JPS621855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前装三点リンク機構の取付構造に関
し、車体の前端部にある左右一対の起立枠相互間
の補強効果を良くし、かつ構造の簡素化を図るこ
とを目的とする。

トラクタ等の車輛では、車体の前端部に前装三
点リンク機構を設け、この前装三点リンク機構を
介して車体前方に牧草刈取機等の前装作業機を装
着するようにしている。この種の前装三点リンク
機構は、車体の前端部に左右一対の起立枠を設
け、この一対の起立枠によりトツプリンク台、リ
フトアーム等を支持するのであるが、起立枠は左
右に分かれているため、その補強構造が問題とな
る。

本考案は、この補強効果の向上を企図したもの
であつて、その特徴とするところは、車体の前端
部に、トツプリンクと左右一対のロアリンクとか
ら成る前装三点リンク機構を備えたものにおい
て、車体の前端部に前方上方に突出する左右一対
の起立枠を設け、この左右の起立枠の上端部に、
左右両端の各起立枠から外方に突出する横方向の
リフトアーム軸を該左右の起立枠に跨つて回動自
在に挿支し、左右の起立枠の外側近傍でリフトア
ーム軸の左右両端部に、前記各ロアリンクを昇降
させるための左右一対のリフトアームを夫々固定
し、リフトアーム軸の近傍で左右の起立枠間を相
互に連結する補強枠を、左右のリフトアームより
内方側に設け、この補強枠に、前記トツプリンク
を取付けるトツプリンク取付台を設けた点にあ
る。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図において、１はトラクタ車体で、前車
軸受台２、エンジン３、フライホイールハウジン
グ４、ミツシヨンケース５等を構造体として成り
その前車軸受台２には前部ウエイト６が装着され
ると共に、前車軸等を介して前輪７が支架されて
いる。８はエンジン３等を覆うボンネツト、９は
ハンドルで、トラクタ車体１の前後方向の略中央
部に位置する。１０はトラクタ車体１の前半部両
側に配置された前後方向の取付枠で、そ前端部は
前部ウエイト６の外側面に、後端部はミツシヨン
ケース５の前部両側に形成された取付座に夫々ボ
ルト１１，１２により着脱自在に締着されてい
る。１３は連結板で、第２図及び第３図に示すよ
うに、この連結板１３は左右一対の取付枠１０間
にボルト１４により着脱自在に連結されると共
に、前部ウエイト６の前面にボルト１５により着
脱自在に締結されており、また該連結板１３には
取付枠１０から内方に所定間隔おいた位置に、前
方かつ上方に突出する左右一対の起立枠１６が設
けられている。各起立枠１６の上端部には軸受体
１７が固設され、その両者軸受体１７に跨つてリ
フトアーム軸１８が回動自在に挿支されている。
１９はリフトアームで、ボス部２０を有し該ボス
部２０を介してリフトアーム軸１８の両端部に套
嵌し固設されている。２１は板状の補強板で、第
４図に示すように起立枠１６の上端部前面間に、
リフトアーム１９と近接して横架されており、起
立枠１６相互間を互いに補強すると共に、リフト
アーム軸１８を前方側より保護する。２２はリフ
トシリンダで、左右一対あり、その一端はリフト
アーム１９に、他端は取付枠１０と起立枠１６と
の間に挿入した状態で取付ピン２３により支持さ
れている。２４は牧草刈取機等の前装作業機で、
前装三点リンク機構２５を介してトラクタ車体１
の前方に着脱自在に装着されている。前装三点リ
ンク機構２５は、１本のトツプリンク２６と、左
右一対のロアリンク２７とを備え、そのトツプリ
ンク２６は補強枠２１の中央部に固設されたトツ
プリンク取付台２８に取付ピン２９により着脱自
在に取付けられている。各ロアリンク２７はリフ
トシリンダ２２の下方において、取付枠１０と起
立枠１６との間に挿入した状態で取付ピン３０に
より支持されると共に、中間部でリフトロツド３
１を介してリフトアーム１９に連結されている。
取付ピン２３，３０は取付枠１０及び起立枠１６
に夫々形成されたピン孔に跨つて挿抜自在に挿入
されている。従つて、前装三点リンク機構２５は
トラクタ車体１に対して着脱自在である。

