JPS6210520B2 - - Google Patents

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JPS6210520B2
JPS6210520B2 JP55005128A JP512880A JPS6210520B2 JP S6210520 B2 JPS6210520 B2 JP S6210520B2 JP 55005128 A JP55005128 A JP 55005128A JP 512880 A JP512880 A JP 512880A JP S6210520 B2 JPS6210520 B2 JP S6210520B2
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JP
Japan
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substance
reaction
phosphate buffer
solution
insoluble
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JP55005128A
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JPS56103193A (en
Inventor
Kazumi Hanamitsu
Tadayo Fujii
Junzo Mizoguchi
Masaru Kotani
Masaki Takada
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Toyo Jozo KK
Original Assignee
Toyo Jozo KK
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Publication date
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Priority to GB8101377A priority patent/GB2069499B/en
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Publication of JPS6210520B2 publication Critical patent/JPS6210520B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、少なくとも、ストレプトコツカス・
ミユータンスなどの口腔内細菌によるシユウクロ
ースの存在下不溶性グルカンの合成酵素であるグ
ルコシルトランスフエラーゼを阻害する作用を有
する新規な物質M5071物質に関する。 本発明者らは、東京都下小笠原村父島に生育す
る植物の葉(樹種不明)より分離された不完全菌
に属する菌M5071菌株の培養物中に、虫歯の原因
菌の一種であるストレプトコツカス・ミユータン
スなどによるシユウクロースの存在下不溶性グル
カンの合成酵素であるグルコキシトランスフエラ
ーゼを阻害する作用を有する、虫歯予防のための
有用な新規物質を見い出し、M5071物質と命名し
た。 本発明のM5071物質は、少なくとも、下記の理
化学的性状を有してなる物質である。 (1) 分子量: ●セフアデツクスG−100を用いてなるクロ
マトグラフイーにて、約34000 ●ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にて、
約45000 〔PH9に調整した板状ポリアクリルアミドゲル
(10%アクリルアミド)に、後述実施例にて得
られたM5071物質の50μg、30μg、20μg
(各々0.1%ソジウム・ドデシルサルフエートで
100℃、5分間処理)を重層し、25mAの電流
を流し、4時間泳動した。同時に、牛アルブミ
ン(分子量約68000)、卵白アルブミン(分子量
約45000)、キモトリプシノ−ゲンA(分子量約
25000)も泳動した。泳動後、ゲル版をはが
し、コマシブルーで染色し、1%酢酸で脱染色
した。その結果、第1図に示す通りで、いずれ
の濃度におけるM5071物質も単一なバンドを示
し、また同時に泳動した牛アルブミン、卵白ア
ルブミン、キモトリプシノーゲンAの移動度よ
り、その分子量は約45000と認められた。〕 (2) 等電点: PH2.5〜4のキヤリアアンホライト(登録商
