JPS6227667B2 - - Google Patents

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JPS6227667B2
JPS6227667B2 JP57083457A JP8345782A JPS6227667B2 JP S6227667 B2 JPS6227667 B2 JP S6227667B2 JP 57083457 A JP57083457 A JP 57083457A JP 8345782 A JP8345782 A JP 8345782A JP S6227667 B2 JPS6227667 B2 JP S6227667B2
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Japan
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adhesive
pile
length
base fabric
napped
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JP57083457A
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Masao Matsui
Taneo Okamoto
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Publication of JPS6227667B2 publication Critical patent/JPS6227667B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は立毛製品及びその製造法に関する。 立毛製品特に長いカツトパイルを有するものは
毛皮様の外観を有し極めて有用である。しかしな
がら人工の毛皮様製品は、天然の毛皮に較べてい
まだ劣り、低級品の域に留まつている。人工毛皮
の1つの欠点は、植毛密度が低いことにある。す
なわち、毛皮用のパイル製品としては、スライバ
ー編機による方法や静電植毛法のようなランダム
な植毛法よりも、パイル織機又はパイル編機等の
ように繊維を収束して植毛する方法が、製品を計
画的、意図的に製造する目的に適している。しか
しながらパイル編織機は機械的な制限から、植毛
密度をあまり大きく出来ない。しかし高度の製品
では高い立毛密度(繊維本数/cm2)を必要とする
ため低密度の植毛では多数の単繊維を含む太い糸
を用いざるを得ない。太い糸が粗く植毛された製
品は外観が不均一で、触感、風合も粗硬であり好
ましくない。 植毛密度を高める1つの方法はV字型植毛又は
それに類似する形の植毛を行なうことである。し
かしながら周知のようにV字型植毛は基布との結
合が弱く抜毛を生じ易いという欠点がある。これ
に対しW字型植毛又はそれに類似する形の植毛
は、基布との結合が強く抜毛を生じにくいが植毛
密度が低い。 本発明の目的は、抜毛が生じ易いV字型植毛等
においても優れた抜毛防止性を与えることが出来
るような、新規な構造物及びその製造法を提供す
るにある。 本発明の立毛製品は、(イ)長さ7mm以上のカツト
パイルを有し、且つ膨潤剤によつて基布を収縮さ
せた布帛であり、(ロ)立毛繊維が接着剤によつて根
元部において収束接着されており、且つ(ハ)該接着
部分の露出部分の長さxが、立毛の平均の長さl
の20%以下であることを特徴とするものであり、
又本発明方法は、(a)接着剤によつて接着された繊
維束をパイル糸として用い、(b)パイル長7mm以上
のカツトパイル布帛を製造した後、(c)立毛の上部
の接着剤を立毛の長さの80%以上にわたつて溶解
