JP2501599Y2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JP2501599Y2
JP2501599Y2 JP5145590U JP5145590U JP2501599Y2 JP 2501599 Y2 JP2501599 Y2 JP 2501599Y2 JP 5145590 U JP5145590 U JP 5145590U JP 5145590 U JP5145590 U JP 5145590U JP 2501599 Y2 JP2501599 Y2 JP 2501599Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案はブラシ保持プレートを有する回転電機に関す
るものである。
[従来の技術] 小型の直流モータやスリップリングを有する交流発電
機等の回転電機として、固定子の内側に回転子を配置
し、該固定子を取り囲む筒状のヨークの両端をエンドカ
バーで閉じると共に、ヨークの一端を閉じる一方のエン
ドカバーの内側にブラシ保持プレートを固定し、該ブラ
シ保持プレートにブラシを固定した構造のものが広く実
用されている。
従来のこの種の回転電機において、ヨークの筒状壁の
厚さtが十分大きい場合には、第7図に示したように、
ヨーク1の一端寄りの内周部の内径を拡することにより
第1及び第2の嵌合部A,Bを設け、ブラシ保持プレート
4の厚みより僅かに大きな深さ(軸戦方向長さ)を有す
る第1の嵌合部Aの内周にブラシ保持プレート4の外周
を、また第1の嵌合部Aより大きな内径を有する第2の
嵌合部Bの内周にエンドカバー2のフランジ部2bの外周
をそれぞれ嵌合させて、第2の嵌合部の開口側端部側に
形成されたかしめ部1aをエンドカバー2のフランジ部2b
側にかしめることによりブラシ保持プレート4とエンド
カバー2とをヨーク1に固定していた。
またヨーク1の筒状壁の厚さtが薄く、該ヨークの端
部に2段の嵌合部を形成できない場合には、第8図に示
したようにヨーク1の一端に内周部の内径を拡大して形
成した一つの嵌合部A′を設け、該嵌合部A′の内周に
ブラシ保持プレート4の外周とエンドカバー2のフラン
ジ部2bの外周とを嵌合させて、嵌合部A′の開口側端部
側に形成したかしめ部1aをエンドカバー2のフランジ部
2b側にかしめることによりブラシ保持プレート4とエン
ドカバー2とをヨーク1に固定していた。
[考案が解決しようとする課題] 従来の回転電機において、ヨークの筒状部の厚さが十
分大きい場合にはヨークの一端寄りの内周部にブラシ保
持プレートを嵌合させる第1の嵌合部とエンドカバーの
フランジ部を嵌合させる第2の嵌合部とを形成すること
ができ、かつ第1の嵌合部の深さをブラシ保持プレート
の厚さより僅かに大きく形成しておくことにより、第2
の嵌合部の開口側端部側のかしめ部をエンドカバーのフ
ランジ側にかしめたときにブラシ保持プレートに大きな
応力が加わることがないようにすることができる。
しかしながら、第8図に示したようにヨークの筒状部
の厚さが薄い場合には、嵌合部を2段に形成することが
できず、一つの嵌合部にブラシ保持プレートとエンドカ
バーのフランジ部とを挿入してかしめ部をかしめること
になるため、合成樹脂等で製作されたブラシ保持プレー
トの外縁部付近にかしめによる大きな応力が加わり、該
外縁部付近が破損する恐れがあった。
本考案の目的は、ヨークの筒状部の厚さが薄く、プレ
ート嵌合部を2段に形成することができない場合でも、
ブラシ保持プレートの外縁部に大きな応力が加わって破
損する恐れがなく、かつブラシ保持プレートとエンドカ
バーとを確実にヨークに固定することができるようにし
た回転電機を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案においては、ヨークの一端寄りの内周部の内径
を拡大してかしめ部を形成するとともに、該かしめ部と
他の部分との境界部に該ヨークの一端の開口方向に対面
するスペーサ受け面を形成し、ブラシ保持プレートを取
り囲む環状部と該環状部の内周部から径方向の内側に突
出したプレート受け部と環状部の外周部から径方向の外
側に突出した鍔部とを有して該鍔部とプレート受け部と
の間に前記ブラシ保持プレートの厚みより僅かに大きな
深さの段差が形成されているスペーサを設ける。
ブラシ保持プレートを受け止めたスペーサは、その鍔
部を前記ヨークの一端の内周のスペーサ受け面に当接さ
せた状態でヨークのかしめ部の内周に嵌合配置する。
またエンドカバーにはスペーサにより受け止められた
ブラシ保持プレートの外周寄りの部分と前記スペーサの
鍔部とに対向するフランジ部を設けておき、該フランジ
部をヨークのかしめ部の内周に嵌合させてヨークのかし
