JPH0740925Y2 - 風呂用コントロールボックスの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浴槽用湯沸器のコントロールボックスを、合
成樹脂にて水密箱型に形成して浴室壁の内側に固定して
ある風呂用コントロールボックスの取付構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、第６図に示すように、コントロールボックス（1
0）の背面に一体的に備えられたメネジ部材（24）に、
配線挿通用筒軸（３）における浴室壁（１）の内面側に
相当する内端側をネジ止めし、コントロールボックス
（10）を浴室壁（１）の内面に直接に接当させると共
に、止付具（６）を浴室壁（１）の外面に接当させ、筒
軸（３）に対する締付具（５）のネジ込みによりコント
ロールボックス（10）と止付具（６）で浴室壁（１）を
挾持させて、コントロールボックス（10）を浴室壁
（１）に固定していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、浴室壁（１）の内面は一般にタイル貼りなどの
ために凹凸がかなりあり、締付具（５）によるコントロ
ールボックス（10）の圧接に伴って、一般に合成樹脂の
ように変形しやすい材料から成るコントロールボックス
（10）が浴室壁（１）の凹凸で変形し、その変形に伴っ
てコントロールボックス（10）の分割箇所に備えられた
シール部でシール不良を生じ、コントロールボックス
（10）内への浸水によるトラブルを生じやすくなり、一
層の改良の余地があった。

本考案の目的は、浴室壁への固定に起因するコントロー
ルボックスの変形を十分に抑制できるようにし、コント
ロールボックス内への浸水によるトラブルを確実に防止
できるようにする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、前記浴室壁に対して貫通させた配
線挿通用筒軸、その筒軸における前記浴室壁の外面側に
相当する外端側にネジ止めした締付具、前記筒軸又は締
付具に外嵌させて前記浴室壁の外面に接当させる止付具
を設けるとともに、前記筒軸における前記浴室壁の内面
側に相当する内端側に取付座を連結し、その取付座を前
記締付具と止付具により前記浴室壁の内面に圧接固定
し、前記コントロールボックスの前面側から背面側に貫
通する貫通孔に挿通したボルトを前記取付座にネジ止め
して前記コントロールボックスを前記取付座に着脱自在
に取付けてある点にあり、その作用効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

取付座からコントロールボックスを取外した状態で、浴
室壁を貫通した配線挿通用筒軸における浴室壁の内面側
に相当する内端側に取付座を連結し、筒軸又は締付具に
外嵌させた止付具を浴室壁の外面に接当させながら、筒
軸における浴室壁の外面側に相当する外端側に締付具を
ネジ止めして、取付座を浴室壁の内面に圧接固定するの
で、浴室壁の内面の凹凸が激しくしても、締付具のネジ
込みに伴って取付座が変形するだけである。

そして、コントロールボックスの前面側から背面側に貫
通する貫通孔に挿通したボルトを、浴室壁に固定された
取付座にネジ止めしてコントロールボックスを取付座に
取り付けるので、取付座が変形していても、コントロー
ルボックスを変形無く十分に固定できる。

〔考案の効果〕

その結果、コントロールボックスが浴室壁への固定に起
因する変形でシール不良を生じることを確実に防止で
き、コントロールボックス内への浸水によるトラブルの
無い良好なコントロールボックス取付を容易確実に行わ
せられるようになった。

〔実施例〕

次に実施例を示す。

第１図及び第２図に示すように、浴室壁（１）の貫通孔
（２）に、第１筒軸部（3a）と第２筒軸部（3b）から成
る筒軸（３）を通し、浴室内の取付座（４）の背面に一
体連設したメネジ部材（4a）に第１筒軸部（3a）の、即
ち筒軸（３）における浴室壁の内面側に相当する内端側
をネジ嵌合で連結し、第１筒軸部（3a）にネジ嵌合で連
結した第２筒軸部（3b）の、即ち筒軸（３）における浴
室壁の外面側に相当する外端側に、締付具としてのフラ
ンジ（5a）付のナット（５）をネジ嵌合で取付け、浴室
壁（１）の外面に圧接するパッキン（6a）と、パッキン
（6a）に対する金属製押付板（6b）とから成る止付具
（６）をナット（５）に外嵌させ、ナット（５）の締付
けによるフランジ（5a）の押付板（6b）に対する押圧作
用で、取付座（４）を浴室壁（１）の内面にかつパッキ
ン（6a）を浴室壁（１）の外面と押付板（6b）に夫々圧
接させ、取付座（４）を強固に固定すると共に、雨水の
貫通孔（２）内への侵入をパッキン（6a）で防止してあ
る。また、浴室壁（１）に埋込んだカールプラグ（７）
にネジ込んだ木ネジ（８）で押付板（6b）を固定してあ
る。

取付座（４）とメネジ部材（4a）は硬質合成樹脂から成
り、第１及び第２筒軸部（3a），（3b）とナット（５）
はその硬質合成樹脂よりも少し変形しやすい硬質合成樹
脂から成り、メネジ部材（4a）の内周面のネジ部におい
て周方向の２箇所でネジ部を無くして、第１筒軸部（3
a）をメネジ部材（4a）に強く締込むと、第１筒軸部（3
a）がその変形で空回りして締付け力が弱まり、過度の
締付けによる取付座（４）の破壊を防止できるように構
成してある。

取付座（４）の背面に、第３図に示すようにパッキン
（９）を貼付け、浴室壁（１）の内面にパッキン（９）
を圧接すると共に接着して、浴室側から貫通孔（２）へ
の浸水を防止できると共に、取付座（４）が回らないよ
うに構成してある。

