JP2691231B2 - ピッチの製造方法 - Google Patents

ピッチの製造方法

Info

Publication number
JP2691231B2
JP2691231B2 JP63214541A JP21454188A JP2691231B2 JP 2691231 B2 JP2691231 B2 JP 2691231B2 JP 63214541 A JP63214541 A JP 63214541A JP 21454188 A JP21454188 A JP 21454188A JP 2691231 B2 JP2691231 B2 JP 2691231B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
coal
softening point
heat
distillation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63214541A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0260992A (ja
Inventor
武 豊田
義朗 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP63214541A priority Critical patent/JP2691231B2/ja
Publication of JPH0260992A publication Critical patent/JPH0260992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2691231B2 publication Critical patent/JP2691231B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、キノリン不溶分などを実質的に含有せず、
性状が均一で且つ高軟化点を有する炭素繊維用のピッチ
の製造方法に関する。
従来技術とその問題点 ピッチを原料とする炭素繊維は、石油系炭素繊維と石
炭系炭素繊維に大別される。
石炭系炭素繊維は、石炭乾留に伴い生成するコールタ
ールを高温で熱処理して得られるかまたは石炭液化油か
ら軽質留分を留出して得られる軟化点80〜120℃程度の
ピッチを出発原料としている。しかしながら、このピッ
チには、下記の如き問題点がある。
(a)乾留などにより得られたコールタールは、原料炭
および反応条件により、その性状が大きく異なる。従っ
て、これをさらに熱処理して得られるスピッチも、性状
が一定でなく、また不溶成分が多く、軟化点が低く、分
子量分布も非常に広範囲である。
(b)上記のピッチから不純物を除去する方法として
は、ピッチを250〜300℃程度に加熱して、濾過したり、
ピッチに脂肪族系などの有機溶媒を混合して、濾過する
方法がある。しかしながら、これらの方法では、濾過フ
ィルターの目詰まり、消耗などが激しい;多量の希釈溶
媒を必要とする;溶媒の添加、抽出、分離精製などの付
加的な工程が必要となり、全体としての工程が複雑化す
るなどの理由で、処理コストが高くなる。
(c)上記のピッチの軟化点を高める方法としては、空
気、不活性ガスなどの気体と接触下にピッチを加熱する
方法が簡便なので、一般に行われている。この方法で
は、熱処理の苛酷度を上げると、ピッチの軟化点は、上
昇する。しかしながら、熱処理の苛酷度を上げると、キ
ノリン不溶分が増加し、コークとなって、反応器壁に付
着し成長して、熱処理操作を妨げる。
そこで、キノリン不溶分の生成を抑制しつつピッチの
軟化点を上昇させる方法として、重合促進剤を添加し、
熱処理を行う方法も提案されているが、ピッチの軟化点
が低い場合には、多量の重合促進剤を必要とする。
(d)ピッチの分子量を低下させて均一化し、併せてキ
ノリン不溶分を減少させるためには、高価な水素または
水素添加能のなる溶媒を配合して熱処理を行うことも、
行われている。しかしながら、この方法にも、処理コス
トが高くなるという難点がある。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の如き従来技術の問題点に鑑みて、
鋭意研究を重ねた結果、粉砕した石炭を特定条件下に水
添分解して得られるピッチを熱処理する場合には、不純
物(キノリン不溶分、金属など)を実質的に含まず、高
軟化点のピッチが得られること、このピッチは、炭素繊
維の製造原料として優れた性質を具備していることなど
を見出した。
すなわち、本発明は、下記の方法を提供するものであ
る: 石炭を粉砕した後、水添分解を行ない、生成する重質
油を熱処理することを特徴とするピッチの製造方法。
上記第一項に記載のピッチの製造方法において、石炭
を100メッシュ以下に微粉砕し、水素雰囲気下で加圧下
に温度600〜1000℃の条件で水添分解し、生成する重質
油を320〜360℃で熱処理する方法。
本発明で使用する石炭の炭種としては、特に限定され
ず、無煙炭、瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭などが使用でき
る。特に、褐炭、亜炭、泥炭などの低品位炭を使用し得
る点が、本発明の大きな利点である。
水添分解は、100メッシュ以下に微粉砕した石炭を温
度600〜1000℃、圧力1〜100kg/cm2・G程度の条件下に
熱処理して行なうことが好ましい。かくして得られた反
応油を常法にしたがって、蒸溜に供し、軽質留分を留出
して、残留する沸点400℃以上の留分をピッチとして収
得する。この蒸溜ピッチの軟化点は、原料石炭の種類、
熱分解条件などにより異なるが、通常80〜120℃程度で
