JPH10282254A - 時 計 - Google Patents

時 計

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JPH10282254A
JPH10282254A JP8656097A JP8656097A JPH10282254A JP H10282254 A JPH10282254 A JP H10282254A JP 8656097 A JP8656097 A JP 8656097A JP 8656097 A JP8656097 A JP 8656097A JP H10282254 A JPH10282254 A JP H10282254A
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JP
Japan
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plate
back plate
timepiece
leg
dial
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JP8656097A
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English (en)
Inventor
Tomonori Momose
智規 百瀬
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層文字板を備えた時計において、多層文字
板の厚さを薄くすることが可能であるとともに、強度不
足を来すことのない取付構造を提供する。 【解決手段】 裏面板13の外周寄りの対向する2個所
には、それぞれ貫通孔13a,13bが形成されてい
る。これらの貫通孔13a,13bに対応する表面板1
4の裏面上には、円柱軸状の脚軸14a,14bがスポ
ット溶接によって固着されている。表面板14と裏面板
13とが重なり合うとき、脚軸14a,14bは貫通孔
13a,13bを遊びを以って貫通するように構成され
ている。脚軸14a,14bは、図示しない地板に係合
するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は時計に係り、特に、
文字板等の表示板の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、置き時計、腕時計、懐中時計、ス
トップウォッチ等の各種時計においては、一般に、内蔵
されたムーブメントの表面側に文字板が配置され、この
文字板上に時刻等を表示する文字や図形、その他の模様
等が表されている。文字板には中央孔が形成され、この
中央孔を貫通する指針部が設けられ、この指針部に取り
付けられた各指針によって時刻や時間を表示する表示部
が構成されている。
【0003】上記各種時計の文字板は、一般に1枚の金
属等からなる板状体からなり、時計ケースや地板に対し
て固定されている。文字板には、複数枚の板状体を重ね
た多層文字板もある。この多層文字板は、例えば、表面
側の板状体(以下、単に「表面板」という。)に開口部
を設けて、この開口部から裏面側の板状体(以下、単に
「裏面板」という。)に表された文字や模様等が視認で
きるように構成する場合に用いられる。このような多層
文字板によれば、立体的かつ複雑な文字板デザインを形
成することができる。
【0004】多層文字板の一般的な取付構造は、裏面板
の裏面上に突起状の脚部を固定し、この脚部を地板等に
圧入することによって裏面板の位置決めを行い、このよ
うに位置決めされた裏面板に対して表面板を接着剤等に
よって接着するものである。また、この多層文字板の表
面板の周縁部は、一般的な文字板と同様にダイヤルリン
グ等によって上方から押さえ付けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
多層文字板の取付構造においては、脚部取付部の強度を
確保するために裏面板を或る程度厚く形成する必要があ
り、また、表面板においても、表面上に印刷を施した
り、固定した状態で表面凹凸の発生を防止したりするた
めに或る程度の厚さが必要となるため、単層文字板に較
べて全体の厚さが厚くなるという問題点がある。文字板
が厚くなると、特に腕時計や懐中時計のような携帯時計
では時計ケースが厚くなり、薄型化が困難になる。ま
た、裏面板を薄くすると、脚部の取付強度の不足を招