標)を用いる等電点電気泳動法にて、PH3.5付
近 (3) 紫外部吸収スペクトル: 0.1Mリン酸緩衝液(PH6.3)で、M5071物質
の0.5mg/mlの濃度における紫外部吸収スペク
トルは第2図に示す通りで、λmax280mμ
(Ecm=20.6)、λmax(シヨルダー)290mμ
付近に吸収を有する。 (4) 溶解性: 水に易溶、メタノール、アセトン、クロロホ
ルム、酢酸エチルに不溶。 (5) 呈色反応: ビウレツト反応、キサントプロテイン反応、
フオーリン反応は陽性 (6) 旋光度: 〔α〕25 =−52゜(C=0.1%、PH6.3、0.1M
リン酸緩衝液) (7) 色性状: 白色(凍結乾燥) (8) 作用: ●少なくとも、グルコシルトランスフエラー
ゼによる不溶性グルカンの合成を阻害する。 〔グルコシルトランスフエラーゼ含有液(スト
レプトコツカス・ミユータンスOMZ176を、
BHI培地で2日間培養し、除菌後、培養液を
硫安沈澱し、この沈澱物を集め、水に溶解し、
透析して、培養液の約50倍に濃縮した、スト
レプトコツカス・ミユータンスによる不溶性グ
ルカン合成を触媒するグルコキシトランスフエ
ラーゼ含有液)0.1ml、試料液0.1ml、0.5Mリン
酸緩衝液(PH6.5)0.1ml、1Mシユウクロース
0.1mlを混じ、37℃にてインキユベイトする。
2時間後、M5071物質を含む試料液の場合は、
澄んだ状態であるが、M5071物質を含まない試
料液の場合は不溶性グルカンが合成され、下部
に沈澱する。このことから、M5071物質は、グ
ルコシルトランスフエラーゼによるシユウクロ
ースからの不溶性グルカンの合成を阻害する作
用を有することが認められる。〕 (9) PH安定性: M5071物質の上記作用に対するPH安定性は、
第3図に示す通りで、PH5〜8である。 〔測定は、40℃で、60分間、各PH(PH2.9:
0.1Mクエン酸緩衝液、PH4〜5:0.1M酢酸緩
衝液、PH6〜7:0.1リン酸緩衝液、PH8〜
9:0.1Mホウ酸緩衝液)で処理した後、その
力価の測定法(後述)に基いて、その残存活性
を測定したものである。〕 (10) 熱安定性 M5071物質の上記作用に対する熱安定性は、
第4図に示す通りで、40℃まで安定で、60℃で
ほぼ100%失活する。 〔測定は、0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)で、60
分間、加熱処理した後、力価の測定法に基い
て、その残存活性を測定したものである。〕 またM5071物質の力価の測定法は、シユウク
ロース存在下におけるグルコキシトランスフエ
ラーゼを用いた不溶性グルカンの合成の阻害度
を観察することによつて行なわれるもので、次
の通りである。 ストレプトコツカス・ミユータンスOMZ176
をBHI培地で2日間培養し、除菌後、培養液
を硫安沈澱し、この沈澱物を集め、水に溶解
し、透析して、培養液の約50倍に濃縮した、
ストレプトコツカス・ミユータンスによる不溶
性グルカン合成を触媒するグルコシルトランス
フエラーゼ含有液0.1ml、M5071物質含有液0.1
ml、0.5Mリン酸緩衝液0.1ml、1Mシユウクロー
ス0.1mlからなる反応液を、37℃でインキユベ
イトする。一方対照として、M5071物質含有液
の代りに水を使用する。またM5071物質含有液
は、あらかじめ数段階に希釈しておく。2時間
後、対照の場合にて不溶性グルカンが合成され
ていることを確認する。活性は、各希釈された
M5071物質含有液の状態を観察し、不溶性グル
カンの合成が阻害された最高希釈度をもつてそ
の力価とする(例えば、100倍希釈で阻害作用
を示し、120倍希釈で阻害作用を示さない場合
は、その力価を100とする)。求めるM5071物質
含有液の1ml当りの力価(A)は、 A=a×10(Unit/ml) で求められる(aはその最高希釈度を示す)。 (11) 赤外部吸収スペクトル(KBr法): 赤外部吸収スペクトルは第9図に示す通り
で、3300、2960、2370〜2320、1660、1640、
1530、1450、1400、1300、1100〜1070、940〜
900、540cm-1付近の各波長に吸収帯を有する。 さらに、本発明のM5071物質の性状を明確に特
定するものではないが、参考として挙れば、次の
通りの理化学的性状を示す。 アミノ酸分析 M5071物質を、6N塩酸、110℃で24時間加水分
