JPH0870882A - 高純度シアル酸の製造方法 - Google Patents

高純度シアル酸の製造方法

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JPH0870882A
JPH0870882A JP20847094A JP20847094A JPH0870882A JP H0870882 A JPH0870882 A JP H0870882A JP 20847094 A JP20847094 A JP 20847094A JP 20847094 A JP20847094 A JP 20847094A JP H0870882 A JPH0870882 A JP H0870882A
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JP
Japan
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acid
sialic acid
colominic
purity
purified
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Pending
Application number
JP20847094A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Kawase
三雄 川瀬
Nobuhiro Aoki
伸浩 青木
Yuji Kawase
優治 川瀬
Junko Asai
純子 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 純度が98%以上の高純度シアル酸を比較的安
価に製造することができる高純度シアル酸の製造方法を
提供する。 【構成】 菌体を利用して得られたコロミン酸の発酵生
産液から菌体を除去した後、陰イオン交換樹脂にて分離
精製し、さらに限外濾過膜にて濃縮して精製コロミン酸
濃縮液を調製し、これを加水分解することにより高純度
シアル酸とする。なお、加水分解の条件は酸濃度が0.01
N〜1.0 N、温度が60〜100 ℃とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、純度が98%以上の高純
度シアル酸を比較的安価に製造することができる高純度
シアル酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シアル酸は動物の体内に広く分布して生
理的に機能する重要な物質であり、医薬品などの原料と
して注目されている。従来、シアル酸の製造には海燕の
巣や、牛乳、鶏卵のような高価な天然原料が使用されて
きた。例えば特開昭64-40491号公報には、牛乳、バター
ミルク等の乳質物質を加水分解してシアル酸を遊離さ
せ、得られたシアル酸加水分解液を電気透析によって脱
塩処理した後、再び脱塩処理を行って純度が97〜98%の
高純度シアル酸を得る方法が開示されている。また特開
平2-69492 号公報には、鶏卵からシアル酸を製造する方
法が開示されている。
【0003】ところが、これらの高価な天然原料を使用
する方法は当然に製造コストがきわめて高くなるという
問題がある。また原料重量に対するシアル酸の収率は鶏
卵の場合で0.1 %、海燕の巣でも10%と低いため、分離
精製コストもきわめて高くなるという問題がある。特に
前記した特開昭64-40491号公報の方法は高純度シアル酸
を得るためにきわめて煩雑な精製工程を必要としてお
り、実用的ではない。
【0004】このような問題を解決するために、本発明
者等は菌体を利用してシアル酸のホモポリマーであるコ
ロミン酸を発酵生産させ、この発酵生産液を加水分解し
てシアル酸を製造する方法を開発し、既に特願平6-5385
9 号として特許出願済みである。この方法は原料が安価
であるという大きい利点を有する。しかしその半面、原
料となるコロミン酸に共存するタンパク、脂質等の不純
物が影響して、純度の高いシアル酸を得ることができな
いという別の問題があることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、安価な原料を利用して純度が98%以
上のシアル酸を経済的に製造することができる高純度シ
アル酸の製造方法を提供するためになされたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、コロミン酸の発酵生産液から菌
体を除去した後、陰イオン交換樹脂にて分離精製し、さ
らに限外濾過膜にて濃縮して精製コロミン酸濃縮液を調
製し、これを加水分解することを特徴とするものであ
る。なお、コロミン酸含有液に0.01N〜1.0Nとなるよ
うに酸を添加し、60〜100 ℃で加水分解を行うことが好
ましい。また、加水分解液をBa(OH)2で中和処理し、活
性炭で色度を除去した後、イオン交換樹脂にて吸着精製
することが好ましい。
【0007】上記のように、本発明においてはまず菌体
を利用してコロミン酸を含有する発酵生産液を製造す
る。菌体としては大腸菌(E.colli)を使用することがで
