JPS6238458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車等のステアリングロツク装
置の改良に関するものである。

自動二輪車、自動三輪車等の車両はフレーム前
端に設けたヘツドチユーブにフロントフオークを
枢支し、フロントフオークはステアリングステム
に結合されたトツプブリツジ上に設けたハンドル
で操向操作される。

かかるステアリング系において、車体側のヘツ
ドチユーブにロツクプレートを、操向部をなすト
ツプブリツジ側に出没自在なロツクピンを有する
点火回路開閉用スイツチを設け、ハンドルをロツ
ク方向に揺動させ、スイツチを電源オフ位置以降
にもどすことによりロツクピンを突出させ、ロツ
クプレートにロツクピンを係合し、ステアリング
系の操向をロツクして盗難防止を図つたステアリ
ングロツク装置は知られている。

かかるステアリングロツク装置のトツプブリツ
ジへの結着はボルト、ビス等のネジでなされ、従
来はロツク装置のボデイ左右に取付片を設け、ト
ツプブリツジ上、或は取付片下から縦に、即ちス
テアリングステムの軸方向、つまりは上下方向に
ネジを通して螺締結着している。一方、ロツク装
置のピンは前後方向に出没し、ヘツドチユーブの
ロツクプレートとの関係で上記した上下方向の結
着では製作誤差、組付誤差等の関係上、上下方向
にバラつきが発生する虞れがあり、又ロツク装置
のボデイはアルミニウム合金等の柔かい金属で成
形され、一方、トツプブリツジのネジ穴が長い場
合等は締付過大で更に上下にロツク装置の取付位
置が変化等し、更に又ボデイ取付片の取付孔が遊
合孔であるためズレが発生等し、ロツクピンのロ
ツクプレートへの掛り代にバラつきが発生する虞
れがある。

以上の他、従来ではロツク装置ボデイ取付用ネ
ジの頭が外部に露出しているため、これを回動し
てロツク装置を取り外すことも可能であり、更に
はロツク装置のボデイのロツクピンが出没する端
面が従来ではフラツトであり、一方、ロツクプレ
ートはハンドルの回動軌跡に沿う如く彎曲して曲
面状をなし、ロツクピンとロツクプレートとの係
合時、一方が曲面、他方がフラツトであるため、
ロツクプレートとボデイとの間の隙間が外側方に
向つて拡大し、ためにこの間に工具等を差し込ん
でピンを切断することは必ずしも不可能ではな
く、上記とともに盗難防止上最善を尽し難い。

本考案は以上を改善すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、ロツク装置ボデイをロツクピ
ン方向と同方向でトツプブリツジ等に螺締結着
し、これによりロツクピンとロツクプレートとの
上下方向の掛り代のバラつきをなくし、係合を確
実に行わせ、更には組付誤差等を可及的に吸収し
得る如くし、取付穴、孔加工の容易化、組付性向
上を企図し得る他、取付ネジ頭をトツプブリツジ
の取付部位内に埋没せしめ、ネジ頭の外部からの
回動操作等を困難とし、更にはロツク装置ボデイ
のロツクプレートと対向する端面をロツクプレー
トと同方向に彎曲させて曲面形状とし、この間へ
の工具の差し込みを防止し、ロツクピン切断等を
防止して盗難防止の実を挙げるようにしたステア
リングロツク装置を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車の概略側面図で、自動二輪
車１はフレーム２前端のヘツドチユーブ３に前輪
５を支持するフロントフオーク４を上下のブリツ
ジ６，７、ステアリングステム８を介して操向自
在に支持し、トツプブリツジ６上にはハンドル９
を付設し、フレーム２の前部上部には燃料タンク
１０を、又下部にはエンジン１１を各搭載し、燃
料タンク１０の後方にはシート１２を配設し、フ
レーム後下部から後方にリヤフオーク１３を枢着
延出して後輪１４を支持し、リヤフオーク１３と
フレームとの間にはリヤクツシヨンユニツト１５
が介設されている。

以上のヘツドチユーブ３上部にはベースプレー
ト１６を溶接等で前方と突出する如く平面扇状に
突設し、これの左右に起片１６ａ，１６ａを起設
し、ベースプレート１６上で起片１６ａ，１６ａ
間にはハンドルの回動軌跡に適合する如く彎曲面
１７ｂを備える弧状のロツクプレート１７を起設
し、これの一端側、即ちハンドルの回動限の位置
に係合孔１７ａを穿設する。