解した後アミノ酸オートアナライザーにてアミノ
酸分析を行なつた。またトリプトフアンは紫外部
吸収測定法により行なつた。その結果、第1表に
示す通り、各アミノ酸およびそのモル比の結果が
得られた。
【表】
【表】 構成糖 フエノール−硫酸法にて、M5071物質1mg当
り、グルコース換算量にて80γ、マンノース換算
量にて68γであつた。 その他の作用 M5071物質は、ストレプトコツカス・ミユータ
ンスOMZ176の産生する不溶性グルカンを、著し
く弱いが分解する酵素作用が確認される。 (イ) ストレプトコツカス・ミユータンスOMZ176
の産生する不溶性グルカンの精製物の均一な懸
濁液1.0mlに、M5071物質200μg(2000単位)
含有液1.0mlを加えて、37℃でインキユベイト
した。20時間後、550mμでその濁度を測定し
た。また対照として、M5071物質含有液の代り
に水を用いた。その結果、第2表の通りであつ
た。
【表】 その結果、M5071物質含有液の場合には、若
干の濁度の減少が認められた。 (ロ) ストレプトコツカス・ミユータンスOMZ176
の産生する不溶性グルカンの精製物750μgを
均一に懸濁した溶液0.5mlに各々M5071物質50
μg(500単位)、200μg(2000単位)を含有
する液0.5mlを加えて、37℃でインキユベイト
した。2時間後、還元糖をネルソン−ソモギ法
にてグルコール換算値として比色定量した。ま
た対照として、M5071物質の代りに水を用い
た。その結果、表3の通りである。
【表】 その結果、対照に比べて若干多くの還元糖が
検出された。 以上の結果から、M5071物質が著しく弱いがそ
の不溶性グルカンを分解する酵素作用を有すると
判断したものである。 上述の1〜(11)にて示す本発明のM5071物質の理
化学的性状より、M5071物質は酸性糖蛋白質系の
物質と認められ、かつこれらの性状から新規な物
質と認められる。 また本発明において見い出されたM5071物質生
産菌たるM5071菌株はアースリニウム
(Arthrinium)属に属する菌と認められ、アース
リニウム・エス・ピー・M5071と命名した(微成
物受託番号通知書微生物受託番号「微工研菌寄第
5352号 FERM−PNo.5352」) 本菌M5071菌株の菌学的性状は、次の通りであ
る。 (1) 各種培地における生育状態 麦芽エキス寒天培地 生育は非常に良く、26℃、10日間で内径85
mmのペトリ皿全面に達する。空中菌糸は綿毛
状で、培養初期は白色であるが、1週間をす
ぎ生育が進むにつれて、所々次第にライト・
タン〔Light Tan(hue 3gc)〕となるが、集
落全体としては白色の部分が多い。ライト・
アンバー〔Light Amber(hue 3ic)〕の拡散
性色素を培地中に出す。裏面の色は、ダー
ク・ブラウン〔Dark Brown(hue 2pn)〜
メープル〔Maple(hue 4 le)〕。 バレイシヨ・ブドウ糖寒天培地 生育は非常に良く、26℃、10日間で内径85
mmのペトリ皿全面に達する。空中菌糸は綿毛
状で、培養初期は白色であるが、1週間をす
ぎ生育が進むにつれて、次第に全面がキヤメ
ル〔Camel(hue 3ie)〕となる。ライト・ア
ンバー(hue 3ic)の拡散性色素の培地中に
出す。裏面は、ダーク・ブラウン(hue
2pn)。 ツアペツク寒天培地 生育は非常に悪く、26℃、10日間で無色に
近い菌糸が非常に薄く寒天培地上をはうよう
に生育するのみである。裏面は無色。 (2) 顕微鏡的特色 菌糸は直径2.5〜3.0μ、壁は平滑、淡褐色。
分生胞子柄は平滑またはコブ状の小さな隆起を
持つ、淡褐色、所々に隔壁を持つ。分生胞子は
分生胞子柄の側部の短い突起の先端に単生す
る。球形ないし楕円形、2.5〜10×2.6〜6μ、
褐色、壁は平滑、時々たてに裂け目を持つ。 (3) 生理的性質 生育温度:8〜40℃ 最適生育温度:22〜32℃ 生育PH:2.5〜9.5 最適生育PH:4〜8 上記の菌学的性状において、暗褐色の集落を持
ち、球形ないし楕円形でたてに裂け目(Slit)を
有する暗褐色の分生胞子を持つことなどの特色よ
り、本菌M5071菌株はアースリニウム属に属する
と認められる。 なお色の表示はColor Harmony Manual
(Container Corporation of America 1958)の
標示法に従つた。また本菌の認定に当つて、G.
