JPS6215644B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6215644B2
JPS6215644B2 JP55039674A JP3967480A JPS6215644B2 JP S6215644 B2 JPS6215644 B2 JP S6215644B2 JP 55039674 A JP55039674 A JP 55039674A JP 3967480 A JP3967480 A JP 3967480A JP S6215644 B2 JPS6215644 B2 JP S6215644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coal
activated carbon
temperature
fibers
minutes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP55039674A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS56140019A (en
Inventor
Mikio Ooyabu
Kenji Fukuda
Keiichi Hirata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Coke Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Coke Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Coke Co Ltd filed Critical Mitsui Coke Co Ltd
Priority to JP3967480A priority Critical patent/JPS56140019A/ja
Publication of JPS56140019A publication Critical patent/JPS56140019A/ja
Publication of JPS6215644B2 publication Critical patent/JPS6215644B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は石炭類を原料とする高性能の活性炭素
繊維の製造方法に関するものである。更に詳細に
は、石炭類から得た新規な物質を紡糸後、不融化
し、その後賦活するか又は紡糸後不融化し、さら
に焼成安定化した後、賦活することを特徴とする
活性炭素繊維の製造方法に関する。
ここで石炭類から得た新規な物質とは、石炭類
を水素加圧下にて炭化水素系溶剤中で解重合し、
未溶解残渣および溶剤を除去して得た石炭解重合
物をいう。
活性炭素繊維は一般の粒状もしくは粉末状活性
炭に比べ取り扱いが容易である。即ち、使用時に
粉塵の発生がないこと、強度が大きく、かさ比重
が低いため使用範囲が広いこと、吸着能力が大き
いこと、吸着速度が大きいため薄層で使用できる
こと、フレキシブルであるため種々の形状に成型
でき装置を簡略化できること等の利点を有する。
しかし、現状では高価格であるため、その用途は
血液および空気の浄化用のフイルター等がある
が、極めて限定されている。
従来の活性炭素繊維の製造方法の一つであるレ
ーヨン等の天然繊維あるいはポリビニルアルコー
ル、ポリアクリロニトリル、フエノールノボラツ
ク繊維等の合成繊維を原料とし、不融化後、賦活
する製造方法においては、原料繊維が高価格であ
ること、不融化の条件が著しく限定されているこ
と、賦活に長時間を要すること、又吸着能の賦与
もしくは向上のためリン化合物、たとえば、リン
酸又はリン酸アンモニウム等を大量に原料に添加
するか、もしくは、原料繊維に塗布する必要があ
り、このため、不融化および賦活時に発生するリ
ン化合物を大気汚染防止上回収する工程が必要で
ある等の欠点がある。
特殊な製造方法として、有機系繊維の紡糸液、
たとえば、ポリビニルアルコール紡糸液中に粉末
状活性炭を分散させ、このスラリーを紡糸し、繊
維内に活性炭を含有する活性炭素繊維を製造する
方法もあるが、この吸着能を有する繊維は耐熱性
に極めと乏しいこと、又活性炭ミクロポアーの繊
維による被覆に基ずく吸着能の低下等の欠点があ
り、その使用範囲は極めて限定され、一般の活性
