JPS6221646B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスライデイングルーフ装置を備えた自
動車の換気装置に関する。

ルーフに設けた開口部と、該開口部の開閉を自
在とするよう滑動自在に設けられたスライデイン
グルーフとからなるスライデイングルーフ装置は
既に知られているが、該装置はルーフ開口部を介
して車室内を大気に解放することを主目的とする
もので、ルーフ開口部を開口しても車室内の換気
を行うことは十分ではない。

また、スライデイングルーフ装置を備えたもの
ではルーフ開口部を開放した時に、走行中に発生
する空気のうずがルーフ開口部の縁部に当たるこ
と等によつてウインドスロツプといわれる比較的
低周波の空気振動が生じ易く、更に、車室内外の
圧力差により瞬間的にルーフ開口部から外気が車
室内に吹き込み易い不具合があつた。

本発明は前述した従来のスライデイングルーフ
装置を備えた自動車の換気装置の不具合を解消す
べく案出されたものであつて、スライデイングル
ーフの移動によりルーフ開口部の開閉を自在とし
たスライデイングルーフ装置において、ルーフ開
口部の開放時、ルーフ開口部の前端部に、前面に
外気導入孔を備えて車室内に外気を導入する外気
導入部材をルーフ上に突出自在に設けたことを特
徴とする。

本発明の好適一実施例を添付図面に従つて説明
する。

第１図は本発明に係る装置を備えた自動車の斜
視図、第２図は第１図線視相当の装置の要部断
面図、第３図はスライデイングルーフ全閉時にお
ける同要部断面図、第４図は同半部平面図、第５
図は同要部断面側面図を示す。

自動車のルーフ１には、車室内を大気に開放す
るようルーフ開口部２を形成してあり、ルーフ開
口部２には該開口部２の開閉を自在とするよう後
部ルーフ３の下方への滑動を自在にスライデイン
グルーフ４が設けられている。

前記スライデイングルーフ４の前後滑動は、従
来の内部スライド式スライデイングルーフ装置と
同様に、第４図に示すようルーフ開口部２の両側
に前後方向に延設されたガイドレール５と、端部
がスライデイングルーフ４に接続されたボーデン
ワイヤ（図示しない）等から構成され、スライデ
イングルーフ４の周縁にはシール部材４ａが嵌着
されている。

前記ルーフ開口部２の前端部には、揺動自在な
アーム部材６を介して出没自在に外気導入部材７
が設けられる。

前記外気導入部材７は、ルーフ開口部２前端部
の横幅より僅かに短い長さを有し、第２図に示す
ように中空状で内部通路１１が形成され、前面１
２には前記内部通路１１に連通する複数の小形状
の外気導入孔１３が横方向に間隔をおいて開口さ
れている。

前記外気導入部材７の側面１４下部には、第９
図に示すように前記内部通路１１に連通する外気
導出孔１５が開口され、該外気導出孔１５の両側
には上下方向にレール１６，１６が配設されてい
る。

前記ガイドレール５，５の前部寄り上面には
夫々ヒンジ２１が起設され、該ヒンジ２１には、
基部を枢着して前方へ延出する前記アーム部材６
が設けられ、該アーム部材６の先端部と前記外気
導入部材７の後面２２とは固着されている。

前記アーム部材６には、第５図に示すように、
下方へ突出する中間部が前記ガイドレール５の上
面に弾接するようにして板ばね２３が付設され、
該板ばね２３によつてアーム部材６は常時上方へ
付勢され、第３図に示すようにスライデイングル
ーフ全閉時には、スライデイングルーフ４下面の
適宜箇所によつて前記アーム部材６は板ばね２３
の弾発力に抗して下方へ押動され、外気導入部材
７は、下部がルーフフレーム２４上に位置してス
ライデイングルーフ４の前端下方に収納され、ス
ライデイングルーフ開放時には、板ばね２３の弾
発力によつてアーム部材６は上方へ揺動し、第５
図に示すようにヒンジ２１のＬ字形係止壁部２５
に係止保持され、外気導入部材７は、第２図に示
すよう前部ルーフ２６の上方へ露出し前面１２が
自動車の前方に臨むよう形成されている。

ルーフ１の下面両側には、第４図に示すよう
に、前部から略中間部に亘りダクト３１を配設し
てあり、ダクト３１には車室の前席及び後席に
夫々臨むよう開口３２，３２が形成され、ダクト
３１の前端３３は接続部材４１を介して前記外気
導入部材７の外気導出孔１５に連通遮断自在に接
続される。