L.Barron、1968、The genera of
Hyphomycetes from soil、およびM.B.Ellis、
1971、Dematiaceous Hyphomycetesを引用し
た。 次いで本発明のM5071物質を得るに当つて、上
記のM5071物質生産菌たるアースリニウム・エ
ス・ピー・M5071菌株はその一例であつて、本菌
に限らずM5071物質生産菌であれば、天然または
人工変異株などであつても使用し得るもので、簡
便には本菌M5071菌株が使用し得る。 また本発明を実施するに当つて例示すれば、上
記のM5071物質生産菌たるアースリニウム・エ
ス・ピー・M5071菌株を、抗生物質や酵素などを
生産する通常の方法で培養する。培養の形態とし
ては、通常液体培養で行なうのが有利である。 培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用
いられているものが広く使用され得る。炭素源と
しては同化可能な炭素化合物であればよく、好ま
しくはシユウクロースが用いられ、またグルコー
ス、ラクトース、マルトース、フラクトース、糖
蜜、デキストリンなどが用いられる。窒素源とし
ては利用可能な窒素化合物であればよく、例えば
ポリペプトン、コーン・スチープ・リカー、肉エ
キス、酵母エキス、大豆粉、カゼイン加水分解物
などが用いられる。その他、リン酸塩、炭酸塩、
硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、
ナトリウム、鉄、亜鉛、マンガンなどの塩類が必
要に応じて使用される。 培養温度は菌が発育し、M5071物質を生産する
範囲内で適宜変更し得るが、通常26〜30℃程度、
好ましくは26℃程度であり、また培養時間は条件
によつて多少異なるが、M5071物質が最高収量に
達する時期を見計つて適当な時期に培養を終了す
ればよく、通常2〜4日程度である。 次いで、このようにして得られた培養物から
M5071物質を採取するのであるが、まず得られた
培養物を過または遠心分離などの手段により、
固形物を除去してその培養液を回収する。得ら
れた培養液よりM5071物質を単離するに当つて
は、M5071物質の溶媒に対する溶解性や塩析手段
に基いて行なうことが好ましく、例えば培養液
に硫酸アンモニウムを加えて塩析せしめ、それに
よつて生じた沈澱物を遠心分離などの手段にて回
収すればよい。さらにこの沈澱物を、安定PH域を
有する緩衝液に溶解後透析膜にて透析し、DEAE
−セルロース、DEAE−セフアデツクス、セフア
デツクスなどの吸着クロマトグラフイーやゲル
過手段を用いて精製し、さらに等電点電気泳動法
どにより活性区分を回収し、単一成分まで精製さ
れたM5071物質の精製物の区分の得、これを凍結
乾燥すればよい。 このようにして得られたM5071物質は、少なく
ともグルコキシトランスフエラーゼによる不溶性
グルカンの合成の阻害作用を有しているもので、
特に虫歯原因菌の一種である口腔内細菌ストレプ
トコツカス・ミユータンスによるシユウクロース
の存在下で、歯表面等への粘着性物質たる不溶性
グルカンの生成を防止してなるもので、そのた
め、不溶性グルカンの粘着性による種々の虫歯原
因菌の歯表面への付着を防止してなるもので、そ
の結果、虫歯を予防してなる有用なものである。
また本発明のM5071物質は、虫歯予防剤として、
通常の歯磨組成物、例えば研磨剤として炭酸カル
シウム、第二リン酸カルシウム、不溶性メタリン
酸ナトリウムなど、増粘剤としてアルギン酸ナト
リウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロ
ース、無水ケイ酸など、湿潤剤としてソルビトー
ル、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコールなど、発泡剤としてラウリル硫
酸ナトリウム、シヨ糖脂肪酸エステル、アシルサ
ルコシンナトリウムなど、その他フツ化化合物、
ε−アミノカプロン酸やトラネキサム酸などの止
血剤、食塩、葉緑素、その他香料や防腐剤、殺菌
剤などの組成を適宜組合せて粉歯磨、練歯磨に添
加してもよく、また口腔内すり込み軟膏やローシ
ヨン、うがい薬、チユーインガム、食品、飲料な
