JPS6218181Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、藺草のごとき植立茎稈の刈取機に
係る。従来、い草刈取機に於ける絡み付き排除装
置として特公昭51−9653号の公報があり、引越し
通路上を、前方下部より後方上部に向つて引越し
爪を回送させる様にした引越し装置全部に円弧状
に湾曲する揺動杆を、同引越し装置に沿わさて斜
設させ、揺動させる様にした同揺動杆は、分草杆
に対して一定の関係に設けられているため茎稈の
倒伏が著しい場合に絡み付けが著しく、引起困難
となり易い。そこで、この考案は倒伏してからみ
あつている植立茎稈を分草するとともに、植立茎
稈のからみをほぐすための揺動杆の振巾の変化率
を植立茎稈のからみ状態に応じて変更することの
できる分草装置に関し、もつて植立茎稈のからみ
の状態に係わらず、植立茎稈を痛めずに分草する
ことのできる刈取機における分草装置を提供する
ものである。

以下、この考案の好ましい１実施例を図面を用
いて詳細に説明する。

図において、１は走行装置３を備えた機体、５
は前記機体１の前方に装備された分草装置、７は
前記分草装置５の背後下部に設けられた刈取刃
体、９は前記刈取刃体７の上部から後方上方に向
つて配設された株元側挾持移送装置で、左右一対
のゴムベルト等からなる無端帯により構成されて
いる。１１は前記株元側挾持移送装置９の先端に
設けられた左右一対のパツカー、１３は刈取つた
茎稈の先端側を持ち上げるための先端側移送装置
で、出退自在に構成された複数個の持ち上げ爪１
５，１５，…とガイド枠１７とにより構成され、
前記株元側挾持移送装置９の中間部から後方上方
に向つて配設され、もつて、この先端側移送装置
１３と前記株元側挾持移送装置９によつて、茎稈
移送経路１９が形成されている。２１は前記茎稈
移送経路１９の終端部に配設された茎稈掻出し装
置である。

前記分草装置５は、つぎのように構成されてい
る。すなわち、２３，２３′は機体１の進行方向
前方に延設した未刈地側と既刈地側の両分草杆で
ある。前記未刈地側の分草杆２３は、中空部２５
を備えたパイプ部材により構成されている。２７
は前記分草杆２３の先端部を構成する分草体で、
該分草体２７の後部には前記分草杆２３の中空部
２５に挿脱自在の支持杆２９を連設している。３
１は前記分草体２７の後部に着脱自在に設けた分
草杆スペーサーで、前記分草杆２３の中空部２５
に挿脱自在の支持杆３３と、前記分草体２７を挿
脱自在に挿入する中空部３５とを備えたパイプ部
材を一体的に取付けて構成されている。なお、３
７は分草杆スペーサー３１の支持杆３３あるいは
分草体２７の支持杆２９を分草杆２３の中空部２
５に固定するボルト等のごとき締結具、３９は分
草体２７の支持杆２９の分草杆スペーサー３１の
中空部３５に固定するボルト等のごとき締結具で
ある。従つて、未刈地側の分草杆２３は、分草杆
スペーサー３１の着脱によつて、進行方向前後に
伸縮可能として、前端部の分草体２７を前後に移
動できる構成になつているものである。

４１は未刈稈側の分草体２７に装着した揺動杆
で、該揺動杆４１は弾性部材によつて構成され、
その先端部を分草体２７にリンクボール等のごと
き連結具４３により揺動自在に枢支されている。
前記揺動杆４１は進行方向後方上方に向けて前記
分草杆２３上に沿つて延設されている。前記揺動
杆４１の後端部は、機体１に設けたクランク機構
等からなる揺動装置４５によつて左右に揺動され
る揺動アーム４７に対して、前後方向に摺動自在
に支持されている。この揺動アーム４７は左右に
揺動される構成である。

なお、図中、４９は機体１に搭載した原動機、
５１は回転各部に前記原動機４５の動力を伝達す
る動力伝達装置、５３は機体１の操縦を司るハン
ドルである。

以上の構成において、原動機４９により回転各
部を駆動して、機体を前進させて作業を開始する
と、揺動装置４５の揺動アーム４７が左右方向へ
揺動されると、この揺動アーム１７に摺動自在に
支持さた揺動杆４１が前端の枢支部を中心に左右
方向へ揺動され、この揺動杆４１は弾性によつて
左右に弧状に振幅して、この揺動杆４１の杆方向
の歪みは揺動アーム４７との枢支部で吸収され
て、植立茎稈は分草杆２３および分草杆２３′に
よつて分草されるとともに揺動パイプ４１の揺動
により植立茎稈のからみがほぐされ、その株元部
を株元側挾持移送装置９によつて挾持され、この
挾持個所の下方で刈取刃体７によつて切断される
とともにそのまま株元部は株元側挾持移送装置９
によつて後方上方に移送される。刈取られた茎稈
の株元部がある程度後方上方へ移送されると、茎
稈の茎部に先端側移送装置１３が作用し、ゆつく
りと茎稈移送経路１９に沿つて上方へ持ち上げら
れる。従つて、刈取られた茎稈は、その先端部が
下方へ引き抜かれながら植立する茎稈から分離さ
れて持上げ移送される。このように略平行で、か
つ水平姿勢となつて持ち上げられた刈取り茎稈
は、茎稈移送経路１９の終端部から茎稈掻出し装
置２１に送り込まれ、該茎稈掻出し装置２１によ
り茎稈受け部（図示省略）に送り込まれる。

