JPS6242388Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、輪列を有する腕時計の構造に関する
ものである。

電子腕時計に於て、構成部品の数を少なくし、
かつ簡潔な構造にしてコストを下げる事は、最も
望まれる事項であり、モーターから指針に回転を
伝える輪列構造もその為に種々工夫されている。

第１図に示した断面図は、その代表的な従来例
で、全ての車、すなわち、ローター３、五番車
４、四番車５、三番車６、分車７、日ノ裏車８、
筒車９が、一個の輪列受２と地板１とで支持され
た簡潔な構造で、通常用いられる、四番車５或は
分車７を支持する中心軸や中間受を持たない為、
安価に作れコスト上のメリツトが非常に大きい
が、五番車４や三番車６の下軸受部が筒車９の歯
面より下部に有する為、地板１の筒車９の歯面よ
り文字板１１に亘る部分の肉厚が大きくなり、従
つてムーブメントが厚くなる欠点が有つた。

さて、時計のケースに於て、リユーズの高さ位
置が風防ガラスに近い方が、時計がより薄く見え
外観上勝れたものになるが、その為にはムーブメ
ントにおいて全体の厚みを小さく作るか或は巻真
と文字板との距離を短くする必要がある。しかし
ながら本例の場合、巻真１０の高さ位置は巻真１
０から日ノ裏車８を結ぶ針合せ機構によつて日ノ
裏車８の高さ位置で決められており、巻真１０と
文字板１１との距離は、上述した様に輪列の下軸
受部の厚みが加えられて大きく従つて外観の悪い
時計になる欠点も有つた。

本考案は、上述した欠点を持つ時計構造の改良
を目的としている。

以下本考案の実施例を図面第２図を用いて説明
する。

第２図は本考案の一実施例を示す時計ムーブメ
ントの部分断面図である。

本考案のポイントは、文字板と同一平面上に輪
列の軸受部を設けた事に有る。すなわち、第２図
に於てローター２３、五番車２４、四番車２５、
三番車２６、分車２７、日ノ裏車２８、筒車２９
が輪列受２２と地板２１とで支持されているが、
五番車２４の下軸受部２４ａおよび三番車２６の
下軸受部２６ａは、筒車２９の歯面より下方にあ
つて筒車２９を中心とする円形の凸形状をなす地
板中心部２１ａで支持されている。そして文字板
３１は、その中心に形成された穴部３１ａに嵌合
した地板中心部２１ａの外周にガイドされてお
り、この結果文字板３１と軸受部２４ａ，２６ａ
とは同一平面図上に並んでいる。従つて文字板３
１の位置と筒車２９の歯面位置とは、わずかな隔
りで断面的に位置している。

又、巻真３０と文字板３１との距離は、巻真３
０と筒車２９の歯面迄の高さの差にほぼ等しく軸
受部２４ａ，２６ａによる厚みは加わらない。

本考案によれば、簡潔な輪列構造の腕時計が、
従来のものに較べて安価にかつ薄型に製作出来る
事は明白である。又巻真が文字板に対して近い断
面位置に設定出来るので、前述した時計の外観上
見栄えの良いものが得られる。さらに輪列をプラ
スチツクで製作し、従来の金属製歯車より低コス
ト化を図る場合強度上及び成形上の理由から一般
にプラスチツクを用いた方が、輪列部のムーブメ
ント厚が増加するが、これに対しても本考案はム
ーブメント厚を小さくする効果がある。以上述べ
た如く本考案の意義は絶大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示した時計ムーブメントの部
分断面図、第２図は本考案の一実施例を示す時計
ムーブメントの部分断面図である。 ３，２３……ローター、９，２９……筒車、
２，２２……輪列受、１，２１……地板、１１，
３１……文字板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 輪列を軸支するための地板と、文字板とを備え
   た電子腕時計に於いて、地板に設けた凸形状部を
   文字板に形成した穴部に嵌合し、かつ前記地板の
   凸形状部の文字板と断面的に重なる位置に前記輪
   列の少くとも一部の軸受部を設けたことを特徴と
   する電子腕時計構造。