又は分解(以上単に溶解と記す)除去し、且つ膨
潤剤によつて基布を収縮させることを特徴とす
る。 本発明において布帛とは織物、編物、不織布、
皮革状物及びそれらの類似物を包含する。収束と
は、多数の繊維が束ねられて1体となつているこ
とを云い、例えばマルチフイラメント糸、合糸、
混繊糸、撚糸、紡績糸などの糸も収束された例で
ある。立毛の根元部とは基布(布帛)の中及び/
又はその近傍を云う。 第1図は本発明製品の具体例を示すパイル織物
の断面模式図である。図において1はパイル糸の
接着された部分であり、2a及び2bは立毛(パ
イル)である。3及び4は地糸である。経パイル
の場合は1,3が経糸であり、4緯糸である。緯
パイルの場合は1,3が緯糸であり、4が経糸で
ある。5はパツキング剤などの樹脂である。地糸
3,4、パイル糸1の1部及びパツキング剤5が
基布を構成している。勿論基布は、織物に限定さ
れず、またパツキング剤或いは含浸された樹脂な
どを含んでいてもよく、含まなくてもよい。 第1図において収束されたパイル糸1の中には
多数の細い繊維と少数の太い繊維が含まれてい
る。太い繊維は太く長く比較的少数の刺毛2a
を、細い繊維は綿毛2bを夫々形成している。こ
のような刺毛/綿毛の2重構造は毛皮様製品にお
いて極め重要なものであるが、本発明は勿論これ
に限定されるものではなく、更に多数種類の立毛
を有する製品や1種のみの立毛からなる製品を含
む。 高度の製品において、綿毛は繊度5d以下、特
に3d以下、最も多くの場合0.5〜1.5d程度、密度
5000〜50000本/cm2、特に8000〜30000本程度、長
さ7〜50mm、特に10〜40mm程度であり、巻縮数2
〜10個/cmで巻縮していることが多い。一方刺毛
は繊度5d以上、特に7〜100d、最も多くの場合
10〜60d程度であり、密度100〜2000本、特に200
〜1000本程度、長さは10mm以上、特に15〜60mmで
あることが多い。刺毛と綿毛の長さ(平均)の差
は3mm以上、特に5〜40mmであることが多い。 本発明の製品は立毛繊維が根元部において相互
に接着されていることを特徴とする。この接着に
よつてV字型、或いはそれに類似する単純な形で
植毛されたものでも抜毛を充分に防ぐことが出来
る。この接着は根元部に限定されなければならな
い。立毛の上部まで接着されていると風合、外観
が粗硬となるからである。接着部分1が基布の上
部へ露出している長さxは、立毛の平均の長さl
の20%以下が必要であり、10%以下、特に5%以
下が好ましい。立毛が平均長la、密度Aの刺毛2
aと、平均長lb、密度Bの綿毛からなる場合は立
毛全体の平均長lは(Ala+Blb)/(A+B)
である。接着部の露出長xは短かいほどよく、3
mm以下が好ましく1mm以下が最も好ましい。 植毛密度は1cm2当りの植毛個所数である。第1
図には4個の植毛個所が示されている。全体の立
毛密度を一定とした場合、植毛密度が大きく、1
個所当りの立毛数が小さいもの、すなわち立毛が
細かく分散して植毛されたものが好ましい。一般
に植毛密度は100/cm2以上、150/cm2以上が好まし
く、特に200/cm2以上が好ましく、300/cm2以上が
最も好ましい。しかしあまり植毛密度を大きくす
ることは、パイル糸の繊維が小さくなるので、実
際上は2000/cm2程度以下、特に1000/cm2以下に限
定されことが多い。 一般に、機械的な面でV字型の植毛法ではW型
の2〜6倍の植毛密度を容易に得ることが出来
る。勿論本発明の抜毛防止効果はW型にも有用で
あり、本発明はV型に限定されるものではない。 今、20dの刺毛500本/cm2、1dの綿毛20000本/
cm2の立毛密度を得る時の、植毛密度と植毛1ケ所
当りの立毛の本数及びパイル糸の総繊度を第1表
