JPS6254893B2 - - Google Patents

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JPS6254893B2
JPS6254893B2 JP56152526A JP15252681A JPS6254893B2 JP S6254893 B2 JPS6254893 B2 JP S6254893B2 JP 56152526 A JP56152526 A JP 56152526A JP 15252681 A JP15252681 A JP 15252681A JP S6254893 B2 JPS6254893 B2 JP S6254893B2
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JP
Japan
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multifilament
yarn
cross
false
leaves
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Application number
JP56152526A
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English (en)
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JPS5854033A (ja
Inventor
Toshihiro Izumitani
Eiji Ichihashi
Shigemi Wakatabe
Takao Myazaki
Jun Nishiwaki
Masahiko Miwa
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NIPPON ESUTERU KK
YUNICHIKA KK
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NIPPON ESUTERU KK
YUNICHIKA KK
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Publication date
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Publication of JPS5854033A publication Critical patent/JPS5854033A/ja
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は杢調特殊風合仮撚加工糸に関し、詳し
くは特殊異形断面糸が他の糸条を囲むようにして
交絡し、糸条長軸方向に交絡部を有する杢調特殊
風合仮撚加工糸に関するものである。 従来、熱可塑性マルチフイラメントを用いて杢
調の麻ライクを特殊風合を付与する加工方法とし
ては、染色性の異なる2種の成分からなる熱可塑
性マルチフイラメントを融着高温領域で仮撚加工
を施し、単糸相互を部分的に融着させ同時に未解
撚部分をも生ぜしめ融着による硬化及び実撚との
相乗効果から得る方法、あるいは先撚仮撚、仮撚
追撚などの方法により杢調の麻ライク特殊風合を
得る方法が知られている。しかし、前者の方法は
融着高温領域で仮撚加工を施すため、供給原糸の
物性あるいは仮撚条件、仮撚機自体のコンデイシ
ヨン等わずかの差異が融着度合、均染性に顕著に
影響し、加工糸品質を低下させ布帛のヨコ段欠点
を誘発させる要因となつている。また、後者の方
法は先撚あるいは追撚工程を必要とし、コスト的
にも風合的にも問題があつた。 本発明は、かかる現状に鑑みて鋭意研究を重ね
た結果、熱可塑性マルチフイラメントを仮撚加工
した場合、加撚及び受熱の影響により単糸フイラ
メントの断面形状が変形する事実に着目し、単糸
フイラメント相互を融着させることなく麻ライク
なしかもソフト感を兼備した均染性にすぐれた杢
