JPS6238054B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、金属製引張リングを成形すると同時
にこれを容器蓋に結合する装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

最近、容器蓋のスカート部より突出する裂取り
タブから頂面に至る所まで導かれる引裂弱化線を
容器蓋本体に設け、裂取りタブを引張ることによ
り簡便に開封できる容器蓋が普及している。この
種の容器蓋の開封に際し、裂取りタブの引上げに
は相当の力を加える必要があることから裂取りタ
ブを長く構成したり、適切な掴持片を付して開封
を容易にする手段が計られている。しかしなが
ら、これらの手段は、容器蓋を金属薄板から予備
成形する際多くの無駄が生じ、従つて容器蓋のコ
スト高を来たす欠点がある。

また、掴持片を別に構成してこれを接着、鋲着
ないしは挾持などの手段により裂取りタブに接続
する方法も数多く提案されているが、これらの方
法は工程中に多くの手間と時間とを要し、接続部
が脆弱で開封前に切断等の故障を生じ易く、しか
も製造コストが著しく増大する難点がある。

このような問題点を克服するため、金属薄板の
端部より短冊片を切断すると同時に湾曲せしめて
両端部の重畳した筒環を形成し、容器蓋の裂取り
タブの自由端部と前記筒環の一部とが相互に重合
し得るよう前記容器蓋と筒環とを位置決めし、前
記筒環の周端縁を半径方向にカーリングしてリン
グに形成すると共に裂取りタブをこのリング内に
巻込んで両者を結合することにより、低コストで
多量生産の可能な金属製引張リング付き容器蓋の
製造方法および装置につきスウエーデン国のヴイ
カンデルス社により開発され特許出願がなされた
（特開昭58−13855号および特願昭58−13856号）。

すなわち、この種の金属製引張リング付き容器
蓋は、例えば第１図に示すように構成される。そ
して、この容器蓋の連続的な成形は、帯状金属
薄板を切断し筒環状の前成形体を成形する前成形
体形成手段と、前成形体を容器蓋タブ片と結合
する位置へ供給する前成形体供給手段と、容器
蓋供給手段と、容器蓋タブに突き合せた前成形
体を引張リングに成形すると同時にこれを容器蓋
に結合する引張リング成形および結合手段とから
基本的に構成される装置によつて容易に達成でき
る。

この場合、低コストで品質の安定した金属製引
張リング付き容器蓋を得るためには、筒環状の前
成形体を充分高速で成形し、この前成形体を容器
蓋タブ片に対し引張リングとして充分高速に成形
しかつ充分強固に結合することが要求される。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、前述した要求を満足するた
め、前記構成からなる金属製引張リング付き容器
蓋の成形および結合装置において、帯状金属薄板
を剪断して成形した筒環状の前成形体を別途に供
給される容器蓋の裂取りタブの自由端部に突き合
せて手張リングの成形と結合とを行うための前成
形体供給手段を改良することにある。

〔発明の要点〕

本発明は、金属薄板の端部より短冊片を剪断す
ると同時に湾曲せしめて両端部の重畳した筒環状
の前成形体を形成する手段と、容器蓋の裂取りタ
ブの自由端部と前成形体の一部とが相互に重合せ
しめられた関係になるように前記容器蓋と前記前
成形体とを位置決めし、前記前成形体の周端縁を
半径方向にカーリングしてリングに形成せしめる
と共に前記裂取りタブを前記リング内に巻込んで
両者を結合する引張リング成形および結合手段
と、前記前成形体形成手段で形成された前成形体
を引張リング成形および結合手段の所定位置に供
給する前成形体供給手段とからなる金属製引張リ
ングを成形すると同時に容器蓋に結合する装置に
おいて、前成形体供給手段は、回転支持体と、こ
の回転支持体に周方向に所定間隔離間して配設さ
れた複数個の保持具とを具備し、さらに前記保持
具は、半径方向外端部に前成形体の相互に重合さ
れる両端部以外の部分の外側面を当接保持する切
欠きを設けると共に、この切欠きの内面に磁性金
属製の前成形体を磁力作用により吸着保持する磁
石を設け、前成形体形成手段から前成形体を受取
る前成形体保持域と、引張リング成形および結合
手段へ前成形体を受渡す前成形体受域とを介して
前成形体を搬送するよう構成することを特徴とす
る。

