JPS5838256Y2 - 気化バ−ナにおける燃油拡散装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃焼筒内に回転気化筒を設けた気化バーナに
おいて、回転気化筒内に供給した燃油をその量の多少に
かかわらず均等に拡散させることができるようにした燃
油拡散装置に関する。

従来、燃焼筒内に、頂部を閉じかつ基部を開放状とした
回転気化筒を設けてなる気化バーナにおいては、回転気
化筒内の頂部に設けた逆円錐状の燃油拡散体面に給油管
の先端を近接対向させ、給油管の先端より流出する燃油
を回転気化筒と共に回転する燃油拡散体面で拡散させて
いるが、燃油拡散体面に噴射される燃油はその回転に伴
って筋をえかいて拡散されるので、燃油供給量が一定量
以上の場合は燃油拡散体面で筋をえがく燃油が互いに接
触して膜面状をなし、比較的均等に拡散されるが、燃油
供給量が少い場合には、燃油拡散体面で燃油がのの字状
をえがき、回転気化筒内に均等に拡散されない現象を呈
し、また、回転気化筒の温度上昇に伴って燃油拡散体が
高温になると、その面で燃油が湯玉状となって、この状
態においても燃油が回転気化筒内に均等に拡散されず、
これがため、拡散されずに残った燃油が回転軸を伝って
漏出し、火災発生等の原因となる虞れがあった。

本考案は上記に鑑み、回転気化筒内頂部に、基端側を閉
じ、先端方向に向は拡開したカップ状の燃油拡散体を回
転気化筒内面との間に燃油流出間隙を形成するように配
設すると共に、前記回転軸にその芯部を抜いて先端閉塞
状の給油路を形成し、回転軸の燃油拡散体内部位には給
油路に通じる多数の燃油噴出孔を穿設したことにより、
供給される燃油を回転軸の回転に伴って生ずる遠心力に
よって燃油拡散体の基端側内面に向は確実に噴射し、さ
らに燃油拡散体内面に噴射された燃油を遠心力でカップ
状の燃油拡散体内面に沿って均等な膜面状としたうえ上
方の燃油流出間隙から回転気化筒内へ均等に拡散するこ
とができ、もって、燃油供給量の多少にかかわらず、燃
油の拡散を均等ならしめて燃油の漏出をなりシ、火災発
生等の全くない安全な気化バーナにおける燃油拡散装置
を得ることを目的としたものであって、以下に本考案の
構成を図面に示された好適な一実施例について説明する
。

１は一端開放状の燃焼筒であって、該燃焼筒１は内筒２
と外筒３によって構成されており、内筒２と外筒３との
間にはガス室４が形成され、かつ内筒２の略全面には噴
焔孔５が多数穿設されている。

また６は頂部を閉じかつ基部を開放状となした回転気化
筒であって、該回転気化筒６の頂部は、燃焼筒１の基部
側に接続した送風室７方向から燃焼筒１内に挿入した回
転軸８の先端にナツト９をもって固定装着されている。

１０は送風筒であって、該送風筒１０は前記送風室７に
接続され、その先端は回転気化筒６内に深く介入して開
口されている。

回転気化筒６の基端縁は外方へ張出し状に形成されてお
り、その張出し部６ａと混気筒１１との間には燃油飛散
間隙１２が形成されている。

上記回転気化筒６内の送風筒１０との間は温気通路１３
となっており、該混気通路１３は通路１４を介して前記
ガス室４に連通されている。

１５は送風室７に通じる噴気室、１６は噴気間隙である
。

一方、前記回転気化筒６内頂部には、基端側を閉じ先端
方向に向は拡開したカップ状の燃油拡散体１７が回転軸
８に螺合された一対のナラ） １８．１８をもって固着
されており、この燃油拡散体１７と回転気化筒６の頂部
内面との間に燃油流出間隙１９が形成されている。

また回転軸８には、その芯部を抜いて先端閉塞状の給油
路２０が形成されており、かつ回転軸８の燃油拡散体１
７内部位には給油路２０に通じる多数の燃油噴出孔２１
が放射状に穿設されている。

なお、回転軸８に形成された給油路２０の他端は燃料供
給装置（図示せず）に接続されている。

２２は点火栓である。次に本考案の作用について説明す
る。

今、バーナの始動にあたって、送風室７から送風筒１０
方向に強制風を送風し、かつ回転軸８を回転させて回転
気化筒６を高速回転させると共に、多数の給油路２０よ
り燃油を供給すれば、回転軸８の遠心力により、燃油は
回転軸８先端部の燃油噴出孔２１から燃油拡散体１７の
基端側内面全周に亙り勢いよく噴射される。

