JPS6242884B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はウラシル系除草剤とマレイン酸ヒドラ
ジドとを有効成分として含有する除草剤に関する
発明である。５―ブロム―３―sec―ブチル―６
―メチルウラシル（以下ブロマシルと記す）、３
―シクロヘキシル―５・６―トリメチレンウラシ
ル（以下レナシルと記す）、５―ブロム―３―イ
ソプロピル―６―メチルウラシル（以下イソシル
と記す）または５―クロル―３―tert―ブチル―
６―メチルウラシル（以下ターバシルと記す）等
のウラシル系化合物を含有するウラシル系除草剤
はメヒシバ、オヒシバ、スベリヒユ、ツユクサま
たはヤエムグラ等の一年生雑草、エノコログサ、
スヾメノテツポウ、スヾメノカタビラ等の越年生
雑草、更にヨモギ、ヨメナまたはスギナ等の小型
の多年生雑草に対して優れた除草効果を有してい
る。 しかし工場、空地、鉄道線路、道路等の様な非
農耕地の大形の多年生雑草に対してウラシル系除
草剤の除草効果を発揮させるためには通常は10a
当り0.8〜2.4Kg使用しなければならなかつた。ま
たクズ、ヤブガラシ、ヘビイチゴ等のつる草に対
しては大量に使用した場合でも効果があらわれに
くいものであつた。しかもウラシル系除草剤は土
壌中において分解しにくゝ、極めて安定であるた
めに土壌を汚染すること、またウラシル系除草剤
は効果が極めて緩慢である等の欠点があつた。一
方マレイン酸ヒドラジド（以下MHと記す）また
はその塩は従来、多年生雑草の防除に使用されて
いたがMHを多年生雑草の生育期である春夏期に
処理した後、約１週間経過してから多年生雑草の
地上部を切除した場合でも使用量が300〜2000
ｇ／10aと多いものであつた。 しかしながら特にヨシ、チガヤ、ススキ等のイ
ネ科の多年生雑草は抵抗性が強いので、マレイン
酸ヒドラジツドコリン塩またはブロマシルをそれ
ぞれ別々に使用した場合には、多量に使用した場
合でも効果は不充分である。例えばマレイン酸ヒ
ドラジドコリン塩の場合は10a当り５Kg以上の薬
量を使用した場合でも生育の抑制を行なうのみで
あつて、完全防除を期待するには養分転流期であ
る６月下旬〜７月中旬に散布し、更に散布後５〜
７日目に茎葉部の刈取りを行なう必要がある。ま
たブロマシルの場合はアスフアルト舗装の雑草突
破り防止には10a当り４Kg以上の薬量が必要であ
り、更に同量のDPA（２，２―ジクロルプロピ
オン酸ナトリウム塩）除草剤の混用が必要であ
る。 本発明者等はウラシル系除草剤およびMHの欠
点を改良する方法について種々の研究を行つた結
果、ウラシル系除草剤とMHとを併用することに
よつて、ウラシル系除草剤の使用量およびMHの
使用量がそれぞれ極めて少ない場合でも、従来、
除草が困難であつた多年生雑草に対して優れた除
草効果を発揮することを発見して本発明を完成す
るに至つた。 本発明においてウラシル系化合物とは次の様な
化学構造式で示される化合物を意味する。 また、本発明においてマレイン酸ヒドラジドま
たはその塩とはマレイン酸ヒドラジド、マレイン
酸ヒドラジドコリン塩、マレイン酸ヒドラジドエ
タノールアミン塩、マレイン酸ヒドラジドナトリ
ウム塩またはマレイン酸ヒドラジドカリウム塩等
を意味する。 本発明剤によつて、例えばメヒシバ、オヒシ
バ、エノコログサ、ヒメムカシヨモギ、ヒメジヨ
ン、ブタクサ、イヌタデ、ノミノフスマ、ハコ
ベ、カヤツリグサ、スヾメノテツポウ、ツユク
サ、アカザ、ヤエムグラ、スヾメノカタビラ、イ
ヌビエ、スベリヒユ等の１年生または越年生雑草
およびヨシ、チガヤ、ススキ、ヨメナ、タンポ
ポ、スギナ、カタバミ類、チカラシバ、ハマス
ゲ、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、ギシギシ