炭素繊維に比べ、性状その他の面で著しく劣る。
本発明は上記の如き欠点を有さない活性炭素繊
維を安価に製造出来る方法を提供するものであ
る。
本発明者等は石炭類を水素加圧下にて炭化水素
系溶剤中で解重合し、未溶解残渣および溶剤を除
去して得た石炭解重合物を原料とする炭素繊維の
製造およびその不融化繊維の用途開発を詳細に検
討した結果、石炭解重合物が活性炭素繊維用原料
として適した性状を有し、これを原料として活性
炭素繊維が高収率で製造出来ること、又該活性炭
素繊維がすぐれた吸着能および強度を有している
ことを見いだし、本発明に到達した。
本発明においては、石炭類、特に安価な褐炭、
リグナイトを水素加圧下にて炭化水素系溶剤中で
解重合し、未溶解残渣および溶剤を除去すること
により、安価にかつ高収率で石炭解重合物を製造
できる。これは極めて均質で、すぐれた可紡性と
不融化性を有し、これを紡糸し、不融化後、賦活
し又は紡糸後、不融化し、さらに焼成安定化した
後、賦活して製造した活性炭素繊維はすぐれた強
度と吸着能を有し、かつ高収率である利点を有
し、本発明を実施することにより、高性能の活性
炭素繊維を容易に、かつ、安価に製造できる。
本発明の原料である石炭解重合物は基本的には
石炭類を水素加圧下にて炭化水素系溶剤中で解重
合し、石炭類の水素化分解、エーテル結合および
メチレン結合の切断に基ずく低分子化、脱ヘテロ
原子反応、芳香環に置換した脂肪族側鎖の脱離反
応等を促進した後、未溶解残渣を分離除去し、溶
剤をたとえば、減圧蒸留で回収することにより製
造できるが、石炭類の解重合は水素化触媒、たと
えばコバルト、モリブデン、銅、タングステン、
ニツケル、白金、ロジウム等の金属、該金属のア
ンモニウム塩、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫化
物を単独もしくは混合して使用する触媒の存在下
で、もしくは水素化触媒の存在下で水素化処理を
受けた高い水素供与性を有する溶剤中で、もしく
は石炭解重合物と未溶解残渣を含む溶剤中で、も
しくはアルカリ金属の存在下で一酸化炭素および
水の共存下でシフト反応を行わせしめ、実質的に
水素加圧雰囲気下で、もしくは上記方法の2方法
以上を組合せた方法で行なつてもよい。上記の方
法で石炭類の解重合を行なう場合、石炭類の水素
化分解の反応は著しく促進される結果、石炭類の
解重合条件は従来法に比べてより温和に設定で
き、運転コストを低下できるだけでなく活性炭素
繊維用原料として適した性状を有する石炭解重合
物を従来法に比べ5〜20wt%高収率で得ること
ができる。
石炭類の水素化分解が十分に進んでいない石炭
解重合物は酸素合有量が非常に高いため、賦活時
に脱炭酸に基づくボイドが多数繊維中に生成し、
賦活はスムーズに進行するが、反面この石炭解重
合物は熱的に不安定で、均一な溶融が困難である
ため、可紡性が悪く、しかも得られる活性炭素繊
維の強度が低いため、活性炭素繊維の原料として
好ましくない。また、水素化分解が促進され、脱
酸素反応が著しく進行した石炭解重合物は良好な
可紡性を備え、活性炭素繊維の強度もすぐれてい
るが、反面、賦活に長時間を要し、活性炭素繊維
の原料として好ましくない。しかして、活性炭素
繊維用原料として適した石炭解重合物の酸素含有
量は、酸素/炭素原子比(O/C)0.07以下、好
ましくは0.01以上0.07以下である。ここでO/C
とはJIS―M―8813による元素分析法から求めた
ものである。
石炭解重合物の軟化点は原料繊維の不融化を容
易にするため160〜250℃に調製する。ここで軟化
点とはJIS―K―2425によるものである。軟化点
が160℃未満の場合、不融化に長時間要し、250℃
を超える場合、可紡性が低下し、均一な直径の原
料繊維を得ることが困難となる。しかして、好ま
しい軟化点は200〜250℃である。石炭解重合物の
軟化点は溶剤の回収条件により任意に調整できる
が、石炭解重合物中の低軟化点成分を溶解力の非
常に弱い非芳香族溶剤、たとえばペンタン、ヘキ
サン等のC3〜C10の鎖状パラフイン、メタノー
ル、エタノール等のC1〜C6の一価の鎖状アルコ
ール、石油系重質油の熱分解時に留出する沸点
200℃以下の留分、およびこれらの混合物で抽出
除去することにより、石炭解重合物の軟化点を容
易に160〜250℃に調整できる。一方、ベンゼン等
の芳香族系溶剤、アセトン等の溶解力の強い溶剤
