JPS6137219Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、扱深さ調節機構を備えたコンバイ
ンの殻稈搬送装置に関するものである。

一般にコンバインの殻稈搬送装置においては、
刈取殻稈搬送装置を夫々一連もしくは複数連の搬
送装置からなる穂先係止搬送装置と株元挾持搬送
装置とで構成し、搬送終端側では穂先係止搬送装
置を殻稈供給口の前方に位置させるとともに、株
元搬送装置をフイードチエーン存在側に偏位させ
ることによつて、刈取殻稈をその搬送終端におい
て穂先側を機体内方に倒し込んだ横倒れ姿勢にし
てフイードチエーンに受渡すようになつている。
そして、コンバインでは稈長に応じた扱深さ調節
が要求されるものであつて、これを上記刈取殻稈
搬送装置で行うようになつている。刈取殻稈搬送
装置での扱深さ調節手段には種々の形態がある
が、その一つとして、株元搬送装置の終端部を穂
先係止搬送装置に対して遠近移動させることによ
つてフイードチエーンに供給される殻稈の穂先位
置をその稈身方向に移動させる手段がある。

ところが、従来のこの種形態の搬送装置は、穂
先係止搬送装置７の係止爪７ｂが水平に配備され
るものであつたために、長稈に対する扱深さ調節
を行うため株元挾持搬送装置を穂先係止搬送装置
７から遠ざけるように移動させるとき、横方向へ
の移動成分を有していると、水平姿勢の係止爪７
ｂに対して殻稈が斜め方向で株元側に引抜かれる
こととなり、稈身方向から見た有効径路幅L′は第
４図に示すように爪長さよりも小さくなるもので
あつた。このため引抜き抵抗が大きく扱深さ調節
操作が困難となり、又、ボリユームの多い場合に
は搬送抵抗が増大して搬送が停帯する不都合があ
つた。

又、殻稈が係止爪７ｂに斜めに係止されるため
に、ボリユームが少いときや腰の弱い稈の場合に
は係止搬送力が殻稈に伝わりにくく、殻稈が係止
爪７ｂから下方にすり抜けてしまつて搬送詰まり
が生じやすくなるものであつた。

この考案はこのような問題を解消しようとした
ものである。

以下本考案の実施の態様を例示図に基づいて説
明する。

第１図はコンバインの全体側面図、第２図はそ
の機体前部を示す概略平面図であつて、横一側に
機体進行方向に平行にアンダーチエーン方式のフ
イードチエーン１０を架設するとともに前部に横
倒れ姿勢で殻稈を受入れる殻稈供給口１１を開口
した脱殻装置２が、クローラ走行装置１を備えた
走行機体上に搭載され、この脱殻装置２の前方
に、植立殻稈を引起し刈取つたのち刈取殻稈を後
方上方に搬送して前記フイードチエーン１０の始
端部に穂先側を機体内方に倒し込んだ横倒れ姿勢
で供給するための刈取前処理部３が設けられてい
る。前記刈取前処理部３は、２条の植立殻稈を所
定刈取姿勢に梳き上げ引起こす左右一対の引起し
装置４，４、その後方地面近くにあつて引起きこ
された殻稈の株元を切断するバリカン型刈取装置
５、この刈取装置５の上方前方にあつて引起し殻
稈を刈取装置５側に引込む回転パツカー１２と突
起付き掻込み搬送ベルト１３、刈取装置５の上方
近傍において刈取殻稈の株元側を刈取装置５と平
行に掻寄せ横搬送して前記回転パツカー１２の後
部に合流させるための株元掻寄せ合流搬送装置
６、及び刈取殻稈を穂先係止搬送装置７と株元挾
持搬送装置８とで支持して前記フイードチエーン
１０の始端部に送り込む刈取殻稈搬送装置９、と
で構成されている。

前記穂先係止搬送装置７は、前後方向に長く巻
回されたチエーン７ａに長い係止爪７ｂを疎間隔
に取付けて構成されたものであつて、機体横幅方
向でのフイードチエーン１０存在側に相当する後
方向き搬送径路の終端が脱殻装置２の殻稈供給口
１１の前方に位置されている。又、前記株元挾持
搬送装置８は、前後に長く巻回された搬送突起付
きチエーン８ａの機体横幅方向でのフイードチエ
ーン１０存在側に相当する後方向き搬送径路に沿
つて挾持レール８ｂを対向配置して構成されたも
のである。そして、この搬送装置８の終端側が始
端部の縦軸心Ｐを中心として横揺動自在に構成さ
れており、もつてこの揺動によつてフイードチエ
ーン１０への殻稈受渡し位置を稈長方向に変更し
て扱深さ調節を行うよう構成されている。

