JPS6324464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カレンダー表示式携帯用時計の曜車
に関する。

曜星車と曜表示板とからなる曜車は、通常、
時、分、秒針及びこれらの駆動輪が集中するムー
ブメントの中央に回動中心が求められるため、携
帯用時計の薄型化を図るには、曜車を如何に薄く
するかが一つの課題となつている。このため、展
性に富んだアルミあるいは燐青銅をもつて曜表示
板を可及的に薄く形成することが行われている
が、これには、圧延加工によつて生じる機械的脆
さをなくすための熱処理、あるいは変形し易い薄
板に対する特別な取扱いが必要となり、また、燐
青銅に対しては白ニツケルメツキを施すか、梨地
加工を施し、アルミに対しては着色処理を施し
て、表面を白色にするが、最近の時計のように樹
脂製の日車が使われている場合には、樹脂材によ
つて得られる白色との間に差が生じて、日、曜を
同一長窓から表示させた場合、きわめて不体裁な
ものとなつてしまうといつた問題も生じ、さらに
は、曜星車との接合に当つて、かしめ止めあるい
はスポツト溶接等の作業が必要となり、曜車の製
造コストが嵩むといつた問題も有する。

本考案はかかる問題に鑑み、曜星車及び曜表示
板を熱可塑性樹脂により形成し、もつて、薄型化
と加工の容易さ及び日車との調和が図れ、さらに
は躍制時における盲動等の生じない改良された曜
車を提供することを目的とするもので、以下に本
考案の詳細を図示した実施例に基づいて説明す
る。

図面は、２ケ国語表示用として構成した本考案
の一実施例をなす曜車を示すものであり、図にお
いて１は、両面にサンドブラスト処理を施して白
色となした肉厚100μｍ以下の薄い熱可塑性樹脂
フイルムをもつて形成した円形の曜表示板で、そ
の中心部には、図示しない時針車のスリーブ外径
より若干大きめの中心孔１ａが設けられ、また、
この外周に等間隔に穿設した位置決め兼結合用の
孔１ｂには、同じく合成樹脂材よりなる曜星車２
の一面から突出した歯形基準のダボ２ｂが貫入し
て熱融着されている。なお、図中符号１ｃは作業
孔、１ｄは、曜表示板１の表面に歯形基準で印刷
した曜表示、２ａは、図示しない時針車のスリー
ブ外周に緩く嵌まり合う曜星車２の中心孔をそれ
ぞれ示している。

この実施例においては、リボン状をなす薄い熱
可塑性樹脂製フイルムにまず中心孔１ａと位置決
め兼結合用の孔１ｂ等を打抜き、この位置決め兼
結合用の孔１ｂを基準として表面に曜表示を印刷
した上、フイルムの裏面からこの孔１ｂに曜星車
２のダボ２ｂを嵌め込んで熱圧着し、最後にリボ
ン状フイルムから個々の曜表示板１を切離すとい
つた加工工程を採ることによつて、均質な樹脂材
から曜車を簡単に成形することができる。なお、
曜表示板１の素材として、両面にサイドブラスト
処理を施して白色となした上記の樹脂フイルムを
使用すれば、フイルム自体のクセによる影響も少
なく、しかもより肉厚を小さくすることが可能と
なる。

また、上述した実施例では、曜星車２のダボ２
ｂと曜表示板１の位置決め兼結合用の孔１ｂとに
よつて両者を熱溶着するようにしているが、曜表
示板１上の作業孔１ｃと曜星車２外周の歯との間
で位置決めを図るようにすれば、曜表示板１と曜
星車２相互の面での熱溶着によつて、曜車の成形
をさらに簡素化することができる。

以上述べたように本考案によれば、曜表示板を
両面にサンドブラスト処理を施して白色コーテイ
ングした熱可塑性樹脂フイルムにより形成したの
で、あらかじめ両面にサンドブラスト処理して白
色コーテイングしたリボン状のフイルムから打抜
きによつて均質な曜表示板を簡単に形成すること
ができるばかりでなく、フイルム自体のクセによ
る影響をなくし、サンドブラスト処理により表面
を荒して白色コーテイングしたので、日車との色
差の少ない曜表示板を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る曜車を一部切欠いて示
した平面図、第２図は、この曜車の要部を拡大し
て示した断面図である。 １……曜表示板、１ｂ……位置決め兼結合用
孔、１ｃ……作業孔、２……曜星車、２ｂ……ダ
ボ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 指針の回動中心を回動中心として支持される曜
   車において、曜日を表示する曜表示板を両面にサ
   ンドブラスト処理を施して白色コーテイングした
   熱可塑性樹脂フイルムにより形成したことを特徴
   とする携帯用時計における曜車。