JPS609543Y2 - 液体燃料気化バ−ナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液体燃料を霧化して生燃焼させ、その燃焼焔
によって液体燃料を蒸発気化し、以後気化燃焼に移行さ
せる液体燃料気化バーナに関する。

先に本出願人は、燃焼筒内に強制風の噴送作用で高速回
転する回転気化体を設けた液体燃料気化バーナを開発腰
その実施化により、液体燃料を点化直後の極く短時間生
燃焼させるだけで、以後気化燃焼状態へ移行せしめて、
燃焼効率の大幅な向上を図る等、相当な効果を発揮せし
めている。

しかしながら、上記回転気化体は大型で重量が大きいの
で、バーナの始動後回転気化体か所期の高速回転状態に
達するまでの時間が長くかかる許りか、回転気化体が不
規則回転を起しやすく、これが原因で着火時の生燃焼が
不安定となって気化燃焼への移行が遅れたり、さらに気
化燃焼へ移行後も燃焼がなかなか安定しないことかある
等の不都合を生じているのが実情であった。

本考案は上記に鑑み、気化筒はこれを固定して固定気化
体とし、該固定気化体内の燃油飛散体および固定気化体
の開放側との間に燃油飛散間隙を形成する回転燃油飛散
盤のみを強制風により回転せしめるようにして、回転部
分の大幅な軽量化を図り、もって、バーナの始動直後か
らそれらを速かに高速回転せしめ、液体燃料の微粒化を
促進して着火時に安定した生燃焼を生じさせ、速かに気
化燃焼へ移行させることができる許りか、強制風による
上記燃油飛散体および回転燃油飛散盤の不規則な回転を
なくして長期間にわたり安定した気化燃焼状態を維持せ
しめることができる液体燃料気化バーナを提供しようと
したものであって、以下に本考案の構成を添附図面に示
された好適な一実施例について説明する。

１はバーナの支持台であって、その−側には送風筒２が
着脱自在に装着されており、かつ該支持台１内には送風
筒２と接続する送風路３が形成されている。

また支持台１の上部には有底筒状の燃焼筒４が載置され
ており、該燃焼筒４の周囲には冷風通路６を形成すべく
外筒５が一体状に設けられている。

そして、この冷風通路６の始端部は支持台１に穿孔した
多数の通気孔７を経て送風路３と連通され、送風筒２か
ら送風路３を通る強制風が冷風通路６にも分流するよう
になっている。

なお、冷風通路６の吐出側は開放されている。

８は固定送油軸であって、該固定送油軸８は送風路３の
略中央位置で直立状に支持台１に固定されている。

この固定送油軸８は大径軸８ａと小径軸８ｂとを螺着連
結して構成されており、これら大小径軸８ａ、８ｂの芯
部には一連の送油路９が形成され、かつ上記送油路９の
下部には送油管１０の一端が接続されている。

１１は回転軸受筒であって、該回転軸受筒１１は前記固
定送油軸８の小径軸８ｂに遊嵌されており、その下部に
は放射状羽根１２が一体状に装着され、その上部には受
皿状の燃油飛散体１３が固着されている。

固定送油軸８の燃油飛散体１３より少し上方部には送油
路９に通じる放射状の噴油孔１４が穿孔されている。

１５は固定案内羽根であって、該固定案内羽根１５は放
射状羽根１２と相対するように固定送油軸８に固着され
ている。

１６は直立の送風筒であって、該送風筒１６は前記送風
路３と連通ずる如く燃焼筒４内に直立状に装着されてお
り、固定送油軸８およびそれに装着された放射状羽根１
２、固定案内羽根１５は上記送風筒１６に取まかれてい
る。

１７は頂部を閉じ基部を開放状とした固定気化体であっ
て、該固定気化体１７は送風筒１６の外周を覆うように
前記固定送油軸８の頭部にボルト１８をもって固着され
ており、固定気化体１７内頂部と前記燃油飛散体１３の
周辺との間に小間隙１９が形成されている。

また２０は回転燃油飛散盤であって、該回転燃油飛散盤
２０は支持体２１を介して回転軸受筒１１に装着されて
おり、回転燃油飛散盤２０は固定気化体１７の開放側に
燃油飛散間隙２２をおいて相対し、固定気化体１７の基
端側と燃焼筒４の底部に形成されているガス室２３の斜
め立上り周壁２４との間に環状の噴焔間隙２５が形成さ
れている。

ガス室２３の上面盤には多数の混気ガス噴出口２６があ
けられている。

この混気ガス噴出口２６は小円孔、長方形孔等適宜形状
の開口である。

２７は点火栓である。次に本考案の作用について説明す
る。

今、強制風を送風筒２より送風路３を経て直立送風筒１
６に送風すれば、この強制風は固定案内羽根１５に吹当
って一方向の旋回風となり、上方の放射状羽根１２を一
方へ旋回せしめる。

