JPS6134866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転電機におけるモールドイコライザ
の取付構造に関し、充分な機械的強度を保証した
上で構造の簡略化も計り得るよう改良したもので
ある。

第１図は従来技術に係る直流機の回転子を示す
縦断面図である。同図に示すように、回転子鉄心
１は締金２，２ａに両端面を締付けられて回転軸
３に固着されている。このうち締金２には、この
締金２の胴付き部２ｂに回転子鉄心側端面が当接
し且つこの締金２の外周面に当接してモールドイ
コライザ４が嵌入してある。このモールドイコラ
イザ４は、回転子コイル５を構成する各コイルの
誘起電圧を均等化するためのものであり、その内
部には接続箱６を介した回転子コイル５の各コイ
ルがリード線７を介して引き込まれている。この
モールドイコライザ４も回転子の一部となつてい
るため、回転時にこの部分に作用する円周方向の
力及び軸方向の力に対する対策を講じなければな
らない。このため、第２図ａ，ｂ，ｃに特にこの
部分を抽出して示すように、モールドイコライザ
４の回転子鉄心側端面には円周方向に亘り等配に
例えば４個等、複数個の半径方向に伸びる凹部４
ａを形成して前記胴付き部２ｂから突出している
凸部２ｃと嵌合させており、このことにより円周
方向の動きを規制するようになつている。また、
モールドイコライザ４の反回転子鉄心側端面の回
転軸側にはリング状の切欠き部４ｂを形成してこ
の切欠き部４ｂと前記締金２の反回転子鉄心側端
面とに当接し円周方向に亘り等配に設けられた例
えば４個等、複数個の角材８をボルトｇにより締
金２に固着して押圧しており、このことにより軸
方向の動きを規制するようになつている。この結
果モールドイコライザ４と角材８とは面一になつ
ている。ところが、このようにモールドイコライ
ザ４に凹部７ａ、切欠き部４ｂを設けているため
モールド形が複雑になるばかりでなく、締金２に
も凸部２ｃを設けなければならず構成が複雑にな
る。しかも角材８及びボルト９等の押圧部材及び
締付具等の部品も必要となり部品点数も多くな
る。更に、角材８の反軸受側端面と切欠き部４ｂ
の内周面との間に間隙を生起する虞もあり、同時
にボルト９等には遠心力対策を講じる必要もある
等、解決すべき種々の問題点が残存する。

なお、第１図において、１０はコンミテータ、
１１はライザ、１２，１２ａは緊縛バンド、１
３，１４，１４ａは絶縁物である。

本考案は、前記従来技術に鑑み、モールドイコ
ライザには格別の取付用の加工をすることなく部
品点数も少なくして構造の簡略化を計り得、充分
な機械的強度も保証し得る回転電機におけるモー
ルドイコライザの取付構造を提供することを目的
とし、その構成はカシメ技術を導入し締金とモー
ルドイコライザとの反回転子鉄心側端面が円周方
向に亘り面接触となるようにして円周方向と軸方
向の移動を同時に規制することにその技術思想の
基礎をおくものである。

以下本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明
する。

第３図に示すように、回転子鉄心２１を締付け
ている締金２２はその回転子鉄心側に胴付き部２
２ａを有しておりキー溝２２ｂに嵌入されたキー
２３により回転軸２４と一体となつている。この
締金２２の外周面にはリング状のモールドイコラ
イザ２５が、その回転子鉄心側端面が前記胴付き
部２２ａに当接して嵌入されている。このとき、
特にこの部分を抽出して第４図ａ及び第４図ｂに
示すように、前記締金２２の反回転子鉄心側端部
ではカシメ用薄肉リング２２ｃが突出しており前
記モールドイコライザ２５は前記薄肉リング２２
ｃにより円周方向における多数個所で分割してカ
シメることにより固定される。したがつてモール
ドイコライザ２５は単純な円形リングでよく、前
記薄肉リング２２ｃにより軸方向のみならず同時
に円周方向の移動も規制される。これはカシメる
際薄肉リング２２ｃを円周方向に亘り多数個所で
分割してカシメているので、この薄肉リング２２
ｃの各片がモールドイコライザ２５の反回転子鉄
心側端面にくい込むからである。第４図ｂにおい
てカシメる前のカシメ用薄肉リング２２ｃを点線
で示す。

なお、第３図中、２６は緊縛バンド、２７は回
転子コイル、２８は接続箱、２９はリード線であ
る。

以上実施例とともに具体的に説明したように、
本考案によればモールドイコライザは単純な円形
リングでよいためモールド形の製作が容易にな
る。更に面カシメであるため集中応力にならず回
転耐力を大きく保持し得るばかりでなく、従来技
術の如き特別な部品を必要とすることなく軸方向
及び円周方向の締付が同時にできる等多大な効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に係るモールドイコライザの
取付構造を回転子とともに示す縦断面図、第２図
ａはそのＡ−Ａ線矢視図、第２図ｂは拡大して示
す第２図ａのＢ−Ｂ線矢視図、第２図ｃはモール
ドイコライザを抽出・拡大して一部切欠いて示す
右側面図、第３図は本考案の実施例に係るモール
ドイコライザの取付構造を回転子とともに示す縦
断面図、第４図ａはそのモールドイコライザと締
金の部分を抽出・拡大して一部切欠いて示す右側
面図、第４図ｂはそのｃ−ｃ線矢視図である。 図面中、２２は締金、２２ａは胴付き部、２２
ｃはカシメ用薄肉リング、２５はモールドイコラ
イザである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 締金の外周面に当接して嵌入され、同時にこの
   締金の胴付き部に回転子鉄心側端面が当接してい
   るモールドイコライザの取付構造において、前記
   締金の反回転子鉄心側端部から突出する一体的な
   カシメ用薄肉リングにより円周方向に亘る多数個
   所で分割して前記モールドイコライザをカシメた
   ことを特徴とする回転電機におけるモールドイコ
   ライザの取付構造。