JPS6134475Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、既設の旧窓枠をその建造物基台から
除去することなく残存させ、この残存旧窓枠内に
新しい窓枠を嵌め込んで固定する窓枠改装工法に
おいて用いる処の、新旧両窓枠の両下枠を連結す
る新規な連結金具の提供に関する。

建造時期の比較的古い各種の建造物において、
その壁面における窓枠は木製あるいは鉄製による
旧式窓枠であり、これらの窓枠は防音性、気密性
の劣ること、又その老朽化によつて、耐食、気密
性、防音性、更には軽量、量産性等において優れ
るアルミニウム製窓枠に取つて代られる大勢にあ
るが、その旧式窓枠とアルミニウム製窓枠の取替
に当り、本出願人は特公昭49−24417号を始めと
して、既設の旧窓枠を除去する必要なく残存さ
せ、この旧窓枠内に新しい窓枠を嵌め入れて固定
するという新規な改装工法に関する各種の発明、
考案を開発提供して来た処であるが、この新旧窓
枠の前記工法による改装に際して、新しい窓枠に
おける特に下枠と旧窓枠の下枠との連結金具によ
る連結は重要な技術の一つであり、連結金具は下
記要件を満足する必要がある。

即ち、旧窓枠の下枠上方に配置される新窓枠の
下枠は勿論水平姿勢で配置される。ところで、旧
窓枠の下枠には水切り機能を持たせるため、該下
枠は、室外、即ち、前方に向うに従つて下位とな
る傾斜状とされているのであるが、その傾斜角は
建造物によつて緩急種々の角度があり、新旧両窓
枠の両下枠のなす角は一定しない。従つて、旧窓
枠の下枠の前後方向に関する傾斜角に関係なく、
新窓枠の下枠を水平姿勢で旧窓枠の下枠に連結で
きる機能を連結金具を持つ必要がある。

又、新旧両窓枠の開口面積の大きさも大小種々
あつて、新旧両窓枠の両下枠間の間隙も大小種々
あるため、連結金具は、両下枠間の間隙の大小に
も対応できなければならない。

然し乍ら、従来においては、上記の要件を満足
する連結金具として充分な性能を有するものは未
だ提案されておらず、性能の優れた連結金具の提
案が要望されている処である。

本考案は上記要望に鑑み考案されたものであつ
て、その特徴とする処は、既設の旧窓枠を建造物
基台より除去することなく残存せしめ、新しい窓
枠を旧窓枠に嵌め入れると共に固定する窓枠改装
工法において、新旧両窓枠の両下枠間に介装され
て両下枠を連結する金具であつて、同金具は、旧
窓枠の下枠上面に固定される下金具主板と、新窓
枠の下枠下面に固定される上金具主板と、両主板
を連結する上下及び前後方向に伸縮変形自在な４
節リンク形態の調整体とを有し、調整体は、その
上下部で夫々前後に一枚宛配設される４枚の調整
プレートと、調整体の上下及び前後方向に関する
各対称位置に配設されて左右方向の軸心を有し且
つ隣接する調整プレートを隣接する端部で相対回
動自在に枢結する４本の支軸とを有し、上下方向
の対称位置にある各支軸を、夫々、上記各主板に
相対回動自在に備え、調整体の形状を定める手段
を備えた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図は改装された窓を室内側より見た外観
の正面図であり、第２図は本考案金具実施例の第
１図Ａ−Ａ線の拡大側断面図であるが、第２図実
施例において、１は建造物基台、２は旧窓枠の下
枠で図例では鉄製のものを示している。この旧窓
枠は図示は下枠のみであるが、図示するまでもな
く下枠２に続く左右の両側枠、両側枠をつなぐ上
枠の全体が、建造物基台１より除外されることな
く残存して基台１より外界に露出され、又水切り
機能を具備するため、下枠２上面は室外、即ち前
方に向うに従つて下位となる傾斜面２ａとされて
いる。３は新窓枠の水平姿勢の下枠で図例ではア
ルミニウム窓枠を示しており、この新窓枠も勿論
下枠両端に連なる左右の両側枠、両側枠を連ねる
上枠とを有するもので、新窓枠は前記の旧窓枠内
に嵌入されかつ固定される。この嵌入固定に当つ
て、本考案の連結金具Ｐが新旧両窓枠の下枠３，
２間に介入設置されて、両下枠２，３を連結す
る。

