JP3905653B2 - 押出成形セメント板への仕上げ材取付構造 - Google Patents

押出成形セメント板への仕上げ材取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、躯体の側面に取り付けられた押出成形セメント板の表面に、仕上げ材を取り付ける押出成形セメント板への仕上げ材取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から建築物外装面に仕上げ材として意匠性に優れた石材、陶板、大型タイル、セラミック板、金属パネル等を取り付けることが行われている。
このような構造としては、建物躯体に軽量鉄骨を仕上げ材の割り付けピッチ、留め付けピッチに合わせて組み立て、これに仕上げ材を取り付けたものや、押出成形セメント板表面に仕上げ材を取り付けたものがあった。
このうち押出成形セメント板表面への仕上げ材取付構造として図7乃至図9に示すものがある。これは以下に説明する順序で、ファスナーに取り付けられただぼピンにより石材を取り付けるものである。
【0003】
躯体1に従来の方法で押出成形セメント板2を取り付け、前記押出成形セメント板2の表面にL字型の1次ファスナー3をボルト4で取り付ける。この1次ファスナー3は押出成形セメント板2の1枚に水平方向に2ヶ所取り付けられ、石材7の割り付けは押出成形セメント板2の割り付けに合わせて取り付けられる。次に、予めだぼピン8が取り付けられた下部2次ファスナー5を1次ファスナー3にボルト6にて固定する。
石材7には予め上下の小口面に2ヶ所、だぼピン8が挿入される穴が形成されており、まず石材7の下部穴9に下部2次ファスナー5のだぼぴん8を挿入し、次いで、上部2次ファスナー10を介して石材上部穴11にだぼピン8を挿入して取り付ける。
このようにして、順次下方から上方へ石材7を取り付けていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
軽量鉄骨を仕上げ材の割り付けピッチ、留め付けピッチに合わせて組み立て、これに仕上げ材を取り付ける場合、外壁としての耐火性能をもたせるため、モルタル、吹き付けロックウール等を仕上げ材裏面側に施す必要があった。このため、施工に手間がかかり、工期が長くなる等の問題があった。
【0005】
躯体に取り付けた押出成形セメント板表面に仕上げ材を取り付ける場合には、押出成形セメント板が層間変位によってロッキングするため、仕上げ材の割り付けに制限があった。
また、押出成形セメント板表面に仕上げ材を取り付ける場合には、押出成形セメント板の動きが仕上げ材に影響しないように、押出成形セメント板と仕上げ材の割り付けを合わせ、一枚の仕上げ材は一枚の押出成形セメント板の中で取り付ける必要があった。
このため、仕上げ材を押出成形セメント板の目地を股がって取り付けることはできなかった。仕上げ材を複数枚の押出成形セメント板に股がって取り付けた場合には、ロッキング時に仕上げ材が破損、落下する可能性があった。また、仕上げ材の割り付けや大きさは押出成形セメント板の大きさによって制限され、仕上げ材を押出成形セメント板を跨がって取付できないため、外壁面の割り付けデザインにも制限があった。
【0006】
このため、躯体に取り付けた押出成形セメント板を複数枚に跨がって仕上げ材を取り付ける場合、押出成形セメント板と外装板の面内方向の変位が共に吸収できる仕上げ材と押出成形セメント板の取付構造の開発が望まれていた。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、押出成形セメント板と仕上げ材の面内方向の変位が共に吸収でき、更に押出成形セメント板の割り付けに制約されることなく仕上げ材を取り付けることのできる押出成形セメント板への仕上げ材取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1の取付構造は、躯体の側面に、複数の押出成形セメント板を取り付け、該押出成形セメント板の表面に仕上げ材を取り付ける取付構造であって、前記押出成形セメント板が前記躯体側面と平行な面方向で揺動可能となるように、前記押出成形セメント板を前記躯体に取り付け、前記押出成形セメント板の幅方向に水平に連続する仕上げ材取付用下地金物を、該押出成形セメント板の高さ方向に複数本、前記押出成形セメント板の表面側幅方向中央部に滑り材を介して上端側がボルト固定された支持プレートの下端側に固定し、この仕上げ材取付用下地金物に仕上げ材を取り付けることを特徴とするものである。
【0008】