ハンドル、フロントフオークのステアリング系
をなすトツプブリツジ６にステアリングロツク装
置２０を設ける。

ステアリングロツク装置は点火回路の電源スイ
ツチを兼ね、筒状のボデイ２１の両側に取付ボス
部２２，２２を一体に突設し、ボス部２２，２２
の端面に開口し、奥を閉じた袋穴状の取付用ネジ
穴２３，２３を後方に開口する如く設ける。従つ
てネジ穴２３はボス部端面から反対端面に突き抜
けないように設けられる。一方、トツプブリツジ
６の前端部の一部に折曲垂下した支持片６ａを設
け、支持片６ａには前後方向に貫通する取付孔１
８ａを設けるとともに、支持片６ａの裏面で取付
孔１８ａ周には支持片後方、即ちヘツドチユーブ
側にリング状に突出し、取付孔１８ａを囲む如く
囲枠部１８を一体に突設する。かかる囲枠部はボ
ルト頭１９ａより大きく、そして頭１９ａと同
高、或はこれより高くなるように突出量を定め
る。かかる支持片６ａの前面ａにボス部２２，２
２の端面ｂを当て、取付孔１８ａとネジ穴２３と
を合せ、ボルト１９を孔１８ａ、ネジ穴２３に通
し、ロツクピン２８と同方向に通して螺合し、即
ちボルトを前後方向に通し、ボデイ２１のボス部
２２，２２を支持片６ａに螺締結着する。首下が
孔１８ａ周辺部に接し、ボルト頭１９ａの頂面は
囲枠部１８の頂面と同一か、或はこれの内部に隠
れ、又ボルト１９のネジ部１９ｂはボス部内に埋
没する。従つてネジ部先端は隠され、外部に表れ
ない。

このようにロツク装置２０をトツプブリツジ６
に螺締結着するにさいし、前後方向、即ちロツク
ピン２８と同方向に結着するため、ボデイ２１の
取付時、ロツクプレートとの関係で上下方向のズ
レがなく、ロツクプレートの係合孔とピンとがズ
レ、係合が円滑になされないための調整作業等は
皆無となり、ロツクプレートとピンとの間の掛け
代のバラつきの発生を防止し、又ボデイ側の取付
孔の遊合によるズレも可及的に防止でき、一方、
ピンの軸方向の多少のズレはピンの突出長さが通
常は余分に設定されているため、係合にさいし影
響はない。

従つて取付時に調整作業を不要とし、ロツク装
置の取り付けを容易化することができる。

ところで前記の如くボルト１９のネジ部１９ｂ
はボデイ２１左右の取付用ボス部２２のネジ穴２
３内に埋装され、ネジ穴２３は奥２３ａが塞がれ
ているためネジ部１９ｂ先端がボス部２２の外表
面に突出しない。そしてネジ頭１９ａはトツプブ
リツジの支持片６ａの裏面に突設した囲枠部１８
で隠され、外部に露出しない。従つてネジ１９を
外部から例えば頭を工具で叩いて回動させる如き
行為は実際上不可能となり、ネジ部が埋装されて
いることと併せてロツク装置のネジ回動等による
取り外しを防止し、盗難防止上有利である。

尚第６図は変更実施例で、トツプブリツジの支
持片１０６ａを肉厚に形成し、これの取付孔１１
８ａの裏面周を座ぐつてボルト１１９の頭１１９
ａよりも大きく、これの高さと同高、或はこれよ
りも深い凹部１１８を形成し、ボルト頭１１９ａ
を支持片１０６ａ内に埋没させるようにした。

以上のロツク装置２０のボデイ２１のロツクプ
レート１７の彎曲面１７ｂと向い合う端面ｃを彎
曲面１７ｂに倣つて同方向に彎曲させる。これに
より第５図の如くロツクピン２８とロツクプレー
ト係合孔１７ａとの係合状態でボデイ２１の端面
ｃと対向する彎曲面１７ｂには等しい彎曲した隙
間が形成され、隙間Ｓは彎曲しているため刃具等
を差し入れてもピン２８に達することがなく、従
つて刃具等によるピン２８の切断を防止すること
ができ、ロツクピン切断、解除による盗難防止を
図ることができる。

ところでステアリングロツク装置２０の詳細は
例えば第４図に示す如くで、ボデイ２１の上部２
１ａには縦通する孔２１ｂを備え、中間部２１ｃ
には大径の空所２１ｄが連通して設けられ、更に
下部２１ｅはスカート状に下方に開放された凹所
２１ｆを備え、凹所２１ｆの天井と中空部の空所
２１ｄとは孔２１ｂと同心の小孔２１ｇで連通
し、更に中間部２１ｃの後面には空所２１ｄと連
通し、孔２１ｂ，２１ｇと直交する方向にガイド
孔２１ｈが設けられている。孔２１ｂには軸方向
に長いキーシヤフト２４を回動自在に縦通嵌合
し、シヤフト２４上部２４ａには上方に開放する
盲孔状のキー溝２４ｂが形成され、中間部乃至下
部２４ｃは小径に形成され、小径部２４ｃの先部
は空所２１ｄを縦通して小孔２１ｇに嵌合し、従
つてシヤフト２４は上部を孔２１ｂの内径で、又
先部を小孔２１ｇの内径で回動自在に支承されて
いる。