又、前記穂先係止搬送装置７及び株元挾持搬送
装置８は、第３図に示すように、その搬送径路側
が機体内方の戻り径路側よりも高くなるように両
チエーン７ａ，８ａの回動面が傾斜されている。

上記構成によれば、植立殻稈は引起し装置４に
よつて梳き上げ引起こされつつ回転パツカー１２
及び掻込み搬送ベルト１３で後方に引込まれ刈取
られたのち株元側を合流搬送装置６で横送りされ
て合流されてゆく。そして、合流後の刈取殻稈は
穂先係止搬送装置７と株元挾持搬送装置８によつ
て支持されて後方上方に送られ、その終端側で穂
先側を機体内方に向けた横倒れ姿勢となつてフイ
ードチエーン１０の始端部上に受給されてゆくの
である。

以上説明したようにこの考案は横一側に機体進
行方向に沿うフイードチエーン１０を架設すると
ともに前部に殻稈供給口１１を設けた脱殻装置２
の前方に、引起し装置４を配備し、この引起し装
置４と脱殻装置２との間に刈取殻稈の穂先側を長
い係止爪７ｂで係止して殻稈供給口１１へ向け搬
送する穂先係止搬送装置７を前後方向となして配
設し、この係止爪７ｂを機体横方向でのフイード
チエーン１０存在側ほど高位となる傾斜姿勢にし
て疎間隔に配備するとともに、刈取殻稈の株元側
を挾持搬送する株元挾持搬送装置８を前記穂先係
止搬送装置７の下方に前後方向となして設け、そ
の搬送終端側を穂先係止搬送装置７に対してフイ
ードチエーン１０存在側において横方向に遠近移
動すべく構成してあることを特徴とするものであ
るから、次のような効果を発揮する。

穂先係止搬送装置７の係止爪７ｂ自体が傾斜
されているので、長稈に対する扱深さ調節を行
うため株元挾持搬送装置８の終端側を穂先係止
搬送装置７に対して横方向に遠ざけるよう移動
させても、係止搬送径路の有効幅Ｌが係止爪７
ｂの長さに近い大きいものとなり、搬送抵抗が
従来のように増大することがなく、ボリユーム
が多くても詰まりなく円滑確実に係止搬送でき
る。

殻殻と係止爪７ｂとの交差が従来に比して直
交に近くできるので係止搬送力が有効に伝わり
やすくなり、ボリユームの少いときや腰の弱い
稈でもすり抜けなく確実に搬送できる。

穂先係止搬送採用の目的は株元挾持搬送との
相対位置の変化により、殻稈、特に穂部に切傷
を与えることなく稈身を無理なく引伸ばしなが
ら脱殻姿勢に円滑に変更してゆくことにある
が、本考案によると前述の，の効果を共に
奏するので、この穂先係止搬送本来の機能を果
たしうるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るコンバインの殻稈搬送装
置の実施の態様を例示し、第１図はコンバインの
全体側面図、第２図はその前部を示す概略平面
図、第３図は第２図における−線断面図、第
４図は第３図に相当する従来構造例である。 ２……脱殻装置、４……引起し装置、７……穂
先係止搬送装置、７ｂ……係止爪、８……株元挾
持搬送装置、１０……フイードチエーン、１１…
…殻稈供給口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横一側に機体進行方向に沿うフイードチエーン
   １０を架設するとともに前部に殻稈供給口１１を
   設けた脱殻装置２の前方に、引起し装置４を配備
   し、この引起し装置４と脱殻装置２との間に刈取
   殻稈の穂先側を長い係止爪７ｂで係止して殻稈供
   給口１１へ向け搬送する穂先係止搬送装置７を前
   後方向となして配設し、この係止爪７ｂを機体横
   幅方向でのフイードチエーン１０存在側ほど高位
   となる傾斜姿勢にして疎間隔に配備するととも
   に、刈取殻稈の株元側を挾持搬送する株元挾持搬
   送装置８を前記穂先係止搬送装置７の下方に前後
   方向となして設け、その搬送終端側を穂先係止搬
   送装置７に対してフイードチエーン１０存在側に
   おいて横方向に遠近移動すべく構成してあること
   を特徴とするコンバインの殻稈搬送装置。