による抽出は、石炭解重合物の軟化点が250℃を
越え、均一に溶融する石炭解重合物を製造するこ
とが困難となるため好ましくない。
従来法においては、リン化合物を大量に原料紡
糸液中に添加するか、もしくは、原料繊維に塗布
し、繊維の不融化を容易にし、賦活時の昇温速度
を上昇させ、吸着能の賦与もしくは向上をはかつ
ているが、本発明においては、上記の如き処理を
必要としない。上記の処理は石炭解重合物の可紡
性を低下させるのみならず、繊維表面にリン化合
物が多量に吸着されるため、石炭解重合物から製
造される活性炭素繊維の使用範囲を著しく限定す
る。
石炭解重合物は石炭類の低度水添抽出物である
ため、石炭類の多環芳香族構造、脂環構造ならび
に脂肪族側鎖構造をほぼ継承しており、酸化性物
質に対し安定な構造と非常に反応性に富む構造を
有する極めて活性炭素繊維用原料に適した物質で
ある。従つて、本発明における石炭解重合物は、
これを紡糸した原料繊維の不融化が容易に進行す
る、不活性ガス雰囲気中での焼成炭化歩留りが高
い、賦活時の昇温速度を10℃/分以上に設定でき
る、しかも、原料石炭解重合物中の含有酸素に基
づくミクロポアーの生成により、賦活はスムーズ
に短時間に進行し、賦活収率も高く、製造された
活性炭素繊維は強度および吸着能のいずれもすぐ
れている特徴を有する。
石炭解重合物は紡糸後、不融化するわけである
が本発明においては、不融化条件は従来法のよう
に、不融化繊維収率、リン化合物の残留量等でき
びしく限定されるものではない。即ち、本発明に
おいては、不融化の温度を240〜340℃に、その温
度における保持時間を60分以下に、好ましくは
280〜340℃、5〜60分に設定し、繊維の不融化を
完了させればよい。不融化温度が240℃未満の場
合、繊維の不融化が十分に進行せず、賦活時にお
いて、繊維の溶融もしくは融着等が観測され、
340℃を越える場合、製品収率および繊維強度の
低下が観測される。不融化時間が60分を越ゆる場
合もまた不融化温度が340℃を越える場合と同様
である。
従来法においては、繊維中に残留するリン化合
物により、繊維の賦活が可能となり、活性炭素繊
維の吸着能は向上する。即ち、リン化合物は繊維
の賦活に大きな影響を及ぼす。一方、本発明の石
炭解重合物は酸素に対し非常に反応性に富むた
め、不融化時において、多量の酸素が繊維内に導
入され、賦活時、もしくは、焼成安定化時におい
て、この酸素の離脱に基づくミクロポアーが多数
繊維内に生成するため、賦活がスムーズに進行
し、吸着能の高い活性炭素繊維が得られる。ま
た、上記不融化条件を変えることにより、活性炭
素繊維の吸着能を任意に変えることも可能であ
る。
なお、本発明の不融化時に繊維中に導入された
酸素に基づくミクロポアーは繊維の強度を著しく
低下させるものではない。事実、特願昭53−
156910号(特開昭55−84421号公報)、特願昭53−
158669号(特開昭55−90620号)、特願昭54−
100742号(特開昭56−26009号公報)に夫々示す
如く、石炭解重合物から上記不融化条件を経て製
造された炭素繊維の強度は10〜20t/cm2と非常に高
強度である。
また、石炭解重合物の性状は石炭類に依存せず
石炭解重合物の製造条件をコントロールすること
により、ほぼ同一とすることができる。従つて、
あらゆる種類の石炭から、製造条件を調節するこ
とによりほぼ同一の性状を有する石炭解重合物の
製造が可能であり、いずれの場合も、不融化条件
はほぼ同一とすることができる。
不融化の済んだ繊維は水蒸気あるいは二酸化炭
素等の活性ガスを含む雰囲気中で賦活することに
より、高性能活性炭素繊維を製造することができ
るが、あらかじめ不活性ガス雰囲気中での焼成安
定化した後賦活することにより、活性炭素繊維の
収率および強度を著しく改善できる。一般に、活
性炭製造においては、賦活条件をきびしくするこ
とにより、その吸着能を向上させることができる
が、反面、強度や収率が著しく低下する。また、
活性炭の収率や強度を向上させるためには、不活
性ガス雰囲気中で焼成後賦活すればよいが、この
場合、賦活に長時間を要すこと、吸着能が低いこ
と等の欠点がある。
これは一般の活性炭素繊維においてもほぼ同様
で、不活性ガス雰囲気中で焼成炭化後賦活するこ
とにより、比較的高い収率で強度のすぐれた活性
炭素繊維を得ることができるが、その吸着能は著