に示す。植毛密度1000以上ではパイル糸の繊度が
極めて小さくなることが明らかであろう。
【表】 植毛1ケ所当りの刺毛の本数は3本以下、特に
2本以下が好ましく、1本又は1本以下(或所は
刺毛があり、他の所は無い−刺毛用繊維を含む糸
と含まない糸の交編、交織などによる)が最も好
ましい。刺毛が密集して植毛されていると特に外
観及び風合が損なわれるからである。第1図は植
毛1ケ所当りの刺毛2aが2本の例である。 次に本発明製品の製造法をのべる。本発明製品
は、接着剤によつて接着された繊維束をパイル糸
として用い、地糸と共にカツトパイル布帛を製造
した後、立毛上部の接着剤を除去することによつ
て得ることが出来る。 パイル糸は複数の単糸からなり、所謂マルチフ
イラメント糸、2種(例えば刺毛用と綿毛用)以
上の繊維の混繊糸、合糸されたもの、撚糸された
もの、紡績糸などを接着剤により単糸相互を接着
することによつて得ることが出来る。接着剤は特
に限定されず、天然及び合成の接着剤が用いられ
る。特に製品の柔軟性の見地から低結晶性のも
の、弾性ポリマー、或いはそれに類似する柔らか
いポリマーが好適である。また後工程での除去が
容易であるものが好ましく、例えばジメチルホル
ムアミド(DMF)、トリクレン、バークレン、
水、アルカリ水溶液など溶剤(分解剤を含む)に
可溶のものが好ましい。特に水及び水系の液に可
溶のものは、安全性及び省資源の見地から好まし
い。 しかし水に容易に溶解するものは、製品の耐水
性を低下させることがあり、適当な硬化処理で水
不溶となるものや、水及び通常の溶剤に不溶で強
アルカリ水溶液に可溶であるものがよい。アルカ
リ水溶液に可溶(分解性)のものとしては、ポリ
アクリル酸誘導体(共重合体を含む)、ポリエス
テル系ポリマー、ポリエーテル/エステルセグメ
ント共重合体(特にエラストマー)、ポリエステ
ル/ウレタンセグメント共重合体(特にエラスト
マー)などエステル結合を有するものがあげられ
る。 ポリアクリル酸誘導体の使用例としては、アク
リル酸又はメタクリル酸成分を10%(モル)以上
含む、特に20%以上含む共重合体のアンモニウム
塩等の水溶液又は水分散液を糸に付着させ、加熱
等によりアンモニアを除去又は架橋させて水不溶
とすることが出来、必要に応じ強アルカリ水溶液
で分解除去する方法があげられる。 パイル糸の接着剤としては地糸の経糸又は緯糸
に付着している接着剤(糊剤)や、基布に含浸又
はバツキングされる樹脂と接着性又は親和性の高
いものが好ましい。特に地糸又は基布に付着して
いる(又はさせる)樹脂と同一のもの又は同種の
もの或いは化学構造の類似性が高いものが好まし
い。 パイル糸への接着剤の付与は、通常の経糸糊付
法が応用出来、接着剤溶液又は分散液への浸漬、
接着剤液を表面に有する回転ローラーへの接触、
走行中の糸へのノズルによる液の付与、噴射その
他あらゆる方法が適用可能である。接着剤の付与
量は特に限定されないが、通常0.1〜100%程度、
特に0.5〜30%(重量)、最も多くの場合1〜20%
程度である。 接着剤を付与したパイル用の糸は、必要に応じ
乾燥、硬化、油剤付与などを行なつた後、パイル
織機又はパイル編機を用いパイル編織物を製造す
る。またタフテイング法も利用出来る。植毛密度
の高いもの、例えばV字型及びそれに類似する単
純な形のものが好ましいことは前述の通りであ
る。 立毛(カツトパイル)上部の接着剤の除去は、
本発明者等が特開昭56−15486号に開示した遠心
力を利用する方法(以下 遠心加工法と記す)に
よつて容易に実施し得る。第2図は遠心加工法に
よつてパイル上部の接着剤を溶解除去する方法の
具体例を示す断面模式図である。第2図におい
て、立毛2を有する布帛(基布)6は内側円筒7