この取付構造では、押出成形セメント板の上下端面が支持部に支持され、押出成形セメント板が面方向に揺動可能になる。これによって、層間変位によって躯体と押出成形セメント板の間に変位が生じた場合であっても、この変位が押出成形セメント板の面方向の移動(ロッキング)により吸収される。また、押出成形セメント板表面の仕上げ材取付用下地金物は押出成形セメント板の変位によって水平に平行移動する。従って、層間変位により、押出成形セメント板と仕上げ材との間に変位が生じた場合であっても、この変位が面内方向の移動により吸収される。
【0009】
請求項2の取付構造は、押出成形セメント板中央下部をロッキングブロックによって支持したことを特徴とする物である。
この取付構造では、層間変位時に押出成形セメント板がロッキングブロックを支点としてよりスムーズに揺動(ロッキング)可能となる。
【0010】
請求項3の取付構造は、仕上げ材取付用下地金物を、前記押出成形セメント板の表面側幅方向中央部で固定し、前記仕上げ材取付用下地金物に仕上げ材取付用プレートを取り付け、この仕上げ材取付用プレートの上側に突出するだぼピンを上側仕上げ材の下端面に挿嵌するとともに、下側に突出するだぼピンを下側仕上げ材上端面に挿嵌し、前記仕上げ材の上端面に挿嵌されるだぼピンのみを前記押出成形セメント板の幅方向へ平行移動可能に前記仕上げ材取付用プレートに取り付けたことを特徴とするものである。
【0011】
この取付構造では、上下方向に突出しただぼピンが、上下で隣接する上側の仕上げ材の下端面と、上下で隣接する下側の仕上げ材の上端面とに挿嵌される。従って、仕上げ材の下端が移動不能に、仕上げ材の上端が移動可能となる。しかし、上端のだぼピンは押出成形セメント板の幅方向に平行移動可能に取り付けられているので、押出成形セメント板が層間変位し、仕上げ材取付用下地金物が水平に変位した場合、仕上げ材の変位が吸収される。
【0012】
請求項4の取付構造は、前記仕上げ材取付用下地金物は、水平に連続する片を有しており、この片又はこの片に取り付けられる仕上げ材取付用プレートのいずれか一方にボルト穴を形成し、前記又は前記仕上げ材取付用プレートのいずれか他方に前記ボルト穴より長い遊嵌穴を前記押出成形セメント板の幅方向に形成し、前記ボルト穴及び遊嵌長穴とにボルトを挿嵌し、前記に対して水平方向に相対移動可能となった前記仕上げ材取付用プレートを、前記に締着したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の押出成形セメント板への仕上げ材取付構造。
【0013】
この取付構造では、水平固定部材又は仕上げ材取付用下地金物のいずれか一方に形成されたボルト穴にボルトが挿嵌され、このボルトが、水平固定部材又は仕上げ材取付用下地金物のいずれか他方に形成された遊嵌長穴に挿嵌される。従って、仕上げ材取付用下地金物は、ボルトと遊嵌長穴とが相対移動可能な範囲で、水平固定部材に対し移動可能となる。これにより、押出成形セメント板が層間変位した場合でも、仕上げ材取付用下地金物との変位が吸収される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る仕上げ材取付構造の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る仕上げ材取付構造の基礎部の垂直断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は本発明に係る仕上げ材取付構造の中間部の垂直断面図、図4は本発明に係る仕上げ材取付構造の目地部以外の中間部の垂直断面図、図5は本発明に係る仕上げ材取付構造の上部の垂直断面図である。なお、図3乃至図6において、図1及び図2に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
【0015】
図1に示す基礎41の上面には、一次L形鋼49が不図示のアンカーにより固定されている。一次L形鋼49は、一方の片49aが垂直方向に立ち上がるように他方の片49bを基礎41に固定してある。
【0016】
この一次L形鋼49には、更に、二次L形鋼51が溶接等により固定されている。二次L形鋼51は、一方の片51aが水平となるように、他方の片51bを一次L形鋼49の一方の片49aに固定してある。
【0017】
押出成形セメント板53には、成形時における押し出し方向に、中空部53aが形成される。押出成形セメント板53は、押し出し方向が上下方向となるようにして不図示の躯体の外面43aに平行に取り付けられる。押出成形セメント板53は、幅方向略中央の下端面が、支持部(ロッキングブロック)55を介して二次L形鋼51の一方の片51aに支持される。ロッキングブロック55としては、例えば硬質パッキング、鋼材等を用いることができる。
【0018】
