JPS6227550Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、移動車体の作業機装着装置に関する
ものである。

トラクタ等の移動車体の前方に作業機を装着す
る場合、前装三点リンク機構が用いられている。
この前装三点リンク機構は、移動車体の前端部か
ら後方側へと延びる左右一対の取付枠体を設け、
この取付枠体に取付けるようにしているので、専
用の取付枠体が必要であつた。一方、フロントロ
ーダを装着可能な移動車体には、前端部から中間
部に跨つて取付枠が装着され、これにフロントロ
ーダを取付けるようにしている。

本考案は、このような点に鑑み、フロントロー
ダの取付枠を前装三点リンク機構用として利用す
るようにしたものであつて、その特徴とするとこ
ろは、移動車体の前端部と中間部とに跨つてフロ
ントローダ用の移動車体の前端部と中間部とに跨
つてフロントローダ用の取付枠を備えたものにお
いて、取付枠は移動車体の前端部に上下方向に取
付けられた左右一対の前縦部材と、この前縦部材
の上端部間を連結する連結部材と、前端部が移動
車体に対する取付部よりも上方で各前縦部材に連
結されかつ後端部が移動車体の前後中間部に連結
された左右一対の前後方向の側部材とを有し、移
動車体の前方に作業機を装着するための前装三点
リンク機構の内、トツプリンクを連結部材に、左
右一対のロアリンクを各縦部材の下端部に夫々取
付けた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図及び第２図において、１はトラクタ車
体で、前車軸受台２、エンジン３、クラツチハウ
ジング４、ミツシヨンケース５等を構造体として
成る。６はボンネツト、７は前輪である。８はフ
ロントローダで、ボンネツト６の両側方に配置さ
れた左右一対のリフトアーム９、該リフトアーム
９の前端間に設けられたバケツト１０、左右一対
のリフトシリンダ１１等を有し、取付枠１２を介
してトラクタ車体１に着脱自在に取付けられてい
る。取付枠１２はボンネツト６の左右両側に配置
された前後方向の側部材１３と、この各側部材１
３の後端に縦方向に固着されかつ下端部でクラツ
チハウジング４の側面にボルトにより固定された
後縦部材１４、各側部材１３の前端に縦方向に固
着された前縦部材１５と、ボンネツト６の前方で
前縦部材１５の上端間を左右に連結する連結部材
１６と、前縦部材１５の下部間を連結しかつ前車
軸受台１２の前面にボルト１７によつて固定され
た取付部材１８とを備え、トラクタ車体１に対し
て着脱自在とされる。なおフロントローダ８のリ
フトアーム９及びリフトシリンダ１１は後縦部材
１５に取付ピンにより着脱自在に枢着されてい
る。１９は前装作業機、２０は該作業機１９をト
ラクタ車体１の前方に装着するための前装三点リ
ンク機構で、トツプリンク２１、左右一対のロア
リンク２２及び図外のチエツクチエーン等を有す
る。トツプリンク２１は連結部材１８の左右中央
部に固設されたトツプリンク取付台２３に取付ピ
ン２４により着脱自在に枢着され、また各ロアリ
ンク２２は各前縦部材１５の下端部に固設された
ロアリンクピン２６により着脱自在に枢着される
と共に、該ロアリンク２２の中間部で連結杆２７
により左右相互に連結されている。連結杆２７は
両端にねじ部２８を有し、そのねじ部２８をロア
リンク２２の通孔に挿入して外端側に締付け用の
ナツト２９が着脱自在に螺着されている。各ロア
リンク２２には中間部にリフトシリンダ３０のピ
ストンロツド３１が連結され、またそのシリンダ
３０は各前縦部材１５上端から前方に突出するブ
ラケツト３２に取付ピン３３により着脱自在に取
付けられている。

上記構成において、前装作業機１９を使用する
場合には、フロントローダ８を取付枠１２から取
外し、前装三点リンク機構２０を取付け、この前
装三点リンク機構２０により作業機１９をトラク
タ車体１前方に装着する。この場合、リフトシリ
ンダ３０を伸縮させれば、作業機１９を任意に昇
降させることが可能であり、また作業機１９の横
振れは連結杆２７により抑制できる。勿論、連結
杆２７とチエツクチエーンを併用しても良い。ま
た連結杆２７で左右ロアリンク２２を剛結合すれ
ば、左右リフトシリンダ３０の動作タイミングの
ずれによる作業機１９の左右への傾斜を防止する
こともできる。