しく低く、実用にそぐはない。
しかしながら、本発明においては、不融化後の
賦活は、焼成炭化による安定化後においても比較
的スムーズに、しかも短時間に進行し、得られる
活性炭素繊維は強度および収率にすぐれ、吸着能
も従来品に比べ何ら遜色はない。これは本発明の
原料の性状に由来する特徴である。従つて、本発
明を実施することにより、安価な原料から強度、
吸着能のいずれもすぐれた活性炭素繊維を高収率
でしかも短時間に製造することができる。
また、従来法の大部分の活性炭素繊維用原料は
高品質の炭素繊維用原料とはなりえないが、本発
明の石炭解重合物は特願昭53−156910、特願昭53
−158669、特願昭54−100742で示される如く、炭
素繊維用原料としてもすぐれており、これを紡糸
し、不融化、炭化することにより高品質の炭素繊
維とすることができる。従つて、石炭解重合物を
原料とする活性炭素繊維および炭素繊維の工業化
においては、原料の調製、紡糸、不融化の各工程
を共有することができ、大量処理による両繊維の
コスト低下が可能となり、現在、特殊な用途にの
み使用されている炭素繊維および活性炭素繊維の
使用範囲が大きく拡大する。
本発明が対象とする石炭類とは歴青炭、亜歴青
炭、亜炭、褐炭、リグナイト、草炭等であるが、
特に褐炭およびリグナイトは資源量も豊富で安価
に入荷できるため本発明の原料として極めて有利
である。
本発明を実施態様に基づき更に詳細に説明す
る。
適当な粒度に粉砕した石炭類を炭化水素系溶
剤、たとえば、石炭乾留タールの沸点範囲が200
〜400℃の留分と石炭/溶剤比1:1〜1:10
(重量ベース)となる如く混合し、このスラリー
を3〜300Kg/cm2・G、好ましくは20〜250Kg/cm2・G
の水素加圧下に300〜500℃、好ましくは380〜470
℃の温度範囲で加熱溶解する。
反応時間はスラリーが十分に過可能な粘度と
なり、石炭類の溶剤可溶分が十分に溶解し、か
つ、石炭解重合物が活性炭素繊維用原料として適
した性状、即ち、O/Cが0.01〜0.07となるよう
に設定するが、通常は30〜240分で十分である。
所定温度、所定時間の反応後、石炭溶液は未溶
解残渣を、たとえばフイルターまたは遠心分離器
等で分離除去し、ついで、液は減圧下で蒸留
し、溶剤を回収し、石炭解重合物を製造する。
石炭解重合物の軟化点は160〜250℃好ましくは
200〜250℃に調整することが必要で、この調整は
溶剤の回収条件により行ない得るが、石炭解重合
物中の低軟化点成分を溶解力の非常に弱い非芳香
族溶剤で抽出除去することによつても行ない得
る。
石炭解重合物の軟化点より30〜80℃高い温度で
紡糸した繊維の不融化は、オゾンその他の酸化剤
を用いることなく、空気中で室温より昇温を開始
し、240〜340℃、好ましくは280〜340℃まで昇温
し、その温度に60分以下、好ましくは5〜60分保
持する。その昇温速度が10℃/分以上の場合は、
繊維の一部に融着が認められ活性炭素繊維の強度
および吸着能が低下するので、昇温速度は3〜10
℃/分が適当である。
本発明においては、通常行なわれているリン化
合物の原料への添加もしくは原料繊維への塗布は
必要としない。これらによる処理は石炭解重合物
の可紡性を低下させるばかりでなく、製造された
活性炭素繊維の使用範囲を限定する。不融化の済
んだ繊維は水蒸気あるいは二酸化炭素等の活性ガ
スを5容量%以上、好ましくは5〜80容量%含む
不活性ガス雰囲気中で600〜1000℃まで20℃/分
以下、好ましくは10〜20℃/分の昇温速度で昇温
し、その温度で10〜120分賦活することによる活
性炭素繊維とできるが、不活性ガス雰囲気中で
700〜1200℃まで20℃/分以下の昇温速度で昇温
し、その温度に30分以下、好ましくは5〜20分保
持し、焼成安定化した後、600〜1000℃の所定の
温度に設定し、上記濃度の水蒸気あるいは二酸化
炭素等の活性ガスを含む不活性ガスを通じ、10〜
120分賦活しても、活性炭素繊維とすることがで
きる。この場合は前者に比べ収率と強度を著しく
改善できる。
賦活温度が600℃未満の場合、得られる活性炭
素繊維は収率および強度的にはすぐれているが、
吸着能が低く、1000℃を越えるときは、高い吸着
能を有する製品が得られるが、その強度および収
率は著しく低下する。賦活時間が10分未満の場
合、繊維の賦活は十分に進行せず、120分を越え