そして、燃油拡散体１７の基端側内面全周に噴射された
燃油は、その回転による遠心力作用で燃油拡散体１７の
内面を基端側より先端側に向は移行される間に均等な膜
面状となり、上方の燃油流出間隙１９より回転気化筒６
内へ均等に拡散供給され、この拡散された燃油はさらに
回転気化筒６の内面を拡散されながら移行した後、最後
に燃油飛散間隙１２より燃焼筒１内へ噴出し、点火栓２
２によるスパークによって着火されて生燃焼が生ずる。

このようにして燃焼筒１内に生燃焼が生じると、その燃
焼焔により回転気化筒６が高温に加熱され、前述の如く
回転気化筒６内へ均等に拡散され続ける燃油は蒸発気化
し、送風筒１０より送風される空気と混気通路１３内で
混気ガスとなり、これが通路１４を経てガス室４に蓄気
されたうえ、噴焔孔５より燃焼筒１内に一定圧で噴出し
、燃焼筒１内では生燃焼状態から気化燃焼状態に移行し
て以後気化燃焼状態が維持される。

ところで、前述の如く回転気化筒６内の燃油拡散体１７
内には、回転軸８の遠心力によって燃油が均等に勢いよ
く噴射されると共に、該燃油拡散体１７の内面に沿って
移動する間に完全に膜面状を呈するようになり、したが
って、燃油流出間隙１９からは回転気化筒６内に燃油が
均等に拡散される。

しかも、回転軸８に設けた多数の燃油噴出孔２１からは
、遠心力によって勢いよく燃油が燃油拡散体１７の基端
側内面全周に向けて噴射されるので、たとえば燃油供給
量が少い場合であっても、また燃油拡散体１７が高温と
なっても、燃油拡散体１７の内面で燃油がのの字状をえ
がいたり、湯玉状となることはなく、燃油流出間隙１９
からは常に均等に燃油が拡散され、供給した燃油が回転
軸８等を伝って漏出することは全くない。

要するに本考案は、燃焼筒１内に挿通した回転軸８の先
端に、頂部を閉じかつ基部を開放状とした回転気化筒６
を装着し、上記回転気化筒６内頂部に、基端側を閉じ先
端方向に向は拡開したカップ状の燃油拡散体１７を回転
気化筒６内面との間に燃油流出間隙１９を形成するよう
に配設すると共に、前記回転軸８にその芯部を抜いて先
端閉塞状の給油路２０を形成し、回転軸８の燃油拡散体
１７内部位には給油路２０に通じる多数の燃油噴出（Ｌ
２１を穿設したから、供給される燃油を回転軸８の回転
に伴って生ずる遠心力によって燃油拡散体１７の基端側
内面全周に行き亙るよう確実に噴射し、さらに噴射され
た燃油を遠心力により燃油拡散体１７内面に沿い基端側
より先端側に移行させる間に均等な膜面状に拡散したう
え上方の燃油流出間隙１９から回転気化筒６内へ均等に
拡散供給することができ、もって、燃油供給量の多少に
かかわらず、燃油の拡散を均等ならしめて燃油の漏出を
なくシ、火災発生等の危険を完全に一掃することができ
る効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すものであつて、第１
図は一部を切欠した要部の縦断正面図、第２図はその一
部の拡大縦断、正面図、第３図は第２図におけるＡ−Ａ
線矢視方向の断面図である。 １・・・・・・燃焼筒、４・・・・・・ガス室、５・・
・・・・噴焔孔、６・・・・・・回転気化筒、７・・・
・・・送風室、８・・・・・・回転軸、１０・・・・・
・送風筒、１２・・・・・・燃油飛散間隙、１３・・・
・・・混気通路、１７・・・・・・燃油拡散体、１９・
・・・・・燃油流出間隙、２０・・・・・・給油路、２
１・・・・・・燃料噴出孔、２２・・・・・・点火栓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼筒内に挿入した回転軸の先端に、頂部を閉じかつ基
   部を開放状とした回転気化筒を装着し、上記回転気化筒
   内頂部に、基端側を閉じ、先端方向に向は拡開したカッ
   プ状の燃油拡散体を回転気化筒内面との間に燃油流出間
   隙を形成するように配設すると共に、前記回転軸にその
   芯部を抜いて先端閉塞状の給油路を形成し、回転軸の燃
   油拡散体内部位には給油路に通じる多数の燃油噴出孔を
   穿設したことを特徴とする気化バーナにおける燃油拡散
   装置。