浴槽用湯沸器のコントロールボックス（10）を、硬質合
成樹脂で水密箱型に形成して取付座（４）に着脱自在に
取付け、コントロールボックス（10）の背面から延出し
た風呂コントローラ操作用配線（11）を、取付座
（４）、第１及び第２筒軸部（3a），（3b）、ナット
（５）を貫通する状態で浴室外に延出させ、パッキン
（12）を介して押付板（6b）に止めネジ（13）で取付け
たカバー（14）で配線（11）の接続部を覆ってある。

コントロールボックス（10）に、第４図に示すように以
下の操作具や表示具を設けてある。

（イ）運転・停止切換用ボタン（15a）と運転表示用ラ
ンプ（16a）と燃焼表示用ランプ（16b）。

（ロ）浴槽への湯はりを自動的に行わせるボタン（15
b）とそのモードの表示用ランプ（16c）。

（ハ）浴槽の追いだきを自動的に行わせるボタン（15
c）とそのモードの表示用ランプ（16d）。

（ニ）浴槽の追いだきを人為的に行うボタン（15d）と
そのモードの表示用ランプ（16e）。

（ホ）浴室内のカランとシャワーに選択給湯するボタン
（15e）とそのモードの表示用ランプ（16f）。

（ヘ）湯温調節用ボタン（15f）と湯温表示部（17）。

（ト）自動追いだき温度調節用ダイヤル（18a）と湯は
り水量調節用ダイヤル（18b）と湯はり温度調節用ダイ
ヤル（18c）。

上記（ト）項の全てのダイヤル（18a）〜（18c）に対す
る揺動蓋（10a）をコントロールボックス（10）に設け
てある。

コントロールボックス（10）を取付座（４）に取付ける
に、第５図に示すように、コントロールボックス（10）
の前面側から背面側に貫通する貫通孔としての１個のネ
ジ孔（10b）を揺動蓋（10a）内で開口するように形成
し、４個の係止片（10c）をコントロールボックス（1
0）の背部に一体形成し、コントロールボックス（10）
の背部に一体形成した周縁突条部（10d）に切欠き（10
e）を形成し、他方、第３図に示すように、ネジ孔（10
b）からのボルトに対するメネジ部（4b）、係止片（10
c）に対する係合部（4c）、切欠き（10e）に入れる周縁
突起（4d）を取付座（４）に設け、もって、取付座
（４）が周縁突条部（10d）に内嵌された状態で、周縁
突起（4d）が切欠き（10e）に入った状態で、係合片（1
0c）が係合部（4c）に係止した状態で、かつ、ネジ孔
（10b）からのボルト（19）をメネジ部（4b）にネジ込
んだ状態で、コントロールボックス（10）を取付座
（４）に着脱自在に固定してある。切欠き（10e）の近
くでコントロールボックス（10）の周面に凹部（10f）
を形成して、取付座（４）からのコントロールボックス
（10）の取外しを容易にしてある。

コントロールボックス（10）の背部に、第５図に示すよ
うに、取付座（４）に圧接させて筒軸（３）内への浸水
を防止するパッキン（20）を貼付け、配線挿通部に対す
るパッキン（21）を取付け、割型のコントロールボック
ス（10）を水密箱型に維持する連結ボルト（22）を設
け、そして、パッキン（20）を、コントロールボックス
（10）の気密検査用開口（23）を密閉する蓋に兼用して
ある。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

コントロールボックス（10）は形状、構造、操作具や表
示具の種類、その他において適当に変更できる。

筒軸（３）は、一本の部材で形成してもよく、取付座
（４）に固着してもよい。

止付具（６）は適当に変形でき、例えば、パッキン（6
a）と押付板（6b）を一体化したり、パッキン（6a）を
省略したりでき、また、筒軸（３）に止付具（６）を外
嵌させてもよい。

ナット（５）に代えてボルトを用いてもよく、それらを
締付具（５）と総称する。

取付座（４）にコントロールボックス（10）を着脱自在
に取付ける構造は適当に変更でき、例えばボルト（19）
を複数本にしたり、係止片（10c）と係止部（4c）の個
数や配置を適当に変更したり、バカ孔に差込んだボルト
（19）だけで取付けてもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の実施例を示し、第１図は
断面図、第２図は分解斜視図、第３図は取付座の背面
図、第４図はコントロールボックスの正面図、第５図は
コントロールボックスの背面図である。第６図は従来例
の断面図である。 （１）……浴室壁、（３）……筒軸、（４）……取付
座、（５）……締付具、（６）……止付具、（10）……
コントロールボックス、（10b）……貫通孔、（19）…
…ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽用湯沸器のコントロールボックス（1
   0）を、合成樹脂にて水密箱型に形成して浴室壁（１）
   の内側に固定してある風呂用コントロールボックスの取
   付構造であって、前記浴室壁（１）に対して貫通させた
   配線挿通用筒軸（３）、その筒軸（３）における前記浴
   室壁（１）の外面側に相当する外端側にネジ止めした締
   付具（５）、前記筒軸（３）又は締付具（５）に外嵌さ
   せて前記浴室壁（１）の外面に接当させる止付具（６）
   を設けるとともに、前記筒軸（３）における前記浴室壁
   （１）の内面側に相当する内端側に取付座（４）を連結
   し、その取付座（４）を前記締付具（５）と止付具
   （６）により前記浴室壁（１）の内面に圧接固定し、前
   記コントロールボックス（10）の前面側から背面側に貫
   通する貫通孔（10b）に挿通したボルト（19）を前記取
   付座（４）にネジ止めして前記コントロールボックス
   （10）を前記取付座（４）に着脱自在に取付けてある風
   呂用コントロールボックスの取付構造。