JPH071937Y2 - 刈取結束機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、植立茎稈を刈取部で刈取り、刈取茎稈を横倒
し姿勢にして結束機へ搬送する刈取茎稈搬送装置を備え
た刈取結束機に関する。

〔従来の技術〕

従来では特開昭63−198918号公報で示されたもののよう
に、刈取られた茎稈を徐々に横倒し姿勢にし乍ら後方上
方へ搬送する縦搬送機構、株元持上げ搬送機構としての
突起付ベルト、および株元の送りをスムーズにするため
の株元払い杆から刈取茎稈搬送装置を構成したものが知
られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記従来技術によれば、縦搬送機構で搬送される刈取茎
稈を確実に横倒し姿勢で結束機へ受け渡すために株元持
上げ搬送機構が在り、また、この株元持上げ搬送機構へ
刈取茎稈の株元がうまく引っ掛かるために、前記茎稈の
株元側を前記株元持上げ搬送機構へ向けて横案内する株
元払い杆を設け、もって、刈取部で刈り取った刈取茎稈
を横倒し姿勢にして結束機へ送るようにしてある。

しかしながら、結束機で茎稈が所期した横倒し姿勢にな
っていないために、結束力が弱まったり茎稈束が乱れた
状態になったりする等、その後の処理に悪影響を及ぼす
不具合が認められるようになり、その主原因が、株元を
横案内する株元払い杆の持上げ搬送機構への案内受け渡
し作用が、茎稈の株元と払い杆の摺動抵抗によってスム
ーズに行なわれ難いことによるものであることも判って
きた。

本考案は上記不具合のない刈取茎稈搬送装置を有した刈
取結束機の実現を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案は、冒頭に記載した刈
取結束機において、刈取茎稈搬送装置は、刈取部からの
刈取茎稈を斜め後上方へ持上げ搬送する縦搬送機構、こ
の縦搬送機構による搬送茎稈の株元側を機体横外側方に
向けて横送りする株元横搬送機構、及びこの株元横搬送
機構終端に続く縦搬送機構による搬送茎稈の株元側を受
け止めて上方に搬送する株元持上げ搬送機構から構成さ
れるとともに、株元横搬送機構と株元持上げ搬送機構と
を連動連結してあることを特徴とする。

〔作用〕

上記特徴構成によれば、縦搬送機構で搬送される刈取茎
稈の株元側は、株元横搬送機構によって強制的に株元持
上げ搬送機構へ移送され、それから株元持上げ搬送機構
によって強制的に結束機へ移送されるようになる。つま
り、茎稈の穂先側部分だけでなく株元側部分も強制的に
結束機へ導かれるようになり、円滑で確実な結束作動に
繋がるようになる。

又、そのために設けられる株元横搬送機構は、本来的に
備わっている株元持上げ搬送機構に連動して駆動される
から、専用の伝動経路が不要であって駆動構造が簡単に
なる。

〔考案の効果〕

その結果、株元横搬送機構を、株元持上げ搬送機構から
連動駆動されることによる伝動系の簡略化が行える状態
で適切に配置構成することにより、刈取茎稈を確実に横
倒し姿勢にして円滑に結束機へ搬送できるようになり、
結束力が弱まったり茎稈束が乱れたりすることが回避さ
れて作業能率の向上を図ることができた。

〔実施例〕

以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第４図、第５図に示すように、コンバインをベースとし
た走行機体の前部にコンバインと同種の刈取前処理部
（Ａ）を装着し、その後部に結束機（Ｂ）を設けるとと
もに、更にその後方で操縦部（１）左側方に持上げ搬送
装置（Ｃ）を、又、その後方に回収部（Ｄ）を搭載して
回収装置付き刈取結束機を構成してある。

刈取前処理部（Ａ）は、茎稈の一種である植立穀稈を引
き起こす引起し装置（２）、引き起こされた穀稈を中心
へ掻き集める一対の掻き込み搬送装置（３），（３）、
掻き集められた穀稈を刈取る刈取装置（４）から成る刈
取部（Ｅ）、及び、刈取られた穀稈を徐々に横倒し姿勢
にし乍ら後方上方の結束機（Ｂ）へ搬送する刈取茎稈搬
送装置（Ｆ）等から構成してある。

