JPS6238097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転する飛散盤と固定状に配設され
た送風筒および案内筒との間に設けた回転間隙よ
り燃焼用空気や発生した気化ガスが妄りに漏出す
るのを防止して、一定濃度の混気ガスが常に得ら
れるようになし、長期に亘り安定した気化燃焼が
継続できる気化バーナに関する。

燃焼筒内に不回動状態のもとに配設した気化筒
の開放側端部に飛散間隙をおいて回転自在の飛散
盤を位置せしめて、該飛散盤の回転作動で気化筒
内に供給した燃料を燃焼筒内へ微粒状に飛散して
生燃焼させ、次いで生燃焼焔により気化筒が加熱
された以後は気化筒内に供給した燃料を燃焼用空
気と共に気化筒内を拡散移行せしめる間に蒸発気
化して混気ガスとしながらガス室に圧入して気化
燃焼せしめる気化バーナは実公昭52−54038号公
報に記載されたようにさきに本出願人が開発した
ものである。

ところで、この種気化バーナにおいては飛散盤
に形成した平坦盤面の内側には送風筒の先端側
が、又その外側には案内筒の基端側がそれぞれ回
転間隙をおき直線的に順次配設されていたので、
気化燃焼時に際し、燃焼用空気を送風筒より案内
筒を経て気化筒内へ送風させたり或は気化筒内に
おいて発生した混気ガスをガス室内に圧入せしめ
るよう流通した時には、燃焼用空気の一部が飛散
盤と送風筒との間の回転間隙より気化筒の開放側
端部に漏出するは勿論のこと、混気ガスの一部も
飛散盤と案内筒との間の回転間隙より案内筒内に
漏出して、一定濃度の混気ガスを安定状態の下に
ガス室内に圧入させることができず、その結果、
気化燃焼を長期に亘り安定した状態の下で継続さ
せることができず、これが改善を強く望まれてい
た。

本考案は前記に鑑み、気化筒の開放側端部に盤
面に環状の膨出段部を設けた飛散盤を飛散間隙を
おいて回転自在に設け、上記膨出段部の内側には
基端側より燃焼筒内に挿通した送風筒の先端開放
側を回転間隙をおいて臨ませると共に、膨出段部
の外側には気化筒内に配設され、かつ送風筒と連
通する案内筒の基端開放側を回転間隙をおいて臨
ませて、燃焼筒内に不回動状態のもとに配設した
気化筒により燃料の気化燃焼を行うために、燃焼
用空気を送風筒より案内筒を経て気化筒内へ送風
せしめる場合、或は気化筒内において発生した混
気ガスを気化筒の基端開放側よりガス室内へ圧入
せしめる際に、前記燃焼用空気の一部や混気ガス
の一部が飛散盤と送風筒との間の回転間隙或は飛
散盤と案内筒との間の回転間隙より妄りに開放側
端部或は送風筒内に漏出することを未然に防止
し、常に一定濃度の混気ガスが確実にガス室内に
圧入せられるようになし、長期に亘り安定した気
化燃焼を継続できる気化バーナを提供しようとし
たものであつて、以下に本考案に係る気化バーナ
の構成を添附図面に示された好適な実施例につい
て説明する。

第１図ないし第３図において、１は先端側を開
放し、基端側に送風筒２を挿通せしめた燃焼筒で
あつて、該燃焼筒１の内周面に、多数のガス噴出
口４を穿口した燃焼盤３を張設して、燃焼筒１の
内面と燃焼盤３の外面との間にガス室５を形成せ
しめる。そして上記ガス室５の略中心位置に開設
した開口部６には、基端側を開放状として前記ガ
ス室５と連通せしめた気化筒７を取付杆８を介し
て不回動状態に対設して燃焼筒１内に位置せしめ
る。

