JPS5941369Y2 - 気化バ−ナにおける燃油拡散装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、初期性燃焼状態から燃油を蒸発気化して気化
燃焼させる気化バーナにおいて、燃焼筒内に設けた回転
気化筒内に供給した燃油を、その供給量の多少にかかわ
りなく常に確実かつ均等に拡散させることができるよう
にした燃油拡散装置に関する。

従来、燃焼筒内に回転気化筒を設けた気化バーナにおい
ては、回転気化筒内にそれと共に回転する燃油拡散体を
設け、該燃油拡散体の外周面に給油管の先端を近接対向
させて、給油管の先端から燃油拡散体の外周面に供給し
た燃油を遠心作用により回転気化筒内に拡散せしめてい
るが、燃油拡散体と給油管との対向間隙は給油量に応じ
た適正値があり、一般にその適応範囲は極く狭いので、
広範囲にわたる給油量の調節ができない許りか、特に微
量給油状態では、給油管の先端より送出される燃油が燃
油拡散体の周面に至らずに流通する強制風で回転気化筒
内面へ直接粒状に噴き飛ばされたりあるいは滴下したり
、更には燃油拡散体の局面で「の」の字状に筋をえかい
て均等に拡散されない等の現象を呈し、燃油の漏出によ
る危険をまねいたり、あるいは燃焼不良の状態に陥る欠
点があった。

本考案は上記に鑑み、従来の気化バーナにおける欠点を
なくし、もって給油量の多少にかかわらず、特に微量給
油等にあっても、回転気化筒内に供給した燃油を確実か
つ均等に拡散して、燃油の漏出による危険や強制風によ
る噴き飛ばし現象をまねくことがなく、しかも適正な燃
焼状態を維持することができる気化バーナにおける燃油
拡散装置を提供しようとしたものであって、以下に本考
案の構成を図面に示された好適な一実施例について説明
する。

１は上端を開放した燃焼筒であって、該燃焼筒１内には
その底面側から回転軸２が挿通され、該回転軸２の先端
には、先端を閉じかつ基端を開放した回転気化筒３と、
該回転気化筒３の頂部中央に位置し、然かも下端を開口
し、かつ上方へ拡開した中空の燃油拡散体４とを回転軸
２を取まくよう筒状の取付部材５と座金６およびナツト
７によって一体的に装着されている。

そして上記燃油拡散体４の上端縁と回転気化筒３の頂部
内面との間に燃油噴散間隙８を環状に形成せしめである
。

９は送風室であって、該送風室９は燃焼筒１の底面側に
断熱材１０を介して接続されており、送風室９に基端を
連通接続した送風筒１１は前記回転気化部３内に深く介
在されていて、送風筒１１と回転気化筒３との間には混
気通路１２が形成されている。

回転気化筒３の基端縁には外側上方へ彎曲状に張出させ
た燃油飛散端１３が一体に形成されており、この燃油飛
散端１３に対応して燃焼筒１の底面側に取付けた噴焔間
隙形成体１４の上端縁との間に斜め上向きの噴烟間隙１
５が形成されている。

前記回転軸３はその芯部を中空にして給油路１６が形成
されている。

そして前述燃油拡散体４により囲まれた部位の取付部材
５と回転軸２とには給油路１６に通ずる放射状の燃油飛
散孔１７および噴油孔１８をそれぞれ穿孔せしめると共
に取付部材５の内部には回転軸２の噴油孔１８と取付部
材５の燃油飛散孔１７との間に位置する環状の油溜凹溝
１９を形成して、給油路１６より噴油孔１８を経て噴射
された燃油を総て油溜凹溝１９内において−たん均等貯
留した後、圧を平均して燃油飛散孔１７から燃油拡散体
４内面へ均等量宛拡散供給せしめる。

なお回転軸２の基端側ではその給油路１６が給油装置（
図示せず）に接続されている。

２０は点火栓である。なお取付部材５を第４図に示され
た実施例の如く、小径部５ａと大径部５ｂとにより上下
二段に形成してその境界段部に燃油飛散孔１７を、又内
部に油溜凹溝１９を設ければ噴散力を大きくして燃油の
滴下漏出をより防止させることができる。

次に本考案の作用について説明する。

今、バーナの始動操作により回転軸２を回転すれば、回
転軸２と一体の回転気化筒３および燃油拡散体４も共に
高速回転する。

そして送風筒１１より強制風が回転気化筒３内は勿論の
こと中空の燃油拡散体４内にも送風されると共に給油装
置より回転軸２の給油路１６へ燃油が供給される。

さすれば給油路１６を経て送られた燃油は先ず放射状の
噴油孔１８より環状の油溜凹溝１９内に噴射されて−た
ん油溜凹溝１９に均等貯留されると同時に圧を平均なら
しめる。

そして油溜凹溝１９内において一定圧となった燃油の一
部は回転軸２の回転による遠心作用で燃油飛散孔１７か
ら直接微粒状態をもって燃油拡散体４内面へ向は噴散さ
れる。

この燃油の噴散時には流通する強制風を受けてより微粒
化させるものである。

燃油拡散体４の内周面に噴散された燃油は、燃油拡散体
４の高速回転による遠心作用で上方へ拡散状に移行され
た後、上方の燃油噴散間隙８から回転気化筒３の内周面
に沿って混気通路１２へ向は噴散される。