空所２１ｄ内にはカム２５を臨ませ、カム２５
のベース２５ａに設けた取付孔２５ｂをシヤフト
２４の小径部２４ｃ上部に縦通嵌合し、この部分
の断面を略矩形としてシヤフトの回動と一体にカ
ム２５を回動し得る如くし、カム２５は図の軸方
向下部に小径部２４上部の半径方向に膨出する略
三角形状のカム部２５ｃを備え、ベース２５ａの
カム部２５ｃと反対側の部との境界部に肩部２５
ｄを備え、カム部２５ｃは小径部２４ｃの下部に
遊合した長方形の窓２６ａを備えるスライドピー
ス２６の該窓２６ａに嵌合し、窓２６ａの上肩２
６ｂに肩部２５ｄが当接し、カム２５の軸方向動
を規制すべくベース２５ａ上面とシヤフト２４の
小径部根部の肩部２４ｄとの間にはコイルバネ２
７が介装されている。スライドピース２６の後面
にはロツクピン２８の基部２８ａが係着され、ピ
ン２８はガイド孔２１ｂに摺動自在に嵌合し、図
はスイツチオンの状態を示し、ロツクピン２８は
後退してガイド孔２１ｂの端面とピン２８の先端
２８ｂとは少くとも面一となり、ピン２８はボデ
イ内に格納され、キー４０のスイツチオフ、更に
はロツク方向への回動操作でシヤフト２４は回動
し、カム２５を回動させて窓２６ａで係合するス
ライドピース２６を空所２１ｄ内で前進させ、ピ
ン２８を第４図鎖線Ａに示す如く突出させ、ハン
ドル９のロツク位置でピン２８を既述のロツクプ
レート１７の係止孔１７ａに係合せしめ、ロツク
を行う。尚２９はスライドピース２６を復帰させ
るためのバネである。

ボデイ２１の下部２１ｅの下端には固定プレー
ト３０を固設し、これに接点３１…を止着し、こ
の上に可動のロータ３２を配設してロータ３２は
下部２１ｅの円形凹所２１ｆ内で回動自在とし、
ロータ３２の上部周に内装したバネ３３で径方向
外方に弾圧されたボール３４を放射状に複数設
け、これを凹所２１ｆ内壁に当ててロータ回動時
の節度をもたせ、ロータ下面には可動接点３５を
設けてバネ３６で固定接点３１側に当接せしめ、
図は接点相互が接しているオン状態を示す。かく
して点火回路の電源スイツチ３８を構成する。ロ
ータ３２の中央部には係合孔３２ａを設け、これ
にシヤフト２４の最先端係合部３７を係合し、シ
ヤフト２４の回動でロータ３２は回動し、接点３
５，３１を接離する。

以上ロツク装置のロツク機構、スイツチ機構を
説明したが、これの具体的構造は任意である。

以上で明らかな如く本考案によれば、ロツク装
置とロツクプレート、就中ロツクピンとロツクプ
レートとの位置を正確にセツトして取り付けるこ
とができ、双方の掛り代のバラつきの防止、組付
作業性の向上を図り、併せて盗難防止上も有利で
ある等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図はヘツドチユーブ
回りの要部破断拡大側面図、第３図は同部の部分
破断拡大平面図、第４図はステアリングロツク装
置の拡大縦断側面図、第５図は同ロツク装置の取
り付け及びボデイとロツクプレートとの関係を説
明する部分破断平面図、第６図は変更実施例の部
分的な図である。 尚図面中、１は自動二輪車、２，３はフレーム
側、６はトツプブリツジ、１７はロツクプレー
ト、２０はロツク装置、２８はロツクピン、１９
は締着用ネジ、１８，１１８はネジ頭埋設部、１
７ｂ，ｃは弧状部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動二輪車等のフレーム側に固設されたロツ
   クプレートと、ハンドルを取付支持するトツプ
   ブリツジ等に取り付けられ、ボデイからロツク
   プレートに係合、離脱すべく出没自在に設けら
   れたロツクピンとからなるステアリングロツク
   装置において、 前記ステアリングロツク装置は、前記トツプ
   ブリツジに前記ロツクピンの軸方向と平行なネ
   ジ部材によつて締着すると共に、該ネジ部材の
   本体はステアリングロツク装置のボデイ内に埋
   設し、該ネジ部材の外端部はトツプブリツジ内
   に埋没するようにしたことを特徴とするステア
   リングロツク装置。 (2) 前記ロツクプレートを弧状とし、ステアリン
   グロツク装置のボデイの対向端面をロツクプレ
   ートの曲面形状に適合される如く弧状に形成し
   た前記実用新案登録請求の範囲第１項のステア
   リングロツク装置。