〔発明の実施例〕

次に、本発明に係る装置の実施例につき、添付
図面を参照しながら以下詳細に説明する。

まず、本発明に係る容器蓋における金属製引張
リングの成形および結合装置の全体的な基本構成
につき、第２図を参照して説明する。すなわち、
本発明装置は、前成形体形成手段１０と、前成形
体供給手段１２と、容器蓋供給手段１４と、引張
リング成形および結合手段１６と、容器蓋移送手
段１８と、結合強化手段２０とを備えている。こ
れら各手段の機能とその動作は概略次の通りであ
る。

前成形体形成手段１０は、クロム酸処理鋼、ブ
リキまたはアルミニウム系合金等からなる帯状金
属薄板より短冊片を切断すると同時に長手方向に
湾曲せしめてその両端部を相互に重合せしめた形
態の略筒環状の前成形体を形成する。次に、前成
形体供給手段１２は、前成形体形成手段１０によ
つて成形された前成形体を保持域Ａ，Ｂで受取
り、矢印方向に搬送し、前成形体受域Ｃへ搬出す
る。一方、容器蓋供給手段１４は、容器蓋を保持
域Ｄで受取り、矢印方向に搬送し、容器蓋受域Ｅ
へ搬出する。引張リング成形および結合手段１６
は、前記前成形体受域Ｃで前成形体供給手段１２
から前成形体を受取り、矢印方向に搬送し、次い
で前記容器蓋受域Ｅで容器蓋供給手段１４から容
器蓋を受取り、容器蓋タブ片と前成形体の一部と
が相互に重合し得るよう容器蓋と前成形体とを位
置決めし、その後湾曲域Ｆで前成形体の周縁部を
半径方向にカーリングしてリングに形成すると共
に引張リング成形および結合域Ｇで容器蓋タブ片
をこのリング内に巻込んで両者を結合し、排出域
Ｈへ搬出する。

さらに、容器蓋移送手段１８は、前記排出域Ｈ
において引張リング成形および結合手段１６から
引張リングが結合された容器蓋を受取り、矢印方
向に搬送し、移送域Ｉへ搬出する。そして、結合
強化手段２０は、前記移送域Ｉにおいて容器蓋移
送手段１８から引張リングが結合された容器蓋を
受取り、矢印方向に搬送し、加圧変形域Ｊで容器
蓋タブ片と引張リングの一部との相互巻込み結合
部に加圧変形を行つて結合部の強化を行つた後
〔第１図参照〕、送出域Ｋへ搬出する。

次に、本発明装置の要部である前成形体供給手
段の実施例につき、第３図乃至第６図を参照して
説明する。

第３図に示すように、本発明装置における前成
形体供給手段１２は、前成形体形成手段１０によ
つて連続的に形成された筒環状の前成形体を１個
づつ保持してこれを順次、次の工程の引張リング
成形および結合手段１６に供給するよう動作す
る。すなわち、本実施例の前成形体供給手段１２
は、第４図に示すように、支持脚２２によつて支
持された静止支持板２４と、この静止支持板２４
を貫通して鉛直方向に延在する回転軸２６とから
構成されている。回転軸２６の下部には適宜駆動
源と結合する大型入力歯車２８が固定されてい
る。一方、回転軸２６の上端部には、円盤３０が
固定されており、この円盤３０の上面周縁部に
は、第３図に示すように、周方向に等角度離間し
て複数個の保持具３２ａ，３２ｂが設けられてい
る。これら複数個の保持具３２ａ，３２ｂのうち
１個置きに位置する半数の保持具３２ａは、円盤
３０に対し半径方向に滑動自在に配設され、他の
半数の保持具３２ｂは円盤３０に固定されてい
る。すなわわち、円盤３０には、半数の保持具３
２ａが位置する角度位置に半径方向に延在する案
内溝がそれぞれ形成され、これらの案内溝に滑動
体３４が半径方向に滑動自在に装着されている。

