JPS6222234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は壁面等に取付けられる種々の機器にお
ける化粧体の取付構造に関する。

〔従来技術〕

従来、機器の内部を隠蔽して外観を良好となす
ために化粧体を取付ける構造として、実公昭51−
3790号公報に記載されたようなものがある。これ
は、浴槽の排水金具取付装置を機器としたもの
で、第１図に示すように、浴槽壁１００に取付孔
１０１を貫設し、化粧体１０２を螺杆１０３を有
した締付器具１０４とナツト１０５により浴槽壁
１００に取付けるようにしたものである。

しかし、化粧体１０２が汚損したり腐食した
時、交換のために螺杆１０３とナツト１０５の螺
合を解かなければならない。この場合、ナツト１
０５は浴槽の外部にあるため据付けタイプの浴槽
では作業しやすい様に浴槽の方向を変える必要が
あり、ガス釜及び給排水の配管を解体しなければ
ならず作業が煩雑となる。また埋込みタイプのも
のではナツト１０５がモルタル中に位置するので
実質的に交換ができないという問題がある。

さらに化粧体１０２は螺杆１０３とナツト１０
５の締結によつて支持されているので、何らかの
原因で両者の締結が弛緩した場合、化粧体１０２
が回転しやすくなり、取付面１０６に傷をつける
という欠点もある。

〔考案の目的〕

本考案は、化粧体の取付構造において、化粧体
の着脱が取付面の前方側からの操作のみで容易に
行え、かつ不用な回転を防止して取付面が傷つく
ことがないようにすることを目的とするものであ
る。

〔考案の構成〕

本考案の構成は、取付面に固定される取付台座
の本体部先端に外方に突出する凸部を設け、同取
付台座に着脱自在に取付けられる化粧体に上記本
体部の収納凹部と凸部に係合可能な係合凹部を異
径状に凹設し、上記凸部と係合凹部により取付台
座と化粧体とを軸線方向に移動不能に係合させる
とともに、化粧体の内外面を挿通する締付具によ
り両者の固着を行なうようにしたものである。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を詳細
に説明する。

本例は浴槽底部に設けられる排水栓体に係止さ
れた玉鎖の他端を係留する鎖取付具Ａに本考案を
適用したもので第２図に鎖取付具Ａの正面と排水
栓Ｅの断面を示す。排水栓Ｅは浴槽１の底部に開
口する排水口Ｅ−１に取付けられる排水栓本体Ｅ
−２と、同排水栓本体Ｅ−２の開口部を開閉する
排水栓体Ｅ−３とより構成され、この排水栓体Ｅ
−３は玉鎖２により鎖取付具Ａに係留されてい
る。

第３図は第２図の−線矢視による鎖取付具
Ａの断面図であり、同鎖取付具Ａは取付面をなす
浴槽壁３に固設される取付台座４、同取付台座４
に固着される化粧体５及び玉鎖２を掛止するとと
もに取付台座４に化粧体５を固定する締付具６と
から構成される。

第４図は化粧体５の断面図で、同化粧体５は黄
銅製で表面をメツキ処理したキヤツプ状に形成さ
れる。内部には裏面側に開口する取付台座４の収
納凹部７が凹設され、かつ同収納凹部７と同軸上
に大径環状の係合凹部８を形成している。さら
に、９は収納凹部７と外部とを連通させる通孔
で、本実施例では締付具６がが螺合されるように
円周面に螺子部９ａを有している。

第５図は取付台座の一部切欠側面図、第６図は
同第５図の−線矢視で示す正面図である。

同取付台座４は化粧体５と同様に黄銅製であ
り、一側に本体部１０を形成し、同本体部１０か
ら伸長する螺杆１１を有している。本体部１０は
軸線方向断面で優弧状の凸部をなす第１係合部１
２、及び化粧体５の収納凹部７の内周面７ａに係
合する略長円状断面の第２係合部１３とよりな
り、第２係合部１３の曲線部分には螺杆１１方向
に突出する鍔部１４を形成している。

ここで、化粧体５の収納凹部７の内径をD₁第
１係合部１２の形成外径をD₂とすれば、 D₁＞D₂ ……(1) 及び化粧体５の裏面５ａから環状凹部８の底面８
ａ間の距離をL₁、取付台座４の第１係合部１２
の端面１２ａから鍔部１４までの距離をL₂とす
れば、 L₁＜L₂ ……(2) となるように化粧体５及び取付台座４を形成す
る。

第７図は締付具６の断面図で、中途に係止段部
１５を有する異径の挿通孔１６を軸線方向に貫設
し、下端側を除いて化粧体５の通孔９に螺合する
螺子１７を外周に形成している。第３図に示すよ
うに挿通孔１６内には玉鎖２の上端側が挿入さ
れ、玉鎖２の玉に係合するＣ型の抜け止めリング
１８が係止段部１５に支持されて玉鎖２を鎖取付
具Ａに連結することができる。