どに添加してもよく、通常1回当りの使用に際し
てM5071物質10単位以上であればよい。 次に本発明の実施例および参考例を挙げて具体
的に説明するが、本発明は何んらこれらによつて
限定されるものではない。 実施例 1 シユウクロース1.5%、デキストリン1.5%、ポ
リペプトン2%、コーン・スチープ・リカー2
%、KH2PO40.2%、MgSO4・7H2O0.1%、
FeSO4・7H2O0.01%、セライト1%からなる培
地100ml(PH6.5)を有する500ml容三角フラスコ
(120℃、20分間減菌処理、各5本)に、アースリ
ニウム・エス・ピー・M5071菌株を接種し、26℃
で5日間振盪培養した。次いでこの種培養物各5
mlを、上記と同一組成からなる培地100mlを有す
る500ml容三角フラスコ(100本)に移植し、26
℃、4日間振盪培養した。培養後、セライトを用
いてこの培養物を過し、少量の水で洗浄して約
10の培養液(蛋白量1720g、比活性0.23)を
得た。得られた培養液に’、硫酸アンモニウム
5.16Kgを加えて撹拌後氷室(4℃)に一晩放置し
た。次いで生じた沈澱物を遠心分離して回収、こ
れを0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)500mlに溶解し
た後、セロフアンチユーブを透析膜として0.01M
リン酸緩衝液に対して透析した。12時間おきに透
析液を替え、120の透析液で72時間透析した。
透析後、さらに、あらかじめ0.01Mリン酸緩衝液
(PH6.3)で平衡化したDEAE−セルロース(生化
学工業社製)のカラム(径5×40cm)にチヤージ
して吸着せしめ、0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)
で洗浄した後、0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)2
〜0.5M NaCl含有0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)
2を用いて濃度勾配法で溶出せしめ、0.15M
NaCl含有0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)の溶出区
分460ml(蛋白量1.27g、比活性83)を得、さら
にメンブランPM−10(アミコン社製)にて濃縮
した。さらにこの濃縮液を、セロフアンチユーブ
を透析膜として0.01Mリン酸緩衝液に対して透析
し、12時間おきに透析液を替え、80の透析液で
48時間透析した。透析した液は、あらかじめ
0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)で平衡化したDEAE
−セフアデツクスA−25(生化学工業社)のカラ
ム(径3×20cm)にチヤージして吸着せしめ、
0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)で洗浄した後、
0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)2〜0.3M NaCl含
有0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)2を用いて濃
度勾配法で溶出して、0.01M NaCl含有0.01Mリ
ン酸緩衝液(PH6.3)にて溶出される活性区分400
ml(蛋白量105mg、比活性510)を得、メンブラン
PM−10にて濃縮して約20mlとなした。さらにこ
の濃縮液を、0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)で平
衡化したセフアデツクスG−100(生化学工業社
製)のカラム(径4.5×60cm)にチヤージした
後、0.01Mリン酸緩衝液(PH6.3)にて溶出(1
フラクシヨン4.8ml)して、比活性の高い溶出フ
ラクシヨン(フラクシヨンNo.88〜104)を回収、
併合し(蛋白量38.5mg、比活性1300)、凍結乾燥
した。次いでこの凍結乾燥物を、あらかじめ水で
平衡化したセフアデツクスG−25コース(生化学
工業社製)で脱塩し、これを凍結乾燥して14.7mg
を得た。さらにこれを、少量の0.01Mリン酸緩衝