類、イヌガラシ、ジシバリ、ヤブガラシ、クズ、
カラムシ等の多年生雑草を防除することが可能で
ある。 またツル性多年生雑草クズ、ヘビイチゴ、ヤマ
フジ等についても強力な除草効果を有する。 本発明除草剤組成物を使用する場合の使用量は
ウラシル系除草剤の量として一般的には10〜300
ｇ／10aであり、好ましくは20〜200ｇ／10aであ
る。本発明除草剤を使用する場合において、ウラ
シル系除草剤の使用量が10ｇ／10a未満の場合は
除草効果が少なく、また300ｇ／10aを超える場合
には土壌中の残存量が多くなるので好ましくな
い。なお雑草が大きくなつた場合には上記の範囲
内においてやゝ多量に使用することが効果のうえ
から好ましい。 本発明剤を使用する場合のMHの使用量はマレ
イン酸ヒドラジドとして一般的には150〜1000
ｇ／10aであり、好ましくは200〜800ｇ／10aであ
る。 本発明除草剤組成物におけるウラシル系化合物
とMHとの割合はウラシル系化合物が20〜300
ｇ／10a、MHが150〜1000ｇ／10aになる様な範
囲内において任意に定めることが可能であり、こ
れらの割合の両者を製剤することによつて優れた
除草効果を有する除草剤組成物を得ることが出来
る。本発明除草剤組成物のウラシル系化合物の含
有量は0.5〜５重量％であり、MHの含有量は５〜
30重量％である。好ましくはウラシル系化合物の
含有量は１〜４重量％であり、MHの含有量は10
〜20重量％である。なお本発明において、ウラシ
ル系化合物はいずれも優れた除草効果を有する
が、これらの中でブロマシルが特に優れた効果を
発揮するので最も好ましい化合物である。また
MHとしてはマレイン酸ヒドラジドコリン塩が特
に効果が優れているので好ましく、ついでマレイ
ン酸ヒドラジドジエタノールアミン塩である。 本発明除草剤組成物は一般的には液剤または粉
剤に製剤するが、効果の点から液剤が特に好まし
い。本発明除草剤組成物の使用量は防除する雑草
の種類、あるいはMHおよびウラシル系化合物の
含有量によつて異なるが、一般的には１〜５Kg／
10aである。 本発明除草剤を使用する場合は10aの使用量に
相当する量を100前後の水で稀釈して使用する
方法が薬剤の均一散布および効果の点から好まし
い。本発明除草剤を使用することによつて、ウラ
シル系除草剤またはMHをそれぞれ別々に使用し
た場合よりも極めて少ない量のウラシル系除草剤
またはMHであつても速やかに優れた除草効果を
発揮することが出来る。 次に実施例によつて本発明除草剤組成物の製造
方法の例を示す。 実施例 １ マレイン酸ヒドラジドコリン塩の水溶液（マレ
イン酸ヒドラジド30重量％含有）70重量部にブロ
マシル水溶液（ブロマシル20重量％含有）20重量
部を加えて混合し、これに界面活性剤５重量部お
よび水５重量部を加えてよく撹拌して製品を得
た。得られた製品はマレイン酸ヒドラジド20重量
％、ブロマシル４重量％を含有するものであつ
た。 実施例 ２ マレイン酸ヒドラジドコリン塩の水溶液（マレ
イン酸ヒドラジド30重量％含有）70重量部にブロ
マシル水溶液（ブロマシル20重量％含有）10重量
部を加えて混合し、これに界面活性剤５重量部お
よび水15重量部を加えてよく撹拌して製品を得
た。得られた製品はマレイン酸ヒドラジド20重量
％、ブロマシル２重量％を含有するものであつ
た。 次に試験例によつて本発明除草剤組成物の効果
を説明する。 試験例 １ イネ科の越年生雑草の指標植物である、スヾメ
のテツポウ（草丈15cm、分けつ４）を内径10cmの
磁製ポツトに移植し、活着後、実施例１の方法で
得られた製剤（以下製剤１と記す）の所定量を
100の水で稀釈した濃度で、茎葉に散布し、
MHだけを処理した場合も、処理１週間後に茎葉
を切除することなく放置して、１ケ月後に除草効
果を調査した。調査結果を第１表に示した。なお