上記気化筒７の開放側端縁は内側へ向け折曲し
て混気板９となすと共に、該混気板９の周囲には
多数の流出孔１０を穿孔せしめる。１１は送風筒
２内に挿通した中空回転軸であつて、該中空回転
軸１１の先端側には気化筒７の開放側端部との間
に適当な飛散間隙１２が形成されるように位置せ
しめた飛散盤１３を直結してある。気化筒７の内
部中心位置には基端開放側が送風筒２の先端開放
側に接続され、しかも先端開放側を気化筒７内へ
開放した中空の案内筒１４を取付板１５により気
化筒７と一体に装着せしめてある。前述した飛散
盤１３は全体が平板状に形成され、しかも周端に
は斜め外向きに傾斜した燃料飛散端１６を形成せ
しめると共に、送風筒２と案内筒１４との接続部
に位置した内側の盤面は膨出して環状の膨出段部
１７を形成せしめ、送風筒２の先端開放側を回転
間隙１８を介して膨出段部１７の内側に臨ませ、
又案内筒１４の基端開放側を回転間隙１９を介し
て膨出段部１７の外側に臨ませて接続位置より強
制風や混気ガスが漏出するのを防止せしめる。又
送風筒２の先端開放側に面する盤面には適当大の
通風窓２０を開口すると共に、気化筒７と案内筒
１４との間の基端開放側に面する盤面にはガス通
気窓２１が開口されている。

２２は中空回転軸１１の内部に不回動状態の下
に収設された送油管であつて、該送油管２２の先
端に設けた燃料噴霧体２３は案内筒１４内に位置
せしめて送油燃料を気化筒７の内周面に向け均等
に噴散せしめる。

なお気化筒７に設けた流出孔１０より流出した
燃料は必らず回転する飛散盤１３で受け止められ
て燃料飛散端１６より燃焼盤３へ向け飛散される
ようになつている。

２４は点火栓である。

第４図に示された気化バーナは第１図ないし第
３図に示された気化バーナの他例であつて、この
気化バーナにあつては、気化筒７′の基端開放側
の周端縁を斜め外方に向け折曲して、その折曲部
を流下端１０′に形成すると共に飛散盤１３はム
ク状の回転軸１１′の先端側に直結せしめた外、
燃焼筒１の基端側より燃焼筒１内に挿入した送油
管２２の先端側を気化筒７′の側部より気化筒
７′の略中心部に臨ませて、これが先端部に燃料
噴霧体２３′を装着して、気化筒７′の内周面に向
け燃料を噴散せしめる以外は第１図の気化バーナ
と同一である。

次に本考案の作用について説明する。

今、第１図において、送風筒２より案内筒１４
を経て気化筒７内に燃焼用空気を送風すると共に
中空回転軸１１により飛散盤１３を回転させる。
さすれば気化筒７内に送風された燃焼用空気は気
化筒７の内周全面に沿つて噴送された後、基端開
放側よりガス通気窓２１を通りガス室５に入り、
多数のガス噴出口４より一斉に気化筒７に向け噴
気される。この様な状態の下で送油管２２内に燃
料を供給すれば、該供給燃料は燃料噴霧体２３に
より均等でしかも微粒状に気化筒７内周面に向け
噴散されると共に、噴散された微粒化燃料は気化
筒７内周面を燃焼用空気と共に基端開放側に向け
流下する間に拡散された後、多数の流出孔１０よ
り回転している飛散盤１３上に流落し、燃料飛散
端１６より微粒状となつて燃焼盤３の内周面に飛
散され、点火により生燃焼を発生する。この様に
して生燃焼が発生すると、気化筒７は焔上する生
燃焼焔により加熱されて内部を気化雰囲気温度に
昇温されるから、以後、燃料噴霧体２３より気化
筒７内周面に噴散された燃料は気化筒７内周面に
沿い燃焼用空気と共に基端開放側に向け拡散移行
させる間に蒸発気化して、気化ガスとなると共に
発生した気化ガスは混気板９を通過する際に燃焼
用空気と撹拌混合し、完全な混気ガスとなつて開
口部６よりガス室５内に圧入され、一定圧力状態
の下に多数のガス噴出口４より噴気し、さきの生
燃焼焔で着火されて、気化燃焼焔を気化筒７に向
け噴気し、気化筒７を周囲より加熱せしめる。し
たがつて気化筒７が気化燃焼焔によつて加熱され
た以降にあつては、燃料と燃焼用空気とを供給し
続ければ気化燃焼の維持を図ることができる。