き、時計に衝撃が加わった場合に脚部が折損する恐れが
あるという問題点がある。
【0006】また、現状では、裏面板を形成する場合、
大判の板材にオフセット印刷によって印刷を行い、その
後裏面板形状に加工し、最後に脚部を取り付けるように
しているため、脚部の取付時に裏面板の表面上に突起が
出やすく、表面板との重ね合わせに不具合が生ずるの
で、これを防止するためにスポット溶接等の溶接強度を
弱くせざるを得ないという問題点がある。また、裏面板
の表面状態を維持しつつ脚部を確実に固着させるために
は、裏面板の材質も限定されてしまう。
【0007】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、多層文字板を備えた時計におい
て、多層文字板の厚さを薄くすることが可能であるとと
もに、強度不足を来すことのない取付構造を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、時計の表示面に沿って配置さ
れた表示板が地板に対して位置決めされ、該表示板は、
表面側に配置された表面板と、該表面板よりも裏面側に
配置された裏面板とが少なくとも平面的に一部重なるよ
うに構成されてなり、前記表面板にはその裏面から突出
する脚部を設け、前記裏面板には前記脚部を挿通する挿
通開口部を設け、前記脚部は前記挿通開口部を挿通して
前記地板に係合していることを特徴とする時計である。
【0009】この手段によれば、表面板に脚部を設け
て、裏面板の挿通開口部を通して脚部を地板に対して係
合させることにより位置決めするため、裏面板の強度が
不要となるために、裏面板を薄く形成できるとともに、
形状や材質等の選択の自由度を高めることができるた
め、表示板全体の厚さも薄くでき、また、脚部の取付強
度を確保できるので、時計の耐衝撃性も向上する。
【0010】ここで、前記表面板と前記裏面板とは、直
接若しくは間接的に接着されていることが好ましい。
【0011】この手段によれば、衝撃等によって表面板
と裏面板との間に応力が発生した場合においても、脚部
と裏面板との間に直接に応力が加わることがなく、接着
層を介して応力が伝達されるので、表面板と裏面板とを
一体化しても脚部に加わる負担を比較的軽減することが
できる。
【0012】この場合には、前記挿通開口部は、挿通さ
れた前記脚部に対して余裕を持つ開口を備えており、前
記表面板の外周部と、これに対向する時計内壁面との間
隔は、前記裏面板の外周部と、これに対向する時計内壁
面との間隔よりも大きく設定されていることが望まし
い。
【0013】この手段によれば、時計に衝撃が加わった
場合、時計内壁面との間隔の小さい裏面板の外周部に応
力が加わるので、裏面板から摩擦力によって或いは接着
層を介して表面板に応力が伝達されても、表面板に直接
に応力が加わらないため、脚部の折損等を防止すること
ができる。
【0014】さらに、前記表面板と前記裏面板とは、接
着状態で弾性若しくは可撓性を有する接着材を介して接
着されていることが望ましい。
【0015】この手段によれば、表面板と裏面板との間
が弾性若しくは可撓性を有する接着材を介して接着され
ているため、裏面板から表面板に伝達される応力を軽減
することができる。ここで、接着材としては、合成ゴム
を含む接着剤や、弾力性のあるシートの両面に接着剤を
塗布した両面接着テープ等を用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る実施形態について説明する。この実施形態は本発
明を腕時計に対して適用した例を示すものであるが、本
発明は腕時計に限らず、上述のような各種時計に対して
同様に適用することができるものである。
【0017】図1は、本実施形態の腕時計の時計本体の
3時方向及び9時方向に切断した構造を示す縦断面図で
あり、図2は、中央の垂直一点鎖線の右側が時計本体の
2時方向に切断した構造を示す縦断面図であり、垂直一
点鎖線の左側が時計本体の12時方向及び6時方向に切
断した構造を示す縦断面図である。
【0018】この実施形態の時計ケース10は裏蓋のな
いワンピース構造を備えており、内部にムーブメント1
1を内蔵している。時計ケース10の内部には地板12
が固定されており、この地板12の上方には、金属薄板
からなる裏面板13及び表面板14が重ねられた状態で
配置されている。この表面板14の表面周縁部はダイヤ
ルリング15によって押さえ付けられている。
【0019】ダイヤルリング15の上方には、時計ケー