るときは強度および収率が著しく低下する。活性
ガス濃度が5容量%未満の場合、繊維の賦活に長
時間を要する。焼成安定化の温度が700℃未満の
場合、焼成安定化の効果が発現せず、1200℃を越
える場合、賦活に長時間を要す。又焼成安定化の
時間が30分を越える場合も賦活に長時間を要す。
賦活および焼成安定化の昇温速度が20℃/分を越
える場合、活性炭素繊維の強度が低下する。
本発明の方法で製造した活性炭素繊維は強度お
よび吸着能にすぐれ、特にイオウ酸化物、窒素酸
化物およびベンゼン、トルエン等の有機溶剤の吸
着性も高く、従来法で製造された活性炭素繊維に
比べ、何ら遜色はない。
以下実施例、比較例により本発明を更に詳細に
説明する。
実施例 1 オーストラリア産リグナイトを3倍量のタール
中油中、水素圧50Kg/cm2・G加圧下、410℃で120分
加熱し、石炭の溶剤可溶分を十分に溶解させ、フ
イルターで固液分離後、減圧下で蒸留し、溶剤を
回収し、石炭解重合物を製造した。溶剤の回収条
件はボトム温度380℃、10mmHgabsとした。石炭
解重合物の収率は53.4wt%(d.a.f.)であつた。
石炭解重合物の性状は軟化点240℃、不溶性固型
分(キノリン不溶分)0.08wt%、(JIS―K―2425
による。)化学組成C 89.32wt%、H 4.85wt
%、N 1.21wt%、S 0.87wt%、O 3.75wt
%、原子比O/C0.031であつた。これを320℃で
紡糸し、室温より空気中で5℃/分の昇温速度で
280℃まで昇温し、その温度に10分間保持し、繊
維の不融化を完了した。ついで、不融化繊維は水
蒸気30容量%含む窒素ガス雰囲気中で、850℃ま
で20℃/分の昇温速度で昇温し、その温度に20分
間保持し、活性炭素繊維を製造した。
活性炭素繊維の収率は23.4wt%、メチレンブル
ー吸着能400c.c./g、ベンセン吸着量1000mg/g、
表面積1900m2/g、直径10〜11μ、強度2.4t/cm2
伸度4.3%であつた。
なお、上記不融化繊維は窒素ガス気流中、20
℃/分の昇温速度で1000℃まで昇温し、10分間保
持し、炭素繊維を製造した。炭素繊維は収率
82.7wt%、直径10〜11μ、強度13.6t/cm2であつ
た。
なおメチレンブル吸着能、ベンゼン吸着量の測
定は夫々(JIS―K―1470、JIS―K―1412によつ
た。以下同じ。
実施例 2 実施例1で得た不融化繊維は窒素気流中、20
℃/分の昇温速度で900℃まで昇温し、10分間保
持した後、850℃まで降温し、その温度に到達
後、系内に水蒸気30容量%を含む窒素ガスを導入
し、40分間保持し、活性炭素繊維を製造した。
活性炭素繊維は収率32.8wt%、メチレンブルー
吸着能360c.c./g、ベンセン吸着量800mg/g、表面
積1700m2/g、直径10〜11μ、強度4.6t/cm2、伸度
3.5%であつた。
実施例 3 オーストラリア産リグナイトを3倍量のタール
中油中、水素圧50Kg/cm2・G加圧下、コバルト―モ
リブデン触媒2wt%存在下、410℃で6分加熱
し、石炭の溶剤可溶分を溶解させ、フイルターで
固液分離後、減圧下で蒸留し、溶剤を回収し、石
炭解重合物を製造した。溶剤の回収条件はボトム
温度380℃、10mmHgabsとした。石炭解重合物の
収率は60.9wt%(d.a.f.)であつた。石炭解重合
物の性状は軟化点231℃、不溶性固型分(キノリ
ン不溶分)0.05wt%(JIS―K―2425による。)化
学組成C 89.85wt%、H 5.42wt%、N
1.24wt%、S0.67wt%、O 2.82wt%、原子比
O/C 0.024であつた。これを300℃で紡糸し、
室温より空気中で5℃/分の昇温速度で280℃ま
で昇温し、その温度に10分間保持し、繊維の不融
化を完了した。ついで、不融化繊維は水蒸気30容
量%含む窒素ガス雰囲気中で、850℃まで20℃/
分の昇温速度で昇温し、その温度に30分保持し、
活性炭素繊維を製造した。
活性炭素繊維の収率は25.3wt%、メチレンブル
吸着能380c.c./g、ベンセン吸着量1000mg/g、表
面積1800m2/g、直径10〜11μ、強度3t/cm2、伸
度4.8%であつた。
なお、上記不融化繊維は窒素ガス気流中、20
℃/分の昇温速度で1000℃まで昇温し、10分間保
持し、炭素繊維を製造した。