上記構成において、前装作業機２４を使用する
場合には、前装三点リンク機構２５のトツプリン
ク２６及びロアリンク２７によりトラクタ車体１
の前方に装着し、該前装作業機２４を例えば接地
状態で後押し走行する。この時、前装作業機２４
は地面に追従しながら走行し、所定の作業を行な
うことができる。上昇させる際には、各リフトシ
リンダ２２を伸長動作させれば、各リフトアーム
１９がリフトアーム軸１８廻りに一体に上方に回
動し、前装作業機２４を持上げることができる。

このような作業時に、各起立枠１６には絶えず
荷重が加わるが、各起立枠１６は上端部側のリフ
トアーム軸１８近傍で補強枠２１により互いに連
結し、この補強枠２１を介して門型を構成するよ
うにしているので、十分な補強効果が得られ、起
立枠１６の変形等を防止できる。特に、補強枠２
１は板状であり、これを起立枠１６の上端部前面
に溶接等で固定しているので、構造的に極めて簡
単であると共に、補強枠２１によつてリフトアー
ム軸１８を前方より保護することができる。また
補強枠２１にトツプリンク取付台２８を設けてい
るので、トツプリンク取付台２８を支持するため
の部材が特に不要であり、構造的にも簡単であ
る。

なお、補強枠２１は、第５図に示すようにリフ
トアーム軸１８の後方において起立枠１６間に設
け、この補強枠２１に、リフトアーム軸１８の上
方に位置するようにトツプリンク取付台２８を設
けても良い。３２は補強枠２１の補強板である。
また補強枠２１は起立枠１６の上端面に平板状に
設けることも可能であるし、板材以外のものを使
用することも可能である。

本考案では、車体１の前端部に前方上方に突出
するように設けた左右一対の起立枠１６の上端部
に、左右両端部にリフトアーム１９を有する横方
向のリフトアーム軸１８を左右の起立枠１６に跨
つて回動自在に挿支し、このリフトアーム軸１８
の近傍で左右の起立枠１６間を相互に連結する補
強枠２１を設けているので、リフトアーム軸１８
の支持構造が簡単になると同時に、左右の起立枠
１６及び補強枠２１が門形状となつて起立枠１６
の左右の揺れ等を阻止し確実に補強でき、従つ
て、全体としての構造が簡単であるにも拘らず、
安定した作業機２４の昇降が可能である。またリ
フトアーム軸１８の左右両端が各起立枠１６から
外方に突出し、その左右両端部に各起立枠１６の
外側近傍で各リフトアーム１９を設けているの
で、作業機２４が重量物の場合でも、リフトアー
ム軸１８、補強枠２１が変形するようなこともな
く、作業機２４の荷重をリフトアーム軸１８によ
つて確実に支持できる。更に各リフトアーム１９
を各起立枠１６の外側近傍に配置する一方、左右
の起立枠１６間を相互に連結する補強枠２１を左
右のリフトアーム１９より内側方に設けているた
め、リフトアーム１９と補強枠２１との干渉がな
く、リフトアーム１９のリフトアーム軸１８廻り
の回動量を十分に確保できる。また補強枠にトツ
プリンク取付台を設けているので、補強枠を起立
枠の補強用とトツプリンク取付台の支持用とに兼
用でき、別部材を必要とせず、構造を簡素化でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図は同要部の拡大側面図、第３図は同要部の破断
平面図、第４図は同要部の斜視図、第５図は他の
実施例を要部の側面図である。 １……トラクタ車体、１０……取付枠、１３…
…連結板、１６……起立枠、１８……リフトアー
ム軸、１９……リフトアーム、２１……補強枠、
２４……前装作業機、２５……前装三点リンク機
構、２８……トツプリンク取付台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体１の前端部に、トツプリンク２６と左右一
   対のロアリンク２７とから成る前装三点リンク機
   構２５を備えたものにおいて、車体１の前端部に
   前方上方に突出する左右一対の起立枠１６を設
   け、この左右の起立枠１６の上端部に、左右両端
   が各起立枠１６から外方に突出する横方向のリフ
   トアーム軸１８を該左右の起立枠１６に跨つて回
   動自在に挿支し、左右の起立枠１６の外側近傍で
   リフトアーム軸１８の左右両端部に、前記各ロア
   リンク２７を昇降させるための左右一対のリフト
   アーム１９を夫々固定し、リフトアーム軸１８の
   近傍で左右の起立枠１６間を相互に連結する補強
   枠２１を、左右のリフトアーム１９より内方側に
   設け、この補強枠２１に、前記トツプリンク２６
   を取付けるトツプリンク取付台２８を設けたこと
   を特徴とする前装三点リンク機構の取付構造。