JPS6218621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は被昇降物、例えば建造中の建物に組
付けられる建築用材の昇降等に使用される昇降装
置のためのやぐらに関するもので、その目的は被
昇降物の昇降位置や昇降高さの設定範囲を拡張し
うる昇降装置のためのやぐらを提供することであ
る。

続いて、本考案の一実施例を図面にしたがつ
て、説明すると、図中、１はやぐらＹの基台であ
つて、前後の枠杆１ａ，１ｂと、左右の枠杆１
ｃ，１ｃとにより平面ほぼ台形状に枠組みされ、
前枠杆１ａの上面にはウインチ２が取着される一
方、後枠杆１ｂの上方には下滑車３が可転軸支さ
れ、さらに、左右枠杆１ｃの下端にはやぐらＹを
水平移動するための前後２対の車輪４が螺軸４ａ
を介してそれぞれ取着され、車輪４を回螺したと
きには車輪４が上下移動して設置面に接離され
る。

５は基台１の前端部に対し起倒可能に連結され
た角パイプ状の下支柱であつて、その後側面５ａ
の下面には巻上げハンドル６が取着される一方、
後側面５ａの上端には滑車８を可転軸支したブラ
ケツト７が突設されている。

９，９は下支柱５の起立状態を支持するために
基台１の後端部と下支柱５の上端部間に対し着脱
可能に傾架された左右一対の支持杆であつて、基
台１若しくは下支柱５との連結を解離したときに
は下支柱５の前後方への傾倒が許容される。

１０は下支柱５内に対し着脱可能に嵌装された
角パイプ状の上支柱であつて、その左右側面に貫
設された複数個の調節孔１３〜１３を選択的に貫
通して下支柱５の上端部５Ａに挿通された連結ボ
ルト１１を介して伸縮可能に連結され、その下端
には巻上げハンドル６に巻回されて滑車８に掛装
されたロープ１４の先端１４ａが固定部材１５を
介して繋止されていて、巻上げハンドル６の回動
にて上支柱１０が上下動される。

１６は下支柱５の上端部５Ａと上支柱１０の上
端部１０Ａとに対し選択的に連結される吊り腕で
あつて、上下支柱１０，５に嵌合される角パイプ
状の垂直杆１７と、この垂直杆１７に対し直交状
に固着されかつ上滑車１９〜１９を可動軸支した
角パイプ状の水平杆１８とにより形成され、垂直
杆１７の下片１７ａの上端部左右側面には上添え
板２０，２０が固着されるとともに、後側面には
段付きの突片２１が突設され、一方、垂直杆１７
の下片１７ａの下端部左右側面と後側面には下添
え板２２〜２２がそれぞれ固着されていて、吊り
腕１６を下支柱５に連結された上支柱１０に連結
したときには上下添え板２０，２２と、突片２１
の下段部２１ａとにより上支柱１０と垂直杆１７
との嵌合遊隙が補償される一方（第５〜７図参
照）、吊り腕１６を下支柱５に連結したときには
上添え板２０に貫挿されたピン２３と、突片２１
の上段部２１ｂと、下添え板２２に貫挿されたピ
ン２４〜２４とにより下支柱５と垂直杆１７との
嵌合遊隙が補償され（第８〜１０図参照）、上下
支柱１０，５に対する垂直杆１７の嵌合状態がそ
れぞれ整合される。

２５，２５は上下滑車１９，３に掛装されたロ
ープ２６を介して上下動可能に吊支されたフツ
ク、２７は両フツク２５に懸吊された吊り上げ
台、２８は吊り上げ台２７上に載置された被昇降
物であつて、ウインチ２を介してロープ２６を巻
回若しくは解舒したときには被昇降物２８が昇降
される。

次に、上記した構成をもつ実施例の作用と効果
を説明する。

さて、本例では被昇降物２８を吊支するための
吊り腕１６がやぐらＹの基台１前端部に対し起倒
可能に連結された下支柱５の上端部５Ａと、同下
支柱５に対し伸縮可能に連結される上支柱１０の
上端部１０Ａとに対し選択的に連結されるように
構成してあるため、このやぐらＹを建築現場等に
設置したときに、吊り腕１６の高さを容易に上下
調節して被昇降物２８を広範囲にわたつて昇降し
うる一方、下支柱５を基台１上に横倒し、かつ上
支柱１０と吊り腕１６とを分離するとやぐら全体
をコンパクトに折りたたみおよび分解して収納し
うる特長がある。

また、吊り腕１６を上支柱１０、若しくは下支
柱５とに対し嵌合状態を整合して連結しうるた
め、吊り腕１６の高さの調節範囲を著しく拡大
し、かつ、組付け強度を確保しうる効果がある。

とくに、下支柱５を基台１に対し起倒しうるた
め、例えば第１１図に示すように、建造中の柱Ｐ
に横架された横架材ＯのようにやぐらＹの水平移
動を阻止する障害物があつても、下支柱５を前方
に傾倒し、やぐらＹを横架材Ｏの下方を通過させ
てから下支柱５を起立させると、障害物に制限さ
れずにやぐらＹを設置することができ、やぐらＹ
の設置範囲を拡張しうるとともに、吊り腕１６が
被昇降物２８の必要昇降位置例えば建築用材の組
付け位置に対し可及的に接近しうる特長がある。

すなわち、本考案は基台上に対し起倒可能に立
設された角パイプ状の下支柱の上端部と、この下
支柱に対し伸縮可能で取外し可能に連結される角
パイプ状の上支柱の上端部とに対し選択的に連結
するために設けた吊り腕には、この吊り腕に垂設
した垂直杆を前記下支柱内に突入させて前記吊り
腕を前記下支柱に連結するときに前記下支柱と前
記垂直杆との嵌合遊隙を補償するために形成され
た上段部と、前記垂直杆を前記上支柱内に突入さ
せて前記吊り腕を前記上支柱に連結するときに前
記上支柱と前記垂直杆との嵌合遊隙を補償するた
めに形成された下段部とが段差状に連設された突
片を固着したことによつて、被昇降物の昇降に際
し昇降位置や昇降高さの設定範囲を拡大しうるた
め、昇降装置のためのやぐらとして極めて実用的
に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１
図、は昇降装置全体の側面図、第２図は同じく平
面図、第３図は吊り腕を下支柱に連結した状態を
示す側面図、第４図は第１図のＡ部拡大側断面
図、第５図は同じくＢ部拡大側断面図、第６図は
第５図のＣ−Ｃ線断面図、第７図は同じくＤ−Ｄ
線断面図、第８図は第３図のＥ部拡大側断面図、
第９図は第８図のＦ−Ｆ線断面図、第１０図は同
じくＧ−Ｇ線断面図、第１１図は上下支柱を傾倒
した状態を示す説明図である。 １……基台、５……下支柱、１０……上支柱、
１６……吊り腕、２８……被昇降物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台上に対し起倒可能に立設された角パイプ状
   の下支柱の上端部と、この下支柱に対し伸縮可能
   で取外し可能に連結される角パイプ状の上支柱の
   上端部とに対し選択的に連結するために設けた吊
   り腕には、この吊り腕に垂設した垂直杆を前記下
   支柱内に突入させて前記吊り腕を前記下支柱に連
   結するときに前記下支柱と前記垂直杆との嵌合遊
   隙を補償するために形成された上段部と、前記垂
   直杆を前記上支柱内に突入させて前記吊り腕を前
   記上支柱に連結するときに前記上支柱と前記垂直
   杆との嵌合遊隙を補償するために形成された下段
   部とが段差状に連設された突片を固着したことを
   特徴とする昇降装置のためのやぐら。