調特殊風合仮撚加工糸が得られることを知見して
達成されたものであつて、その目的とするところ
はソフト感を兼備した麻ライクな風合を有し、か
つ均染性に優れた杢調特殊風合仮撚加工糸を提供
するものである。 すなわち、本発明は、単糸フイラメントの断面
形状が放射状の3〜8葉の中から選ばれた少なく
とも1種類の特殊異形断面である熱可塑性マルチ
フイラメントAと、マルチフイラメントAとは染
色性を異にし、かつ単糸フイラメントの断面形状
が3〜8葉以外の断面形状である熱可塑性マルチ
フイラメントBとからなる仮撚加工糸であつて、
マルチフイラメントAの単糸フイラメントの各葉
が変形して相互に噛み合う状態でマルチフイラメ
ントBの外周を囲んで交絡し、糸条の長軸方向に
該交絡による交絡部が2個/M以上存在し、かつ
該交絡部は各単糸フイラメント相互が融着するこ
となく形成されていることを特徴とする杢調特殊
風合仮撚加工糸を要旨とするものである。 以下、本発明を詳細に説明する。本発明に供す
る熱可塑性マルチフイラメントは断面形状が放射
状の3〜8葉の中から選ばれた少なくとも1種類
の特殊異形断面フイラメントからなる熱可塑性マ
ルチフイラメントAと、マルチフイラメントAと
は染色性を異にする熱可塑性マルチフイラメント
Bとが混ざつた糸条である。 次に、マルチフイラメントAを構成する単糸フ
イラメントの断面形状について詳細に説明する。
ここでは、代表として断面形状が4葉の場合につ
いて詳細に説明する。それ以外の3〜8葉の場合
も同様にして形状が規定されるので説明を省略す
る。 まず、4葉の説明にあたり単糸フイラメントの
断面形状を示す用語を第1図に基づいて説明す
る。第1図は、本発明に供する単糸フイラメント
の例を示す断面図である。第1図1−1及び1−
2において凹部a,b,c,dの任意の3点を通
る内接円を描き、それらの最大内接円Xを「中心
核」と称し、この内接円Xの半径を「γ」とし、
その円の中心を「O」とする。突起様片y1,y2
y3,y4を「葉」と称し、中心Oから葉の先端に向
かつて引き出した線が葉の先端中央と交叉する点
をy1,y2,y3,y4とし、中心Oとy1,y2,y3,y4
とを結ぶ線Oy1,Oy2,Oy3,Oy4を葉長βと称す
る。 本発明においては上記葉長βと中心核の内接円
半径γとの比β/γを異形断面係数と定義する。 また、マルチフイラメントBを構成する単糸フ
イラメントの異形断面係数も同様にβ/γで定義
される。ただし、マルチフイラメントBにおいて
は円形断面の場合はβ/γ=1.0とし、また棒状
(2葉)断面の場合は巾の最も大きい部分の厚み
の1/2をγとし、両葉の長さの和の1/2をβとす
る。 第2図は本発明の杢調特殊風合仮撚加工糸の一
例を示す側面図であつて、強度の交絡によつて実
撚が残存している交絡部1と少量のオーバー解撚
部2および多量の捲縮部3とを有しており、これ
らが糸条の長軸方向にランダムに存在している。 第3図は第2図の交絡部1の断面図であつてマ
ルチフイラメントAがマルチフイラメントBの外
周を囲んで交絡しており、マルチフイラメントA
の各単糸フイラメントの葉と葉が変形していてあ
たかも歯車のごとく噛み合つて交絡しており、各
単糸フイラメント相互が融着していないにもかゝ
わらず容易に離れないように交絡している。 第4図は第2図の捲縮部3の断面図であつて各
単糸フイラメントは変形されているが相互に遊離
している。 第5図5−1は3葉断面の単糸フイラメントの
断面図、第5図5−2は6葉断面の単糸フイラメ
ントの断面図である。 本発明の特殊風合仮撚加工糸は単糸フイラメン
トの断面形状が放射状の3〜8葉の中から選ばれ
た少なくとも1種類の特殊異形断面である熱可塑
性マルチフイラメントAと、マルチフイラメント
Aとは染色性を異にし、かつ単糸フイラメントの
断面形状が3〜8葉以外の断面形状である熱可塑
性マルチフイラメントBとからなる仮撚加工糸で
あつて、マルチフイラメントAがマルチフイラメ
ントBの外周を囲む形で交絡し、糸条の長軸方向
に該交絡による交絡部が1メートル当り2個以上