ス10の上部に図示しない飾りねじによってガラス縁1
6が取り付けられ、このガラス縁16の内面によってダ
イヤルリング15が下方に押し付けられている。ガラス
縁16の表面側にはカバーガラス17が取り付けられて
いる。
【0020】時計ケース10における環状の突出壁部1
0aは、ムーブメント11を収容する下部から上方へと
伸びている。一方、ガラス縁16には、突出壁部10a
に対応するように構成された環状の凹溝部16aが形成
されている。この凹溝部16aは、時計ケース10の突
出壁部10aの内側に嵌合する環状の突出部16bと、
突出壁部10aの外側において下方に伸びる外壁部16
cとの間に形成されている。外壁部16cは、図1に示
すリュウズ21が取り付けられた3時方向の外縁部及び
図2に示す操作ボタン22の取り付けられた2時方向の
外縁部についてはカットされているが、それ以外の外縁
部においては、下方に向けて大きく突出し、外壁部16
cの下端部と時計ケース10との接合部は、凹溝部16
aよりも下方に配置されている。
【0021】時計ケース10の突出壁部10aの上端部
と、ガラス縁16の凹溝部16aの内底部との間には、
リング状のパッキン23が挟持され、時計ケース10の
内部を密封している。
【0022】図3は、本実施形態における文字板の構造
を示すものである。裏面板13の外周寄りの対向する2
個所には、それぞれ貫通孔13a,13bが形成されて
いる。これらの貫通孔13a,13bに対応する表面板
14の裏面上には、円柱軸状の脚軸14a,14bがス
ポット溶接やろう付け等によって固着されている。表面
板14と裏面板13とが重なり合うとき、脚軸14a,
14bは、その根元部に形成された小径部によって、貫
通孔13a,13bを遊びを以って貫通するように構成
されている。脚軸と貫通孔との嵌合部の構造は、図4
(a)に拡大して示されている。
【0023】表面板14に取り付けられた脚軸14a,
14bは図4(b)及び(c)に点線で示すように円形
断面を備えており、この脚軸14a,14bは、図1及
び図2に示す地板12の表面に形成された2つの嵌合穴
に圧入若しくは嵌合され、位置決めされるように構成さ
れている。2つの嵌合穴12a,12bの断面形状は図
4(b)及び(c)に示されており、相互に異なる方向
に対して脚軸14a,14bを位置決めするように、長
円、楕円若しくは欠け部を備えた円形の断面形状に形成
されている。例えば、脚軸14aが嵌合する嵌合穴12
aは、X方向に幅の小さい形状をしており、脚軸14a
をX方向に位置決めし、脚軸14bが嵌合する嵌合穴1
2bは、X方向と交差する、好ましくは直交するY方向
に幅の小さい形状をしており、脚軸14bをY方向に位
置決めする。
【0024】本実施形態では、表面板14の裏面と裏面
板13の表面とを接着剤によって接着している。この接
着剤としては、接着硬化後においても弾性若しくは可撓
性を失わない合成ゴム系の接着剤が好ましい。ただし、
表面板14と裏面板13とを敢えて接着しなくてもよ
い。これは、本実施形態では、表面板14と地板12と
の間に裏面板13が挟持されるように構成されているか
らである。表面板14と裏面板13とを接着しない場合
でも、表面板と裏面板との間に弾性や可撓性を有するシ
ートや板状体を介挿してもよい。この緩衝材は、後述す
るように、時計が外部から衝撃を受けたときの緩衝材と
なるものである。
【0025】図5は、表面板14の表面形状を示す平面
図である。表面板14の表面上には印刷層が形成され、
この印刷層には、時刻等を示す数字、位置マーク等の表
面模様が表れるようになっている。表面板14の中心に
は中心孔14cが形成されているとともに、3時方向の
外縁寄りにはカレンダー(年、月、日、曜日等)を視認
可能にするためのカレンダ表示窓14dが形成されてい
る。また、12時方向から時計回りに6時方向までの外
縁寄り部分には、透視開口部14e,14fが円弧状に
形成されている。この透視開口部14e,14fは、単
なる開口部でもよく、或いはまた、透明樹脂等を取り付
けた透視窓となっていてもよい。
【0026】図6は、裏面板13の表面形状を示す平面
図である。裏面板13の中心には中心孔13cが形成さ
れ、また、外縁部の対向位置には、一対の上記貫通孔1
3a,13bが形成されている。さらに、3時方向の外
縁寄りにはカレンダーを視認可能にするためのカレンダ
表示窓13dが形成されている。
【0027】裏面板13の12時方向から時計回りに6
