JPH0442993Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、刈取穀稈を後部中心に傾動する扱深調節
装置により扱深調節を施してから株元部を脱穀装
置のフイードチエンに継送するようにしたコンバ
インにおける扱深調節装置は株元挟持搬送体の中
途部下面からガイド杆を斜め外側方へ突出させ、
それにより穀稈の株元部を外方に押し出してフイ
ードチエンの始端に継走していたが、前記ガイド
杆は摩擦抵抗をともなつて株元部を押し出すの
で、株元部が株元挟持搬送体の下部で摩擦抵抗に
より前方へも曲がり、その曲がりは上層よりガイ
ド杆に接触する下層が甚だしく、株元部が不揃い
になり、この状態でフイードチエンに継走される
ため稈漏れや詰り、及び扱残しを生ずる欠点があ
つた。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的と
するものであつて、走行装置を有する機台上に搭
載した脱穀装置とその前方に設けた刈取装置との
間に、脱穀装置のフイードチエンの始端近傍を中
心として傾動する扱深調節装置を設けて扱深調節
した穀稈の株元部をフイードチエンに継送し、穂
部を供給口に供給するようにしたコンバインにお
いて、前記扱深調節装置を構成する株元挟持搬送
体の中途部下方からフイードチエンの始端前面に
近接して対向する部位に互つて、株元部を搬送す
る補助株元搬送装置を設け、該補助株元搬送装置
はチエンの上面側に粗間隔で配置した突起を多数
有する搬送チエンに構成すると共に、株元挟持搬
送体の搬送チエンに噛合するスプロケツトの軸か
ら、株元挟持搬送体の搬送チエンに対して一定間
隔を隔てて平行に駆動するように構成することを
特徴とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３上に搭載した脱穀
機であつて、その他側には図示してないが、前方
から順に操作盤、操縦席、穀粒タンク等が設けて
あり、前方には分草体４…、穀稈引起体５…、刈
刃６、掻込輪７、株元掻込チエン８，８及び穂部
掻込帯９，９等からなる刈取装置Ａを設け、この
刈取装置Ａと前記脱穀装置１との間には穂側搬送
体１０と搬送チエン１１ａ及び挟持レール１１ｂ
で構成された株元挟持搬送体１１とからなり、か
つ脱穀装置１のフイードチエン１ａの始端部近傍
の横軸B′を中心として扱深調節レバーB″により
上下傾動する扱深調節装置Ｂが配設してあり、前
記刈取装置Ａ及び扱深調節装置Ｂは油圧シリンダ
ー１２により昇降する。

そして、前記株元挟持搬送体１１の支持枠１３
の中途部下面に、案内面がゆるやかなカーブで外
方へ突出しながら後方へ向かつて延びフイードチ
エン１ａの始端近傍で弯曲して株元挟持搬送体１
１の搬送面より内側に入る案内板１４を設け、該
案内板１４と、株元挟持搬送体１１の搬送チエン
１１ａに噛合するスプロケツト１５ｂから下方に
延出した軸１５ｃに取付けられたスプロケツト１
５ａとに多数の突起１６ａ…を有する搬送チエン
１６を張設して補助株元搬送装置Ｃを構成してあ
る。なお、突起１６ａ…は第２図、及び第３図に
示すように搬送チエン１６の上面側に粗間隔で配
置されており、搬送チエン１６は株元挟持搬送体
１１の搬送チエン１１ａに対して一定間隔を隔て
て平行に駆動される。

また、前記実施例では扱深調節装置Ｂを扱深調
節レバーB″で調節したが自動制御により調節す
ることができることは勿論である。

なお、図面中、１７は前記横軸を中心として傾
動する縦軸１８に装着した駆動スプロケツト、１
９，２０はテンシヨンロールであり、前記スプロ
ケツト１５ｂはテンシヨンロール２０に対応する
チエン張り用のスプロケツトを兼ねながら補助株
元搬送装置Ｃの駆動装置になり、コストを低減す
ることができると共に軽量化に寄与することがで
きる。

前述のコンバインにおいて、刈取装置Ａで刈取
られて掻込まれた穀稈は扱深調節装置Ｂにより扱
深調節を施されてから脱穀装置１に供給されて脱
穀処理される。

そして、穀稈が扱深調節装置Ｂにより後送され
る際、株元部を株元挟持搬送体１１が挟持搬送
し、中途部で補助株元搬送装置Ｃの搬送チエン１
６が株元挟持搬送体１１から垂下している株元部
を特に搬送チエン１６の上面に載置した状態で且
つ稈身方向には自由な状態で外方へ徐々に押し出
しながら移送遅れを生じないように搬送し、従来
のガイド杆で押し出すもののように抵抗により株
元部が前方へ折れ曲がることがなく、搬送終端で
は第３図に示すようにフイードチエン１ａの搬送
面に略沿う姿勢で整然と受け継がれる。