存在し、かつ該交絡部は各単糸フイラメント相互
が融着することなく形成されているものである。 本発明の目的とするソフト感を兼備した杢調麻
ライク風合を呈するためには、交絡部が2個/M
以上存在していることが必要であつて、交絡部が
2個/Mに満たないと杢のこなれも悪いし、麻ラ
イクの風合も得られない。好ましくは交絡部が5
個/M以上存在しているとよい。 本発明において交絡とは各フイラメントの各葉
が変形して相互に噛み合い、あたかも隣接した葉
と葉とが接着されたごとく容易には剥離しない程
度に堅牢にからみ合つている状態をいう。さらに
交絡の強さは極めて強いものもあるが、少なくと
も1/10(g/D)×該繊度(D)相当のグラム数
の荷重を長さ方向にかけても剥離開繊しない程度
のものもいう。この交絡は、特開昭55−30401号
公報、特開昭56−68124号公報等ですでに公知で
ある湾入部を有する特殊断面糸の接合とはその発
生機構、形態、および効果において基本的に異な
るものである。つまり、本発明の交絡は単に単糸
フイラメントの2本の間の交絡にとどまらず、第
3、第4のフイラメントとの交絡によりマルチフ
イラメント全体として集束している交絡部とオー
バー解撚部が存在し、その集束効果は極めて有用
なものであり、杢のよくこなれた麻ライクな風合
を与える。 本発明により得られたソフト感を兼備した杢調
特殊風合仮撚加工糸は断面形状が第3図に見られ
るようなマルチフイラメントAが、マルチフイラ
メントBと染色性を異にするマルチフイラメント
Bを囲んで交絡している交絡部と、第4図に示す
マルチフイラメントAとマルチフイラメントBを
構成する単糸がランダムに存在する捲縮部とを糸
条長軸方向に混在させることによりソフト感をも
兼備した杢調麻ライク特殊風合を表現できるもの
である。 以下に本発明の加工糸を得るための製造方法の
一例について説明する。通常の仮撚加工におい
て、仮撚ゾーンでの加撚−セツト−解撚を経るこ
とによつて単糸断面形状がかなりの変形をきたす
ことは周知であり、単糸が円形断面糸に比較し、
角状あるいは葉状を呈する異形断面糸は変形状態
が複雑であるとともに変形度も顕著である。本発
明において放射状の3〜8葉から選ばれた少なく
とも1種類の特殊異形断面糸をマルチフイラメン
トAとして仮撚加工に供した場合、加撚ゾーンで
マルチフイラメントAがマルチフイラメントBの
外周を囲み、マルチフイラメントAの単糸フイラ
メント相互間に葉と葉が歯車の如く噛み合う現象
を随所に生ずる。この歯車の如き噛み合い状態下
に葉の変形が生ずるのみならず単糸フイラメント
相互間の葉と葉があたかも接着された如く容易に
剥離しない堅牢な噛み合い現象、すなわち交絡が
生ずる。特により堅牢な交絡が解撚ゾーンへ到達
しても葉交絡力が解撚旋回力を上廻るため未解撚
状の部分つまり交絡部が形成されることとなる。
このようにして交絡部が発生すると仮撚のシステ
ムから仮撚−解撚のバランスを取るために必然的
に逆撚が入る。この逆撚は多くの場合捲縮部で吸
収されるが、吸収しきれない場合にはオーバー解
撚部が発生する。 この結果、交絡部、オーバー解撚部およびマル
チフイラメントAとマルチフイラメントBを構成
する単糸フイラメントがランダムに存在する捲縮
部とが混在することなる。この交絡をより顕在化
させるためには、マルチフイラメントAの断面形
状は葉数が3〜8葉の中から選ばれた少なくとも
1種類の特殊異形断面である必要があり、これ以
外の円形、棒状(2葉)及び9葉以上では交絡の
発現がほとんど見られず、たとえ発現したとして
も交絡部は糸条長軸方向に2個/M未満しかあら
わない。マルチフイラメントAの断面形状が3〜
8葉の特殊異形断面であれば葉と葉の間の角度は
必ずしも等配されたものでなくとも良いし、中心
部が中空であつてもよい。また葉は先端に行くに
つれて徐々に細くなるのが好ましい。さらに中心
核の内接円半径γと葉長βとの比β/γが各葉の
内、少なくとも2葉は2.0〜6.5の範囲にあること
が必要である。この範囲の下限未満すなわちβ/
