JPH0135152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、脱穀部のフイードチエーンの上面に
穀稈を供給する縦搬送装置の後部側を、機体の横
方向に向う横軸芯周りに揺動自在に取付け、この
縦搬送装置に手動操作用の調節レバーを連動連結
して、この調節レバーの操作によつて前記縦搬送
装置を上下揺動させて前記フイードチエーンに供
給される穀稈の受継位置を変更し、扱胴に対する
穀稈の扱深さを調節自在に構成したコンバインの
扱深さ調節装置に関する。

従来、この種の扱深さ調節装置を有するコンバ
インにあつては、扱深さ調節用のレバーとは別
に、刈取搬送部用クラツチの操作レバーを設け、
扱深さの調節はそれ専用の調節レバーで、刈取搬
送部用クラツチはそれ専用の操作レバーで、それ
ぞれ各別に操作する構造であつた。したがつて、
作業開始時には、前記調節レバーによつて扱深さ
を設定するとともに、前記操作レバーによつて刈
取搬送部用クラツチを入れなければならぬのであ
るが、実際の運転にあたつては、調節レバーによ
る扱深さの設定を忘れてしまうことが多々あり、
極端に浅扱ぎしたり、深扱ぎしたりする欠点があ
つた。

本考案は、このような従来欠点の除去を目的と
するもので、従来のものに少し手を加えるだけの
簡単な構造で、作業開始時に作業者に扱深さの設
定操作を喚起させ、極端な浅扱ぎや深扱ぎを極力
防止するとともに、更に刈取搬送部用クラツチを
切つての手扱ぎ作業時には、この手扱ぎ作業を容
易、確実に行ない得る実用的なコンバインの扱深
さ調節装置を提供せんとするものである。

次に、本考案実施の態様を図面に基いて説明す
る。

クローラ型走行装置１を備えた走行用の機体２
の前方に刈取搬送部Ａと運転操作部Ｂとが機体左
右方向に並設され、前記刈取搬送部Ａの後方に脱
穀部Ｃと排ワラ放出部Ｄとが機体前後方向にその
順に並設され、他方、前記運転操作部Ｂの後方に
図外の籾収納部が設けられ、２条刈コンバインが
構成されている。

刈取搬送部Ａは、左右両端の分草体３，３の後
方に設けられた一対の引起しケース４，４、その
引起しケース４，４の下方に設けられた刈刃５、
刈刃５の上方に設けられた穀稈掻き込み用のスタ
ーホイール６，６と刈取穀稈の２条分を合流させ
る図外の掻込みベルト、合流された刈取穀稈の株
元を挾持搬送する、下部搬送チエーン７とその下
部搬送チエーン７の後端に臨接して後上がりに設
けられた縦搬送チエーン８、ならびに、この縦搬
送チエーン８と株元を挾持して搬送される刈取穀
稈の穂先側を係止搬送する穂先搬送体９とから構
成される縦搬送装置１０などからなり、圃場の穀
稈を分草した後に引起しながら刈取り、その刈取
穀稈を脱穀部Ｃの供給口１１側に向かわせるよう
に機体後方上方に向けて搬送しながら横倒れ姿勢
に変更してフイードチエーン１２の上面に受継が
せるように構成されている。

脱穀部Ｃは、一側方にフイードチエーン１２と
その上方にそれに対する挾扼稈１３とを設け、か
つ、供給口１１の後方に機体前後方向軸芯周りで
駆動回転自在に図外の扱胴を軸架して構成されて
いる。

前記縦搬送チエーン８と穂先搬送体９とから構
成される縦搬送装置１０は、その後端側が刈取部
支持フレーム１４に機体２の横方向に向う横軸芯
１５周りで揺動自在に取付けられ、縦搬送チエー
ン８の揺動に伴つて、下部搬送チエーン７からの
穀稈に対する縦搬送チエーン８による挾持位置、
並びに、縦搬送チエーン８からの穀稈に対するフ
イードチエーン１２による挾持位置を変更し、扱
胴に供給する穀稈の扱深さが調節されるように構
成されている。