時方向までの外縁寄り部分には、上記透視開口部14
e,14fに対応する位置に、透視開口部14e,14
fよりやや多き目のグラデーション部13e,13fが
印刷されている。これらのグラデーション部13e,1
3fは、12時方向にある部分が最も濃い色調であり、
6時方向にある部分に向けて次第に薄くなるように印刷
されている。
【0028】本実施形態における文字板近傍の構造にお
いては、図7に示すように、表面板14の外縁と、この
外縁に対向する時計ケース10の内壁面であるダイヤル
リング15の下部内周面15aとの間隔aが、裏面板1
3の外周部と、この外周部に対向するダイヤルリング1
5の下部内周面15aとの間隔bよりも大きくなるよう
に構成されている。
【0029】このことにより、時計ケース10に衝撃が
加わった場合、ダイヤルリング15を介してまず裏面板
13に衝撃が伝達され、次に、表面板14に衝撃が伝わ
り、最後に、脚軸14a,14bと地板12との嵌合部
において衝撃が吸収される。したがって、従来よりも衝
撃が加わった場合の脚軸14a,14bへの応力が低減
され、脚軸の破損、折損等を防止することができる。こ
の場合、表面板14と裏面板13との間が弾性や可撓性
を有する接着層によって接着されていると、この接着層
によって衝撃を緩和することができるので、さらに脚軸
への衝撃を低減することができる。ここで、接着層は、
硬化後においても弾性や可撓性を有する合成ゴム系の樹
脂を含む接着剤や、両面接着テープ等のように弾性や可
撓性を有するシートからなるもので構成できる。
【0030】なお、図7においては、表面板14の外縁
よりも裏面板13の外縁の方が外側に張り出している
が、時計ケースの内壁面(ダイヤルリング15の下部内
周面15a)に段差を設けることによって、上述と同様
の間隔a,bを設けてもよい。
【0031】図8には、図7に示す構造と同様に、間隔
aを間隔bよりも大きくした文字板構造において、表面
板14に取り付けられた脚軸14gの形状を変えた様子
を示すものである。この図に示す構造では、脚軸14g
の根元部に小径部が形成されていないことから、裏面板
13の貫通孔13a,13bとの挿通余裕が僅かなもの
となっている。この構造においては、外部からの衝撃を
受けると、ダイヤルリング15の下部内周面15aと裏
面板13の外縁とが接触して裏面板13が応力を受け、
次に、貫通孔13a,13bと脚軸14gとの挿通余裕
が少ないことから、裏面板13から脚軸14gに応力が
伝達される。通常の衝撃では、裏面板13と脚軸14g
との間において、すなわち、裏面板13が脚軸14gに
当る際に、ほとんどの応力が吸収されるため、表面板1
4自体には影響はなく、特に、表面板14の表面に形成
された装飾面(印刷面等)に傷やクラックが生じたりす
るなどの致命的な損傷を防止することができる。
【0032】本実施形態では、ムーブメント11が、内
部電池の充電容量を示すための指針駆動機能を備えてお
り、例えば操作ボタン22を押圧すると、秒針の移動量
によって内部電池の充電量を示すようになっている。こ
のとき、透視開口部14e,14fを通して視認される
グラデーション部13e,13fの長さは、ほぼ内部電
池がフル充電である状態の指針移動量に対応しているた
め、グラデーション部の色調の濃淡を内部電池の充電量
を確認する際の指標とすることができる。
【0033】文字板を多層に形成することによって、立
体的なデザインを形成することができるとともに、1枚
の文字板上に形成することの困難な複雑なデザインも容
易に構成できる。また、多層文字板とすることによっ
て、表面側から見えない裏面板を純鉄等の磁性体によっ
て形成すれば、特に時計の表面側から磁界を受けた場合
の耐磁性を得ることができる。
【0034】本実施形態では、内部電池の充電量を知る
指標として、裏面板13に印刷されたグラデーションを
用いているが、グラデーションでなくともその他の種々
の指標を裏面板13上に印刷その他の方法により視認可
能に形成してもよく、また、例えば温度を色調の変化に
よって表示する温度表示パターンや、時計をストップウ
ォッチとしても用いることができる場合の時間目盛り等
を形成してもよい。
【0035】本実施形態では、裏面板13に円形断面の
貫通孔13a,13bを形成しているが、脚軸14a,
14bを挿通可能であれば、裏面板13の外縁から切り
込まれたスリット部を設けてもよい。
【0036】本実施形態によれば、表面板14に脚軸1
4a,14bを取り付け、これらの脚軸14a,14b