前記接続部材４１は、第６図に斜視図で示すよ
うに長方体状を呈し前記レール１６，１６に滑動
自在に設けられ、外気導入部材７側の側面上部に
は前記外気導出孔１５と合致自在な連通孔４２が
形成され、外側面下部にはダクト前端３３と合致
自在な連通孔４３が突出形成され、第７図に示す
ようにスライデイングルーフ全閉時には、外気導
出孔１５と連通孔４２及び連通孔４３とダクト前
端３３は夫々非合致状態となり、内部通路１１と
ダクト３１とは遮断され、スライデイングルーフ
４の後方動に伴い外気導入部材７が上動するにつ
れて接続部材４１は、第８図に示すようレール１
６，１６に案内されて滑動し、スライデイングル
ーフ開放時には、第９図及び第１１図に示すよう
接続部材４１は外気導入部材７に垂下し、外気導
出孔１５と連通孔４２及び連通孔４３とダクト前
端３３とは夫々合致し、内部通路１１とダクト３
１とは連通するよう形成されている。

尚、車室外と連通する空気吐出口は従来装置と
同様に車室内の適宜箇所に設けられている。

本発明は前記のように構成するので、スライデ
イングルーフ装置を作動しルーフ開口部２を解放
すると、外気導入部材７がルーフ開口部２の前端
部から上方へ突出し、外気は外気導入孔１３から
内部通路１１、外気導出口１５、連通孔４２，４
３、ダクト３１を経て、開口３２，３２から車室
内へ導入され、車室内の換気が行われる。

この場合、外気導入部材７は前部ルーフ２６の
上方に露出し、外気導入孔１３は空気流れと直交
するよう開口されているので、必要にして十分な
量の外気を車室内に導入し得、また外気はダクト
３１を経て車室の側方から車室内へ導入されるの
で、十分な換気量にて車室内全体に亘つての換気
が効率良く行われる。また、外気導入部材７は前
部ルーフ２６の上方に突出するので、恰もウイン
ドデイフレクターの如く機能も発揮し、従つて外
気導入部材７により走行中発生する空気のうずが
開口部の縁部に衝当することを防止でき、ウイン
ドスロツプの発生を防止できる。

また、スライデイングルーフ開放時には、外気
導入部材７により十分な量の外気を車室内に導入
できるので、車室内圧力と車室外圧力を平衡化で
き、ルーフ開口部２からの外気の吹き込みを防止
できる。

尚、実施例においては、ルーフ１の下面両側に
夫々ダクト３１を配設したが、ダクト３１はルー
フ１の下面片側にのみ配設してもよく、ダクト３
１の開口３２の数は任意で、また外気導入部材７
とダクト３１との接続は接続部材４１を用いず、
蛇腹状の如く伸縮自在な部材等によつて接続して
もよい。

また、実施例においては、ダクト３１を介して
外気を車室内に導入したが、ダクト３１を用いず
外気導入部材７から直接車室内へ外気を導入して
も、必要にして十分な量の外気で車室内の換気を
行い得、この場合には外気導入部材７の後面２２
或いは下面等の適宜箇所に外気導出孔を形成すれ
ばよい。

以上の説明で明らかなように本発明によれば、
ルーフ開口部の開放時に外気導入部材によつて車
室内の換気を充分に行え、同時にスライデイング
ルーフ装置を備えた自動車に生じがちなウインド
スロツプや外気の吹き込みを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は本発
明に係る装置を備えた自動車の斜視図、第２図は
第１図線視相当断面図、第３図はスライデイン
グルーフ全閉時における装置の要部断面図、第４
図は装置の半部平面図、第５図は装置の要部断面
側面図、第６図は接続部材の斜視図、第７図乃至
第９図は外気導入部材と接続部材との関係を示し
た側面図、第１０図は第８図線視相当図、第１
１図は第９図XI線視相当図である 尚図面中、１はルーフ、２はルーフ開口部、４
はスライデイングルーフ、７は外気導入部材、３
１はダクトである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スライデイングルーフの移動によりルーフ開
   口部の開閉を自在としたスライデイングルーフ装
   置において、ルーフ開口部の開放時、ルーフ開口
   部の前端部に、前面に外気導入孔を備えて車室内
   に外気を導入する外気導入部材をルーフ上に突出
   自在に設けたことを特徴とする自動車の換気装
   置。 ２ 前記特許請求の範囲第１項において、前記外
   気導入部材は、車室内側部に開口するダクトに接
   続されている自動車の換気装置。