に取付けられ、矢印方向に回転する。回転の遠心
力によつて立毛は外方へ起立する。内筒7と同軸
同角速度で回転する外側円筒8は加工液9を収め
る容器であり、加工液は遠心力により内側に界面
10を形成する。加工液の量を加減することによ
り液面10の位置を制御することが出来、立毛の
上部(先端側)の所望の場所を加工液に接触させ
処理し得る。加工液として接着剤の溶剤(分解
剤)を用いることにより、立毛の接着剤を除去し
得る。 遠心加工法による接着剤の除去の最大の特長
は、高精度で液面10を制御可能であり、目的と
する場所のみ接着剤を除去し得る点にある。加工
液に対して上方から立毛を垂下して先端を浸漬す
る方法(垂下法)では、立毛の間に毛細管現象に
よつて液が上昇し、目的外の場所例えば立毛の根
元部や基布へも浸入するため、本発明の目的を達
することは極めて困難である。遠心加工法では毛
細管現象による液の上昇、浸入を、遠心力によつ
て充分に防止することが出来る。例えば、遠心加
速度20G(重力加速度の20倍)程度以上、特に
40G以上、最も効果的には60G以上で、目的外の
場所への加工液の浸入を防止し得る。 第2図のような方法で、液面10の位置を選定
制御することにより、立毛の根元部に接着剤を残
し、他の部分の接着剤を除去し得る。すなわち第
1図に示すような接着部分の露出部の長さxを任
意に定め得る。前述の如く、xは最終製品の立毛
の平均の長さlの20%以下が必要であり、10%以
下が好ましい。同様にxは3mm以下が好ましく、
1mm以下が最も好ましい。 立毛の根元部以外の部分の接着剤の除去工程を
立毛製品の加工工程の中に適宜配置することは専
問家には容易である。立毛製品の加工工程の例と
しては、立毛の細化、先端細化(先鋭化)、収
縮、巻縮発現、フイブリル化(複合繊維からなる
立毛の分割、開繊)、精練(洗浄)、染色、脱色、
各種仕上加工剤(制電剤、難燃剤、光沢剤、滑り
剤、親水剤、吸水剤、防汚剤、撥水剤、撥油剤
等)の付与、ブラシング、熱セツト、基布の収
縮、バツキング又は樹脂含浸、裏面の起毛などが
あげられる。一般的には、接着剤の除去は上記各
種加工の前に行なうことが好ましいことが多い
が、立毛の先端細化は接着剤の除去前に行なうこ
とも出来、立毛全体の細化やフイブリル化は接着
剤の除去と同時に行なうことも出来る。また基布
の収縮処理、バツキング又は樹脂含浸は接着剤除
去の前でも後でも行なうことが出来る。 基布を強く収縮させることは、それを緻密化
し、皮革状の外観を与え、植毛密度を増大させる
ので極めて好ましい。本発明者等は、すでに基布
を高度に収縮させることにより高度の製品が得ら
れることを見出し、特願昭56−162177号(特開昭
58−65036)において提案した。上記見地による
基布の高度の収縮は、面積収縮率30%以上、特に
40%以上、最も好ましくは50〜75%が望まれる。
同様に、立毛の緻密化の見地ではV字型又はそれ
に類似する単純な形の植毛形状が好ましく、植毛
密度は100/cm2以上、好ましくは150/cm2以上、特
に200/cm2以上、最も好ましくは300〜1000/cm2
望まれる。 上記のような高密度の植毛及び/又は基布の高
収縮を行なう場合、基布が硬くなる傾向がある。
柔軟ですぐれた基布とするためには基布(地糸)
を構成する単繊維として、繊維2d以下、特に1.5d
以下のものを20%以上、特に30〜100%用いるこ
とが好ましく、0.05〜1d程度のものを用いること
が最も好ましい。このために基布を構成する繊維
として分割(フイブリル化)可能な或いは分割し
た複合繊維を好ましく用いることが出来る。 基布の収縮は、ベンジルアルコール、フエノー
ル、クレゾール等の膨潤剤によつて行うと、面積
収縮率が大きく効果的である。例えば、本発明の
