JPS6224804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本案は例えば電気掃除機において前・後ケース
の結合、蓋の閉塞等に使用するクランプ装置に係
り、特にクランプ体の取付構造に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、この種のクランプ装置は一方の部材にク
ランプ体を回動可能に取付け、このクランプ体の
回動により他方の部材に係脱するように構成され
ているが、そのクランプ体の取付けは部材と、こ
れにねじを以つて取着する押え板との間に軸を挾
持することにより行なつていた為、ねじ、押え板
等の取付専用部品が必要で、コスト的に不利であ
るばかりか、取付作業性の悪いものになつてい
た。

（目 的） 本案はかかる点に鑑みてなされたもので、クラ
ンプ体を取付専用部品を用いることなく簡単に取
付け得るよう構成して、コストの低減、取付作業
性の向上を計つたものである。

（実施例） 以下図面に示した本案の実施例について詳細に
説明する。

１は底部に自在車輪２及び走行車輪３を有する
掃除機本体、４は掃除機本体１に形成した集塵袋
或いは集塵ケース等を納める集塵室、５は掃除機
本体１の上面に起倒自在に枢設した把手、６は掃
除機本体１に固定した上面カバー、７は上面カバ
ー６に枢設され集塵室４の上面開口を開閉する上
蓋、８は上蓋７を閉塞位置にロツクするクランプ
装置である。

而して、上記上蓋７は下記の構造を以つて上面
カバー６に開閉自在に枢設する。上蓋７は合成樹
脂の成型品よりなり、後縁に左右一対のＵ字形状
のアーム９を一体に突設すると共に、該両アーム
９の自由端部には相対向面において軸１０を、相
反面において球状突起１１を夫々一体に形成す
る。他方、上面カバー６の裏面にはコ字形状のリ
ブ１２により軸支部１３を形成し、この軸支部１
３の内側壁にその下縁よりＵ字状の切込み１４を
形成してなり、このような構成の上面カバー６も
合成樹脂により一体に成型する。而して、上蓋７
のアーム９は上面カバー６の軸支部１３内にその
下方より挿入し、軸１０を切込み１４内に嵌込む
ものであり、この嵌込み状態は後記コイルスプリ
ングにより保持される。

上記コイルスプリング１５は第５図示のよう
に、軸１０の外周に嵌装してその一端ａをアーム
９に係着した後、他端ｂを弾性に抗して押え込み
軸支部１３の内面に突出するリブ１６に係着させ
るものであり、このようなコイルスプリング１５
によつて軸１０は切込み１４内に保持されて上蓋
７を開閉自在に枢設し、又上蓋７はコイルスプリ
ング１５により常時開放方向の力を付与されてい
る。

次に、クランプ装置８の構成を説明する。この
クランプ装置８は、上蓋７の上面から前方に跨つ
て形成した凹所１７と、該凹所１７の一側壁に後
方に開放して〓形状に形成した第１の軸受１８
と、凹所１７の他方の側壁に同じく後方に開放し
て〓形状に形成した第２の軸受１９と、先端縁に
爪２１を有する板状クランプ体２０と、クランプ
体２０の裏面両側部に外向きに突設した軸２２，
２３と、上記凹所１７の底面上に突設したボス２
４と、該ボス２４に一端を嵌着しかつ他端をクラ
ンプ体２０の裏面に当接してクランプ体２０を常
に爪２１の係合方向に付勢するスプリング２５と
からなり、上記凹所１７、軸受１８，１９及びボ
ス２４は上蓋７に、又爪２１及び軸２２，２３は
板状クランプ体２０に夫々合成樹脂により一体に
成型されている。上記第２の軸受１９の上端幅ｃ
は第１の軸受１８の上端幅ｄより小さく設定して
軸２３との係合を軸受１８と軸２２との係合より
浅く構成してあり、又クランプ体２０の後縁と凹
所１７の後壁との隙間ｅは軸受１９と軸２３との
係合が解除されない程度の寸法に設定して、凹所
１７の後壁を、クランプ体２０の移動を規制して
軸２３を軸受１９内に保持する為の規制壁２６と
して作用させている。而して、板状クランプ体２
０は一方の軸２２を第１の軸受１８に挿入支持し
た状態で、当該クランプ体２０を撓ませながら他
方の軸２３を第２の軸受１９に〓形状の開放側よ
り嵌込み該軸受１９内に保持させることにより回
動自在に取付けられ、その回動により爪２１を掃
除機本体１側の係止部２７に係脱するものであ
り、該係合によつて上蓋７を閉塞位置にロツクす
る。上記軸２３の嵌込みは板状クランプ体２０の
撓みを利用して行なうも、軸受１９の上端幅ｃを
小さくしてある為容易に行なうことができ、又一
旦取付けると、規制壁２６の働きにより不用意に
外れることがなく、支障なく使用できる。

尚、上記第１の軸受１８は〓形状に限らず形
状のリブにより形成してもよく、又凹所１７の側
壁に孔を穿設して軸受としてもよい。

その他、本案は上記しかつ図面に示す実施例に
のみ限定されるものではなく、電気掃除機以外の
機器において２つの部材の結合に用いる等、要旨
を逸脱しない範囲内で適宜変形して実施し得るこ
と勿論である。

（効 果） 以上の如く本案の構成によれば、板状クランプ
体の一方の軸を凹所の一方の軸受に挿入支持した
後、板状クランプ体を撓ませて他方の軸を凹所の
他方の軸受内にその後方側より嵌込むことによ
り、板状クランプ体を一体の軸を以つて凹所内に
容易に取付けることができ、従つてその取付けに
は別部品の軸は勿論、従来のような取付専用部品
が不要となり、部品点数の減少によつてコストの
低減、取付作業性の向上を計れ、しかも板状クラ
ンプ体は一旦取付けると凹所の後壁により後方へ
の移動が規制される為、軸が軸受より不用意に脱
却することがなく、実使用に耐える充分な取付状
態を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本案クランプ装置を実施し
た電気掃除機の上面図、一部切欠側面図、第３図
は同装置の分解斜視図、第４図は第１図のＡ−Ａ
線概略断面図、第５図は同上上蓋の枢設構造を示
す裏面図、第６図及び第７図は第１図のＢ−Ｂ
線、Ｃ−Ｃ線断面図である。 ７：上蓋、８：クランプ装置、１８：第１の軸
受、１９：第２の軸受、２０：板状クランプ体、
２１：爪、２２，２３：軸、２５：スプリング、
２６：規制壁、２７：係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端縁に爪を有しかつ左右両側部に軸を有する
   クランプ体を合成樹脂により一体に成型し、この
   クランプ体をその軸を以つて回動自在に取付ける
   と共に、該クランプ体を常に爪の係合方向に付勢
   するスプリングを設け、クランプ体により２つの
   部材を結合するクランプ装置において、上記部材
   の一方にクランプ体を取付けるための凹所を一体
   に成型し、この凹所の一方の側壁に第１の軸受
   を、他方の側壁に第２の軸受を夫々一体に設ける
   と共に少なくとも第２の軸受を凹所の後壁側より
   軸が嵌まり込む構成とし、上記クランプ体は板状
   に成型して一方の軸を第１の軸受に挿入支持しか
   つ他方の軸をクランプ体自身の撓みにより第２の
   軸受に嵌込み、凹所の後壁はクランプ体との当接
   により該クランプ体の移動を規制して第２の軸受
   内に軸を保持させてなることを特徴とするクラン
   プ装置。