め部を該エンドカバーのフランジ部側にかしめることに
よりブラシ保持プレートとエンドカバーをヨークに対し
て固定する。
[作用] 上記のように、ブラシ保持プレートの厚みより僅かに
大きな深さの段差を有して環状部の両端にそれぞれ径方
向内側に突出したプレート受け部と径方向外側に突出し
た鍔部とを形成したスペーサを設けて、鍔部スペーサの
環状部の内側にブラシ保持プレートを挿入し、スペーサ
の鍔部とエンドカバーのフランジ部とをヨークのかしめ
部の内周に嵌合させてかしめ部をエンドカバーのフラン
ジ部にかしめるようにすると、ヨークにはその一端寄り
の内周部に内径を拡大させて形成したかしめ部とヨーク
の他の部分との境界部に一段のスペーサ受け面を形成す
るだけでよく、かつかしめによる大きな応力がブラシ保
持プレートの周縁部に加わることがない。従ってヨーク
の筒状壁の厚さが薄い場合でもブラシ保持プレートとエ
ンドカバーとをヨークに確実に固定することができる。
[実施例] 以下第1図ないし第6図を参照して本考案の実施例を
説明する。
第1図は本考案の一実施例の構造を示したもので、同
図において1は図示しない固定子を取り囲む筒状のヨー
ク、2はヨーク1の一端を閉じる一方のエンドカバー、
3はヨーク1の他端を閉じる他方のエンドカバー部であ
って、本実施例では他方のエンドカバー部3がヨーク1
と一体に形成されている。4はエンドカバー2の内側に
固定されたブラシ保持プレート、5はブラシ保持プレー
ト4に固定されたブラシ、6は前記固定子の内側に配置
された回転子、7はブラシ保持プレート4を受けとめる
スペーサである。これらにより回転電機(本実施例では
直流モータ)が構成されている。
図示しない固定子はヨーク1の内周に接着等により図
示された環状の永久磁石からなり、該磁石が径方向に着
磁されて、周方向にN極とS極とが交互に並ぶ多極(本
実施例では4極)の界磁が形成されている。
回転子6は、回転子軸61に嵌着した電機子鉄心に電機
子コイルを巻装した電機子(図示せず)と、整流子62
と、回転軸61の両端に嵌着された軸受63とからなり、回
転軸61は両端の軸受63によりエンドカバー2及び3に対
して回転自在に支持されて、電機子鉄心の外周面が空隙
を介して固定子の内周面に対向配置されている。
本実施例のヨーク1は、鉄板を絞り加工することによ
り、一端が開口したほぼカップ状の形状に形成されてい
る。ヨーク1の一端寄りの部分の内周部の内径が拡大さ
れてかしめ部1aが形成されており、このかしめ部1aとヨ
ークの他の部分との境界部にヨークの開口方向に対面す
るスペーサ受け面1bが形成されている(第6図参照)。
エンドカバー2は鉄板をプレス加工することにより製作
され、その中央部には内周に回転子6の一端の軸受63を
嵌合させる膨出部2aを有し、外周寄りにはフランジ部2b
を有している。
またヨーク1と一体に形成された他方のエンドカバー
3の中央部には回転子6の他端の軸受が嵌合される膨出
部3aが形成されており、該膨出部の中央の孔を貫通させ
て回転子6の回転軸61の端部が出力軸64として外部に導
出されている。
ブラシ保持プレート4は、例えばフェノール樹脂積層
板からなり、第2図及び第3図(ブラシ5が取付けられ
スペーサ7に挿入した状態)に示したように中央部には
回転子6の整流子部が貫通可能な孔4aを有し、外周には
スペーサ7の環状部の内周に嵌合する嵌合部4b(本実施
例では4箇所)が形成されている。ブラシ保持プレート
4の一方の面上には本実施例では4組のブラシ5,5,…,5
が90°間隔で放射状に配置され、各ブラシはリベット等
によりブラシ保持プレート4に固定されている。ブラシ
5はブラシ本体51、該ブラシ本体を保持するブラシ保持
器52、ブラシ本体51を整流子の外周面に圧接させるよう
に作用するスプリング53及び一端がブラシ本体51に接続
された導線54とにより構成されている。対向するブラシ
の各一対ずつの導線54の他端はそれぞれ引出導線8a,8b
(第1図)に接続され、該引出導線8a,8bが外部に導出
されて図示しない電源回路に接続される。
スペーサ7は鉄板等からなっていて、第4図及び第5
図に示したようにブラシ保持プレートを取り囲むように
形成された環状部7aと、該環状部7aの内周部から径方向
の内側に突出したプレート受け部7b(本実施例では8箇
所)と、環状部7aの外周部から径方向の外側に突出した
鍔部7cとを有している。スペーサ7のプレート受け部7b
と鍔部7cとの間の段差hはブラシ保持プレート4の厚み
より僅かに大きく形成されている。
ブラシ保持プレート4は次のようにしてヨーク1に組
みつけられる。先ず第1図及び第6図に示したように回
転子6をヨーク1の内周に固定した固定子の内側に挿入