滑動体３４は、第４図および第５図に示すよう
に、止めねじ３６によつて連結された滑動部材３
８と、上案内板４０および下案内板４２とから構
成される。滑動部材３８を挾持する上案内板４０
および下案内板４２は、案内溝の幅および長さよ
りも大きい幅および長さを有し、上案内板４０の
下面が円盤３０の上面に接触し、下案内板４２の
上面が円盤３０の下面に接触するよう構成配置さ
れる。また、滑動体３４には、下案内板４２を越
えて下方に突出する軸４４が固定され、この軸４
４の下端に従動ローラ４６が回転自在に装着され
ている。一方、静止支持板２４上には、環状カム
ブロツク４８が固定されており、この環状カムブ
ロツク４８の上面に前記従動ローラ４６を収容す
るカム溝５０が形成されている。従つて、回転軸
２６の回転によつて円盤３０が回転すると、これ
に応じて滑動体３４が回転するが、この回転の際
滑動体３４はカム溝５０の形状に応じて半径方向
に滑動する。すなわち、本実施例によれば、保持
具３２ａ，３２ｂのうち半数の保持具３２ａは滑
動体３４の上案内板４０の上に止めねじ５２によ
つて固定され、滑動体３４と一体的に回転すると
共に半径方向に滑動するよう構成される（第４図
参照）。これに対し、他の半数の保持具３２ｂ
は、連結部材５４を介して止めねじ５６により円
盤３０に固定される（第４図参照）。この場合、
保持具３２ｂは円盤３０と共に回転するが、円盤
３０に対して半径方向に滑動することはない。

これらの保持具３２ａ，３２ｂの構成について
さらに詳細に説明すると、第５図に示すように円
盤３０の外周を越えて突出する先端部には、例え
ば第６図に示すように成形された保持すべき前成
形体５８の略半分を収容する略半円形状の切欠き
６０が形成されている。また、この切欠き６０を
規定する先端面には磁石６２が固定されている。
このように構成した保持具３２ａ，３２ｂは、磁
石６２が起生する磁力作用によつて、磁性金属材
料で構成される前成形体５８を前記切欠き５８に
吸着保持する。なお、前成形体５８が非磁性金属
材料料で構成されている場合、前記保持具３２
ａ，３２ｂは、磁石６２に代えて、例えば真空吸
着保持手段または機械的保持手段等を設けて前成
形体を保持するよう構成すれば好適である。

次に、前述した構成からなる前成形体供給手段
１２の作用について、第２図および第３図を参照
しながら説明する。

まず、図示しない駆動源から回転軸２６の下部
に固定された入力歯車２８に伝達される駆動力に
よつて、回転軸２６および円盤３０は矢印方向に
連続的に回転駆動する。この円盤３０の回転に際
し、保持具３２ａ，３２ｂのうち１個置きに位置
する半数の保持具３２ａは、前成形体形成手段１
０によつて形成された前成形体５８（第６図参
照）を前成形体保持域Ａにおいて保持し、これを
前成形体受域Ｃへ搬送する。一方、他の半数の保
持具３２ｂは、別に設けられた前成形体形成手段
１０によつて形成された前成形体５８を前成形体
保持域Ｂにおいて保持し、これを前成形体受域Ｃ
へ搬送する。前成形体受域Ｃに搬送された前成形
体５８は、ここで引張リング成形および結合手段
１６に受取られる。

この場合、半数の保持具３２ｂは、前成形体保
持域Ｂを通過する際に前成形体５８を保持し、前
成形体受域Ｃにおいて引張リング成形および結合
手段１６に前成形体５８を受渡すため、前成形体
保持域Ａを通過する際には前成形体５８を保持し
ていない。しかし、他の半数の保持具３２ａは、
前成形体保持域Ａを通過する際に前成形体５８を
保持し、この状態のまま他方の前成形体保持域Ｂ
を通過して前成形体受域Ｃにおいて引張リング成
形および結合手段１６に前成形体５８を受渡すよ
う動作する。このため、本実施例において、保持
具３２ａとこれを固定する滑動体３４が領域６４
においてカム溝５０により通常位置から漸次半径
方向内側へ引込められ、領域６６においてカム溝
５０により漸次半径方向外方の通常位置へ戻るよ
う構成される。これにより、前記半数の保持具３
２ａが前成形体５８を保持した状態で前成形体保
持域Ｂを通過する際に、前成形体形成手段１０に
おいて形成されつつある前成形体への干渉を防止
することができる。

また、本実施例の前成形体供給手段１２によれ
ば、前成形体形成手段１０によつて形成される前
成形体５８は、第６図に示すように、両端部が相
互に重合した筒環状に成形されるが、相互に重合
する両端部が前成形体形成手段１０側に位置し、
保持具３２ａ，３２ｂの切欠き６０には前成形体
５８の相互に重合する両端部以外の部分の外側面
が常に定位置に保持されるという特徴を有する。

