JPS6230917Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取穀稈を後方上方向けて搬送して
脱穀フイードチエーンに供給するとともに、搬送
穀稈の穂先部を案内するカバー２Ｃを備えた後傾
姿勢の縦搬送装置を、引起し装置の背部に付設し
た上下複数個の稈長検出センサーの検出結果に基
づいて、その搬送終端側を支点にして上下に揺動
させることにより扱深さを自動調節すべく構成し
てあるコンバインに関するものであつて、稈長検
出センサーの配置改良によつて検出機能の向上を
図らんとしたものである。

一般に刈取穀稈を脱穀フイードチエーンに供給
する縦搬送装置には引起し直後の穀稈及び縦搬送
される刈取穀稈の穂部を受止め支持する案内カバ
ーが装備されるのであるが、上記のように後方上
方に刈取穀稈を搬送するために前下り傾斜姿勢に
なつている縦搬送装置をその終端側支点を中心に
上下揺動させると、前記搬送カバーの前面、つま
り、引起し直後の穀稈を受止める面の傾斜角度が
変化し、長稈検出に基づいて縦搬送装置が上方に
揺動されるほど前記カバー前面の後方への傾斜角
度が緩くなり、その結果縦搬送装置が上方に揺動
されるとカバー前面は、その上部ほど引起し装置
から離れるものとなつていた。

そして、従来は引起し装置の背部に付設される
上下複数個の稈長検出センサーは引起し装置と平
行に縦列配置されていたために、縦搬送装置が上
方に揺動されたときに、上位の稈長検出センサー
は、前記カバー前面から前方に大きく離れること
になり、それだけカバー前面に受止め支持された
穀稈の穂部に作用しにくくなる傾向があつた。

本考案は上記現象に着目し、その問題を解消せ
んとしたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、機体横一側辺に沿つた脱穀フイードチエー
ン１を有する脱穀装置５と左右一対のクローラ走
行装置６，６とを備えた本機の前部に、左右横方
向に間隔を隔てて位置して、植立穀稈を分草する
三つのデバイダー７・・と、後傾の対地傾斜姿勢
に位置するとともに、分草された２条の植立穀稈
を引起す引起し爪８付チエーン９を内装する左右
一対の引起し装置３，３および、引起された２条
の植立穀稈の株元を切断するバリカン型刈取装置
１０ならびに、２条の引起し穀稈と刈取穀稈との
株元部を係止搬送して機巾中央部に集中させる突
起付ベルト利用の左右一対の株元係止搬送装置１
１，１１とを備えた刈取部１２を昇降自在に連設
し、かつ、刈取穀稈の株元側に作用する挟持搬送
装置２Ａ、穂先側に作用する係止搬送装置２Ｂ及
び穂部案内カバー２Ｃから成り、これら両装置２
Ａ，２Ｂの共同によつて中央集束部から斜め外方
後方に向けて搬送して前記の脱穀フイードチエー
ン１の始端部に供給する縦搬送装置２を設けてあ
るコンバインにおいて、次のように構成してあ
る。

即ち、前記縦搬送装置２を、その搬送終端側を
支点Ｒとして上下に揺動させることにより、前記
挟持搬送装置２Ａによる挟持点の穂先部からの距
離を一定化させて、扱深さを調節すべく構成し、
稈長を検出するとともに、この稈長検出結果に基
づいて前記の扱深さ調節を自動的に行なわせる扱
深さ自動調節装置を設けてある。

前記扱深さ自動調節装置は、一方の引起し装置
３の背面に、穀稈との接当に伴なつて後退揺動す
るとともに、接当解除に伴なつて弾性的に復帰揺
動するセンサーバー４ａ，４ｂ，４ｃをもつ３つ
のセンサー４Ａ，４Ｂ，４Ｃを上下方向に適宜間
隔を隔てて付設し、これら３つのセンサー４Ａ，
４Ｂ，４Ｃの後退揺動状態により、稈長を４つの
ランクに分けて検出すべく構成してあるととも
に、この稈長検出結果に基づいて前記縦搬送装置
２を揺動させる油圧シリンダ１３を作動制御する
ことにより、前記の検出稈長区分に対応する上下
位置に縦搬送装置２を揺動させて、扱深さをほヾ
一定に自動保持すべく構成してある。