炭素繊維の収率は84.7wt%、直径9〜10μ、強
度17.6t/cm2であつた。
実施例 4 実施例3で得た不融化繊維は窒素気流中、20
℃/分の昇温速度で900℃まで昇温し、10分間保
持した後、850℃まで降温しその温度に到達後、
系内に水蒸気30容量%を含む窒素ガスを導入し、
40分間保持し、活性炭素繊維を製造した。
活性炭素繊維は収率は34.3wt%、メチレンブル
ー吸着能350c.c./g、ベンセン吸着量700mg/g、表
面積1600m2/g、直径10〜11μ、強度5.1t/cm2、伸
度3.2%であつた。
実施例 5 オーストラリア産リグナイトと80Kg/cm2・G水素
加圧下、1wt%のコバルト触媒の存在下、420℃
で60分間水素化処理を施こしたタール中油を1:
3(重量比)の割合に混合し、該スラリーを水素
圧50Kg/cm2・G加圧下、2wt%のコバルト―モリブ
デンの存在下、410℃で30分加熱し、石炭の溶剤
可溶分を溶解させ、フイルターで固液分離後、減
圧下で蒸留し、溶剤を回収した。溶剤の回収条件
はボトム温度380℃、10mmHgabsとした。石炭解
重合物の収率は64.4wt%(d.a.f.)であつた。石
炭解重合物の性状は軟化点236℃、不溶性固型分
(キノリン不溶分)0.05wt%、(JIS―K―2425に
依る。)化学組成C 89.80wt%、H 5.31wt%、
N 1.24wt%、S 0.75wt%、O 2.90wt%、原
子比0.024であつた。これを300℃で紡糸し、室温
より空気中、5℃/分の昇温速度で280℃まで昇
温し、その温度で10分間保持し、繊維の不融化を
完了した。ついで、不融化繊維は水蒸気30容量%
を含む窒素ガス雰囲気中で、850℃まで20℃/分
の昇温速度で昇温し、その温度に30分間保持し、
活性炭素繊維を製造した。
活性炭素繊維の収率は27.4wt%、メチレンブル
ー吸着能350c.c./g、ベンセン吸着量900mg/g、表
面積1700m2/g、直径10〜11μ、強度3.3t/cm2、伸
度5%であつた。
なお、上記不融化繊維は窒素気流中、20℃/分
の昇温速度で1000℃まで昇温し、その温度に10分
間保持することにより炭素繊維とすることができ
た。炭素繊維の収率は86.8wt%、直径9〜10μ、
強度19.2t/cm2であつた。
比較例 1 実施例1の石炭解重合条件において、リグナイ
トの解重合を410℃で0分加熱したほかは全く同
様の解重合を行つた。以下同じ条件で固液分離を
行ない、溶剤を回収した。石炭解重合物の収率は
42.4wt%(d.a.f.)であつた。石炭解重合物の性
状は軟化点262℃、不溶性固型分0.14wt%、化学
組成C 83.77wt%、H 5.42wt%、N 1.31wt
%、S 1.02wt%、O 8.48wt%、原子比O/C
0.076であつた。これの可紡性は著しく悪く、
直径15μ以下の繊維状にすることができなかつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 石炭類を水素加圧下に炭化水素系溶剤中にて
    加熱解重合し、未溶解残渣を分離除去し、ついで
    炭化水素系溶剤を除去して得た軟化点160〜250
    ℃、酸素/炭素原子比が0.07以下の石炭解重合物
    を溶融紡糸し、その後不融化し、該不融化物を賦
    活用活性ガスを含む不活性ガス雰囲気中で600〜
    1000℃で10〜120分間賦活することを特徴とする
    活性炭素繊維の製造方法。 2 石炭類を水素加圧下に炭化水素系溶剤中にて
    加熱解重合し、未溶解残渣を分離除去し、ついで
    炭化水素系溶剤を除去して得た軟化点160〜250
    ℃、酸素/炭素原子比が0.07以下の石炭解重合物
    を溶融紡糸し、その後不融化し、該不融化物を不
    活性ガス雰囲気中で700〜1200℃で焼成安定化し
    たのち賦活用活性ガスを含む不活性ガス雰囲気中
    で600〜1000℃で10〜120分間賦活することを特徴
    とする活性炭素繊維の製造方法。
JP3967480A 1980-03-29 1980-03-29 Manufacture of activated carbon fiber Granted JPS56140019A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3967480A JPS56140019A (en) 1980-03-29 1980-03-29 Manufacture of activated carbon fiber

