JPH0632628B2 - ジフルクト−スジアンヒドリド▲i▼の製造法 - Google Patents

ジフルクト−スジアンヒドリド▲i▼の製造法

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JPH0632628B2
JPH0632628B2 JP11908786A JP11908786A JPH0632628B2 JP H0632628 B2 JPH0632628 B2 JP H0632628B2 JP 11908786 A JP11908786 A JP 11908786A JP 11908786 A JP11908786 A JP 11908786A JP H0632628 B2 JPH0632628 B2 JP H0632628B2
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一志 永田
慶吉 本坊
充 門間
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NORINSUISANSHO SHOKUHIN SOGO KENKYUSHOCHO
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、イヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽出
液より微生物及び/またはその産生する酵素を利用して
ジフルクトース ジアンヒドリドI(以下DFAIとい
う)を高収率で製造する方法に関するものである。
DFAIは1929年ジャクソンら(Bur.Stand.J.Res.,3,2
7,1929)によって単離同定された2糖類で、その構造よ
り還元基を持たず、非発酵性の糖であることなどによ
り、着色をおさえた食品への利用、発酵食品への糖甘味
付加等に有用である。
[従来の技術] イヌリンはフラクトースを主構成糖とする多糖である。
ジャクソンらは、イヌリンを酸分解してその加水分解物
よりDFAIを単離しているが、収率は2%以下と低
く、効率的な製造法とはいえない。田中ら(Carbohydr.R
es.,75,340,1979)は1979年かびの産生する酵素を用いて
DFAIを生成させている。
[発明が解決しようとする問題点] 近年、食文化の変遷により甘味料も多様化の傾向にあ
り、特にDFAI等のこれまでの甘味料とは性質の異な
ったものが要求されるようになってきた。しかし、DF
AIの従来の製造法を工業化することは困難であった。
そこで、DFAIの生産には独自の高活性DFAI合成
酵素生産菌が必要となった。
[問題点を解決するための手段] そこで本発明者等は微生物の検索を行った結果、ある種
の微生物がイヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽出
液より高活性でDFAIを合成する酵素を産生すること
を見い出した。
本菌の産生する酵素をイヌリン及び/またはイヌリン含
有植物抽出液に作用させることにより、DFAIを効率
的に得ることができる。
以下、本菌株の菌学的諸性質を述べる。
1.細胞形態 形態:0.5〜1.0×1.5〜4.0の桿菌 胞子:形成しない 鞭毛:なし グラム染色:陽性 2.培養所見 寒天集落:円形、丘状、光沢あり、不透明、白色 寒天斜面:中程度の生育、光沢あり、白色 肉汁ゼラチン:液化する 3.生理的諸性質 好気性 生育温度:30℃で良好な成育を示す 37℃で成育しない 硝酸塩の還元性:あり メチルレッド反応:陰性 硫化水素の生成:あり(システイン添加培地酢酸鉛試験
紙) クエン酸の利用:あり(クリステンセン培地) カタラーゼの生成:あり 澱粉分解性:あり カゼインの分解:あり 糖より酸の生成:グルコース、シュクロース、ラクトー
ス、マンニットのいずれの糖からも酸及びガスを生成し
ない G−C含量:63.9% 上記の諸性質から、バージェイズ マニュアル オブ
デタミネイティブ バクテリオロジー第8版により検索
した結果、本菌株はアースロバクター属に属する。さら
に種については栄養要求性がなく澱粉を分解すること、
及びG−C含量などによりアースロバクター・グロビフ
ォルミスと同定される。アースロバクター・グロビフォ
ルミスと本菌株の菌学的諸性質を比較すればきわめてよ
く合致することから、本菌はアースロバクター・グロビ
フォルミスと確定され、アースロバクター・グロビフォ
ルミス H2−1と命名された。公知のアースロバクタ
ー・グロビフォルミスも、該酵素産生菌である可能性が
ある。
本菌株は、工業技術院微生物工業技術研究所にFERM P-8
749として委託されている。
本菌株をイヌリン及び/またはイヌリン含有植物の抽出