第２図に例示するように、本考案の連結金具Ｐ
は、下金具主板４と、上金具主板５と、調整体６
と、止螺子７等から構成されている。

上記主板４，５は平坦なプレート状であつて、
下金具主板４は、旧窓枠の下枠２の傾斜面２ａ上
に配設されて、例えば、ドライビツトその他のア
ンカーボルト８等によつて、下枠２を介して、建
造物基台１側に固定されている。

上金具主板５は、新窓枠の下枠３の下端部の平
行に対設された前後一対の底縁３ａ，３ａ下面に
平行に沿設されている。主板５には、上方に突出
する前後一対の係合片５ａ，５ａが形成され、主
板５の前後部と係合片５ａ，５ａとにより、上記
各底縁３ａ，３ａが挟持状とされることで、主板
５は下枠３下面に取付けられる。尚、主板５は底
縁３ａ，３ａに対して前後方向に若干摺動可能で
ある。

調整体６は上下及び前後方向に伸縮変形自在な
４節リンク形態とされるもので、４枚の調整プレ
ート９，１０，１１，１２と、左右方向の軸心を
有する４本の支軸１３，１４，１５，１６等から
構成されている。

４枚の調整プレート９，１０，１１，１２は帯
板状であつて、調整プレート９，１０は、調整体
６の下部で前後に配設され、調整プレート１１，
１２は、調整体６の上部で前後に配設されてい
る。

支軸１３，１４，１５，１６は中実の丸軸とさ
れ、支軸１３，１６は、調整体６の上下方向に関
する対称位置に配設され、支軸１４，１５は調整
体６の前後方向に関する対称位置に配設されてい
る。

支軸１３は、下金具主板４の後端部に形成され
た管状部４ａに相対回動自在に備えられると共
に、調整プレート９，１０の下端部の管状部（図
示省略）が支軸１３に相対回動自在に外嵌され
て、調整プレート９，１０は下端部で相対回動自
在に枢結されている。

調整プレート９，１０の上端部には管状部９
ａ，１０ａが形成されて、これら管状部９ａ，１
０ａが支軸１４，１５に夫々相対回動自在に外嵌
され、又、これら支軸１４，１５に、調整プレー
ト１１，１２の下端部に形成された管状部（図示
省略）が相対回動自在に外嵌されることで、前側
の上下一対の調整プレート９，１１と、後側の上
下一対の調整プレート１０，１２とは、夫々、隣
接する端部で相対回動自在に枢結されている。

支軸１６は、上金具主板５の下面の前後方向中
央部に形成された管状部５ｂに相対回動自在に挿
入されると共に、該支軸１６には、調整プレート
１１，１２の上端部に形成された管状部（図示省
略）が相対回動自在に外嵌されて、調整プレート
１１，１２は上端部で相対回動自在に枢結されて
いる。

止螺子７は、調整体６の前後方向対称位置にあ
る一対の支軸１４，１５と、調整プレート１１，
１２の管状部９ａの一方と、調整プレート１０，
１２の管状部１０ａの一方に対して挿通されて、
これらを締結し、これにより、調整体６の形状を
定める。

尚、止螺子７の代わりに、ボルト、ナツトやそ
の他の連結固定手段を備えてもよい。

尚、実施に当つては、上下金具主板５，４や調
整体６等から成る連結金具Ｐを、新旧両窓枠の両
下枠３，２間に、下枠３，２の長手方向、即ち、
左右方向に適当な長さを有するものとして、左右
方向に所定間隔下に列設してもよい。又、上下金
具主板５，４を下枠２，３の左右方向全長に亘る
通し材とし、調整体６を上下金具主板５，４間に
左右方向に所定間隔下に列設するようにしてもよ
い。更に、連結金具Ｐ全体を下枠２，３の左右方
向全長に亘るものとしてもよい。

次に、新窓枠の取付作業について説明する。

まず、旧窓枠内に新窓枠を嵌入するに先立つて
旧窓枠の下枠２における傾斜面２ａ上に下金具主
板４をアンカーボルト８等の適宜固定手段を用い
て所定位置に固定して、止螺子７を備えていない
連結金具Ｐを上記傾斜面２ａ上に設置する。

次に、新窓枠を吊下げた状態で、その下枠３か
ら旧窓枠内に嵌入して所定位置とすると共に、水
平姿勢の下枠３の底縁３ａ，３ａに対して、上金
具主板５を支軸１６廻りに回動させたり、前後方
向に移動させたりすることにより、係合片５ａ，
５ａ等を介して係合した後、化粧材１９をまだ取
付けていないことから、前方から支軸１４，１５
等に対して貫通止着して止螺子７により調整体６
の形状を固定して、新旧両窓枠の下枠３，２を連
結金具Ｐを介して連結する。