このため、固定送油軸８を軸として回転軸受筒１１が回
転し、該回転軸受筒１１に固着されている燃油飛散体１
３および回転燃油飛散盤２０が共に高速回転する。

一方、直立送風筒１６内を流通した強制風は固定気化体
１７内を通りガス室２３内に充満した後燃油飛散間隙２
５および混気ガス噴出口２６より勢いよく燃焼筒４内に
噴出すると共に一部の強制風は通気孔７から冷風通路６
に出て燃焼筒４を冷却しながらその吐出側より排出され
る。

上記のようにして燃油飛散体１３および回転燃油飛散盤
２０が所定の高速回転状態となったら送油管１０より液
体燃料を送油路９内へ送油すれば、この燃料は固定送油
軸８の上部に開口している噴油孔１４より燃油飛散体１
３上に振出される。

そして燃油飛散体１３は高速回転しているので、燃油が
遠心飛散作用と強制風の噴送拡散作用で速かに微粒状と
なって小間隙１９より固定気化体１７内に拡散され、さ
らに高速回転している回転燃油飛散盤２０によって霧化
されたうえ、燃油飛散間隙２２より燃焼筒４内へ噴霧飛
散される。

そこで点火栓２７により点火すれば、燃焼筒４内では生
燃焼が生じ、この燃焼焔によって固定気化体１７全体が
高温に加熱されてその内部が燃油の気化雰囲気温度とな
る。

このように固定気化体１７が生燃焼焔によって気化雰囲
気温度に上昇すると、以後固定気化体１７内に飛散され
る燃油は蒸発気化して気化ガスとなると共に、この気化
ガスは強制風と攪拌混合して完全な混気ガスとなり、混
気ガスはガス室２３内に流人畜気されたうえ、一定圧力
の下で混気ガス噴出口２６より燃焼筒４内に噴出して気
化燃焼が生ずる。

燃焼筒４内で気化燃焼が生ずると、その燃焼酒により固
定気化体１７が加熱され続けるので、良好な気化燃焼が
持続されることになる。

ところで、前述の如きバーナの始動時においては、強制
風の送風により燃油飛散体１３および回転燃油飛散盤２
０が高速回転を起すが、これらの回転部分は極く軽量で
あるので、強制風の送風開始後速かに所定の高速回転状
態に達する。

このため、バーナの始動直後から液体燃料が均一に微粒
化され、着火時に速かに安定した生燃焼を生じさせるこ
とができるので、気化燃焼への移行促進を図ることがで
きる詐りか、安定した気化燃焼を維持することができる
。

要するに本考案は、燃焼筒４内に突出した固定送油軸８
の外周を取まくように送風筒１６を突出させ、上記固定
送油軸８の頭部には、頂部を閉じ基部を開放状とした固
定気化体１７を送風筒１６の外周を覆うように固着する
と共に、前記固定送油軸８には、下部に放射状羽根１２
を装着し上部に燃油飛散体１３を固着した回転軸受筒１
１を遊嵌し、該回転軸受筒１１には、固定気化体１７の
開放側との間に燃油飛散間隙２２を形成するように回転
燃油飛散盤２０を装着したから、強制風による回転部分
の大幅な軽量化を図り、バーナの始動直後からそれらを
直ちに高速回転せしめ、もって液体燃料の微粒化を促進
して着火時に安定した生燃焼を生じさせ、速かに気化燃
焼へ移行させることができる許りか、強制風による上記
燃油飛散体１３および回転燃油飛散盤２０の不規則な回
転をなくして長期間にわたり安定した気化燃焼状態を維
持せしめることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る液体燃料気化バーナの一実施例を示
すものであって、第１図は一部を切欠した縦断正面図、
第２図は第１図におけるＡ−Ａ線矢視方向の断面図、第
３図は燃油飛散体部分の拡大平断面図、第４図は回転燃
油飛散盤の斜視図である。 ４・・・・・・燃焼筒、８・・・・・・固定送油軸、１
１・・・・・・回転軸受筒、１２・・・・・・放射状羽
根、１３・・・・・・燃油飛散体、１６・・・・・・送
風筒、１７・・・・・・固定気化体、２０・・・・・・
回転燃油飛散盤 ２２・・・・・・燃油飛散間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼筒内に突出した固定送油軸の外周を取まくように送
   風筒を突出させ、上記固定送油軸の頭部には、頂部を閉
   じ基部を開放状とした固定気化体を送風筒の外周を覆う
   ように固着すると共に、前記固定送油軸には、下部に放
   射状羽根を装着し上部に燃油飛散体を固着した回転軸受
   筒を遊嵌し、該回転軸受筒には、固定気化体の開放側と
   の間に燃油飛散間隙を形成するように回転燃油飛散盤を
   装着したことを特徴とする液体燃料気化バーナ。