、加工密度(経糸:115本/2.54cm、緯糸:55本/2.54cm)の製品とした。得られた織物は防透け性が不足しており、防透けストレッチアウター衣料として不適であった。
Figure 2024033730000001
本発明によれば、防透け性に優れ、さらに伸長時にも優れた防透け性が得られる織物を得ることができる。その結果、かかる織物は、衣料全般、特にカジュアル衣料、フォーマル衣料、ユニフォーム衣料、スポーツ衣料等のアウター用途に好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 織物の緯密度が経密度の0.50倍以下である平組織の織物であって、緯糸に少なくとも2本の同方向に別々に仮撚された仮撚糸の交絡糸を含み、前記仮撚糸の少なくとも1本は酸化チタンを5.0質量%以上含む内層部を有する少なくとも2種類の成分を有する複合繊維である、織物。
  2. 前記交絡糸のトルク撚数が40T/m以上である請求項1に記載の織物。
  3. 10%伸長時の防透け性が90.0%以上である請求項1または2に記載の織物。
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