上記の場合において、旧窓枠の下枠２の傾斜面
２ａの傾斜角は、建造物によつて、緩急種々の角
度があるが、支軸１３廻りの調整体６の回動や、
支軸１６廻りの上金具主板５の回動によつて、上
金具主板５を容易に水平姿勢とできるので、旧窓
枠の下枠２の傾斜面２ａの傾斜角に関係なく、新
窓枠の下枠３を水平姿勢で連結金具Ｐを介して旧
窓枠の下枠２に連結できる。

又、新旧両窓枠の開口面積の大きさも大小種々
あつて、新旧両窓枠の下枠３，２間の間隔も大小
種々あるが、連結金具Ｐの上下方向の伸縮変形に
より、連結金具Ｐを、上記間隔の大小に対して容
易に対応させることができる。

そして、上記のようにして、下枠２，３を連結
金具Ｐにより連結した後は、従来と同様に窓前面
側における化粧材１９（あるいはこの化粧材１９
の背面に連結金物を２重に設ける）の張設、コー
キング材２０の充填処理、窓後面側（室内側）で
は支え金具２１を介しての額縁材２２の張設等、
所要の仕上施工を行う。

そして、上記所要の仕上施工、即ち、化粧材１
９、支え金具２１、額縁材２２の取付け等によ
り、調整体６の支軸１３廻りの回動、上金具主板
５の支軸１６廻りの回動が阻止されて、連結金具
Ｐ及び新窓枠の下枠３が固定状態となる。

以上詳述したように、本考案によれば、既設の
旧窓枠を建造物基台より除去することなく残存せ
しめ、新しい窓枠を旧窓枠に嵌め入れると共に固
定する窓枠改装工法において、新旧両窓枠の両下
枠間に介装されて両下枠を連結する金具であつ
て、同金具は、旧窓枠の下枠上面に固定される下
金具主板と、新窓枠の下枠下面に固定される上金
具主板と、両主板を連結する上下及び前後方向に
伸縮変形自在な４節リンク形態の調整体とを有
し、調整体は、その上下部で夫々前後に一枚宛配
設される４枚の調整プレートと、調整体の上下及
び前後方向に関する各対称位置に配設されて左右
方向の軸心を有し且つ隣接する調整プレートを隣
接する端部で相対回動自在に枢結する４本の支軸
とを有し、上下方向の対称位置にある各支軸を、
夫々、上記各主板に相対回動自在に備え、調整体
の形状を定める手段を備えたので、旧窓枠の下枠
上面の傾斜角に関係なく、新窓枠の下枠に所定姿
勢で連結金具を介して旧窓枠の下枠に容易に連結
できると共に、連結金具の上下方向の伸縮変形に
よつて、連結金具を、新旧両窓枠の両下枠間の間
隔の大小に対して容易に対応させることができ
る。本考案は上記利点を有すると共に、連結金具
の操作も容易であり、しかも、その構造は簡易で
ローコストで実施可能であり、実益大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は改装済み窓の室内側より見た正面図、
第２図は本考案金具実施例の第１図−線にお
ける拡大側断面図である。 １…建造物基台、２…旧窓枠の下枠、３…新窓
枠の下枠、４…下金具主板、５…上金具主板、６
…調整体、７…止螺子、９，１０，１１，１２…
調整プレート、１３，１４，１５，１６…支軸、
Ｐ…連結金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設の旧窓枠を建造物基台より除去することな
   く残存せしめ、新しい窓枠を旧窓枠に嵌め入れる
   と共に固定する窓枠改装工法において、新旧両窓
   枠の両下枠間に介装されて両下枠を連結する金具
   であつて、同金具は、旧窓枠の下枠上面に固定さ
   れる下金具主板と、新窓枠の下枠下面に固定され
   る上金具主板と、両主板を連結する上下及び前後
   方向に伸縮変形自在な４節リンク形態の調整体と
   を有し、調整体は、その上下部で夫々前後に一枚
   宛配設される４枚の調整プレートと、調整体の上
   下及び前後方向に関する各対称位置に配設されて
   左右方向の軸心を有し且つ隣接する調整プレート
   を隣接する端部で相対回動自在に枢結する４本の
   支軸とを有し、上下方向の対称位置にある各支軸
   を、夫々、上記各主板に相対回動自在に備え、調
   整体の形状を定める手段を備えたことを特徴とす
   る窓枠改装工法用の連結金具。