このように、前成形体５８を保持具３２ａ，３
２ｂの切欠きにより定位置で保持することによ
り、前成形体供給手段１２から前成形体５８を引
張リング成形および結合手段１６へ供給した場
合、前成形体５８の相互に重合する両端部以外の
部分が外方に指向してこの部分に容器蓋供給手段
１４から供給される容器蓋が当接される結果、容
器蓋タブ片と前成形体の一部とが円滑に重合して
引張リングの成形とその結合とを容易かつ確実に
達成することができる。すなわち、前成形体５８
の相互に重合する筒環状部分と容器蓋タブ片とを
当接した場合、前記タブ片を筒環状部分で適正に
巻込んで引張リングの成形と結合とを円滑に達成
することは、困難である。

前成形体形成手段１０、容器蓋供給手段１４、
引張リング成形および結合手段１６、容器蓋移送
手段１８および結合強化手段２０の各々の構成の
詳細については、それぞれ本出願と同日付け提出
の特許願(1)、(3)、(4)、(5)、(6)および(7)の明細書並
びに図面に詳述されているので、これらの明細書
および図面に委ね、本明細書においては説明を省
略する。

〔発明の効果〕

前述したところから明らかなように、本発明に
おいては、前成形体形成手段により高速度に形成
される前成形体を定位置に迅速確実に保持し、引
張リング成形および結合手段に搬送することがで
きる。従つて、このように搬送された前成形体
は、引張リング成形および結合手段に供給され、
容器蓋供給手段を介して供給される容器蓋と共に
引張リングの成形および結合を行い、その後容器
蓋移送手段を介して結合強化手段へ供給して引張
リングと容器蓋との結合部の加圧変形を施すこと
により、低コストで強度的に優れた金属製引張リ
ング付き容器蓋を量産することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置によつて製造する金属製引
張リング付き容器蓋の斜視図、第２図は第１図に
示す金属製引張リング付き容器蓋の製造工程を示
す概略説明図、第３図は本発明装置の要部である
金属製引張リングを形成するための前成形体を供
給する手段の一実施例を示す平面説明図、第４図
は第３図に示す前成形体供給手段の一部断面側面
図、第５図は第３図に示す保持具の取付状態を示
す要部拡大斜視図、第６図は本発明装置において
取扱う前成形体の斜視図である。 １０……前成形体形成手段、１２……前成形体
供給手段、１４……容器蓋供給手段、１６……引
張リング成形および結合手段、１８……容器蓋移
送手段、２０……結合強化手段、２２……支持
脚、２４……静止支持板、２６……回転軸、２８
……大型入力歯車、３０……円盤、３２ａ，３２
ｂ……保持具、３４……滑動体、３６……止めね
じ、３８……滑動部材、４０……上案内板、４２
……下案内板、４４……軸、４６……従動ロー
ラ、４８……環状カムブロツク、５０……カム
溝、５２……止めねじ、５４……連結部材、５６
……止めねじ、５８……前成形体、６０……切欠
き、６２……磁石、６４……領域、６６……領
域。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属薄板の端部より短冊片を剪断すると同時
   に湾曲せしめて両端部の重畳した筒環状の前成形
   体を形成する手段と、 容器蓋の裂取りタブの自由端部と前成形体の一
   部とが相互に重合せしめられた関係になるように
   前記容器蓋と前記前成形体とを位置決めし、前記
   前成形体の周端縁を半径方向にカーリングしてリ
   ングに形成せしめると共に前記裂取りタブを前記
   リング内に巻込んで両者を結合する引張リング成
   形および結合手段と、 前記前成形体形成手段で形成された前成形体を
   引張リング成形および結合手段の所定位置に供給
   する前成形体供給手段とからなる金属製引張リン
   グを成形すると同時に容器蓋に結合する装置にお
   いて、 前成形体供給手段は、回転支持体と、この回転
   支持体に周方向に所定間隔離間して配置された複
   数個の保持具とを具備し、 さらに前記保持具は、半径方向外端部に前成形
   体の相互に重合される両端部以外の部分の外側面
   を当接保持する切欠きを設けると共に、この切欠
   きの内面に磁性金属製の前成形体を磁力作用によ
   り吸着保持する磁石を設け、 前成形体形成手段から前成形体を受取る前成形
   体保持域と、引張リング成形および結合手段へ前
   成形体を受渡す前成形体受域とを介して前成形体
   を搬送するよう構成することを特徴とする金属製
   引張リングを成形すると同時に容器蓋に結合する
   装置。