押出成形セメント板53の背面下端には、中空部53aに達するボルト挿通穴59が穿設されている。このボルト挿通穴59には、稲妻金物61が固定される。稲妻金物61の一端にはボルト穴61aが穿設されている。稲妻金物61は、ボルト穴61aに挿通したボルト63をボルト挿通穴59に挿通し、中空部53a内でその先端にプレートナット65を螺合することにより、長手方向が上下方向となるようにして押出成形セメント板53の背面に固定される。
【0019】
押出成形セメント板53の下端は、押出成形セメント板53の背面と、稲妻金物61の他端との間に、二次L形鋼51の一方の片51bとパッキングを挟持することで、基礎41に取り付けられている。なお。図中、69は水切り材、71はシーリング、73はバックアップ材を示す。
【0020】
このように、押出成形セメント板53は、幅方向略中央の下端面が、ロッキングブロック55により支持される。また、押出成形セメント板53の背面下端は、背面と平行な二次L形鋼51の片51aを、背面と稲妻金物61とによって挟持して取り付けてある。従って、片51aを挟持する挟持力以上の外力が押出成形セメント板53に作用した場合には、押出成形セメント板53はロッキングブロック55を中心に、躯体側面と平行な面方向で揺動することになる。
【0021】
押出成形セメント板53の幅方向略中央の表面下端には、中空部53aに達するボルト挿通穴75を穿設してある。このボルト挿通穴75には、帯板状の支持プレート77が固定される。支持プレート77の長手方向一端にはボルト穴77aが穿設されている。支持プレート77は、押出成形セメント板53との間に滑り材117を挟んでボルト穴77aに挿通したボルト79をボルト挿通穴75に挿通し、中空部53a内でその先端にボルト受け金具81を螺合することにより、長手方向が上下方向となるようにして押出成形セメント板53の表面に固定される。図2に示すように、ボルト受け金具81は、中空部53aの内壁面に沿う形状に形成されている。これにより、ボルト受け金具81からの荷重は、中空部53aの内壁面に均等に加わるようになっている。
【0022】
支持プレート77の表面には、仕上げ材取付用下地金物83が溶接等により固定されている。仕上げ材取付用下地金物83は、水平固定部である一方の片83aが水平となるように、他方の片83bを支持プレート77に固定してある。仕上げ材取付用下地金物83の一方の片83aには、上下方向に貫通するボルト85により仕上げ材取付用プレート87が締着される。仕上げ材取付用プレート87には、ボルト85の挿通されるボルト穴87aが形成されている。このボルト穴87aは、ボルト85の外径と略同一に形成される。
【0023】
図2に示すように、ボルト85が挿通される一方の片83aのボルト穴83cは、押出成形セメント板53の幅方向に長くなっている。また、仕上げ材取付用プレート87のボルト穴87aは躯体から外方へ向けて長くなっている。つまり、仕上げ材取付用プレート87は、ボルト穴83cとボルト穴87aでボルト85が移動する範囲内で位置調整が可能となっている。仕上げ材取付用プレート87は、この位置調整により、所定の位置に位置決めされた後、ボルト85によって仕上げ材取付用下地金物83に締着される。
【0024】
仕上げ材取付用プレート87の前縁には、上下面のそれぞれから垂直に突出する二つのだぼピン89、91を設けてある。上側に突出するだぼピン89は、仕上げ材取付用プレート87に移動不能に固定される。一方、下側に突出するだぼピン91は、押出成形セメント板53の幅方向に長い長穴93を介して、この長穴93の長手方向に移動可能となって仕上げ材取付用プレート87に係合保持されている。
【0025】
押出成形セメント板53の外方には、この押出成形セメント板53の表面と平行に仕上げ材(陶板、大理石、大型タイル、セラミック板等)95が取り付けられる。仕上げ材95は、上下方向に隣接する下方のものの上端面に、上述の下側に突出しただぼピン91が挿嵌され、上下方向に隣接する上方のものの下端面に、上述の上側に突出しただぼピン89が挿嵌される。仕上げ材95は、このようにして、上端面及び下端面にだぼピン89、91が挿嵌されることで、上下端が仕上げ材取付用プレート87に支持されて、押出成形セメント板53の表面に取り付けられる。なお、図1、図2の97は仕上げ材95の目地を塞ぐシーリングを示す。
【0026】
図3に示すように、躯体側面の上下方向中間部においては、H鋼材からなる梁99の上側外面に、一次L形鋼49が溶接等により固定されている。一次L形鋼49は、一方の片49aが垂直に立ち上がるように他方の片49bを梁99に固定してある。この一次L形鋼49には、更に、二次L形鋼51が溶接等により固定されている。二次L形鋼51は、一方の片51aが水平となるように他方の片51bを一次L形鋼49の一方の片49aに固定してある。
【0027】
また、梁99の下側外面には、L形鋼100が溶接により固定されている。L形鋼100は、一方の片が垂直に垂れ下がるように他方の片を梁99に固定してある。
【0028】