し、回転子6の他端側の軸受をエンドカバー3の膨出部
3aの内周に嵌合させて配置したのち、スペーサ7の環状
部7aの内側にブラシ保持プレート4を挿入して該ブラシ
保持プレート4をスペーサ7に受けとめる(第2図参
照)。次いでブラシ保持プレート4を受けとめたスペー
サ7の鍔部7cをヨーク1の一端の内周のスペーサ受け面
1bに当接させた状態でヨーク1のかしめ部1aの内周に嵌
合配置し、回転子6の一端の軸受63をエンドカバー2の
膨出部2aの内周に嵌合させると共に該エンドカバー2の
フランジ部2bをスペーサ7により受けとめられたブラシ
保持プレート4の外周寄りの部分とスペーサ7の鍔部7c
とに対向させて、フランジ部2bをヨーク1のかしめ部1a
の内周に嵌合させ、該かしめ部1aをエンドカバー2のフ
ランジ部2b側にかしめる この場合、スペーサ7の環状部7aの深さ(プレート受
け部7bと鍔部7cとの間の段差)hがブラシ保持プレート
4の厚みより僅かに大きく形成され、またヨーク1のス
ペーサ受け面1bとかしめ部1aのかしめられた部分との間
にスペーサ7の鍔部7cとエンドカバー2のフランジ部2b
とが重ねられて介在するので、ブラシ保持プレート4の
外周寄りの部分にはかしめ部1aのかしめによる大きな圧
力が加わることがない。
[考案の効果] 以上のように、本考案によれば、ブラシ保持プレート
の厚みより僅かに大きな深さを有するスペーサの環状部
の内側に前記ブラシ保持プレートを挿入して受け止め、
該スペーサの鍔部とエンドカバーのフランジ部とをヨー
クのかしめ部の内周に嵌合配置して、かしめ部をエンド
カバーのフランジ部側にかしめるようにしたので、ブラ
シ保持プレートの外周寄りの部分に大きな応力を生じさ
せることなくかしめ部をかしめることができる。この場
合ヨークにはその一端寄りの内周の内径を拡大させるこ
とにより一段のスペーサ受け面を形成するだけでよいの
で、ヨークの筒状壁の厚さが薄い場合でも、ブラシ保持
プレートを破損することなく、ブラシ保持プレートとエ
ンドカバーとをヨークに確実に固定することができる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を一部断面して示した側面
図、第2図及び第3図はそれぞれ本考案で用いるブラシ
保持プレートをスペーサに受け止めた状態を示した断面
図及び正面図、第4図は本考案で用いるスペーサの正面
図、第5図は第4図のV−V線断面図、第6図は本考案
の要部を拡大して示した断面図、第7図及び第8図はそ
れぞれ異なる従来例を示した要部断面図である。 1…ヨーク、1a…かしめ部、1b…スペーサ受け面、2…
エンドカバー、2a…膨出部、2bb…フランジ部、3…エ
ンドカバー、3a…膨出部、4…ブラシ保持プレート、5
…ブラシ、6…回転子、7…スペーサ、7a…環状部、7
…プレート受け部、7c…鍔部。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定子と、前記固定子の内側に配置された
    回転子と、前記固定子を取り囲む筒状のヨークと、前記
    ヨークの両端をそれぞれ閉じるエンドカバーと、前記ヨ
    ークの一端を閉じる一方のエンドカバーの内側に固定さ
    れたブラシ保持プレートと、前記ブラシ保持プレートに
    固定されたブラシとを備えた回転電機において、 前記ヨークの一端寄りの内周部の内径が拡大されてかし
    め部が形成されるとともに、該かしめ部と他の部分との
    境界部に該ヨークの一端の開口方向に対面するスペーサ
    受け面が形成され、 前記ブラシ保持プレートを取り囲む環状部と該環状部の
    内周部から径方向の内側に突出したプレート受け部と前
    記環状部の外周部から径方向の外側に突出した鍔部とを
    有して、該鍔部とプレート受け部との間に前記ブラシ保
    持プレートの厚みより僅かに大きな深さの段差が形成さ
    れているスペーサが設けられ、 前記ブラシ保持プレートは前記スペーサの環状部の内側
    に挿入された状態で該スペーサに受け止められ、 前ブラシ保持プレートを受け止めたスペーサは、前記鍔
    部を前記ヨークの一端の内周のスペーサ受け面に当接さ
    せた状態で前記かしめ部の内周に嵌合配置され、 前記エンドカバーは前記スペーサにより受け止められた
    ブラシ保持プレートの外周寄りの部分と前記スペーサの
    鍔部とに対向するフランジ部を有していて、該フランジ
    部が前記ヨークのかしめ部の内周に嵌合され、 前記ヨークのかしめ部が前記エンドカバーのフランジ部
    側にかしめられていることを特徴とする回転電機。
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