JPS624775B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、映像、音声等の情報を情報トラツク
として記録した情報媒体から、情報再生信号を検
出する光学的情報再生装置に関し、特に前記情報
トラツクを忠実に追跡するためのトラツキング制
御装置に関する。

従来、光ビームを使用して、ビームスポツトと
して情報媒体に照射し、情報媒体から反射して得
られた反射ビームを、２個の光電素子を接合して
形成した、所謂差動型光電素子に照射し、この差
動型光電素子の差出力により、情報トラツクとビ
ームスポツトとの位置ずれ信号を検出するものが
ある。しかし、ビームスポツトが情報トラツクか
ら完全にはずれている状態、例えば装置の始動
時、また始動後何等かの外乱でビームスポツトが
情報トラツクから大きくはずれた時等のトラツキ
ングの引込みに対しては、その応答を特別な手段
を施すことなく確実かつ即座に行うことは困難で
ある。特に、トラツキングの引込みの際に、光学
的ピツクアツプ装置の情報媒体に対する角度ず
れ、また情報媒体の取付誤差等の情報媒体の角度
誤差が生じると、光ビームの光軸ずれにより、差
動型光電素子の検出信号に、直流バイアス的変化
を与える。例えばトラツキングがかかつていない
時、ビームスポツトが情報トラツクを横切ること
により生ずる差動出力波形は第２図のようになる
が、光ビームの光軸ずれが生じると第３図のａあ
るいはｂのように差動出力波形がドリフトしてし
まう。この変化は以下の理由で、トラツキングの
引込みに悪影響を与える。

即ち、通常トラツキングエラーあるいはフオー
カスエラー成分の周波数特性と、それらを補償す
る機械系の制御装置との周波数特性は、ピツクア
ツプ装置に加わる振動等の外乱を考慮すると、必
ずしも一致しない。従つて前記エラー成分を補償
する為に電気系の位相補償回路により制御系全体
の周波数特性を補償している。この時位相補償回
路により低域ゲインを得る様に補償することがあ
る。この補償を行うために、前記差動出力に直流
成分がのると、これが強調されることになり、更
に出力増巾されると第４図のａあるいはｂのよう
な出力波形になり、トラツキングの引込みが極め
て困難になる。

従つて、本発明ではトラツキングの引込みに際
して、何等かの原因で差動型光電素子の検出信号
に、直流バイアス的変化が生じても、容易にトラ
ツキングの引込みができるようにした光学的情報
再生装置のトラツキング制御装置を提供すること
を目的とする。

以下本発明の一実施例を図面に従い説明する。

光源１から発する光ビーム２は、レンズ３、偏
光ビームスプリツタ４、４分の１波長板５及び集
束レンズ６を透過し、この集束レンズ６にて光ビ
ーム２を公知のように情報トラツク７を形成した
情報媒体８上に照射スポツト９として照射する。
情報媒体８を照射した反射ビーム１０は、再び集
束レンズ６、４分の１波長板５を透過し、前記偏
光ビームスプリツタ４にて差動型光電素子１１に
レンズ１２を介して入射される。差動型光電素子
１１は公知の４分割差動型のものであり、各受光
面の受光量の和、差を取り出し、その受光量の変
化にて記録媒体１に記載された情報の再生信号、
情報トラツク２に対する照射スポツト９のトラツ
キング信号及び情報媒体８に対する照射スポツト
９の径を一定にするフオーカス制御信号を検出す
る。そしてこの検出信号に従つてピツクアツプ装
置１３を第５図の矢印あるいは方向に駆動制
御する。この駆動制御の内矢印方向に制御する
トラツキング制御回路の基本構成を第６図に示し
説明する。即ち、差動型光電素子１１の４つの受
光面の内、受光面１１ａと受光面１１ｂの受光量
の和を加算器１４で、また受光面１１ｃと受光面
１１ｄの受光量の和を加算器１５でとり、この両
者の和光量の差を減算器１６を介して得る。この
差光量により得られる差動出力を位相補償回路１
７、出力増巾回路１８を介して公知の如くトラツ
キング制御装置２１へ入力する訳であるが、本発
明では、トラツキング制御回路の差動型光電素子
１１の出力端から出力増巾回路１８の任意部分
に、高域通過フイルター１９を接続し、前記差動
型光電素子１１からの検出信号より直流変化分を
取り除いた後に、出力増巾回路１８以降の回路へ
入力させている。更にこの高域通過フイルター１
９には切換え手段２０を設け、高域通過フイルタ
ー１９がトラツキングの引込み時のみ作用し、引
込み後は差動出力が高域通過フイルター１９を経
ずに位相補償回路１７に入力するようにしてい
る。さらに具体的に説明すると、光学的情報再生
装置の主スイツチが入れられて装置が始動した時
から一定時間内、すなわち上述したトラツキング
の引き込み開始後の一定時間内に、切換え手段２
０をオフするようにして高域通過フイルター１９
を作用させる。そして、一定時間経過後に、前記
切換え手段２０をオンするようにして切換え手段
２０のバイパス作用を働かせ、差動出力が前記高
域通過フイルター１９を経ないで位相補償回路１
７へ入力するようにしている。

このため、トラツキングの引込みに際して、何
等かの原因で差動出力に直流成分がのり、出力波
形がドリフトしてしまつても、高域通過フイルタ
ー１９にて直流成分を除去できるので、位相補償
回路１７にて低周波域の差動出力の利得を上げる
よう補償しても、第４図のａあるいはｂのような
出力波形にならず、第７図の如き、ドリフトが生
じない増巾された出力波形となり、トラツキング
信号として望ましいものになる。しかしトラツキ
ング引込み後のトラツキング制御においては、前
述の直流成分の変化も制御信号として必要である
ため、トラツキング引込み後は高域通過フイルタ
ー１９を作用させない。

高域通過フイルター１９は減算器１６と位相補
償回路１７との間に切換え手段２０と共に設ける
と、配設箇所は１カ所で良く、しかも位相補償回
路１７にて利得補償する前に直流成分を減少する
ことになり効果大なるものである。

前述の如く本発明によれば、差動型光電素子の
差動出力の直流変化成分を除去できるため、トラ
ツキングの引込みを確実かつ容易にすることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は情報トラツクとビームスポツトの関数
を示す図、第２図、第３図のａ，ｂは差動出力波
形を示す図、第４図のａ，ｂは直流成分をのせた
まま各種補償をした後の出力波形、第５図はピツ
クアツプ装置の概要を示す図、第６図は本発明の
一実施例を示す制御回路の説明ブロツク図、第７
図は本発明による出力波形を示す図である。 ２…光ビーム、７…情報トラツク、８…情報媒
体、９…照射スポツト、１１…差動型光電素子、
１７…位相補償回路、１９…高域通過フイルタ
ー、２０…切換え手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 映像、音声等の情報を情報トラツク７として
   記録した情報媒体８に光ビーム２を照射し、情報
   媒体８からの反射ビーム１０を差動型光電素子１
   １に入射し、この差動型光電素子１１からの検出
   信号を制御回路を介してトラツキング制御駆動装
   置２１へ入力する光学的情報再生装置において、
   前記制御回路に、トラツキング引込み時に前記検
   出信号の直流成分を減少させるための高域通過フ
   イルター１９を接続すると共に、トラツキング引
   込み後は高域通過フイルター１９が作用しないよ
   うに切換え手段２０を設けてなる光学的情報再生
   装置のトラツキング制御装置。