あり、既存のコールタールのそれと同程度である。
この蒸溜ピッチを濾過すること無く且つ重合促進剤を
添加すること無く窒素気流中大気圧下に温度320〜360℃
程度で1〜3時間程度の緩慢な条件で熱処理に供する。
この処理により、不純物(キノリン不溶分、金属など)
を含まず、 230〜250℃程度の高軟化点を有する紡糸用に適した熱改
質ピッチを得ることが出来る。
この熱改質ピッチを常法に従って紡糸し、不融化し、
炭化することにより、良質の炭素繊維が得られる。
発明の効果 本発明によれば、以下の様な顕著な効果が達成され
る。
(1)泥炭、亜炭、褐炭など低品位炭をも原料とするこ
とが出来る。
(2)水素雰囲気下に石炭粉末の熱分解を行なうことに
より、熱分解と水添処理を同時に行なうので、得られた
重質油中には、水添処理効果によりキノリン不溶分が実
質的に含まれておらず、しかも金属などは、未反応石炭
中に残存する。従って、不純物含有量の極めて低い熱改
質ピッチが最終的に得られる。
(3)得られた重質油は、性状が極めて均一化されてい
るので、蒸溜による分留が容易であり、原料の種類、熱
分解条件などによること無く、得られる蒸溜ピッチの分
子量を300〜500程度の狭い幅に調整することが出来る。
(4)得られた蒸溜ピッチは、不溶分の分離除去、重合
促進剤の添加などを行なうことなく、そのまま熱改質に
供することができる。
(5)この様に熱改質工程を簡略化し得るにもかかわら
ず、得られた熱改質ピッチの軟化点は高く炭素繊維原料
として好適である。
実施例 以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところを一
層明らかにする。
実施例1 100メッシュ以下に粉砕した豪州炭を水素雰囲気下に
温度800℃、圧力35kg/cm2・Gの条件下に熱分解処理し
て、反応油を得た。
蒸溜操作により反応油から軽質留分を留去して、軟化
点83℃、キノリン不溶分0%の蒸溜ピッチを得た。この
反応油は、性状が均一化されており、蒸溜による分留が
容易であった。
次いで、上記の蒸溜ピッチを窒素気流中、大気圧、温
度360℃、1時間の条件下に熱処理することにより、軟
化点247℃の熱処理ピッチが得られた。
このピッチを軟化点+50℃に加温して、回転紡糸機に
より紡糸した後、空気雰囲気下300℃で3時間かけて不
融化し、窒素雰囲気下1200℃で5分間かけて炭化するこ
とにより、強度76kg/mm2、糸径14.8μm、弾性率4.0ton
/mm2、伸度1.9%の炭素繊維を得た。
実施例2 実施例1で使用したものと同様の石炭粉末を水素雰囲
気下に温度800℃、圧力70kg/cm2・Gの条件下に熱分解
処理して、反応油を得た。
蒸溜操作により反応油から軽質留分を留去して、軟化
点87℃、キノリン不溶分0%の蒸溜ピッチを得た。この
反応油は、やはり性状が均一化されており、蒸溜による
分留が容易であった。
次いで、上記の蒸溜ピッチを窒素気流中、大気圧、温
度360℃、1時間の条件下に熱処理することにより、軟
化点250℃の熱処理ピッチが得られた。
このピッチを軟化点+50℃に加温して、回転紡糸機に
より紡糸した後、空気雰囲気下300℃で3時間かけて不
融化し、窒素雰囲気下1400℃で5分間かけて炭化するこ
とにより、強度125kg/mm2、糸径6.6μm、弾性率5.3ton
/mm2、伸度2.4%の炭素繊維を得た。
実施例3 100メッシュ以下に粉砕した米国炭を水素雰囲気下に
温度700℃、圧力70kg/cm2・Gの条件下に熱分解処理し
て、反応油を得た。
蒸溜操作により反応油から軽質留分を留去して、軟化
点97℃、キノリン不溶分0%の蒸溜ピッチを得た。この
反応油は、性状が均一化されており、蒸溜による分留が
容易であった。
次いで、上記の蒸溜ピッチを窒素気流中、大気圧、温
度350℃、3時間の条件下に熱処理することにより、軟
化点240℃の熱処理ピッチが得られた。
このピッチを軟化点+50℃に加温して、回転紡糸機に
より紡糸した後、空気雰囲気下300℃で3時間かけて不
融化し、窒素雰囲気下1400℃で5時間かけて炭化するこ
とにより、強度75kg/mm2、糸径15.2μm、弾性率3.4ton
/mm2、伸度2.2%の炭素繊維を得た。
実施例4 100メッシュ以下に粉砕した英国炭を水素雰囲気下に
温度900℃、圧力42kg/cm2・Gの条件下に熱分解処理し
て、反応油を得た。
蒸溜操作により反応油から軽質留分を留去して、軟化
点110℃、キノリン不溶分0%の蒸溜ピッチを得た。こ
の反応油は、性状が均一化されており、蒸溜による分留
が容易であった。
次いで、上記の蒸溜ピッチを窒素気流中、大気圧、温
度35℃、3時間の条件下に熱処理することにより、軟化
点250℃の熱処理ピッチが得られた。
この熱処理ピッチを軟化点+50℃に加温して、回転紡
糸機により紡糸した後、空気雰囲気下300℃で3時間か
けて不融化し、窒素雰囲気下1400℃で5分間かけて炭化
することにより、強度79kg/mm2、糸径15.9μm、弾性率
3.4ton/mm2、伸度2.3%の炭素繊維を得た。
比較例1 コールタールを温度400℃、圧力15kg/cm2・Gで5時
間かけて一次熱処理した後、軟化点125℃の蒸溜ピッチ
(沸点500℃以上の留分)を得た。
このピッチを濾過することなく且つ重合促進剤を添加
することなく窒素気流中、大気圧、温度360℃、3時間
の条件下に熱処理することにより、軟化点170℃の熱処
理ピッチを得た。
得られた熱処理ピッチは、下記第1表に示す様に、軟
化点が低く、キノリン不溶分(QI)含有量が多いため、
糸切れが激しく、実際上紡糸不可能であった。
第 1 表 軟化点 QI (℃) (%) 蒸溜ピッチ 125 5 熱処理ピッチ 170 8