γが2.0未満になると交絡の発現がほとんど見ら
れず、交絡部が糸条長軸方向に2個/M未満しか
あらわれず、目的とする集束を有する加工糸は得
られなくなる。また、一方上限を超えると、すな
わちβ/γが6.5を超えると原糸製糸上安定した
ものが得られず、得られたとしても仮撚加工時に
葉の欠落現象が発生し、操業的にも品質的にも実
用に耐えられない。 この2葉間のなす角度は40゜以上であることが
好ましく、さらに葉長が上位3番目以下の葉の葉
長も上位第1番目の葉長の1/2以上であることが
好ましい。 次にソフトな麻ライク特殊風合を表現するため
には前述の断面形状もさることながら、マルチフ
イラメントA及びマルチフイラメントBを構成す
る単糸繊度によつても効果が左右される。従つて
葉の形状との相乗効果を加味した場合、マルチフ
イラメントAの単糸繊度は2〜32デニールが好ま
しい。さらに好ましくは5〜20デニールが良い。
単糸繊度が2デニール未満の場合は原糸製糸上安
定したものを得るのが困難なことがあり、また風
合面においても麻ライク効果のシヤリ味の風合が
乏しくなる傾向がある。また、一方単糸繊度が32
デニールを超えるような太繊度では糸としての剛
性が過多となつて、得られる生地の価値が低くな
る傾向がある。 次に、マルチフイラメントBについて詳細に述
べる。マルチフイラメントBはマルチフイラメン
トAのみではシヤリ感のある麻ライク特殊風合糸
は得られるが、こわすぎるために混繊するもので
あり、ソフト感を増しボリユーム感を付与するた
めのものである。そのため葉と葉の噛み合いによ
る交絡によつて生じた交絡部1またはオーバー解
撚部2ではマルチフイラメントBはマルチフイラ
メントAに囲まれた形で糸条の中心付近にあり、
主にマルチフイラメントAの特徴が現われ麻ライ
ク感が表現される。またマルチフイラメントAと
マルチフイラメントBを構成する単糸フイラメン
トとがランダムとなる捲縮部3において糸条の表
面にマルチフイラメントBも現われ、マルチフイ
ラメントBの特徴が加味され、ソフト感を付与す
ることになる。このためマルチフイラメントBが
具備すべき条件としては、マルチフイラメントB
を構成する単糸フイラメントの異形断面係数及び
単糸フイラメント繊度のうち少なくとも一方がマ
ルチフイラメントAを構成する単糸フイラメント
の異形断面係数及び単糸フイラメント繊度より小
さいか、あるいはマルチフイラメントBを構成す
る単糸フイラメントがマルチフイラメントAを構
成する単糸フイラメントとの関係において下記式
を満足することが重要である。 YB≦−6.0XB+0.6YA+6.0XAA、XBはそれぞれマルチフイラメントA及び
マルチフイラメントBを構成する単糸フイラメン
トの異形断面係数β/γ。 YA、YBはそれぞれマルチフイラメントA及び
マルチフイラメントBを構成する単糸フイラメン
トの繊度(デニール)。 ただし、2≦YA≦32 つまり、マルチフイラメントAがマルチフイラ
メントBの外周を囲む形で交絡するためには、マ
ルチフイラメントAが前述の断面形状を満たして
いることは当然のことながら、マルチフイラメン
トBを構成する単糸フイラメントがマルチフイラ
メントAを構成する単糸フイラメントとの関係に
おいて断面形状及び繊度が一定の範囲に入る必要
がある。しかもマルチフイラメントAを構成する
単糸フイラメントの断面形状及び繊度に応じてソ
フト感を効果的に付与できる適正なマルチフイラ
メントBの構成単糸の断面形状または繊度の範囲
が変わるのである。マルチフイラメントBの単糸
フイラメントの断面形状は上記の規制を満足する
限りいずれの断面形状であつてもよい。 また、マルチフイラメントA及びマルチフイラ
メントBは、それぞれ単一の断面形状及び繊度か
ら成る必要はなく、断面形状及び繊度が異なる2
種以上の単糸フイラメントが混ざつているもので
あつても前述のそれぞれの条件を満足するもので
あれば良い。また上記の範囲をはずれるとマルチ
フイラメントAとマルチフイラメントBが並列に
並んだ形やそれぞれの単糸フイラメントがランダ
ムになつたりして交絡が生じないか、または生じ