実施例1及び2のように、ポリアミドと他成分と
が接合された分割可能な複合繊維を用いた基布
は、ベンジルアルコールと水とが共存する系に浸
漬処理すると、高収縮させた場合でも基布は柔軟
ですぐれた風合いを与える。更に加熱をすれば、
更に強い効果が得られ、本発明に好適である。 本発明によれば、立毛の根元部が接着されてい
るため抜毛を防止することが出来、その結果高収
縮させるためのルーズな組織とすることやV字型
の植毛その他の高密度の植毛法を適用して緻密で
しかも均一に分散された立毛を有する高度の毛皮
様製品等を容易に得ることが出来る。 以下の実施例において部、%等は特記しない限
り重量比率である。 実施例 1 顔料を含まないポリエチレンテレフタレート
(以下PETと記す)を溶融紡糸、延伸、熱処理
(150℃)して得た20デニール/モノフイラメント
をF1とする。F1は長経/短経=2/1(扁平率
2)の長円形断面を有し、刺毛用である。 TiO2徴粒子を1.2%含み、分子量600のポリエ
チレングリコール(以下PEGと記す)を5%共
重合したPET(共重合物)と、TiO2を1.8%含む
ナイロン6とを複合紡糸、延伸、熱処理(150
℃)した70d/14fの複合フイラメントをF2とす
る。F2は、横断面でナイロン6が4個の板を有
する放射状の形で共重合PETを4個の3角状の
形に分離する複合構造(特公昭49−29129号第20
図参照)を有し、複合比は1/4である。 フイラメントF2とほゞ同じ繊維で、但し共重
合PETの代りにPETホモポリマーを用いた
150d/48fのものをF3とする。 F2を撚数4000T/m、温度190℃で仮撚した後
弱い緊張下で190℃で熱処理しつゝ巻取り、弱い
巻縮を与えた糸をY1とする。Y1を1本とF1を1
本、エアジエツトノズルによつて混繊した後
100T/mで加撚した糸をY2とする。 F3をY1とほゞ同様に仮撚(撚数3400)熱処理
し、100T/mで加撚した糸をY3とする。TiO2
0.7%含むPETの延伸熱処理糸(熱水収縮率7
%)で150d/144f、加撚数150T/mのものをF4
とする。 F4を整経した後、加熱硬化(架橋)型のアク
リル系樹脂の水分散液に浸漬、乾燥したもの(付
着率2.7%)を経糸(地糸)に用い、Y2を整経し
た後、同様に樹脂を付着(付着率3.8%)させた
ものをパイル糸に用い、Y3を緯糸に用いて二重
パイル織機でカツトパイル織物CP1を得た。CP1
は、経糸F4の密度が30本/cm、パイル糸Y2の密
度15本/cm、緯糸Y3の密度39本/cm、植毛形は
W型であり、植毛密度195/cm2、パイル長39mmで
ある。 CP1の裏面にベンジルアルコール20%水分散液
を噴霧状で付与し、90℃の水蒸気中で30分間処理
して、横方向に強く収縮させた。横方向の収縮率
は39%であり、縦方向のそれは6%であつた。す
なわち面積収縮率約43%であり、立毛の密度は収
縮前にくらべて約1.75倍になつた。収縮後、乾燥
し加熱架橋型のアクリル系(非晶質)樹脂の水分
散液を噴霧状で付与(含浸)し(付着量、基布に
対して約15%)180℃で乾燥硬化させた。 基布に樹脂含浸したCP1を第2図の方法で立毛
上の接着剤を除去した。すなわち直径1mの内筒
7にCP1を取付け、360rpm(遠心力約70G)で回
転させ、直径1.1mの外筒8にNaOHの5%水溶
液(90℃)を液面10が基布から2mmの点になる
ように満し、15分間処理した。基布から1〜2mm
以遠の場所の立毛上のアクリル系樹脂は完全に溶
解(エステル結合が加水分解されNa塩となり水
溶性となる)除去された(x=1〜2mm)。なお
立毛を構成するY1は、仮撚によつて複合繊維が
ほとんど(95%以上)フイプリル化していたが、