第１図、第２図に示すように、刈取茎稈搬送装置（Ｆ）
は、穀稈の穂先を係止し乍ら搬送する穂先係止搬送装置
（5A）と、株元を挾持し乍ら搬送する株元挾持搬送装置
（5B）とによって縦姿勢の穀稈を横倒し姿勢にし乍ら上
方に搬送する縦搬送機構（５）、その株元を機体横外側
方に向けて横送りする株元搬送機構（７）、およびこの
株横元搬送機構（７）終端に続く縦搬送装置（５）によ
る搬送茎稈の株元側を受け止めて上方に搬送する株元持
上げ搬送機構（６）の三種の機構から構成してある。

第２図に示すように、株元横搬送機構（７）は、複数の
係止爪（10）を備えた横送りチェーン（11）から成り、
搬送終端側が高くなるように配設してある。

株元持上げ搬送機構（６）は、突起（12）付きの縦送り
チェーン（13）から構成されて機体の左端に配置されて
おり、送られてきた穀稈の株元を下側の経路部分にて挾
持し乍ら後方上方に搬送する。そして、株元横搬送機構
（７）の搬送方向下手側部分と株元持上げ搬送機構
（６）の搬送方向上手側部分とが連動連結されており、
特別な伝動経路を設けることなく株元横搬送機構（７）
を駆動するように構成してある。

前記突起付き縦送りチェーン（13）の搬送経路の終端で
結束機（Ｂ）の集草空間の手前には、換言すると結束機
（Ｂ）のパッカーアーム（８）先端軌跡の作用終端部近
傍には、穀稈の株元端を切り揃える切断装置（９）が設
けてある。

この切断装置（９）は、第３図に示すように、対向配置
され、かつ、互いに反対方向に駆動される円盤形の供給
刃（9A）と切断刃（9B）とを備えてあると共に、これら
両刃（9A），（9B）の切出し側の刃縁に沿って湾曲した
切り屑排出用のガイド板（15）を設けて構成してあり、
泥の付着した株元端部が結束機以後に及ばないようにし
てある。

株元持上げ搬送機構（６）の終端後方には結束機（Ｂ）
を配置してあり、送られてきた横倒し姿勢の穀稈を前記
パッカーアーム（８）で掻き込んで集束すると同時に結
束し、その穀稈束を放出ドア（14）を使って後方に放出
する。そして、放出された茎稈束は持上げ搬送装置
（Ｃ）で後上方に持ち上げられた後、回収部（Ｄ）へ落
下放出されるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取結束機の実施例を示し、第１図
は要部の側面図、第２図は要部の正面図、第３図は切断
装置の側面図、第４図、第５図はそれぞれ、全体側面
図、全体平面図である。 （５）……縦搬送機構、（６）……株元持上げ搬送機
構、（７）……株元横搬送機構、（Ｂ）……結束機、
（Ｅ）……刈取部、（Ｆ）……刈取茎稈搬送装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 新岡 孝 大阪府堺市石津北町64番地 久保田鉄工株 式会社堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭63−198918（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−265014（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−94017（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】植立茎稈を刈取部（Ｅ）で刈取り、刈取茎
   稈を横倒し姿勢にして結束機（Ｂ）へ搬送する刈取茎稈
   搬送装置（Ｆ）を備えた刈取結束機であって、前記刈取
   茎稈搬送装置（Ｆ）は、刈取部（Ｅ）からの刈取茎稈を
   斜め後上方へ持上げ搬送する縦搬送機構（５）、この縦
   搬送機構（５）による搬送茎稈の株元側を機体横外側方
   に向けて横送りする株元横搬送機構（７）、およびこの
   株元横搬送機構（７）終端に続く前記縦搬送機構（５）
   による搬送茎稈の株元側を受け止めて上方に搬送する株
   元持上げ搬送機構（６）から構成されるとともに、前記
   株元横搬送機構（７）と前記株元持上げ搬送機構（６）
   とを連動連結してある刈取結束機。