ても糸条の長軸方向に葉と葉が噛み合つた交絡に
よる交絡部が2個/M未満しか現われないものと
なり、ソフト感とシヤリ感とを兼備した良好な風
合の加工糸とはならない。 この葉と葉が噛み合つた交絡による交絡部の発
生頻度は、前述のように単糸フイラメントの断面
形状、単糸繊度により影響されるが、さらに仮撚
条件によつても大きく変わる。特に撚角度による
影響が大きく、一般に採用されている条件とは異
なる条件を採用することが必要である。 つまり、一般の仮撚加工で採用されている撚角
度θは下記式で与えられ、通常44〜45゜程度の範
囲で仮撚が行われる。 θ;撚角度(゜) D;マルチフイラメントの繊度(デニール) T;仮撚数(T/M) しかし、本発明の交絡による交絡部を多発させ
るためには、撚角度は30〜40゜にすることが好ま
しい。この範囲をはずれると2個/M以上の交絡
による交絡部が発生せず、目的とするソフト感を
兼備した麻ライクな風合が得られないことがあ
る。 ここでマルチフイラメントAとマルチフイラメ
ントBとを染色性を異にする組合せで用いると前
述のソフト感とシヤリ感とを兼備した良好な風合
の加工糸となるのみならず、さらに均斉性のきわ
めて優れた杢調となり、商品価値の高い加工糸が
得られる。 杢調加工糸の場合、その混繊の程度つまり杢の
こなれが問題となり、一般には紡糸工程での混繊
が好ましいが、それぞれの目的に応じて延伸工
程、仮撚工程等でも混繊することが行なわれてい
る。さらに均斉性をきわめて均一にするためには
一般的には流体等による交絡処理方法等が用いら
れており、すぐれた杢調加工糸も得られている。 ところが、上記の製造方法によれば、流体等に
よる交絡処理を全く用いることなく仮撚加工を施
すだけできわめて均斉性の良い杢調特殊風合加工
糸が得られる。つまり、前述のようにして葉と葉
が噛み合つた交絡により交絡部とオーバー解撚部
及び捲縮部が糸条の長軸方向にかなり細かくラン
ダムに存在する。特に捲縮部ではマルチフイラメ
ントAとマルチフイラメントBとがランダムに糸
条の表面に出現するため極めて杢こなれの良い均
一な杢調加工糸となるのである。 マルチフイラメントAとマルチフイラメントB
とを混ぜるのは、紡糸工程から仮撚工程までのど
の工程で行なつても良く、その混合割合は重量比
(A/B)で30/70〜90/10の範囲であることが
好ましく、この範囲をはずれると所望のソフト感
を兼備した杢調麻ライク特殊風合加工糸が得られ
ないこともある。 本発明に云う熱可塑性マルチフイラメントとは
ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等の
繊維形成能を有するポリマーからなるマルチフイ
ラメントを指す。 マルチフイラメントAとマルチフイラメントB
の組合せとしては、 (i) 異種ポリマーからなる場合、 (ii) ホモポリマーと共重合ポリマーからなる場
合、 (iii) 同一ポリマーからなり染色性が異なる場合、 などがあり、何れの場合も本発明に適用すること
ができ、染色後杢調となる程度の色差を有する組
合せであればよい。 本発明の杢調特殊風合仮撚加工糸は前記のよう
にマルチフイラメントAが葉と葉が噛み合つて交
絡した交絡部が形成されているので、麻ライクの
風合を呈するものであり、しかもマルチフイラメ
ントAがマルチフイラメントBの外周を囲む形で
葉と葉が噛み合つて交絡した交絡部が糸条の長軸
方向にメートル当り2個以上存在するので、集束
性がよいものであり、その上マルチフイラメント
Bの存在によりソフト感が与えられるものであ
る。また上記交絡部は各単糸フイラメントが相互
に融着することなく形成されているので、風合の
均斉度に優れるとともに均染性にも優れたもので
ある。従つて布帛にしたときに従来の融着仮撚加
工糸から得られた布帛と比べて「杢こなれ」がよ
く、しかも「めりはり」のある極めて品位の高い
麻ライク特殊風合を有し、安定した特殊な表面効
果を与えることができ、布帛のヨコ方向全面欠点
などが生ずることがないものである。 また、本発明の杢調特殊風合仮撚加工糸は、上