特に、この考案によれば、分草装置５の未刈地
側の分草杆２３に、分草体２７の後方において着
脱自在の分草杆スペーサー３１を設け、該分草杆
スペーサー３１の着脱により分草杆２３を進行方
向前後に伸縮自在に構成するとともに、分草体２
７を支点にして揺動自在の揺動杆４１を進行方向
へ移動自在に揺動アーム４７に支持されて設けて
いるので、地面を這うように低く甚だしく倒伏し
てからんでいる植立茎稈を分草するときには、分
草杆２３の分草体２７の後方分草杆スペーサー３
１を装着して分草杆２３の切断刃体７との間の距
離を大きく形成するとともに、揺動杆４１の分草
体２７から揺動アーム４７までの距離を長く形成
して（第２図鎖線図示の状態から第２図実線図示
の状態となる）、分草体２７を植立茎稈内に深く
さし込んで前方に位置させる。従つて、揺動パイ
プ４１の分草体２７から揺動アーム４７までの振
巾の変化や傾斜は、第２図鎖線図示のときより
も、緩やかになり、植立茎稈のからみを緩やかに
ほぐすことができる。従つて、茎稈は不測に傷つ
けられることなく、ほぐされるものである。

また、倒伏度が小さく植立茎稈のからみが少な
いときには、分草杆２３から分草杆スペーサー３
１を取除き、分草体２７の支持杆２９を中空部２
５に装着して分草体２７の切断刃体７との距離を
小さく形成するとともに、揺動パイプ４１の分草
体２７から揺動アーム４７までの距離を短かく形
成して、分草体２７を後方へ位置させることによ
り、機体の操作性を向上することができ、また、
分草体２７の他物への接当や衝突による分草体２
７の損傷や危険事態の発生を防止することができ
る。

第４図は分草装置５の他の実施例を示すもので
あつて、前述の実施例における分草体２７の後部
に連設した支持杆２９に変えて、比較的長い支持
杆５５を構成し、該支持杆５５を分草杆２３の中
空部２５に摺動自在に挿入して分草杆２３に対し
て突出あるいは収納させることにより、分草体２
７を前後方向に移動自在に構成している。なお、
他の構成は、上記実施例と略々同一であるので、
同符号を付して説明を省略する。

以上のようにこの考案は、刈取刃体７よりも前
方に延設した分草杆２３の先端部の分草体２７を
進行方向前後に移動可能に設け、前後分草杆２３
上方に沿つて後部上方へ傾斜させて設け弾性部材
からなる揺動杆４１の全部を、該分草体２７に対
して揺動自在に枢支し、この揺動杆４１の後部を
左右方向へ揺動駆動する揺動装置４５に対してこ
の揺動杆４１を前後方向へ摺動自在に支持したこ
とを特徴とする刈取機における分草装置であるか
ら、植立茎稈のからみの状態に応じて、揺動杆の
振巾や傾斜を変えることができ、植立茎稈のから
みがひどい場合には揺動杆の傾斜角度わ緩くする
と共に左右方向の揺動角度を小さくして、植立茎
稈を痛めることなくほぐすことができ、しかも、
揺動杆自体が弾性部材であるため振動しても本体
には振動が伝わりにくいものである。

なお、この考案は、前述の実施例に限定される
ものではなく、前述の実施例以外の態様でもこの
考案を実施しうるものである。

また、実用新案登録請求の範囲の項に、図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該符号
は、この考案の技術的範囲を限定するものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の１実施例を示すものであつ
て、第１図はこの考案に係る分草装置を備えた刈
取機の側面図、第２図、第３図は分草装置の側面
図および平面図、第４図は分草装置の他の実施例
を示す側面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、２３…
…分草杆、２７……分草体、４１……揺動パイ
プ、４５……揺動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取刃体７よりも前方に延設した分草杆２３の
   先端部の分草体２７を進行方向前後に移動可能に
   設け、前記分草杆２３上方に沿つて後部上方へ傾
   斜させて設けた弾性部材からなる揺動杆４１の前
   部を該分草体２７に対して揺動自在に枢支し、こ
   の揺動杆４１の後部を左右方向へ揺動駆動する揺
   動装置４５に対してこの揺動杆４１を前後方向へ
   摺動自在に支持したことを特徴とする刈取機にお
   ける分草装置。