を裏面板13の貫通孔13a,13bに挿通して地板1
2に嵌合させることにより位置決めを行っているため、
裏面板13には脚軸を設ける必要がなく、しかも裏面板
13が表面板14と地板13との間に挟持された構造と
なっていることから、裏面板13自体の剛性を確保する
必要がなくなり、その厚さを薄く形成することができ
る。本実施形態では、真鍮、アルミニウム、洋白等の金
属製の表面板及び裏面板を用いた場合、従来、表面板、
裏面板共に0.3mmを越える厚さとなっていたもの
が、表面板を0.3mm、裏面板を0.2mmとするこ
とができ、文字板全体を薄く形成することができた。
【0037】このように、裏面板13を薄く形成するこ
とができるから、多層文字板であるにも拘わらず、文字
板全体を比較的薄く形成することができ、時計自体の薄
型化を図ることも可能である。
【0038】裏面板13としては、表面板と同様の形状
のものに限らず、表面板とは異なる形状、表示面の一部
のみをカバーする形状で形成してもよい。また、裏面板
13の機械的特性としては、弾性若しくは可撓性を備え
たシート状のものでもよいため、裏面板の材質や厚さに
関する自由度を増大させることができる。本実施形態で
は、強度的に従来使用できなかったアルミニウム板を用
いることが可能になり、製造コストを低減できるととも
に、軽量化を図ることができた。また、オフセット印刷
によってグラデーション印刷や多色印刷も可能となり、
デザイン上のバリエーションを増加させることができ
る。
【0039】さらに、上述と同様の理由により、裏面板
13と表面板14との間の位置決めは、表面板14の脚
軸14a,14bを裏面板13の貫通孔13a,13b
に挿通させるだけで行うことができるため、従来のよう
に表面板14と裏面板13との位置決めのための嵌合部
を別に設ける必要がなく、表面板14及び裏面板13の
構造自体も簡単にすることができ、製造コストも低減で
きる。また、従来のように裏面板の裏面上に脚軸を設け
ると、裏面板の表面上に凸部が形成される場合があり、
表面板の接着や重ねあわせに支障がでたり、支障をなく
すために表面板の裏面上に凹部等を設ける必要があった
が、本実施形態では、表面板14に脚軸14a,14b
が固着されているので、このような支障は全くない。従
って、表面板に脚軸を取り付ける方法にも自由度が出て
くるとともに、脚軸の取付強度も向上させることができ
る。
【0040】本実施形態では、図1及び図2に示すよう
に、ガラス縁16と時計ケース10とが凹凸状の断面構
造で接合されており、しかも、その凹凸部において密封
若しくは封止されているので、時計の防塵性が向上し、
時計ケース10の内部に収容されたムーブメントに対し
て塵埃の混入を防止でき、また、パッキンや密封部の耐
久性を向上させることもできる。
【0041】この場合、密封部の位置に拘わらず、ガラ
ス縁16の外壁部16cの下端と時計ケース10の外壁
部との接合線の形状を任意に形成できるため、時計ケー
スのデザインの自由度が高まるという利点もある。
【0042】なお、上記図1及び図2に示す時計ケース
10とガラス縁16との凹凸若しくは嵌合構造部(突出
壁部10aと、凹溝部16a、突出部16b及び外壁部
16cとの対向部)には、グリース、オイル、樹脂等を
充填させることによって、密閉性や防水性を向上させる
ことができ、また、パッキン、シール材等を空気に触れ
ないように構成できるので、これらパッキンやシール材
の耐久性を向上させることができる。
【0043】上記実施形態では表面板と裏面板の2枚構
成の文字板の例のみを示したが、3枚以上を積層した文
字板に対しても本発明を同様に適用させることができ
る。この場合、最も表面側の板状体に脚部を設けること
により、枚数が増加しても本実施形態と全く同様の作用
効果を得ることができる。
【0044】なお、本発明においては、最も表面側の板
状体に脚部を取り付けなくとも、より表面側の板状体に
脚部を取り付けて、この脚部を、より裏面側の板状体に
挿通させて地板に対して係合させればよいものである。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば以下
の効果を奏する。
【0046】請求項1によれば、表面板に脚部を設け
て、裏面板の挿通開口部を通して脚部を地板に対して係
合させることにより位置決めするため、裏面板の強度が
不要となるために、裏面板を薄く形成できるとともに、
形状や材質等の選択の自由度を高めることができるた