上記構成の鎖取付具Ａは第３図のように浴槽壁
３に貫設された取付孔３ａを取付台座４の螺杆１
１が挿通し、歯付き座金１９及びパツキン２０を
介設してナツト２１を螺合することにより、まず
取付台座４が固定される。そして、この後化粧体
５を取付けることにより取付施工され、以下この
手順について述べる。

上記のように、取付台座４をナツト２１により
浴槽壁３に固定するが、この場合第２係合部１３
の上側平坦面１３ａが水平となるようにする。次
に、化粧体５の裏面５ａを取付台座４に対向させ
て外嵌する。第１係合部１２が係合凹部８域に達
すると、同第１係合部１２は係合凹部８内に嵌入
可能となり、第８図で示すように化粧体５が下方
に変位して第２係合部１３の上側両角部１３ｃが
収納凹部７の内周面７ａに当接するとともに第１
係合部１２の頂点部分が係合凹部８の内周面に当
接し、化粧体５が掛止される。

この状態で、玉鎖２を予め装着した締付具６を
通孔９の螺子部９ａに螺合し、同第８図で示すよ
うに取付台座４の第２係合部１３の下面１３ｂを
押上るように締付けることにより、化粧体５を取
付台座４に強固に連結することができる。この取
付けにおいて、式２の関係により浴槽壁３面には
取付台座４の鍔部１４のみが当接し、化粧体５の
裏面５ａは接触しないので、浴槽壁３に傷がつか
ない。

以上のように、化粧体５の着脱は締付具６によ
り容易に行なえ、例え締付具６の螺合力が弛緩し
たとしても第１係合部１２と係合凹部８の係合に
より化粧体５が脱落することはない。また、締付
具６は取付台座４を押上しているだけなので、化
粧体５に負荷される軸線方向の力は直接作用する
ことはなく、締付具６の変形を防止でき、通孔９
との螺合及び解離を常時円滑に行なうことができ
る。

第１０図は本考案の別例を示しており、第１係
合部１２を本体部１０の中途部外周面に設け、係
合凹部８を収納凹部７の底面より開口側に位置す
る内周面に設け、本体部１０に設けた通孔９′に
締付具６を螺合して化粧体５と取付台座４とを固
着した構成である。この場合も化粧体５の着脱を
容易に行なうことができる。

尚、前述の実施例では取付台座４は螺杆１１に
ナツト２１を螺合することにより浴槽壁３に固設
するようにしたが、その他、取付面に応じて直接
壁面中にねじ込める構造としたり、またはビス、
アンカーボルトにより固着することも可能であ
る。

また本例は浴槽壁に取付ける構造を示したがそ
の他壁面や室内の露出部分に設けられる種々の機
器にも適用できるもので、この場合締付具は各形
態に見合つた形状及び用途をなすようにすればよ
い。

〔効果〕 以上のように本考案に係る化粧体の取付構造は
その構成により下記の効果を奏する。

化粧体の着脱を容易に行うことができる。

凸部が係合凹部に係合しているので、化粧体
に軸線方向への力が作用したり、締付具が緩ん
だりしても、化粧体が取付台座から脱落するこ
とはないうえ、化粧体の軸線方向に負荷される
力は直接締付具に作用することはなく、締付具
の変形を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の化粧体の取付構造の一例を示す
断面図、第２図は本考案に係る化粧体の取付構造
を浴槽の鎖取付具に適用した場合を示す正面図、
第３図は同第２図の−線矢視による断面図、
第４図は化粧体の断面図、第５図は取付台座の一
部切欠側面図、第６図は同第５図の−線矢視
図、第７図は締付具の断面図、第８図は化粧体と
取付台座の固着状態を背面側から観た正面図、第
９図は本考案に係る化粧体の取付構造を適用した
鎖取付具の分解斜視図、第１０図は本考案に係る
化粧体の取付構造の他例を示す断面図である。 ３……取付面（浴槽壁）、４……取付台座、５
……化粧体、６……締付具、７……収納凹部、８
……係合凹部、９……通孔、１０……本体部、１
２……第１係合部（凸部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付面に一端側が密着して固定される本体部と
   同本体部の他端側に外方に突出する凸部を有する
   取付台座と、同取付台座の略全体を隠蔽するキヤ
   ツプ状に形成され内部に裏面側から上記取付台座
   の本体部を挿入可能な収納凹部と上記凸部に係合
   可能な係合凹部を凹設しかつ内外部を連通させる
   通孔を中心軸と略直角方向に開設した化粧体と、
   上記通孔に取付けられ取付台座に上記化粧体を押
   圧する締付具とからなることを特徴とする化粧体
   の取付構造。