JPH072116B2 - ジフルクト−ス、ジアンヒドリド▲iii▼の製造法 - Google Patents
ジフルクト−ス、ジアンヒドリド▲iii▼の製造法Info
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- JPH072116B2 JPH072116B2 JP61119088A JP11908886A JPH072116B2 JP H072116 B2 JPH072116 B2 JP H072116B2 JP 61119088 A JP61119088 A JP 61119088A JP 11908886 A JP11908886 A JP 11908886A JP H072116 B2 JPH072116 B2 JP H072116B2
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- inulin
- dfaiii
- difructose
- iii
- producing
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、イヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽出
液より微生物及び/またはその産生する酵素を利用して
ジフルクトース ジアンヒドリドIII(以下DFAIIIとい
う)を高収率で製造する方法に関するものである。
液より微生物及び/またはその産生する酵素を利用して
ジフルクトース ジアンヒドリドIII(以下DFAIIIとい
う)を高収率で製造する方法に関するものである。
DFAIIIは1931年ジャクソンら(Bur.Stand.J.Res.,6,70
9,1931)によって単離同定された2糖類で、その構造よ
り還元基を持たず、非発酵性の糖であることなどによ
り、着色をおさえた食品への利用、発酵食品への糖甘味
付加等に有用である。
9,1931)によって単離同定された2糖類で、その構造よ
り還元基を持たず、非発酵性の糖であることなどによ
り、着色をおさえた食品への利用、発酵食品への糖甘味
付加等に有用である。
[従来の技術] イヌリンはフラクトースを主構成糖とする多糖である。
ジャクソンらは、イヌリンを酸分解してその加水分解物
よりDFAIIIを単離しているが、収率は約2%と低く、効
率的な製造法とはいえない。田中ら(Biochim.Biopys.A
cta,284,248,1972)は1972年アースロバクター・ウレア
ファシエンスの産生する酵素を用いてDFAIIIを生成させ
ている。
ジャクソンらは、イヌリンを酸分解してその加水分解物
よりDFAIIIを単離しているが、収率は約2%と低く、効
率的な製造法とはいえない。田中ら(Biochim.Biopys.A
cta,284,248,1972)は1972年アースロバクター・ウレア
ファシエンスの産生する酵素を用いてDFAIIIを生成させ
ている。
[発明が解決しようとする問題点] 近年、食文化の変遷により甘味料も多様化の傾向にあ
り、特にDFAIII等のこれまでの甘味料とは性質の異なっ
たものが要求されるようになってきた。しかし、DFAIII
の従来の製造法を工業化することは困難であった。そこ
で、DFAIIIの生産には独自の高活性DFAIIIの合成酵素生
産菌が必要となった。
り、特にDFAIII等のこれまでの甘味料とは性質の異なっ
たものが要求されるようになってきた。しかし、DFAIII
の従来の製造法を工業化することは困難であった。そこ
で、DFAIIIの生産には独自の高活性DFAIIIの合成酵素生
産菌が必要となった。
[問題点を解決するための手段] そこで本発明者等は微生物の検索を行った結果、ある種
の微生物がイヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽出
液より高活性でDFAIIIを合成する酵素を産生することを
見い出した。
の微生物がイヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽出
液より高活性でDFAIIIを合成する酵素を産生することを
見い出した。
本発明は、この知見により完成したものである。本発明
は、イヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽出液にア
ースロバクター・グロビフォルミスC11−1株(FERM P-
8748)及び/または該微生物の産生する酵素を作用させ
ることを特徴とするジフルクトース ジアンヒドリドII
Iの製造法である。
は、イヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽出液にア
ースロバクター・グロビフォルミスC11−1株(FERM P-
8748)及び/または該微生物の産生する酵素を作用させ
ることを特徴とするジフルクトース ジアンヒドリドII
Iの製造法である。
本菌の産生する酵素をイヌリン及び/またはイヌリン含
有植物抽出液に作用させることにより、DFAIIIを効率的
に得ることができる。
有植物抽出液に作用させることにより、DFAIIIを効率的
に得ることができる。
以下、本菌株の菌学的諸性質を述べる。
1.細胞形態 形態:0.5〜1.0×1.5〜4.0の桿菌 胞子:形成しない 鞭毛:なし 2.培養所見 寒天集落:円形、丘状、光沢あり、不透明、白色 寒天斜面:中程度の生育、光沢あり、白色 肉汁ゼラチン:液化する 3.生理的諸性質 好気性 生育温度:30℃で良好な生育を示す 37℃で生育しない 硝酸塩の還元性:あり メチルレッド反応:陰性 硫化水素の生成:あり(システイン添加倍地酢酸鉛試験 紙) クエン酸の利用:あり(クリステンセン倍地) カタラーゼの生成:あり 澱粉分解性:あり カゼインの分解:あり 糖より酸の生成:グルコース、シュクロース、ラクトー ス、マンニットのいずれの糖からも酸 及びガスを生成しない G−C含量:62.0% 上記の諸性質から、バージェイズ マニュアル オブ