上側の押出成形セメント板53の背面下端は、押出成形セメント板53の背面と稲妻金物61の間に二次L形鋼51とパッキング118を挟持して取りつけられる。下側の押出成形セメント板53の背面上端には、稲妻金物61が固定される。稲妻金物61は、長手方向が上下方向となる向きで取り付けられ、L形鋼100を挟持し取り付けられている。
【0029】
二次L形鋼51の水平片51a上には、ロッキングブロック55が設けられる。水平片51a上には、このロッキングブロック55を介して、上側の押出成形セメント板53の幅方向略中央の下端面が載置される。上側の押出成形セメント板53の背面下端には、稲妻金物61が固定される。稲妻金物61は、長手方向が上下方向となる向きで、二次L形鋼51の垂直片51bとパッキング118を挟持している。なお、図3中、69は水切り材、71はシーリング、73はバックアップ材を示す。
【0030】
この中間部では、上側の押出成形セメント板53の表面下端に、上述と同様の構成により、支持プレート77が固定されている。支持プレート77には、上述と同様の構成により、仕上げ材取付用下地金物83を介して仕上げ材取付用プレート87が固定されている。仕上げ材取付用プレート87は、上下方向に突出しただぼピン89、91により、仕上げ材95の上下端面を支持している。
【0031】
図4は押出成形セメント板53の中間部を示している。中間部では、上述同様に滑り材117を挟んで支持プレート77を固定し、この支持プレート77に、仕上げ材取付用下地金物83を介して仕上げ材取付用プレート87を固定する。
【0032】
図5に示すように、躯体側面の最上部では、不図示の柱に固定された梁103の外面103aに、一次L形鋼49が固定される。一次L形鋼49は、一方の片49aが水平となるように、他方の片49bを梁103に固定してある。この一次L形鋼49には、更に、二次L形鋼51が溶接等により固定されている。二次L形鋼51は、一方の片51aが梁103の外面103aと平行となるように他方の片51bを一次L形鋼49の一方の片49aに固定してある。
【0033】
最上段の押出成形セメント板53の背面上端には、稲妻金物61が固定される。稲妻金物61は、長手方向が上下方向となる向きで、且つ上端と、押出成形セメント板53の背面との間に間隙ができるように取り付けられる。稲妻金物61は、この間隙で、二次L形鋼51の一方の片51aを挟持している。これにより、最上段の押出成形セメント板53の上端は、梁103、即ち、躯体側へ取り付けられている。
【0034】
押出成形セメント板53の表面上端には、上述と同様の構成により、滑り材117を挟んで支持プレート77が固定され、支持プレート77には、仕上げ材取付用下地金物83が固定されている。但し、最上段の表面上端では、これら一体となった支持プレート77及び仕上げ材取付用下地金物83が、上述の各部位と上下逆向きに固定されている。仕上げ材取付用下地金物83の一方の片83aには、上述の仕上げ材取付用プレート87と異なる形状の仕上げ材取付用プレート105が固定されている。
【0035】
仕上げ材取付用プレート105は、クランク状に折り曲げられ、一端105aが仕上げ材取付用下地金物83の一方の片83aに固定される。従って、仕上げ材取付用プレート105の他端105bは、一端105aより上方で、この一端105aと平行となって外方へ突出する。この他端105bには、下面から垂直に突出するだぼピン91を設けてある。この下側に突出するだぼピン91は、上述同様に、押出成形セメント板53の幅方向に長い長穴93(図2参照)を介して、この長穴93の長手方向に移動可能となって仕上げ材取付用プレート105に係合保持されている。仕上げ材取付用プレート105から突出しただぼピン91は、押出成形セメント板53の外方に取り付けられた最上段の仕上げ材95の上端面に挿嵌される。
【0036】
躯体の上部には、笠木材107が設けられる。笠木材107の先端は、仕上げ材95の上端面を覆う位置まで延出されている。笠木材107の下面側と押出成形セメント板53の上端面との間にはガスケット57が介装されている。また、笠木材107の下面側と押出成形セメント板53の表面との間は、シーリング71、バックアップ材73により防水シールされている。更に、笠木材107と仕上げ材95との間も、シーリング71、バックアップ材73により防水シールされている。
【0037】
このように構成された押出成形セメント板53への仕上げ材95の取付構造では、層間変位によって躯体と押出成形セメント板53の間に変位が生じた場合でも、押出成形セメント板53が、面方向に揺動可能に取り付けられているので、この変位が押出成形セメント板53の面方向の移動(ロッキング)によって吸収される。更に押出成形セメント板53中央下部をロッキングブロック55で支持することによって、よりスムーズにロッキングすることができ、変位を確実に吸収することができる。