液(PH6.3)に溶解した後、グリセリン中で、PH
2.4〜4のキヤリアアンホライト(LKB社製)を
用いてなる等電点電気泳動(700V、24時間)を
行ない、泳動後2mlづつ分画してその活性区分を
回収し、さらに、あらかじめ水で平衡化したセフ
アデツクスG−50フアイン(生化学工業社製)の
カラム(径2.5×50cm)にチヤージし、水で1フ
ラクシヨン4.8mlづつ分画し、そのフラクシヨン
No.21〜25を回収し、これを凍結乾燥して精製され
たM5071物質の白色粉末4.1mgを得た(本品は培
養液のものに比べ比活性で18000倍上昇し、収
率は約11%であり、ポリアクリルアミドゲル電気
泳動にて単一バンドを示すものであつた)。 参考例 1 (M5071物質の不溶性グルカン合成阻害につい
て) (1) ストレプトコツカス・ミユータンスOMZ176
をBHI培地で2日間培養し、除去後、培養液
を硫安沈澱し、この沈澱物を集め、水に溶解
し、透析して、培養液の約50倍に濃縮した、
ストレプトコツカス・ミユータンスによる不溶
性グルカン合成を触媒するグルコキシトランス
フエラーゼ含有液20ml、0.1Mリン酸緩衝液
(PH6.3)200ml、50%シユウクロース液100ml、
M5071物質5000単位含有液20mlを混合し、37℃
で18時間反応した。また対照としてはM5071物
質無添加の水20mlを用いた。反応後、各反応液
を1000rpm.10分間遠心し、沈渣および上清を
得た。沈渣は水で数回洗浄後乾燥、これを不溶
性グルカンとした。また上清は水に対して透析
を行い、透析内液に2倍量のエタノールを加
え、4℃、18時間放置した後15000rpm.5分間
遠心し、沈渣をエタノール:水(2:1)の混
液で数回洗浄した後乾燥し、これを可溶性グル
カンとした。 その結果、各反応液中の各グルカンの量は、
第4表に示す通りであつた。
【表】 虫歯原因菌が歯表面等に粘着するには、この
ストレプトコツカス・ミユータンスが生産する
不溶性グルカンが重要な役割を持つことが、ギ
ボンス等(Gibbons、et al)〔Archs.oral.Biol.
13、1249〜1260(1968)〕によつて報告されて
いる。また上記第4表の結果より、M5071物質
は、ストレプトコツカス・ミユータンスが歯表
面等へ粘着する際に必要な不溶性グルカンの合
成を著しく阻害(95%抑制)したものであるこ
とが明らかである。 (2) 上記の通りにて得られたM5071物質無添加の
場合の不溶性グルカン、可溶性グルカン、およ
びM5071物質添加の場合の可溶性のグルカンに
ついて、そのグルコース結合様式を調べた。即
ち、各試料を、箱守氏〔J.Biochem.55、205、
(1964)〕の方法に従つてメチル化し、加水分解
後、メチル化糖をガスクロマトグラフイーによ
つて分析した。その結果、第5表に示す通りで
あつた。
【表】 その結果、M5071物質添加の場合の可溶性グ
ルカンにおいては、M5071物質無添加の場合に
多くみられる2・4・6−トリメチル化糖が著
明に減少していることから、このM5071物質は
2・4・6−トリメチル化糖が示すα1−3結
合を持つグルカンの合成を阻害するものと推定
される。 参考例 2 (虫歯原因菌ストレプトコツカス・ミユータン
スの歯面の粘着に対する抑制効果) (1) 虫歯原因菌の歯面への粘着について、 5%シユウクロースを含むBHI培地に、人か
ら得られた滅菌歯牙片(5×5mm)を針金(ス
テンレスワイヤー)で吊した試験管2本を用意
した。この一本に、M5071物質を1000単位添加
し、他の一本には添加しない。各試験管に、
BHI培地で37℃、18時間培養したストレプトコ
ツカス・ミユータンスOMZ176の菌液を最終濃
度10%になるように加えた。次いでこれらを、
37℃で6時間培養した後、その歯牙片を取り出
し、水洗した後これらについて走査型電子顕微
鏡で3000倍にて観察した。その結果、M5071物
質無添加の場合の歯牙片の写真は、第5図に示
す通りで、多数のストレプトコツカス・ミユー
タンスOMZ176の菌体が歯牙の表面に粘着して
いるものであつた。これに対し、M5071物質添
加の場合の歯牙片の写真は、第6図に示す通り
で、上記の菌体の粘着はほとんど観察されず、
