JP2620795B2 - コロミン酸の製造法 - Google Patents

コロミン酸の製造法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、コロミン酸の製造法に関する。
従来の技術とその問題点 コロミン酸は1957年バリー等(Nature,179,206,195
7)によりエシエリヒア・コリK235株(Escherichia col
i K235)の培養液から発見された物質で、N−アセチル
ノイラミン酸を構成単位とした分子量10000程度の高分
子ホモポリマーであるが、このものは緩徐な加水分解に
より容易にその構成単位なるモノマーに転換することが
できる。
元来N−アセチルノイラミン酸は動物界には広く分布
する生体構成成分であり、特に生体液例えば血液、乳
汁、粘質液等、或は生体膜を構成するリポ多糖中に多く
含まれて生理的に機能する重要な化合物である。従来こ
の化合物の主な給源として牛の初乳が用いられている
が、このものは季節や供給量に制約を受け年間を通じて
の給源としては不都合な点が多い。然るにもしこの化合
物の有利な給源を微生物界に求めることができるなら
ば、上記の欠点も起らず任意の規模で工業生産し得るこ
とが期待される。而して上記バリー等の研究によって、
N−アセチルノイラミン酸のホモポリマーであり該酸の
好ましい給源でもあるコロミン酸が或る種の微生物によ
り生成蓄積される路が拓かれた訳であるが、該文献その
他従来の公知事実では収率等が不充分で経済的にも未だ
初乳に替えて実用化できる域に達していなかった。
問題点を解決するための手段 本発明者は上記従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を
重ねた結果、エシエリヒア属に属するコロミン酸生産菌
を、特定量のリン化合物、糖アルコール類等を含む培地
で培養した時にコロミン酸が大量に生産されることを見
出し、先に特許出願した(特公昭47−26319号)。本発
明者は更に優れたコロミン酸の製造法を開発すべく研究
を続けた結果、上記菌株を変異処理したところ、N−ア
シルノイラミン酸アルドラーゼ活性を有さない変異株が
得られ、該変異株が従来に比べ著しく大量にコロミン酸
を生産し得るという新しい事実を発見し、本発明を完成
した。
即ち本発明は、エシエリヒア属に属するコロミン酸生
産菌であって、N−アシルノイライン酸アルドラーゼ活
性を有さない変異株を培養し、培養物からコロミン酸を
採取することを特徴とするコロミン酸の製造法に係る。
本発明において、N−アシルノイラミン酸アルドラー
ゼ活性とは、N−アシルノイラミン酸N−アシルマン
ノサミン+ピルビン酸という可逆反応を触媒する酵素活
性である。
本発明によれば、製造の困難なコロミン酸を、従来法
に比べて極めて大量(通常4〜5倍程度)に生産でき
る。
本発明方法においては、エシエリヒア属に属するコロ
ミン酸生産菌の変異株を用いることを必須とする。該変
異株は、エシエリヒア属に属し且つコロミン酸生産能を
有する公知の各種エシエリヒア・コリ(E.coli)を起源
として、之等に、一般に用いられている公知の各種変異
処理手段を適用することにより得られる。該変異処理手
段としては、例えばニトロソグアニジン、マイトマイシ
ンC、4−ニトロキノリン−1−オキシド、メチルメタ
ンスルホン酸、メチルエタンスルホン酸、エチルエタン
スルホン酸、2−アミノプリン、5−ブロモウラシル、
亜硝酸、ヒドロキシルアミン、アクリフラビン、プロフ
ラビン、アクリジンマスタード等の化学的突然変異誘起
剤処理、X線等の放射線照射、紫外線照射等を単独で又
は適宜組み合せて用いることができる。
本発明に特に好適に用いられる上記変異株の一例とし
ては、公知菌株であるエシエリヒア・コリ 016:KI:HNM
を親株として得られたエシエリヒア・コリ M12を例示
できる。該M12株は、以下の変異処理手段により得られ
る。即ちエシエリヒア・コリ 016:KI:HNMを肉エキス及
び酵母エキスを含む培地(殺菌前のpH7.0、以下A培地
と呼ぶ)に一白耳植菌し、30℃で振盪培養する。中期対
数期で集菌し、生理食塩水で洗浄後5×108細胞/mlにな
るように生理食塩水に懸濁させる。この懸濁液に最終濃
度100μg/mlになるようにニトロソグアニジンを添加
し、37℃で軽く振盪処理を施したのち、遠心分離して菌
体を集め、これを生理食塩水で洗浄後、生理食塩水に懸
濁させ、その一部をとってA培地に植菌する。30℃で振
盪培養した後、遠心分離して集菌し、生理食塩水で洗浄
した菌体をシアル酸、リン酸二カリウム、リン酸一カリ
ウム、硫酸アンモニウム及び硫酸マグネシウムを含む培
地(殺菌前のpH6.8、以下B培地と呼ぶ)に植菌し、37
℃で3時間振盪培養後この懸濁液に最終濃度100U/mlに
なるようにペニシリンGを加え、更に37℃で振盪培養を
行ない、遠心分離により菌体を集め、生理食塩水で菌体
を洗浄した後、段階希釈してブドウ糖、リン酸二カリウ
ム、リン酸一カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネ
シウム及び寒天(殺菌前のpH6.8、以下C培地と呼ぶ)
からなる固体培地に塗りつけ、これを37℃で培養し、生
じたコロニーをB培地に寒天を添加した固体培地(以下
BA培地と呼ぶ)及びC培地にレプリカ法で塗りつける。
37℃で培養後、C培地で生育し、BA培地で生育しない菌
をN−アシルノイラミン酸アルドラーゼ活性を有さない
変異株として得ることができる。
N−アシルノイラミン酸アルドラーゼ活性は、バーネ
ットらの方法〔J.E.G.Barnett,D.L.Corina,and G.Rosoo
l,Biochemical Journal,125,275(1971)〕に従い測定
したものであり、酵素活性の1単位は、反応温度37℃に
おいて1分間に1マイクロモルのN−アセチルマンノサ
ミンを生成する酵素量をいう。