そして混気通路１２では送風筒１１より送風される強制
風で薄膜状に拡散され、回転気化筒３の噴焔間隙１５よ
り燃焼筒１内へ霧化燃油が噴散されるので、点火栓２０
で着火すれば、速かに燃焼筒１内では生燃焼が発生する
。

このようにして燃焼筒１内で生燃焼が生ずると、その燃
焼焔により回転気化筒３が急速に燃油の蒸発気化温度に
加熱され、以後回転気化筒３内の混気通路１２では混気
ガスが超酸されてそれが噴焔間隙１５より燃焼筒１内へ
噴出し、燃焼筒１内では気化燃焼状態が維持される。

ところで、前記回転気化筒３内では、燃油拡散体４に囲
まれた部位の取付部材５と回転軸２とに給油路１６に通
ずる燃油飛散孔１７および噴油孔１８をそれぞれ穿孔し
、然かも取付部材５の内部には回転軸２の噴油孔１８と
取付部材５の燃油飛散孔１７との間に位置する環状の油
溜凹溝１９が形成されているので、例え給油装置によっ
て給油路１６中を不均等な圧力の下に燃油が送られる場
合があっても、該燃油は噴油孔１８より直接燃油拡散体
４へ噴射されず必ず環状の油溜凹溝１９内に一時貯溜さ
れ、その圧力を平均化した後、均等量宛燃油飛散孔１７
から燃油拡散体４へ飛散され均等に拡散される。

また微量給油時にあっては噴油孔１８より送出される燃
油は総て油溜凹溝１９に供給貯留されたうえ燃油飛散孔
１７から燃油拡散体４の内周面に飛散されるので燃油飛
散孔１７より燃油が滴下漏出することは全くない許りか
、燃油拡散体４の内周面には燃油がある一定量にまとめ
られた状態で飛散されるので微量給油状態であっても燃
油が均等に拡散され、燃油の漏出による危険をまねくこ
とが皆無となり、常に良好な拡散状態を維持せしめて気
化燃焼を継続させることができる。

なお、以上説明した実施例では、回転気化筒３の基端側
に噴焔間隙１５を形成したものを示したが、本考案は回
転気化筒３および燃油拡散体４を備えたその他適宜の気
化バーナにもそのまま実施することができる。

例えば回転気化筒３の混気通路１２で起生された混気ガ
スを一旦蓄気するガス室を設けて、該ガス室から燃焼筒
１に混気ガスを一定圧のもとで噴出させる気化バーナで
あってもよい。

要するに本考案は、上述のように具体的な構成を具備せ
しめたから、燃焼の始動に際し、回転軸２の送油路１６
より給油された燃油を噴油孔１８より一旦環状の油溜凹
溝１９内へ供給して貯留させ、圧送圧を平均化させた後
、燃油飛散孔１７より回転する燃油拡散体４内面へ平均
に飛散して拡散させることができ、もって給油量の多少
は勿論のこと給油圧の変動時に際しても均等量宛燃油を
飛散して拡散できる詐りか、微量給油時にあっても均等
量の燃油を正確に燃油飛散孔１７より燃油拡散体４を介
し回転気化体３へ拡散して供給気化燃焼の継続を良好に
達成させ、燃油の漏出による危険を皆無ならしめると共
に一個の取付部材５により円滑な給油作用と回転気化筒
３および燃油拡散体４の装着作用を達成させてより構成
を簡素化ならしめる外、燃油飛散孔１７を設けた取付部
材５が燃油拡散体４内に位置されていることで燃油拡散
体４の外周面に給油管の先端を近接してのぞませた従来
給油装置の如く流通する強制風のため燃油が粒状となっ
て拡散されずに直接回転気化筒３内面へ噴き飛ばされ気
化燃焼を不良状態とすることがない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すものであって、第１
図は一部を切欠した縦断正面図、第２図はその要部の拡
大縦断正面図、第３図は第２図Ａ−Ａ線における横断平
面図、第４図は取付部材の変形実施例を示す縦断正面図
である。 １・・・・・・燃焼筒、２・・・・・・回転軸、３・・
・・・・回転気化筒、４・・・・・・燃油拡散体、５・
・・・・・取付部材、１６・・・・・・給油路、１７・
・・・・・燃油飛散孔、１８・・・・・・噴油孔、１９
・・・・・・油溜凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼筒の底面側からその内部へ挿通した回転軸の先端に
   、先端を閉じ基端を開放した回転気化筒と、該回転気化
   筒の頂部中央に位置し、然かも下端を開口し、かつ上方
   へ拡開した中空の燃油拡散体を回転軸を取まくよう取付
   部材で一体的に装着し、上記燃油拡散体の上端縁と回転
   気化筒の頂部内面との間に燃油噴散間隙を形成すると共
   に、前記回転軸を中空として給油路を形成し、かつその
   燃油拡散体に囲まれた部位の取付部材と回転軸とに給油
   路に通ずる燃油飛散孔および噴油孔をそれぞれ穿孔し、
   取付部材の内部には回転軸の噴油孔と取付部材の燃油飛
   散孔との間に位置する環状の油溜凹溝を形成したことを
   特徴とする気化バーナにおける燃油拡散装置。