表において使用量は10a当りに換算した量を示
す。

【表】 第１表の除草効果において０〜５および※は次
の様な意味を示す。 ０……雑草が健全に生育 １……雑草が20％枯死 ２……雑草が40％枯死 ３……雑草が60％枯死 ４……雑草が80％枯死 ５……雑草が完全に枯死 ※……多少生育を抑制した。 試験例 ２ 内径20cmの素焼鉢に畑地土壌を充填して、多年
生雑草の指標植物であるサツマイモの塊茎（250
ｇ）を移植した。その後萌芽して茎葉長が20cmに
伸長したとき、実施例２の方法によつて得られた
製剤（以下製剤と記す）の所定量を100の水で
稀釈した濃度で茎葉に散布した。１ケ月後の効果
の調査結果を第２表に示した。なお表において使
用量は10a当りに換算した量を示す。

【表】 第２表の効果において０〜５および※は次の様
な意味を示す。 ０……サツマイモの茎葉が健全に生育 １…… 〃 〃 20％枯死 ２…… 〃 〃 40％ 〃 ３…… 〃 〃 60％ 〃 ４…… 〃 〃 80％ 〃 ５…… 〃 〃100％ 〃 ※……多少生育抑制を示した 実施例 ３ マレイン酸ヒドラジドコリン塩の水溶液（マレ
イン酸ヒドラジドを30重量％含有）34重量部にブ
ロマシル水溶液（ブロマシルを20重量％含有）20
重量部を加えて混合し、これに界面活性剤５重量
部および水41重量部を加えてよく撹拌して製品を
得た。得られた製品（以下製剤３と記す）はマレ
イン酸ヒドラジドを10重量％、ブロマシルを４重
量％含有するものであつた。 実施例 ４ マレイン酸ヒドラジドコリン塩の水溶液（マレ
イン酸ヒドラジドを30重量％含有）70重量部にブ
ロマシル水溶液（ブロマシルを20重量％含有）５
重量部を加えて混合し、これに界面活性剤を５重
量部および水20重量部を加えてよく撹拌して製品
を得た。得られた製品（以下製剤４と記す）はマ
レイン酸ヒドラジド20重量％およびブロマシル１
重量％を含有するものであつた。 試験例 ３ 野外の雑草繁茂地に１区２ｍ×１ｍの試験区を
設け、製剤２の所定量を100（10a当り）の水で
稀釈した濃度で噴霧機で雑草の茎葉に散布した。
なお処理時の雑草の草丈はヨモギ40cm、カモジグ
サ70cm、ギシギシ50cm、ナズナ40cm、メヒシバ60
cm、ヤブガラシ50cmであつた。１ケ月後の効果の
調査結果を第３表に示した。なお表において使用
量は10a当りに換算した量を示す。 なお試験例３および試験例４の効果において、
０〜５および※は次の様な意味を示す。 ０ ……雑草が健全に生育 0.5……雑草が10％枯死 １ …… 〃 20％〃 1.5…… 〃 30％〃 2.0…… 〃 40％〃 2.5…… 〃 50％〃 3.0…… 〃 60％〃 3.5…… 〃 70％〃 4.0…… 〃 80％〃 4.5…… 〃 90％〃 5.0…… 〃 完全に〃 ※ ……雑草の生育を多少抑制した。

【表】 試験例 ４ 野外に生育中のススキ（草丈1.5ｍ）に製剤
１，２，３および４を100の水で稀釈し、噴霧
機で茎葉に散布した。１ケ月後および３ケ月後の
効果についての調査結果を第４表に示した。なお
表において使用量は10a当りに換算した量を示
す。

【表】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ５―ブロム―３―sec―ブチル―６―メチル
   ウラシル、３―シクロヘキシル―５、６―トリメ
   チレンウラシル、５―ブロム―３―イソプロピル
   ―６―メチルウラシルおよび５―クロル―３―
   tert―ブチル―６―メチルウラシルからなる群か
   ら選ばれた少なくとも１種または２種以上のウラ
   シル系除草剤0.5〜５重量％とマレイン酸ヒドラ
   ジドまたはその塩５〜30重量％とを有効成分とし
   て含有することを特徴とする除草剤組成物。