上記アルカリ処理によりフイブリル化が完了し、
その表面が1部(3〜7%)溶解除去され、且つ
巻縮は極めて弱い状態で固定されしかも立毛は外
方に揃つて起立しており、所謂毛さばきのよい
(もつれのない)状態となつた。 次にNaOH15%の水溶液を基布から26mmの点ま
で満し95℃で30分間処理してフイブリル化した糸
Y1からなる綿毛を切断し、次いでアルカリ水溶
液を1部排出し液面を基布から30mmの点に調節
し、以下徐々にアルカリ水溶液を排出し、基布か
ら35mmの点まで2時間で移動させ、更に37mmの点
に2時間で移動させて、フイラメントF1からな
る刺毛の先端を細化した。 アルカリ液を抜去り、水洗した後、灰褐色の分
散染料の水溶液を基布から15mmの位置まで満し95
℃で60分間染色し綿毛を濃灰褐色に、刺毛を淡灰
褐色に染色し、水を抜去つた後DMF(ジメチル
ホルムアミド)を基布から30mmの位置まで満して
80℃で10分間処理して刺毛の先端を脱色(ほゞ無
色に近い灰色)した。DMFを抜去り、水洗後フ
ツ素樹脂系の防汚、撥水、撥水加工液を基布の位
置まで満し、排出後そのまゝ遠心脱液し(樹脂付
与量約1.1%)、150℃で熱処理して毛皮様の立毛
製品AF1を得た。 AF1は、植毛密度約350/cm2、巻縮し且つよく
揃つた約0.95デニール、長さ約25mmの綿毛が約
24000本/cm2、約20デニール、長さ約36mmの刺毛
が約350本/cm2、均一に植毛されており、しかも
綿毛の下部はほゞ白色、上部が暗灰褐色、刺毛は
下部がほゞ白色、中間部が淡灰褐色、先端が細化
され且つほゞ無色に脱色された極めて高度のもの
であつた。 一方比較のため、パイル用の糸に接着剤を用い
ないで同様の製品を製造したが、高収縮させるた
めに地組織がやゝルーズな織物のため製造工程中
の抜毛や引掛によるキズが目立ち、またケバやも
つれがあり、均一性や品位が劣るものであつた。 実施例 2 実施例1のフイラメントF2とほゞ同じで、但
し40d/5fで、単糸が共重合PETが2d2個、1d2個
のフイブリルに、ナイロン6が2dのフイブリル
1個に分割可能の複合繊維をF5とする。F5をF2
と同様に仮撚し、100T/mで加撚したものをY4
とする。F5を仮撚したものと、実施例1のF1と
を各1本、100T/mで合撚したものを糸Y5とす
る。 糸Y4と糸Y5を交互に並べて整経し、実施例1
と同様に接着剤を付与(7.2%)してパイル糸と
して用い、経糸(地糸)として実施例1のF4の
仮撚巻縮糸(接着剤2.7%)を用い、緯糸(地
糸)は実施例1のY3を用い、カツトパイル織物
CP2を得た。CP2はパイル糸が第1図のようなV
字型に植毛されており、経糸(地糸)の密度44
本/cm、パイル糸の密度22本/cm、緯糸密度39
本/cm、植毛密度858/cm2、パイル長39mmであ
る。 CP2の裏面に、ベンジルアルコールの10%水分
散液を噴霧状で付与し、80℃の水蒸気中で20分間
処理し、縦方向に5%、横方向に12%(面積収縮
率16%)収縮させた。以下実施例1のCP1と同様
に基布への樹脂含浸、立毛上の接着剤の除去(x
=1〜2mm)、立毛のフイブリル化の完了、綿毛
の切断(長さ約26mm、刺毛の先端細化、染色、脱
色、防汚、撥水撥油加工を行ないAF2を得た。 AF2は、美しく均整な外観を有し、極めて高度
且つ微妙な触感を有していた。 一方比較のためパイル糸に接着剤を付与しない
で同様にして得た製品は、製造工程中の糸切れ、
毛羽発生が多く、又V字型植毛がゆるみ1部が裏
面へ突出して、外観上の欠点が目立ち品位が劣る
ものであつた。 なお、AF2の刺毛の密度は約510本/cm2、綿毛
の密度は約25500本/cm2である。V字型植毛の場
合、植毛密度を極めて高くすること、例えば