め、表示板全体の厚さも薄くでき、また、脚部の取付強
度を確保できるので、時計の耐衝撃性も向上する。
【0047】請求項2によれば、衝撃等によって表面板
と裏面板との間に応力が発生した場合においても、脚部
と裏面板との間に直接に応力が加わることがなく、接着
層を介して応力が伝達されるので、表面板と裏面板とを
一体化しても脚部に加わる負担を比較的軽減することが
できる。
【0048】請求項3によれば、時計に衝撃が加わった
場合、時計内壁面との間隔の小さい裏面板の外周部に応
力が加わるので、裏面板から摩擦力によって或いは接着
層を介して表面板に応力が伝達されても、表面板に直接
に応力が加わらないため、脚部の折損等を防止すること
ができる。
【0049】請求項4によれば、表面板と裏面板との間
が弾性若しくは可撓性を有する接着材を介して接着され
ているため、裏面板から表面板に伝達される応力を軽減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の3時及び9時方向に切断し
た断面を示す縦断面図である。
【図2】同実施形態の12時及び6時方向に切断した断
面(左半分)及び2時方向に切断した断面(右半分)を
示す縦断面図である。
【図3】同実施形態における文字板の構造を示す縦断面
図である。
【図4】同実施形態における文字板の地板への位置決め
部の拡大断面図(a)並びに脚軸と地板の嵌合穴との断
面形状を示す説明図(b)及び(c)である。
【図5】同実施形態における表面板の平面図である。
【図6】同実施形態における裏面板の平面図である。
【図7】同実施形態における文字板の取付構造部の例を
示す拡大断面図である。
【図8】同実施形態における文字板の取付構造部の異な
る例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 時計ケース 10a 突出壁部 11 ムーブメント 12 地板 13 裏面板 13a,13b 貫通孔 14 表面板 14a,14b,14g 脚軸 15 ダイヤルリング 16 ガラス縁 16a 凹溝部 23 パッキン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時計の表示面に沿って配置された表示板
    が地板に対して位置決めされ、該表示板は、表面側に配
    置された表面板と、該表面板よりも裏面側に配置された
    裏面板とが少なくとも平面的に一部重なるように構成さ
    れてなり、前記表面板にはその裏面から突出する脚部を
    設け、前記裏面板には前記脚部を挿通する挿通開口部を
    設け、前記脚部は前記挿通開口部を挿通して前記地板に
    係合していることを特徴とする時計。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記表面板と前記裏
    面板とは、直接若しくは間接的に接着されていることを
    特徴とする時計。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記挿通開口部は、
    挿通された前記脚部に対して余裕を持つ開口を備えてお
    り、前記表面板の外周部と、これに対向する時計内壁面
    との間隔は、前記裏面板の外周部と、これに対向する時
    計内壁面との間隔よりも大きく設定されていることを特
    徴とする時計。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記表面板と前記裏
    面板とは、接着状態で弾性若しくは可撓性を有する接着
    材を介して接着されていることを特徴とする時計。
JP8656097A 1997-04-04 1997-04-04 時 計 Pending JPH10282254A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012021796A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Citizen Holdings Co Ltd 時計用文字板
EP2508952A2 (en) 2011-03-08 2012-10-10 Seiko Epson Corporation Timepiece face and timepiece

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