JPH0548248Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ビデオテープレコーダの回転ヘツド
ドラム等におけるカラーの取付構造に関するもの
である。

〔従来の技術〕

第３図に示すように、従来、ビデオテープレコ
ーダの回転ヘツドドラムにおいて、固定下ゴラム
１に１対の軸受２，２を介して支承された回転軸
３における下側の軸受２に隣接する部位にカラー
４を嵌合し、このカラー４の外周面から内周面に
貫通するねじ孔５に止めねじ６を螺合して止めね
じ６先端部を回転軸３の外周に圧接させることに
よりカラー４を回転軸３に取り付けた構造が知ら
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記の構造では、ねじ孔５をカラー
４の内周面に貫通させているので、ねじ孔５の形
成時にカラー４の内周面から内向き、つまり回転
軸３側に張り出すばりが生じやすく、この結果、
回転軸３に対するカラー４の組付精度が低下する
ばかりでなく、上記ばりが大きい時には回転軸３
に対するカラー４の挿入が困難になるという問題
を有していた。また、止めねじ６先端部が直接回
転軸３に当接するため、止めねじ６の締着時に止
めねじ６先端部および回転軸３外周に大きな変形
を生じやすいとともに、止めねじ６がねじ孔５を
貫通して回転軸３に接触した後に止めねじ６をさ
らに回転させると、止めねじ６のねじり偶力によ
りカラー４が止めねじ６と一緒に回転して回転軸
３に対し傾斜姿勢で取り付けられてしまうという
不具合があつた。

〔問題点を解決するための手段および作用〕

本考案のカラーの取付構造は、上記の問題点を
解決するために、ビデオテープレコーダの回転ヘ
ツドドラム等における軸の外周へのカラーの取付
構造であつて、上記カラーに、止めねじの螺合に
よるその先端部の加圧力によりねじ孔の底面とカ
ラーの内周面との間の領域を上記内周面側に変形
させることができるように、カラーの外周面から
内周面近傍まで径方向に延びるとともに内周面に
貫通しないねじ孔が形成され、上記ねじ孔底面に
対応する部位のカラー内周面を軸の外周に圧接さ
せることによりカラーを軸の外周に取り付けるよ
うにしたことを特徴とするものである。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図および第２図に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。

第２図に示すように、ビデオテープレコーダの
回転ヘツドドラムにおける回転軸１１は、固定下
ドラム１２の内周に配置した上下１対の軸受１
３，１３により支承されている。回転軸１１の上
端部は回転デイスク１４に圧入されて固定され、
この回転デイスク１４は回転上ドラム１５に圧
入・固定されている。上記回転デイスク１４の下
端面には回転トランスのロータ１６が接着剤等に
より取り付けられるとともに、固定下ドラム１２
の対向位置には回転トランスのステータ１７が取
り付けられている。

回転軸１１の下端部における下側の軸受１３に
隣接する位置にカラー１８が嵌合され、以下の方
法で回転軸１１に固定されることにより、各部品
が軸方向に位置決めされている。すなわち、第１
図にも示すように、カラー１８には、外周面から
内周面近傍まで径方向に延びるとともに内周面に
貫通しないねじ孔１９が形成されている。このね
じ孔１９に止めねじ２０が螺合され、止めねじ２
０の先端部の加圧力によりカラー１８におけるね
じ孔１９の底面と内周面との間の領域１８ａが上
記内周面側に変形させられて、上記ねじ孔１９底
面に対応する部位のカラー１８内周面が回転軸１
１の外周に圧接させられることによりカラー１８
が回転軸１１の外周に取り付けられている。

すなわち、上記カラー１８には、止めねじ２０
の螺合によるその先端部の加圧力によりねじ孔１
９の底面とカラー１８の内周面との間の領域を上
記内周面側に変形させることができるように、カ
ラー１８の外周面から内周面近傍まで径方向に延
びるとともに内周面には貫通しないねじ孔１９が
形成されている。そして、上記ねじ孔１９の底面
に対応する部位のカラー内周面を回転軸１１の外
周に圧接させることにより、カラー１８を回転軸
１１の外周に取り付けるようになつている。

なお、上記領域１８ａの径方向の厚さｌは止め
ねじ２０の先端部の加圧力により変形しうる値に
設定される。

上記実施例においては、ビデオテープレコーダ
の回転ヘツドドラムにおける回転軸１１に対する
カラー１８の取付構造について述べたが、本考案
はそれ以外にも各種機器における軸に対するカラ
ーの取付に適用できるものである。

〔考案の効果〕

本考案に係るカラーの取付構造は、以上のよう
に、軸の外周へのカラーの取付構造であつて、上
記カラーに、止めねじの螺合によるその先端部の
加圧力によりねじ孔の底面とカラーの内周面との
間の領域を上記内周面側に変形させることができ
るように、カラーの外周面から内周面近傍まで径
方向に延びるとともに内周面に貫通しないねじ孔
が形成され、上記ねじ孔底面に対応する部位のカ
ラー内周面を軸の外周に圧接させることによりカ
ラーを軸の外周に取り付けるようにした構成とな
つている。

これにより、上記ねじ孔の形成時にカラーの内
周面から軸側に張り出すばりが生じることはなく
なるので、カラーの組付精度が向上するととも
に、軸に対するカラーの挿入を円滑に行えるよう
になる。また、上記止めねじが軸に直接接触しな
いので、軸の変形が少なくなる等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
ものであつて、第１図はカラーおよび止めねじの
拡大縦断面図、第２図は回転ヘツドドラムの縦断
面図、第３図は従来の回転ヘツドドラムの縦断面
図である。 １１は回転軸（軸）、１８はカラー、１９はね
じ孔、２０は止めねじである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸の外周へのカラーの取付構造であつて、上記
   カラーに、止めねじの螺合によるその先端部の加
   圧力によりねじ孔の底面とカラーの内周面との間
   の領域を上記内周面側に変形させることができる
   ように、カラーの外周面から内周面近傍まで径方
   向に延びるとともに内周面に貫通しないねじ孔が
   形成され、上記ねじ孔底面に対応する部位のカラ
   ー内周面を軸の外周に圧接させることによりカラ
   ーを軸の外周に取り付けるようにしたことを特徴
   とするカラーの取付構造。