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3967480A JPS56140019A (en) 1980-03-29 1980-03-29 Manufacture of activated carbon fiber

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS56140019A JPS56140019A (en) 1981-11-02
JPS6215644B2 true JPS6215644B2 (ja) 1987-04-08

Family

ID=12559638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3967480A Granted JPS56140019A (en) 1980-03-29 1980-03-29 Manufacture of activated carbon fiber

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS56140019A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60167929A (ja) * 1984-02-13 1985-08-31 Nippon Soken Inc 活性炭素繊維の製造方法
JPH0737691B2 (ja) * 1984-11-27 1995-04-26 ユニチカ株式会社 ピツチ系活性炭繊維からなる不織布の製造方法
JP6437355B2 (ja) * 2015-03-17 2018-12-12 株式会社神戸製鋼所 炭素繊維の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS56140019A (en) 1981-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3917806A (en) Method for the preparation of carbon moldings and activated carbon molding therefrom
CN103013566B (zh) 一种利用煤焦油沥青制备针状焦原料的工艺
KR20110085839A (ko) 수소전환된 중질 유출물로부터의 금속회수방법
JPH0615724B2 (ja) 炭素質ピッチ繊維
JPS6215644B2 (ja)
EP0097046B1 (en) Low melting point mesophase pitches
US4320107A (en) Process for producing carbon fibers
US4460455A (en) Process for producing pitch for using as raw material for carbon fibers
CN111263731B (zh) 利用cog工艺中产生的煤焦油的多孔碳素材料的制备方法
KR101381050B1 (ko) 석탄 유래 탄소질 물질 제조 방법
US4986895A (en) Process for treating coal tar or coal tar pitch
JPS58156023A (ja) 炭素繊維の製造方法
CN112744804B (zh) 重质油浆制备炭材料的方法
JPS6030364B2 (ja) 炭素繊維の製造法
JPS60106882A (ja) 重質瀝青物の精製方法
JPS591725A (ja) 炭素繊維の製造方法
KR100501830B1 (ko) 구형 활성탄의 제조방법
JPS5910717B2 (ja) 高級炭素材原料用重質油の製造法
JPS6247969B2 (ja)
JP2709626B2 (ja) 炭素繊維紡糸用ピッチの製造方法
JPS6247970B2 (ja)
JPS6220126B2 (ja)
JP2691231B2 (ja) ピッチの製造方法
JPS59182214A (ja) 炭素材料の製造方法
JPH0629439B2 (ja) 石炭系重質油の精製方法