記した製造方法で得られるので、従来のような熱
可塑性マルチフイラメントの融着高温領域で仮撚
加工を施し、単糸相互に部分的融着させて得る方
法、あるいは先撚仮撚または仮撚後追撚などの複
数工程により類似風合を得る方法のような高度な
機械条件、精度、管理技術、作業の煩雑性等のネ
ツクを有する加工方法と異なり、通常の仮撚条件
あるいは数段マイルドな条件下でも発現可能な交
絡によるソフト感を兼備した杢調麻ライク特殊風
合を容易に得ることができる。この事実から周知
の融着高温領域で得られる麻ライク特殊風合加工
糸加工方法に比較し通常捲縮仮撚温度領域、ある
いはそれ以下の温度域においてもその効果は十分
得られること及び流体等を用いた交絡処理を行な
うことなく、杢の良くこなれた杢調加工糸が得ら
れることから、エネルギー消費は30〜40%程度の
節減可能であり、省エネルギー型加工方法として
注目に値する。また前述の省エネルギー型加工法
であることをあわせて原価面においても多大の貢
献を及ぼすソフト感を兼備した杢調麻ライク特殊
風合仮撚糸の製造方法を適用できるものである。 実施例 1 固有粘度〔η〕が0.65であるポリエチレンテレ
フタレートを各種形状の紡糸口金を通して紡糸温
度285℃、紡糸速度1000m/minで紡糸し、それ
に続いて延伸倍率3.3で延伸を行ない表1に示し
た各種断面形状の100D/10Fのマルチフイラメン
トAを得た。 これとは別に、固有粘度〔η〕が0.63である5
−ナトリウムスルホイソフタレートを2モル%共
重合したポリエステルを用い円形の紡糸孔を通し
て同様の条件で紡糸し、それに続いて延伸倍率
3.4で延伸を行ない50D/12Fのマルチフイラメン
トBを得た。 マルチフイラメントB 繊度(デニール) 49 単糸繊度(デニール) 4.1 強度(g/D) 3.2 伸度(%) 30.5 これらの原糸を三菱重工社製LS−6仮撚機を
用いて下記の条件で合糸仮撚し、その得られた仮
撚糸について表1の評価結果を得た。 スピンドル回転数(rpm) 25.0×104 ヒーター温度(℃)(第1/第2) 225/215 仮撚数(T/M) 1900Z 撚角度(゜) 36.6° オーバーフイード率(%)(第1/第2/捲取)
6.3/10.0/8.0 第1:フイードローラー〜第1デリベリローラ
ー 第2:第1デリベリローラ〜第2デリベリロー
ラ 捲取:第2デリベリローラー〜ワインダー また風合評価は筒編地を作り、手ざわりで評価
し、染色はカチオン染料であるバイエル社製「ア
ストラゾンブルーFRR」を用いて染め、目視で
評価した。また交絡部の発生頻度は1/10(g/
D)×該フイラメント繊度(D)相当グラム数の
荷重下で拡大観察し、1メートル当りの個数とし
て求めた。
【表】 実施例 2 固有粘度〔η〕が0.65であるポリエチレンテレ
フタレートを十字型をした各種寸法の紡糸孔を通
して紡糸温度285℃、紡糸速度1000m/minで紡
糸し、それに続いて延伸倍率3.3で延伸を行ない
表2に示した各種断面形状の100D/10Fのマルチ
フイラメントAを得た。この各種マルチフイラメ
ントAと実施例1で用いた50D/12Fの円形断面
マルチフイラメントBとを実施例1と同様にそれ
ぞれ合糸仮撚し、表2にその結果をまとめた。
【表】 実施例 3 相対粘度2.6のナイロン6を十字型をした紡糸
孔を通して、紡糸温度280℃、紡速1000m/min
で紡糸し、それに続いて延伸倍率3.7で延伸を行
ないβ/γが3.3の4葉断面を有する100D/10F
のマルチフイラメントAを得た。 これとは別に相対粘度2.7の5−ナトリウムス
ルホイソフタレートを2.0モル%共重合したナイ
ロン6を各種紡糸口金を用いて紡糸温度280℃、
紡糸速度1000m/minで紡糸し、それに続いて延
伸倍率3.9で延伸を行ない各種マルチフイラメン
トBを得た。 このマルチフイラメントAと各種マルチフイラ
メントBとをそれぞれ組合わせて以下の条件で合