ところで上述のような気化燃焼の過程におい
て、回転する飛散盤１３の盤面には環状の膨出段
部１７が設けられると同時に、該膨出段部１７の
内側には、回転間隙１８をおいて送風筒２の先端
開放側を臨ませ、又膨出段部１７の外側には案内
筒１４の基端開放側が回転間隙１８をおいて臨ま
せてあるため、上記回転間隙１８、および１９は
丁度重合状となり、送風筒２より案内筒１４に向
け流通する燃焼用空気の一部が回転間隙１８を通
つて気化筒７の基端開放側へ向け漏出したり、或
は気化筒７内部において発生され、しかも気化筒
７と案内筒１４との間を通つて気化筒７の基端開
放側より噴気される混気ガスの一部が回転間隙１
９を通つて案内筒１４内に漏出する現象を無く
し、気化筒７内に一定量の燃焼用空気を送風して
常に気化筒７内において一定濃度の混気ガスを発
生させ、これが混気ガスを連続してガス室５内に
圧入せしめて、長期に亘り安定した気化燃焼を継
続させることができる。

要するに本考案は、気化筒７の開放側端部に、
盤面に環状の膨出段部１７を設けた飛散盤１３を
飛散間隙１２をおいて回転自在に設け、上記膨出
段部１７の内側には基端側より燃焼筒１内に挿通
した送風筒２の先端開放側を回転間隙１８をおい
て臨ませると共に、膨出段部１７の外側には気化
筒７内に配設され、かつ送風筒２と連通する案内
筒１４の基端開放側を回転間隙１９をおいて臨ま
せたから、燃焼筒１内に気化筒７を不回動状態に
配設したものであつても、飛散盤１３の回転作動
により燃焼用空気と共に供給した燃料を速かに生
燃焼状態から自動的に気化燃焼状態に移行させる
ことができる許りか、気化燃焼中において送風筒
２より案内筒１４を通り気化筒７内へ送風した燃
焼用空気の一部が回転間隙１８より気化筒７の開
放側端部に向け漏出したり、或は気化筒７内にお
いて発生した混気ガスの一部が回転間隙１９より
案内筒１４に向け漏出するのを未然に防止して、
常に所定量の燃焼用空気を送風して、気化筒７内
において一定濃度の混気ガスを連続に発生させ、
もつて長期に亘り安定した気化燃焼を継続させる
ことができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る気化バーナの実施例を示す
ものであつて、第１図は一部を切欠した縦断正面
図、第２図は飛散盤の平面図、第３図は飛散盤の
斜視図、第４図は他の実施例を示す気化バーナで
あつて、一部を切欠した縦断正面図である。 １……燃焼筒、２……送風筒、３……燃焼盤、
５……ガス室、７……気化筒、１１……回転軸、
１２……飛散間隙、１３……飛散盤、１４……案
内筒、１７……膨出段部、１８，１９……回転間
隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内周面に燃焼盤を張設してガス室を形成した燃
   焼筒内に上記ガス室と基端開放側が連通した気化
   筒を不回動状態に配設したものにおいて、前記気
   化筒の開放側端部に、盤面に環状の膨出段部を設
   けた飛散盤を飛散間隙をおいて回転自在に設け、
   上記膨出段部の内側には基端側より燃焼筒内に挿
   通した送風筒の先端開放側を回転間隙をおいて臨
   ませると共に、膨出段部の外側には気化筒内に配
   設され、かつ送風筒と連通する案内筒の基端開放
   側を回転間隙をおいて臨ませたことを特徴とする
   気化バーナ。