きる。この発酵生産液を例えば遠心分離器にかけて菌体
を除去したうえ、発酵生産液を陰イオン交換樹脂のカラ
ムに通液して陰イオンであるコロミン酸を吸着させ、次
いで塩化ナトリウム水溶液等によってコロミン酸をカラ
ムから溶出させる。このようにコロミン酸が陰イオンの
状態にあることを利用して、効率のよい精製が可能であ
る。
【0008】しかしこの溶出液中にはなお低分子の不純
物が混在しているため、これを限外濾過膜に通液して濃
縮し、精製コロミン酸濃縮液とする。この精製コロミン
酸濃縮液を加水分解すればシアル酸が得られるが、0.01
N〜1.0 Nとなるように酸を添加し、60〜100 ℃で加水
分解を行うことが好ましい。これは酸の添加量がこれよ
りも少ないとシアル酸モノマーへの加水分解が十分に行
われず、逆に酸の添加量がこれよりも多くなるとシアル
酸の過分解物が発生するので好ましくないためである。
また温度が60℃未満であると分解反応が進行しにくいた
めにシアル酸モノマーの収率が低くなり、100 ℃を越え
ても過分解によりシアル酸モノマーの収率が低くなる。
なお、酸として硫酸を使用し、Ba(OH)2で中和処理を行
えば、硫酸バリウムの沈殿として酸を容易に除去するこ
とができる。
【0009】
【作用】本発明の高純度シアル酸の製造方法によれば、
コロミン酸の発酵生産液に対して陰イオン交換樹脂によ
る分離精製と限外濾過を行ってコロミン酸の精製を行
い、この精製コロミン酸濃縮液を加水分解するという比
較的簡単な方法により、純度が98%以上のシアル酸を得
ることができる。このように原料が安価であることと精
製工程が簡単であることから、きわめて経済的に高純度
シアル酸を得ることができる利点がある。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。大腸菌により
生産された600mg のコロミン酸を含有する粗コロミン酸
含有液を、陰イオン交換カラム(陰イオン交換樹脂:DE
AE-Cellulofine A-500) に通液することによりコロミン
酸を吸着させ、水洗後に塩化ナトリウム水溶液で溶出し
た。この溶出液を限外濾過膜(分画分子量3万)で濃縮
した後、透析を行い、精製コロミン酸濃縮液を得た。
【0011】上記の粗コロミン酸含有液と精製コロミン
酸濃縮液とに対して、所定の酸濃度(0.005 〜1.5 N)
となるように硫酸と水とを添加し、所定温度(50〜110
℃) で加熱して加水分解を行った。その後、Ba(OH)2
中和処理し、活性炭により色度を除去した後、陰イオン
交換樹脂にて吸着精製した。
【0012】粗コロミン酸含有液と精製コロミン酸濃縮
液を用いて生産したシアル酸の収率と純度を表1に示
す。なお、コロミン酸からのシアル酸モノマーの収率
は、初期コロミン酸重量に対する蛍光標識−HPLC法によ
り測定したシアル酸重量の百分率で示した。また、シア
ル酸の純度はHPLC法においてピーク高さを用いた内部標
準法による定量値と純度既知の標準品の定量値を用いて
算出した。
【0013】
【表1】
【0014】表1に示されたように、酸分解の原料とし
て粗コロミン酸含有液を用いた場合より、精製コロミン
酸濃縮液を用いた場合の方が生産されたシアル酸の純度
の点で格段に優れていることが分かる。また加水分解の
条件が、酸濃度が0.01N〜1.0 Nであり、温度が60〜10
0 ℃である場合に最も優れた収率と純度が達成できるこ
とが分かる。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の高純度
シアル酸の製造方法によれば、従来のような高価な原料
を用い、煩雑な精製手段を用いることなく、純度が98%
以上の高純度シアル酸を安価に製造することができる利
点がある。
フロントページの続き (72)発明者 浅井 純子 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロミン酸の発酵生産液から菌体を除去
    した後、陰イオン交換樹脂にて分離精製し、さらに限外
    濾過膜にて濃縮して精製コロミン酸濃縮液を調製し、こ
    れを加水分解することを特徴とする高純度シアル酸の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 コロミン酸含有液に0.01N〜1.0 Nとな
    るように酸を添加し、60〜100 ℃で加水分解を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の高純度シアル酸の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 加水分解液をBa(OH)2で中和処理し、活
    性炭で色度を除去した後、イオン交換樹脂にて吸着精製
    することを特徴とする請求項1または2に記載の高純度
    シアル酸の製造方法。
JP20847094A 1994-09-01 1994-09-01 高純度シアル酸の製造方法 Pending JPH0870882A (ja)

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