M5071物質が著しく良好に粘着性を有する不溶
性グルカンの合成の阻害のためにその菌体の粘
着を抑制したものと認められる。 (2) 虫歯原因菌の歯面への集落形成について、 ストレプトコツカス・ミユータンスOMZ176
を、BHI培地で37℃、18時間培養した後菌体を
採取し、これを0.05Mリン酸緩衝液(PH6.8)
にて洗浄後、同一緩衝液に浮遊させ、この液に
シユウクロースを、最終濃度5%となるように
加えて、37℃、1時間培養して、該菌体の周囲
にグルカンを産生せしめ、培養終了後、本反応
のシユウクロースおよび可溶性グルカンを除去
するために遠心洗浄し、十分に洗浄した菌体を
再び0.05Mリン酸緩衝液(PH6.8)に浮遊せし
めた。次いでこの浮遊液中に、人から得られた
滅菌歯牙片を入れて、30分間室温で放置した。
その後これを水で十分に洗浄し、不要の菌体を
洗浄した。さらにこの歯牙片を、シユウクロー
ス10%添加BHI培地に針金で吊した。その際、
これにM5071物質1000単位を添加し、対照とし
ては無添加のものとした。次いでこれを37℃、
6時間培養した後、水で歯牙片を洗浄し、各歯
牙片を走査型電子顕微鏡で3000倍にて観察し
た。 その結果、M5071物質無添加の場合では、第
7図に示す通り、付着したストレプトコツカ
ス・ミユータンスOMZ176の菌体が歯面で増殖
し、グルカンとともに、バクテリアル・プラー
ク(歯垢)を形成したものである。一方、
M5071物質添加の場合では、第8図に示す通
り、上記の如くの歯垢形成は全く起きてない。
歯垢は、歯の増殖にともない、不溶性グルカン
を産生して菌の集落(コロニー)が形成された
ものと考えられるが、M5071物質は、これに必
要な不溶性グルカンの生成を阻害するために、
歯垢形成を効果的に抑制したものと認められ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はM5071物質のポリアクリルアミドゲル
電気泳動のパターンを示し、第2図はM5071物質
の紫外部吸収スペクトルを示し、第3図はM5071
物質のPH安定性を示し、第4図はM5071物質の熱
安定性を示し、第5図はM5071物質無添加の場合
の歯面への虫歯原因菌の粘着を示す電子顕微鏡写
真、第6図はM5071物質添加の場合の歯面への虫
歯原因菌の粘着抑制を示す電子顕微鏡写真、第7
図はM5071物質無添加の場合の歯面への虫歯原因
菌の集落形成を示す電子顕微鏡写真、第8図は
M5071物質添加の場合の歯面への虫歯原因菌の集
落形成抑制を示す電子顕微鏡写真であり、第9図
はM5071物質の赤外部吸収スペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の理化学的性状を有してなる酸性糖蛋白
    質M5071物質 ●分子量: 約34000(クロマトグラフイー) 約45000(ポリアクリルアミドゲル電気泳動
    法) ●等電点: PH3.5付近(等電点電気泳動法) ●紫外部吸収スペクトル: λmax280mμ、λmax(シヨルダー)290mμ ●溶解性: 水に易溶、メタノール、アセトン、クロロホル
    ム、酢酸エチルに不溶 ●呈色反応: ビウレツト反応、キサントプロテイン反応、フ
    オーリン反応は陽性 ●旋光度: 〔α〕25 =−52゜(C=0.1%、PH6.3、0.1Mリ
    ン酸緩衝液) ●色性状: 白色 ●塩基性、酸性、中性の区別 酸性物質 ●作用: 少なくとも、グルコシルトランスフエラーゼに
    よる不溶性グルカンの合成を阻害する ●PH安定性: PH5〜8 ●熱安定性: 40℃まで安定で、60℃でほぼ100%失活する。 ●赤外部吸収スペクトル(KBr法) 3300、2960、2370〜2320、1660、1640、1530、
    1450、1400、1300、1100〜1070、940〜900、540
    cm-1付近の各波長に吸収帯を有する。
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JPH0514443B2 (ja) * 1988-09-09 1993-02-25 Toko Inc
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