液を唯一の炭素源とした培地に培養すれば、高活性のD
FAI合成酵素が得られる。培養温度範囲は20〜37℃で
あり、培養時間は12〜60時間が適当である。培養終了
後、培養液をそのまま、あるいは遠心分離等により固液
分離して得た菌体を用いてもよいが、除菌処理して得ら
れた培養上澄を、イヌリン及び/またはイヌリン含有植
物抽出液に加えて反応させると、DFAIが合成され
る。なお、イヌリン含有植物としてはダリア、コボウ等
があり、この他微生物起源のフラクトースポリマー(フ
ラクトースの二糖類以上)も原料としての使用が考えら
れる。反応液を加熱または酸処理して酵素を失活させ、
過、脱色、脱塩等の方法を用いて精製すれば、オリゴ
糖やフラクトースを含んだDFAIの製品が得られる。
さらに高純度のDFAIを得るには、精製した糖液を活
性炭カラムクロマトグラフィ、市販の充填剤を用いたゲ
ル過カラムクロマトグラフィ、種々の膜を用いた膜分
離濃縮などを行えばよい。または、反応液に酵母を加え
てDFAI以外の糖を発酵させ、その後精製する方法も
DFAIの純度を高めるに有効な手段である。ゲル過
や膜分離で分画されたフラクトオリゴ糖等は、副産物と
して既存の利用を行うこともできる。
精製されたDFAIの旋光度は[α]=+27.7°、薄層ク
ロマトグラフィによると、イヌリンの酸分解により得ら
れた標準のDFAIとRf値は一致した。
[実施例] 次に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、
これらに限定されるものではない。
実施例1 市販イヌリン0.3%、酵母エキス0.05%、リン酸2ナト
リウム0.4%、リン酸1カリウム0.1%、硫酸マグネシウ
ム0.05%、硫酸第一鉄0.001%、塩化カルシウム0.003%
を含んだ培地100mlを、pH7に調整して120℃で15分間蒸
気滅菌する。この滅菌した培地にアースロバクター・グ
ロビフォルミス H2−1(FERM P-8749)を一白金耳接
種し、30℃で24時間培養を行う。培養終了後、遠心分離
機で除菌して得た培養上澄をpH5に調整する。調整培養
上澄液5mlに10%イヌリン溶液5mlを加えて、30℃にお
いて一夜反応させる。反応液を加熱して酵素を失活後、
反応液中のDFAIの生成率を高速液体クロマトグラフ
ィを用いて求めると、DFAI49.7%、オリゴ糖6.2
%、フラクトース0.3%、その他43.8%であった。
実施例2 実施例1で得られた調整培養上澄液5mlを、65℃で20分
間加温してイヌリナーゼを失活させた後、10%イヌリン
溶液5mlを加えて30℃において一夜反応させる。反応液
を加熱して酵素を失活後、反応液中のDFAIの生成率
を高速液体クロマトグラフィを用いて求めると、DFA
I51.2%、オリゴ糖5.7%、その他43.1%であった。
[発明の効果] 本発明によれば、DFAIを高収率で製造することがで
き、DFAIはダイエット甘味料として広い分野での利
用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 積 浩二 鹿児島県鹿児島市和田町924番地6 (72)発明者 永田 一志 鹿児島県鹿児島市荒田1丁目47番8号 (72)発明者 本坊 慶吉 鹿児島県鹿児島市薬師1丁目7番33号 (72)発明者 門間 充 茨城県新治郡桜村吾妻2丁目1506番地 809−307 (72)発明者 貝沼 圭二 茨城県新治郡桜村並木3−619

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イヌリン及び/またはイヌリン含有植物抽
    出液にアースロバクター・グロビフォルミスに属する細
    菌及び/またはその産生する酵素を作用させることを特
    徴とするジフルクトース ジアンヒドリドIの製造法。
  2. 【請求項2】アースロバクター・グロビフォルミスが、
    アースロバクター・グロビフォルミス H 2−1(FER
    M P-8749)である特許請求の範囲第一項に記載の製造
    法。
JP11908786A 1986-05-26 1986-05-26 ジフルクト−スジアンヒドリド▲i▼の製造法 Expired - Fee Related JPH0632628B2 (ja)

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JPH066064B2 (ja) * 1988-05-13 1994-01-26 農林水産省食品総合研究所長 ジフルクトース・ジアンヒドリドの製造方法

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