500/cm2以上、特に1000/cm2以上とすることも比
較的容易である。高密度植毛で適切な立毛密度に
するためには、第1表に示したようにパイル糸の
総繊度を小さくすることが考えられるが、その場
合は糸の強度が低下し整形、織布などの工程でト
ラブルが出やすい。一方、パイル糸の太さにくら
べて植毛密度を小さく設定すると組織がルーズに
なりすぎ抜毛等のトラブルを生じ易い。例えば強
度の点からはパイル糸は5d以上、特に70d〜300d
が望ましいが、そのような繊度に適した織布密度
では(V字型の場合)立毛密度が高くなりすぎ、
製品の立毛の重量が過大になる傾向がある。立毛
重量は1Kg/m2以下、特に800g/m2以下が好ま
しく600g/m2以下が最も好ましい。例えば標準
的なものとして繊度1d、長さ25mm、立毛密度
20000本/cm2の綿毛重量は555g/m2であり、繊度
20d、長さ40mm、立毛密度500本/cm2の刺毛重量
は444g/m2であり、合計約1Kgである。上記標
準例よりも立毛を高密度、高繊度又は長くするこ
とは、製品の軽量化の観点から限界がある。ま
た、基布の重量は500g/cm2以下、特に400g/m2
以下が好ましく、300g/m2以下が最も好まし
い。 本発明によつて、V字型植毛及び/又はルーズ
な組織、又は組織とパイル糸の繊維のバランスが
不適当であることなどに起因する抜毛や糸切れ等
のトラブルが防止され、品質の優れた製品を容易
に得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の立毛製品の具体例を示す断面
模式図であり、第2図は本発明製品の製造法の具
体例を示す断面模式図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (イ)長さ7mm以上のカツトパイルを有し、且つ
    膨潤剤によつて基布を収縮させた布帛であり、(ロ)
    立毛繊維が接着剤によつて根元部において収束接
    着されており、且つ(ハ)該接着部分の露出部の長さ
    xが立毛の平均の長さlの20%以下である立毛製
    品。 2 立毛繊維がV字型及び/又はW字型に植毛さ
    れている特許請求の範囲第1項記載の製品。 3 植毛密度が200/cm2以上である特許請求の範
    囲第1項記載の製品。 4 植毛密度が300/cm2以上である特許請求の範
    囲第1項記載の製品。 5 露出部の長さxが3mm以下である特許請求の
    範囲第1項記載の製品。 6 露出部の長さxが1mm以下である特許請求の
    範囲第1項記載の製品。 7 (a)接着剤によつて接着された繊維束をパイル
    糸として用い、(b)パイル長7mm以上のカツトパイ
    ル布帛を製造した後、(c)立毛の上部の接着剤を立
    毛の長さの80%以上にわたつて溶解又は分解除去
    し、且つ膨潤剤によつて基布を収縮させることを
    特徴とする立毛製品の製造方法。 8 接着剤の未除去部分の長さxを3mm以下とす
    る特許請求の範囲第7項記載の方法。 9 接着剤が水系の処理剤で溶解又は分解される
    ものである特許請求の範囲第7項記載の方法。 10 接着剤がアクリル系樹脂を主成分とするも
    のである特許請求の範囲第7項記載の方法。 11 基布を面積収縮率30%以上で収縮させる工
    程を含む特許請求の範囲第7項記載の方法。 12 立毛繊維をV字型に植毛すること及び/又
    は基布を面積収縮率30%以上で収縮させることに
    より、植毛密度を200/cm2以上とする特許請求の
    範囲第7項記載の方法。
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