フロントローダ８を使用する場合は、トツプリ
ンク２３、ロアリンク２２及びリフトシリンダ３
０を取外した後、該フロントローダ８を取付枠１
２に取付ければ良く、従つて、取付枠１２をフロ
ントローダ８用と前装三点リンク機構２０用とに
兼用しているので、別に専用のものを設ける必要
がなく、非常に経済的である。また取付枠１２で
トラクタの前部を保護することもできる。

ロアリンク２２は前縦部材１５の外側でロアリ
ンクピン２６により取付ける他、第３図に示すよ
うに前縦部材１５の内側にブラケツト３４を並設
し、これらにわたつてロアリンクピン２６を挿抜
自在に設け、前縦部材１５の内側に取付けるよう
にしても良い。

ロアリンク２２を昇降させるリフト機構は、第
４図乃至第６図に示すように構成することもでき
る。即ち、ロアリンクピン２２は各前縦部材１５
の下端部に設けられたボス部３５にまたがつて軸
心廻りに回動自在に左右方向に挿通され、その外
端部にスプライン部３６が夫々形成される。そし
てスプライン部３６には揺動アーム３７の下端に
形成されたボス部３８と、球接手３９の球体４０
が夫々スプライン結合されている。揺動アーム３
７の上端には、前車軸受台２の両側に前後方向に
配置されかつ後端で該前車軸受台２に枢支軸４１
により枢着されたリフトシリンダ４２が連結され
ている。球体３９の外周には横方向の溝４３が前
後一対形成されると共にピン孔４４が上下に一対
形成されている。一方、球体３９を保持する保持
体４５には、各溝４３に摺動自在に嵌合する突条
４６と、各ピン孔４４に嵌合する固定ピン４７と
が固設され、また該保持体４５にロアリンク２２
が固着されており、従つて、ロアリンク２２はロ
アリンクピン２６の回動に伴なつて上下動自在で
あると共に、固定ピン４７廻りに左右揺動自在で
ある。

この場合にも、リフトシリンダ４２の伸縮によ
つて前装作業機１９を昇降できる。またリフトシ
リンダ４２は前車軸受台２の両側に配置されてい
るので、フロントローダ８を使用する場合には、
トツプリンク２１とロアリンク２２のみを外すの
みで良く、従つてリフトシリンダ４２の油圧用配
管を取外す必要がなく、簡素化できる。なお、フ
ロントローダ８の使用時に、第４図仮想線の如く
リフトシリンダ４２のピストンロツドをリフトア
ーム９に連結すれば、リフトシリンダ４２も兼用
することができる。

なお前装三点リンク機構は、フロントローダと
干渉しない状態であれば、必ずしも取外す必要は
ない。

本考案では、フロントローダ用の取付枠の前端
部に前装三点リンク機構を設け、取付枠を兼用し
ているので、専用のものが不要であり、非常に経
済的である。また前装作業機とフロントローダと
を交換する際の取扱いも容易である。しかも、取
付枠は移動車体の前端部に上下方向に取付けられ
た左右一対の前縦部材を備え、この一対の前縦部
材の上端部間を連結する連結部材にトツプリンク
を、各前縦部材の下端部に左右一対のロアリンク
を夫々取付けているが、後端部が移動車体の中間
部に連結された左右一対の側部材の前端部を、移
動車体に対する取付部よりも上方で各前縦部材に
連結しているため、側部材で前縦部材の前後の倒
れを防止でき、従つて、前装三点リンク機構の支
持が安定し、大重量の作業機の装着も可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す側面図、第
２図は同一部破断平面図、第３図は第２実施例を
示す一部破断平面図、第４図は第３実施例を示す
側面図、第５図は同要部の断面平面図、第６図は
同要部の断面側面図である。 １……トラクタ車体、８……フロントローダ、
１５……前縦部材、１９……前装作業機、２０…
…前装三点リンク機構、２１……トツプリンク、
２２……ロアリンク、３０，４２……リフトシリ
ンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 移動車体１の前端部と中間部とに跨つてフロン
   トローダ８用の取付枠１２を備えたものにおい
   て、取付枠１２は移動車体１の前端部に上下方向
   に取付けられた左右一対の前縦部材１５と、この
   前縦部材１５の上端部間を連結する連結部材１６
   と、前端部が移動車体１に対する取付部よりも上
   方で各前縦部材１５に連結されかつ後端部が移動
   車体１の前後中間部に連結された左右一対の前後
   方向の側部材１３とを有し、移動車体１の前方に
   作業機１９を装着するための前装三点リンク機構
   ２０の内、トツプリンク２１を連結部材１６に、
   左右一対のロアリンク２２を各縦部材１５の下端
   部に夫々取付けたことを特徴とする移動車体の作
   業機装着装置。