糸仮撚加工を行ない表3の結果を得た。 スピンドル回転数(rpm) 25.0×104 ヒーター温度(℃) 185 仮撚数(T/M) 1900Z 撚角度(゜) 36.6 オーバーフイード率(%)(第1/捲取)
0/5.0 第1:フイードローラー〜第1デリベリローラ
ー 捲取:第1デリベリローラー〜ワインダー
【表】
【表】 実施例 4 固有粘度〔η〕が0.63である5−ナトリウムス
ルホイソフタレートを2モル%共重合したポリエ
ステルを十字型をした紡糸孔を通して紡糸温度
280℃、紡速3500m/minで紡糸し、β/γが3.5
の4葉断面を有する247D/10Fの高配向マルチフ
イラメントAを得た。 また、これとは別に固有粘度〔η〕が0.65であ
るポリエチレンテレフタレートを用い円形の紡糸
孔を通して同様の条件で紡糸し94D/12Fの高配
向マルチフイラメントBを得た。
【表】 この2種の原糸をバーマーグ社製FK−6CS機
を用いて以下の条件で合糸延伸仮撚加工したとこ
ろ葉と葉が噛み合つた交絡による交絡部が18.4
個/M混在する極めて杢こなれの良いソフトで麻
ライク特殊風合仮撚加工糸を得た。 デイスク材質 ポリウレタン 糸速(m/min) 410 フリクシヨン表面速度/糸速 2.01 延伸倍率(倍) 1.780 ヒーター温度(℃) 215
【図面の簡単な説明】
第1図1−1,1−2は本発明に供するマルチ
フイラメントを構成する単糸フイラメントの例を
示す断面図、第2図は本発明の杢調特殊風合仮撚
加工糸の例を示す糸条長軸方向の形状側面図、第
3図は第2図の交絡部の拡大断面図、第4図は第
2図の捲縮部の拡大断面図、第5図は本発明に供
するマルチフイラメントを構成する単糸フイラメ
ントの他例を示す断面図、第6図は第2図のオー
バー解撚部の拡大断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 単糸フイラメントの断面形状が放射状の3〜
    8葉の中から選ばれた少なくとも1種類の特殊異
    形断面である熱可塑性マルチフイラメントAと、
    マルチフイラメントAとは染色性を異にし、かつ
    単糸フイラメントの断面形状が3〜8葉以外の断
    面形状である熱可塑性マルチフイラメントBとか
    らなる仮撚加工糸であつて、マルチフイラメント
    Aの単糸フイラメントの各葉が変形して相互に噛
    み合う状態でマルチフイラメントBの外周を囲ん
    で交絡し、糸条の長軸方向に該交絡による交絡部
    が2個/M以上存在し、かつ該交絡部は各単糸フ
    イラメント相互が融着することなく形成されてい
    ることを特徴とする杢調特殊風合仮撚加工糸。
JP15252681A 1981-09-26 1981-09-26 杢調特殊風合仮撚加工糸 Granted JPS5854033A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5482460A (en) * 1977-12-14 1979-06-30 Unitika Ltd Crimped blended fiber yarn and producing same
JPS54106648A (en) * 1978-01-31 1979-08-21 Unitika Ltd Specific high bulk processed yarn and production thereof

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5482460A (en) * 1977-12-14 1979-06-30 Unitika Ltd Crimped blended fiber yarn and producing same
JPS54106648A (en) * 1978-01-31 1979-08-21 Unitika Ltd Specific high bulk processed yarn and production thereof

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