また、前記搬送チエン１６は株元挟持搬送体１
１により挟持搬送されている穀稈の株元部を外方
へ徐々に押し出すので、株元部によつて上方に引
張られるが、案内板１４の案内面は外方へ膨出し
ながら搬送チエン１６のローラーに摺接している
ので、搬送チエン１６が案内板１４から外れるこ
とがなく、しかも、搬送チエン１６の上面側に粗
間隔で配置した突起１６ａ…は株元端部の下層の
ものと斜交して係合し株元部を強制搬送するか
ら、株元端部が仮に搬送チエン１６上面で滑りを
生じても移送遅れを少なく確実に搬送することが
できる。

本考案は前述のように走行装置を有する機台上
に搭載した脱穀装置とその前方に設けた刈取装置
との間に、脱穀装置のフイードチエンの始端近傍
を中心として傾動する扱深調節装置を設けて扱深
調節した穀稈の株元部をフイードチエンに継送
し、穂部を供給口に供給するようにしたコンバイ
ンにおいて、前記扱深調節装置を構成する株元挟
持搬送体の中途部下方からフイードチエンの始端
前面に近接して対向する部位に互つて、株元部を
搬送する補助株元搬送装置を設け、該補助株元搬
送装置はチエンの上面側に粗間隔で配置した突起
を多数有する搬送チエンに構成すると共に、株元
挟持搬送体の搬送チエンに噛合するスプロケツト
の軸から、株元挟持搬送体の搬送チエンに対して
一定間隔を隔てて平行に駆動するように構成した
ので、刈取装置によつて刈取つた穀稈を株元挟持
搬送体で搬送して脱穀装置に供給する時、補助株
元搬送装置は、株元挟持搬送体の中途部から外方
へ徐々に突出しながら脱穀装置のフイードチエン
に向けて、株元端部を急激な姿勢変更を伴わずに
受継ミスがない状態で搬送することができる。

また、補助株元搬送装置は株元挟持搬送体の中
途部下方からフイードチエンの始端前面に近接し
て対向する部位に互つて設けるものであるから、
手扱を行なう時、補助株元搬送装置がフイードチ
エンへの穀稈供給の障害になることがなく、手刈
穀稈を容易にかつ安全に供給することができる。

しかも、補助株元搬送装置の搬送チエンは株元
挟持搬送体の搬送チエンに噛合するスプロケツト
の軸から、株元挟持搬送体の搬送チエンに対して
一定間隔を隔てて平行に駆動するものであるか
ら、株元端部の下層のものは稈身方向に自由な状
態で補助株元搬送装置の搬送チエンの上面に載置
して搬送することができ、補助株元搬送装置が株
元挟持搬送体に対して外方へ徐々に突出する時の
搬送チエンによる穀稈の引き抜き、及びそれにと
もなう上層のものと下層のものとの株元端部の不
揃い、或いは、株元端部がフイードチエン始端前
面に至り次いで補助株元搬送装置の配送チエンか
ら離脱する場合の穀稈のチエンへの巻き付きを極
力防止して、整然と株元端部を搬送することがで
きる。

更に、補助株元搬送装置はチエンの上面側に粗
間隔で配置した突起を多数有する搬送チエンに構
成するものであるから、仮に株元端部の下層のも
のが搬送チエンの上面で滑つても、突起が株元端
部に斜交して係合し強制搬送するから、株元端部
の上層のものと下層のものとが交叉せずに、フイ
ードチエンの始端前面に確実に受け渡すことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの前部の側面図、第２図は要
部の一部を破断した平面図、第３図は同上正断面
図である。 Ａ……刈取装置、Ｂ……扱深調節装置、Ｃ……
補助株元搬送装置、１１……株元挟持搬送体、１
４……案内板、１６……搬送チエン、１６ａ……
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置を有する機台上に搭載した脱穀装置と
   その前方に設けた刈取装置との間に、脱穀装置の
   フイードチエンの始端近傍を中心として傾動する
   扱深調節装置を設けて扱深調節した穀稈の株元部
   をフイードチエンに継送し、穂部を供給口に供給
   するようにしたコンバインにおいて、前記扱深調
   節装置を構成する株元挟持搬送体の中途部下方か
   らフイードチエンの始端前面に近接して対向する
   部位に互つて、株元部を搬送する補助株元搬送装
   置を設け、該補助株元搬送装置はチエンの上面側
   に粗間隔で配置した突起を多数有する搬送チエン
   に構成すると共に、株元挟持搬送体の搬送チエン
   に噛合するスプロケツトの軸から、株元挟持搬送
   体の搬送チエンに対して一定間隔を隔てて平行に
   駆動するように構成したことを特徴とするコンバ
   インにおける扱深調節装置。