デタミネイティブ バクテリオロジー第8版により検索
した結果、本菌株はアースロバクター属に属する。さら
に種については栄養要求性がなく澱粉を分解すること、
及びG−C含量などによりアースロバクター・グロビフ
ォルミスと同定される。アースロバクター・グロビフォ
ルミスと本菌株の菌学的諸性質を比較すればきわめてよ
く合致することから、本菌はアースロバクター・グロビ
フォルミスと確定され、アースロバクター・グロビフォ
ルミス C11−1と命名された。さらに同書第7版によ
れば、ノンクロモゲニックで澱粉を分解することなどか
ら、これまでにDFAIII合成酵素産生菌として知られてい
るアースロバクター・ウレアファシエンスとは異なった
種であるといえる。
デタミネイティブ バクテリオロジー第8版により検索
した結果、本菌株はアースロバクター属に属する。さら
に種については栄養要求性がなく澱粉を分解すること、
及びG−C含量などによりアースロバクター・グロビフ
ォルミスと同定される。アースロバクター・グロビフォ
ルミスと本菌株の菌学的諸性質を比較すればきわめてよ
く合致することから、本菌はアースロバクター・グロビ
フォルミスと確定され、アースロバクター・グロビフォ
ルミス C11−1と命名された。さらに同書第7版によ
れば、ノンクロモゲニックで澱粉を分解することなどか
ら、これまでにDFAIII合成酵素産生菌として知られてい
るアースロバクター・ウレアファシエンスとは異なった
種であるといえる。
本菌株は、工業技術院微生物工業技術研究所にFERM P-8
748として寄託されている。
748として寄託されている。
本菌株をイヌリン及び/またはイヌリン含有植物の抽出
液を唯一の炭素源とした倍地に培養すれば、高活性のDF
AIIIの合成酵素が得られる。培養温度範囲は20〜37℃で
あり、培養時間は12〜60時間が適当である。培養終了
後、培養液をそのままあるいは遠心分離等により固液分
離して得た菌体を用いてもよいが、除菌処理して得られ
た培養上澄を、イヌリン及び/またはイヌリン含有植物
抽出液に加えて反応させると、DFAIIIが合成される。な
お、イヌリン含有植物としてはダリア、ゴボウ等があ
り、この他微生物起源のフラクトースポリマー(フラク
トースの二糖類以上)も原料としての利用が考えられ
る。反応液を加熱または酸処理して酵素を失活させ、
過、脱色、脱塩等の方法を用いて精製すれば、オリゴ糖
やフラクトースを含んだDFAIIIの製品が得られる。さら
に高純度のDFAIIIを得るには、精製した糖液を活性炭カ
ラムクロマトグラフィ、市販の充填剤を用いたゲル過
カラムクロルトグラフィ、種々の膜を用いた膜分離濃縮
などを行えばよい。または、反応液に酵母を加えてDFAI
II以外の糖を発酵させ、その後精製する方法もDFAIIIの
純度を高めるに有効な手段である。ゲル過や膜分離で
分画されたフラクトオリゴ糖等は、副産物として既存の
利用を行うこともできる。
液を唯一の炭素源とした倍地に培養すれば、高活性のDF
AIIIの合成酵素が得られる。培養温度範囲は20〜37℃で
あり、培養時間は12〜60時間が適当である。培養終了
後、培養液をそのままあるいは遠心分離等により固液分
離して得た菌体を用いてもよいが、除菌処理して得られ
た培養上澄を、イヌリン及び/またはイヌリン含有植物
抽出液に加えて反応させると、DFAIIIが合成される。な
お、イヌリン含有植物としてはダリア、ゴボウ等があ
り、この他微生物起源のフラクトースポリマー(フラク
トースの二糖類以上)も原料としての利用が考えられ
る。反応液を加熱または酸処理して酵素を失活させ、
過、脱色、脱塩等の方法を用いて精製すれば、オリゴ糖
やフラクトースを含んだDFAIIIの製品が得られる。さら
に高純度のDFAIIIを得るには、精製した糖液を活性炭カ
ラムクロマトグラフィ、市販の充填剤を用いたゲル過
カラムクロルトグラフィ、種々の膜を用いた膜分離濃縮
などを行えばよい。または、反応液に酵母を加えてDFAI
II以外の糖を発酵させ、その後精製する方法もDFAIIIの
純度を高めるに有効な手段である。ゲル過や膜分離で
分画されたフラクトオリゴ糖等は、副産物として既存の
利用を行うこともできる。
精製されたDFAIIIの旋光度は「α」=+135.1°、薄層
クロルトグラフィによると、イヌリンの酸分解により得
られた標準のDFAIIIとRf値は一致した。
クロルトグラフィによると、イヌリンの酸分解により得
られた標準のDFAIIIとRf値は一致した。
[実施例] 次に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、
これらに限定されるものではない。
これらに限定されるものではない。
実施例1 市販イヌリン0.3%、酵母エキス0.05%、リン酸2ナト
リウム0.4%、リン酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウ
ム0.05%、硫酸第一鉄0.001%、塩化カルシウム0.003%
を含んだ倍地100mlを、pH7に調整して120℃で15分間蒸
気滅菌する。この滅菌した倍地にアースロバクター・グ
ロビフォルミス C11−1(FERM P-8748)を一白金耳接
種し、30℃で24時間培養を行う。培養終了後、遠心分離
機で除菌して得た培養上澄をpH5に調整する。地鵜製培
養上澄液5mlに10%イヌリン溶液5mlを加えて、30℃にお
いて一夜反応させる。反応液を加熱して酵素を失活後、
反応液中のDFAIIIの生成率を高速液体クロマトグラフィ
を用いて求めると、DFAIII80.2%、フラクトース15.4
%、オリゴ糖4.4%であった。
リウム0.4%、リン酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウ