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭を粉砕した後、得られる石炭粉末を水
    素雰囲気下で加圧下に温度600〜1000℃の条件で水添分
    解し、生成する重質油から軽質留分を留去し、残留する
    沸点400℃以上の留分を蒸留ピッチとして収得し、得ら
    れる蒸留ピッチを320〜360℃で熱処理することにより、
    軟化点230〜250℃のピッチを得ることを特徴とする炭素
    繊維用ピッチの製造方法。
  2. 【請求項2】石炭を100メッシュ以下に微粉砕する第一
    請求項に記載の炭素繊維用ピッチの製造方法。
JP63214541A 1988-08-29 1988-08-29 ピッチの製造方法 Expired - Lifetime JP2691231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63214541A JP2691231B2 (ja) 1988-08-29 1988-08-29 ピッチの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63214541A JP2691231B2 (ja) 1988-08-29 1988-08-29 ピッチの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0260992A JPH0260992A (ja) 1990-03-01
JP2691231B2 true JP2691231B2 (ja) 1997-12-17

Family

ID=16657448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63214541A Expired - Lifetime JP2691231B2 (ja) 1988-08-29 1988-08-29 ピッチの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2691231B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101470261B1 (ko) 2013-12-27 2014-12-12 주식회사 씨티씨 피치계 탄소섬유 및 이의 제조방법

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6024042B2 (ja) * 1977-05-11 1985-06-11 川崎製鉄株式会社 易黒鉛化性炭素材原料の製造方法
JPS57195790A (en) * 1981-05-29 1982-12-01 Mitsui Cokes Kogyo Kk Preparation of raw material for carbonaceous product

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101470261B1 (ko) 2013-12-27 2014-12-12 주식회사 씨티씨 피치계 탄소섬유 및 이의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0260992A (ja) 1990-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4208267A (en) Forming optically anisotropic pitches
EP0038669B1 (en) Process for preparing a pitch suitable for carbon fiber production
US4518483A (en) Aromatic pitch from asphaltene fractions
EP0086608B1 (en) Carbon artifact grade pitch and manufacture thereof
EP0076427B1 (en) Process for producing pitch for use as raw material for carbon fibers
US4431512A (en) Aromatic pitch from asphaltene-free steam cracker tar fractions
US4448670A (en) Aromatic pitch production from coal derived distillate
EP0436268B1 (en) Process for producing clean distillate pitch and/or mesophase pitch for use in the production of carbon fibers
JPH0456077B2 (ja)
JP2691231B2 (ja) ピッチの製造方法
JPS6187790A (ja) 炭素繊維用プリカ−サ−ピツチの製造方法
EP0072573B1 (en) Process for producing pitch for use as raw material for carbon fibers and carbon fibers produced from the pitch
US4548704A (en) Pitch for direct spinning into carbon fibers derived from a steam cracker tar feedstock
JPH0150272B2 (ja)
EP0120697A2 (en) Process for preparing a spinnable pitch product
US4986895A (en) Process for treating coal tar or coal tar pitch
JPH0471117B2 (ja)
JP2004285130A (ja) 含浸ピッチの製造方法
JPS58156023A (ja) 炭素繊維の製造方法
US4759839A (en) Process for producing pitch useful as raw material for carbon fibers
JPS60170694A (ja) 炭素繊維プリカ−サ−ピツチの製造方法
JPH0730334B2 (ja) ピツチの製造方法
KR102498310B1 (ko) 함침 피치의 제조 방법
JPH0475273B2 (ja)
JPS5910717B2 (ja) 高級炭素材原料用重質油の製造法