つまり、稈長が長い第１ランクにあつて、全て
のセンサー４Ａ，４Ｂ，４Ｃが後退揺動する第１
検出結果に対しては、縦搬送装置２を予め設定し
てある最上段の第１位置に揺動させ、稈長が次に
長い第２ランクにあつて、下側の二つのセンサー
４Ｂ，４Ｃが後退揺動する第２検出結果に対して
は、縦搬送装置２を上から二段目の第２位置に揺
動させ、稈長が短い第３ランクにあつて、下側一
つのセンサー４Ｃのみが後退揺動する第３検出結
果に対しては、縦搬送装置２を上から三段目の第
３位置に揺動させ、稈長がより短い第４ランクに
あつて、全センサー４Ａ，４Ｂ，４Ｃが後退揺動
しない第４検出結果に対しては、縦搬送装置２を
最下段の第４位置に揺動させるべく構成してあ
る。

又、前記扱深さ自動調節装置には、一方の株元
係止搬送装置１１を介して搬送される穀稈の株元
側に押圧されてセンサーバー４ｄが後退揺動する
ことにより、前記の扱深さ自動調節を起動させ、
かつ、押圧解除に伴なつてセンサーバー４ｄが弾
性的に復帰揺動することにより、前記の扱深さ自
動調節を自動停止させる起動センサー４Ｄを設け
てある。

又、前記センサー４Ａ，４Ｂ，４Ｃは、高位の
ものほど引起し装置３から後方に離して付設して
あり、これによつて、縦搬送装置２が上方に揺動
されたとき（長稈導入時）、穂先係止搬送装置２
Ｂの上側に装備した穂部案内カバー２Ｃの前面が
大きく後傾斜しても、高位のセンサー４Ａが大き
くカバー前面から離れないようにしてある。

尚、図中の１４は前記左右一対の株元係止搬送
装置１１，１１の間に設けられた分草案内具であ
つて、立壁の左右に案内翼を突設して構成してあ
る。

以上要するに本考案によれば、縦搬送装置が上
方に揺動された長稈処理時においても穂部に作用
する高位のセンサーを穂部案内カバーの前面近く
に位置させてカバー前面に受止め支持された穂部
に確実に作用させることが可能となり、センサー
からの穂部のすり抜けなどによる誤作動を防止し
て適切な扱深さ自動調節を行うことが可能となつ
た。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの実施例を示
し、第１図はコンバイン前部の側面図、第２図は
コンバイン前部の平面図、第３図乃至第５図は
夫々第１図における−断面図、−断面
図、−断面図である。又、第６図は起動セン
サー部の平面図、第７図はその正面図である。 １……脱穀フイードチエーン、２……縦搬送装
置、３……引起し装置、４Ａ，４Ｂ……稈長検出
センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取穀稈を後方上方に向けて搬送して脱穀フイ
   ードチエーン１に供給するとともに、搬送穀稈の
   穂先部を案内するカバー２Ｃを備えた後傾姿勢の
   縦搬送装置２を、引起し装置３の背部に付設した
   上下複数個の稈長検出センサー４Ａ，４Ｂ・・の
   検出結果に基づいて、その搬送終端側を支点にし
   て上下に揺動させることにより、扱深さを自動調
   節すべく構成してあるコンバインにおいて、前記
   縦搬送装置２を上方に揺動させたときの前記カバ
   ー２Ｃ面と前記引起し装置３背部との離間に対応
   させて、前記稈長検出センサー４Ａ，４Ｂ・・の
   うち、高位のものを低位のものよりも引起し装置
   ３から離して付設してあることを特徴とする扱深
   さ自動調節装置付コンバイン。