ム0.05%、硫酸第一鉄0.001%、塩化カルシウム0.003%
を含んだ倍地100mlを、pH7に調整して120℃で15分間蒸
気滅菌する。この滅菌した倍地にアースロバクター・グ
ロビフォルミス C11−1(FERM P-8748)を一白金耳接
種し、30℃で24時間培養を行う。培養終了後、遠心分離
機で除菌して得た培養上澄をpH5に調整する。地鵜製培
養上澄液5mlに10%イヌリン溶液5mlを加えて、30℃にお
いて一夜反応させる。反応液を加熱して酵素を失活後、
反応液中のDFAIIIの生成率を高速液体クロマトグラフィ
を用いて求めると、DFAIII80.2%、フラクトース15.4
%、オリゴ糖4.4%であった。
実施例2 実施例1で得られた調整培養上澄液5mlを、65℃で20分
間加温してイヌリナーゼを失活させた後、10%イヌリン
溶液5mlを加えて30℃において一夜反応させる。反応液
を加熱して酵素を失活後、反応液中のDFAIIIの生成率を
高速液体クロマトグラフィを用いて求めると、DFAIII8
5.5%、オリゴ糖14.5%であった。
間加温してイヌリナーゼを失活させた後、10%イヌリン
溶液5mlを加えて30℃において一夜反応させる。反応液
を加熱して酵素を失活後、反応液中のDFAIIIの生成率を
高速液体クロマトグラフィを用いて求めると、DFAIII8
5.5%、オリゴ糖14.5%であった。
[発明の効果] 本発明によれば、DFAIIIを高収率で製造することがで
き、DFAIIIはダイエット甘味料として広い分野での利用
が期待される。
き、DFAIIIはダイエット甘味料として広い分野での利用
が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 積 浩二 鹿児島県鹿児島市和田町924番地6 (72)発明者 永田 一志 鹿児島県鹿児島市荒田1丁目47番8号 (72)発明者 本坊 慶吉 鹿児島県鹿児島市薬師1丁目7番33号 (72)発明者 門間 充 茨城県新治郡桜村吾妻2丁目1506番地 809−307 (72)発明者 貝沼 圭二 茨城県新治郡桜村並木3−619
Claims (1)
- 【請求項1】イヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽
出液にアースロバクター・グロビフォルミスC11−1株
(FERM P-8748)及び/または該微生物の産生する酵素
を作用させることを特徴とするジフルクトース ジアン
ヒドリドIIIの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61119088A JPH072116B2 (ja) | 1986-05-26 | 1986-05-26 | ジフルクト−ス、ジアンヒドリド▲iii▼の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61119088A JPH072116B2 (ja) | 1986-05-26 | 1986-05-26 | ジフルクト−ス、ジアンヒドリド▲iii▼の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62275694A JPS62275694A (ja) | 1987-11-30 |
JPH072116B2 true JPH072116B2 (ja) | 1995-01-18 |
Family
ID=14752594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61119088A Expired - Fee Related JPH072116B2 (ja) | 1986-05-26 | 1986-05-26 | ジフルクト−ス、ジアンヒドリド▲iii▼の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH072116B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01225492A (ja) * | 1988-03-07 | 1989-09-08 | Mitsubishi Kasei Corp | ジフルクトース・ジアンヒドリド3の製造法 |
JPH066064B2 (ja) * | 1988-05-13 | 1994-01-26 | 農林水産省食品総合研究所長 | ジフルクトース・ジアンヒドリドの製造方法 |
JP4617077B2 (ja) * | 2003-10-30 | 2011-01-19 | 日本甜菜製糖株式会社 | ジフルクトース・ジアンヒドリドiiiの精製方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5626400A (en) * | 1979-08-09 | 1981-03-13 | Mitsuo Watanabe | Device for discharging movable charger |
-
1986
- 1986-05-26 JP JP61119088A patent/JPH072116B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5626400A (en) * | 1979-08-09 | 1981-03-13 | Mitsuo Watanabe | Device for discharging movable charger |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62275694A (ja) | 1987-11-30 |
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Legal Events
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