前記運転操作部Ｂの近くに機体前後方向に揺動
自在に手動操作用の扱深さ調節レバー１７が設け
られ、前記縦搬送チエーン８に連動連結されたブ
ラケツト１６に、機体２の前後方向に向う軸芯周
りで揺動自在に、前記レバー１７が枢支連結され
ている。前記ブラケツト１６の上方はカバー１８
で覆われ、そして、カバー１８に穿設形成された
案内溝１９から上方に調節レバー１７が突出さ
れ、この調節レバー１７を機体２の進行方向側に
揺動させると、前記縦搬送装置１０の前端側が上
方に揺動されて浅扱ぎとなり、逆に進行方向後方
側に揺動させると、縦搬送装置１０の前端側が下
方へ揺動されて深扱ぎとなるように構成され、か
つ、前記溝１９の一側に形成された複数個の係止
穴２０のいずれかに調節レバー１７を係止保持さ
せることにより、所望の扱き深さが得られるよう
に構成されている。

そして、前記溝１９の深扱ぎ側には、クラツチ
操作用溝２１が連続して設けられ、このクラツチ
操作用溝２１内にまで調節レバー１７を揺動させ
ると、縦搬送装置１０の前端側が下方へ揺動され
た深扱ぎ状態のままで、刈取搬送部Ａ用のクラツ
チ２２にワイヤ２３を介して連動連結されたクラ
ツチレバー２４に調節レバー１７が接当して、こ
のクラツチレバー２４を強制揺動させ、クラツチ
２２を切るように構成されているのである。

上記構成によれば、作業者は作業開始時にまず
調節レバー１７を機体２の進行方向側に揺動させ
て、刈取搬送部Ａ用のクラツチ２２を入れること
になる。すると、この調節レバー１７は、同時に
扱深さを設定するためのものであるから、たとえ
忘れていたとしても、扱深さの設定操作が喚起さ
れ、所望の扱深さに設定することができる。さら
に、完全に忘れていた場合であつても、クラツチ
２２の入り操作によつて、調節レバー１７が普通
の扱深さ程度の位置にまで揺動されることが多
く、極端な浅扱ぎや深扱ぎは回避されるのであ
る。また、クラツチ２２を切つた状態において
は、縦搬送装置１０の前端側が下方へ揺動された
深扱ぎ状態に保持されたままになるので、換言す
ると、縦搬送装置１０の後端部が上方へ揺動され
たままになり、縦搬送装置１０後端とフイードチ
エーン１２との間のすき間が、最浅扱ぎの場合の
すき間ａよりも大幅に広い最深扱ぎの場合のすき
間ｂに保持されたままになるので、このすき間ｂ
から穀稈を人為的に挿入して行なう手扱ぎ作業が
きわめて容易になるのである。

以上の説明から明らかなように、本考案による
コンバインの扱深さ調節装置は、冒頭で述べた装
置において、扱深さを設定するための調節レバー
１７に刈取搬送部Ａ用のクラツチ２２を連動連結
するものであるから、作業開始時に前記クラツチ
２２を入れるべく必ず操作しなければならない調
節レバー１７の操作により、作業者は、この調節
レバー１７による扱深さの設定操作が喚起され、
従来のような極端な浅扱ぎや深扱ぎが回避される
のである。その上、前記調節レバー１７でクラツ
チ２２を切つたと、この調節レバー１７が深扱ぎ
状態に保持されるものであるから、手扱ぎ作業時
に、縦搬送装置１０後端とフイードチエーン１２
とのすき間が広く保持されることになり、手扱ぎ
作業を楽に、かつ確実に行ない得るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はコン
バインの全体側面図、第２図は調節レバー部分を
示す側面図、第３図、第４図はその正面図と平面
図、第５図イ，ロは縦搬送装置とフイードチエー
ンとの関係を示す側面図である。 ２……機体、１０……縦搬送装置、１２……フ
イードチエーン、１５……横軸芯、１７……調節
レバー、２２……クラツチ、Ａ……刈取搬送部、
Ｃ……脱穀部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀部Ｃのフイードチエーン１２の上面に穀稈
   を供給する縦搬送装置１０の後部側を、機体２の
   横方向に向う横軸芯１５周りに揺動自在に取付
   け、この縦搬送装置１０に手動操作用の調節レバ
   ー１７を連動連結して、この調節レバー１７の操
   作によつて前記縦搬送装置１０を上下揺動させて
   前記フイードチエーン１２に供給される穀稈の受
   継位置を変更し、扱胴に対する穀稈の扱深さを調
   節自在に構成したコンバインの扱深さ調節装置に
   おいて、前記調節レバー１７に刈取搬送部Ａ用の
   クラツチ２２を連動連結し、この調節レバー１７
   で前記クラツチ２２を切つたとき、この調節レバ
   ー１７が深扱ぎ状態に保持されるように構成した
   ことを特徴とするコンバインの扱深さ調節装置。