かくして得られるM12株は、親株と対比して、N−ア
シルノイラミン酸アルドラーゼ活性を有しているか否か
の点(M12株は0.00単位/ml、親株は0.02単位/ml)にお
いて相違が認められる以外、その菌学的性質においては
親株と同一の諸特徴を有している。従ってこれはエシエ
リヒア属に属する変異株と同定される。本菌株は通商産
業省工業技術院微生物工業技術研究所に大腸菌(Escher
ichia coli)M12なる表示で、受託番号微工研菌寄第970
3号(FERM P−9703)として寄託されている。
本発明者らの研究によれば、上記親株に限らず、本発
明者らが先に確立した方法に利用するエシエリヒア属微
生物、即ちエシエリヒア属に属し、コロミン酸生産能を
有する微生物は、いずれも上記ニトロソグアニジンを用
いた処理により、N−アシルノイラミン酸アルドラーゼ
活性を有さず且つコロミン酸を著量に生産し得る所望の
変異株に誘導できることが見い出された。また上記各種
の微生物は、ニトロソグアニジンを用いる処理以外の、
前記した各種の変異処理手段によっても、同様の変異株
に誘導できる。
いずれにせよ、従来かかる顕著に向上されたコロミン
酸生産能を有するエシエリヒア属微生物は全く知られて
いない。
本発明方法は、上記エシエリヒア属に属する変異株
を、培養することにより実施される。上記微生物を培養
するための培地としては炭素源、窒素源、無機化合物そ
の他の栄養素を含むものなら細菌の培養に一般に使用さ
れている合成培地、半合成培地或いは天然培地のいずれ
をも使用することができる。上記各培地に利用される炭
素源としては、例えばブドウ糖、果糖、転化糖、澱粉糖
化液、ソルビトール、マンニトール、グリセロール等の
糖質類、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸類
等が、窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、水酸
化アンモニウム、酒石酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、尿素等が、炭素源にも窒素源にもなるものとして
は、ペプトン、肉エキス、コーンステイープリカー等
が、無機化合物としては、リン酸一カリ、リン酸二カ
リ、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、硫酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリ、塩化ナトリ
ウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二
鉄、硫酸マンガン、塩化マンガン等が、その他の栄養源
としては酵母エキス、ビタミン類等が夫々例示される。
特に好ましい培地としては、炭素源として例えば、ソル
ビトール、マンニトール、グリセロール等の糖アルコー
ル類を含むもの、炭素源として糖アルコール類を含み且
つ無機化合物としてリン化合物を含むもの等を例示でき
る。
培養は、液体培地又は固体培地のいずれでも行ない得
るが通常液体培地の方が有利であって、特に振盪培養又
は通気攪拌培養を行なうのが量産上有利である。培養温
度は20℃乃至45℃程度、好ましくは28℃乃至37℃程度と
するのが好適である。培養中は適当な中和剤を用いてpH
を6乃至9程度に調整するのが好ましい。上記培養を通
常10時間乃至72時間程度行なえば、コロミン酸の生産量
は最高に達する。培養液からコロミン酸を採取して精製
するに当っては、上記培養液から過、遠心分離等の公
知方法で菌体を除去し、得られた培養上清を硫安塩析
法、イオン交換クロマトグラフィー法、ゲル過法等の
常法により処理してコロミン酸を得ることができる。
発明の効果 本発明によれば、コロミン酸を従来法に比べて極めて
大量(通常4〜5倍程度)に生産できる。
実施例 以下の実施例及び比較例を挙げ、本発明をより一層明
瞭なものとする。
実施例1 ソルビトール2%、硫酸アンモニウム0.5%、リン酸
二カリウム1.4%、硫酸マグネシウム0.1%及び酵母エキ
ス0.05%から成る培地(pH7.5)100mlを500ml容三角フ
ラスコに分注し、120℃で15分間殺菌した。これにエシ
エリヒア・コリ M12を接種し、37℃で48時間培養した
ところ、菌体除去液中に9.7mg/mlのコロミン酸が蓄積
された。
上記培養液1000mlを限外過膜(分画分子量1000)
で約1/20に脱塩濃縮し、ギ酸型ダウエックスI(×
4)、200〜400メッシュの樹脂に吸着させ、水洗後ギ酸
ナトリウム水溶液で溶出した。
この溶出液を流水中で一夜透析後、50mlに濃縮し、pH
4に調整した後、75%エタノールから沈澱させて白色粉
末を得た。これを50%エタノールから再結晶化して純度
100%の結晶コロミン酸約6500mgを得た。
比較例1 エシエリヒア・コリ M12に代えてエシエリヒア・コ
リ 016:KI:HNMを使用する以外は、実施例1と同様にし
てコロミン酸を製造したところ、得られたコロミン酸は
約1250mgであった。
比較例2 フラクトース2%、硫酸アンモニウム0.3%、リン酸
第2カリウム1,2%、硫酸マグネシウム0.05%、酵母エ
キス0.05%を含む培地(pH7.5)で実施例1と同条件で4
8時間培養したところ、8.8mg/mlのコロミン酸が蓄積さ
れた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エシエリヒア属に属するコロミン酸生産菌
    であって、N−アシルノイラミン酸アルドラーゼ活性を
    有さない変異株を培養し、培養物からコロミン酸を採取
    することを特徴とするコロミン酸の製造法。
  2. 【請求項2】上記変異株がエシエリヒア・コリ M12で
    ある特許請求の範囲第1項に記載の製造法。
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