【0038】
また、水平に連続して取り付けられた仕上げ材取付用下地金物83は、支持プレート77を介して押出成形セメント板53の幅方向中央部で固定されており、層間変位によって押出成形セメント板53がロッキングした場合でも仕上げ材取付用金物83は水平方向に平行移動し、押出成形セメント板53との間に変位が生じた場合であっても、この変位が吸収される。
【0039】
また、押出成形セメント板53表面には、支持プレート77が取り付けられ、これに仕上げ材取付用下地金物83が取り付けられる。押出成形セメント板53と支持プレート77との間には滑り材117が挟持され、層間変位時に押出成形セメント板53と支持プレート77がスムーズに動くようになっている。仕上げ材95は、仕上げ材取付用下地金物83に仕上げ材取付用プレート87を介して下端がだぼピン89によって移動不能に固定される一方、上端が、押出成形セメント板53の幅方向に移動可能に支持されただぼピン91によって支持される。これにより、仕上げ材95もまた、面方向に移動揺動可能となって押出成形セメント板53に取り付けられる。従って、振動等の外力により、押出成形セメント板53と仕上げ材95との間に変位が生じた場合であっても、この変位が仕上げ材95の面方向の移動により吸収されることになる。
【0040】
このように、上述の仕上げ材と押出成形セメント板の仕上げ材取付構造によれば、押出成形セメント板53の下端面をロッキングブロック55により支持することで、押出成形セメント板53を面方向に揺動可能に支持した。また、押出成形セメント板53の表面に、支持プレート77を介して仕上げ材取付用下地金物83を固定し、これに仕上げ材取付用プレート87を固定し、押出成形セメント板53の幅方向に移動可能なだぼピン91を仕上げ材95の上端面に挿嵌して、仕上げ材95を面方向に移動可能に支持した。
【0041】
この結果、外力の作用により生じた躯体と押出成形セメント板53との間の変位、又は押出成形セメント板53と仕上げ材95との間の変位を吸収することができ、押出成形セメント板53、仕上げ材95のいずれにも応力の集中することがなく、亀裂、圧壊等を防止することができる。
【0042】
なお、上述した実施形態では、仕上げ材95が石材、陶板、大理石、セラミック板等である場合を例に説明したが、本発明に係る仕上げ材取付構造は、仕上げ材が図6に示す塗装鋼板からなるスパンドレル111であってもよい。この例では、上述の仕上げ材取付用下地金物83を省略し、水平固定部材113自体を断面L字状に形成してある。水平固定部材113は、一方の片113aが水平となるように、他方の片113bを押出成形セメント板53の表面に固定してある。
【0043】
水平固定部材113の一方の片113aには、ボルト穴113cが形成されている。このボルト穴113cには、ボルト115が挿通される。このボルト穴113cは、押出成形セメント板53の幅方向に長い長穴となっている。水平固定部材113に仕上げ材取付用下地金物83が取り付けられる。水平固定部材113と仕上げ材取付用下地金物83の間には滑り材117が挟持されている。仕上げ材取付用下地金物83には、ボルト115が挿通されるボルト穴113dが形成されている。このボルト穴113dは躯体側から外方向に向かって長い長穴となっている。
水平固定部材113及び仕上げ材取付用下地金物83に挿通されたボルト115の先端には、ボルト受け金具(図示せず)が螺合される。そしてこの仕上げ材取付用下地金物83にスパンドレル111が取り付けられる。
【0044】
従って、このスパンドレル111の場合も上述の押出成形セメント板53と同様に、スパンドレル111を取り付けている仕上げ材取付用下地金物83が、ボルト穴113cが移動する範囲内で移動可能となっている。この結果、押出成形セメント板53と仕上げ材取付用下地金物83との間の変位を吸収でき、スパンドレル111に応力の集中することがなく、変形等を防止することができる。なお、ボルト穴113dはスパンドレル111の出寸法を調整するものである。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る仕上げ材取付構造は、押出成形セメント板の下端面を支持部に支持することで、押出成形セメント板を面方向に揺動可能に支持した。また、押出成形セメント板の表面に、仕上げ材取付用プレートを固定し、押出成形セメント板の幅方向に移動可能なだぼピンを仕上げ材の上端面に挿嵌して、仕上げ材を面方向に揺動可能に支持した。この結果、外力の作用により生じた躯体と押出成形セメント板との間の変位、又は押出成形セメント板と仕上げ材との間の変位を共に吸収することができ、押出成形セメント板、仕上げ材両方の亀裂、圧壊等を防止することができる。
更に、押出成形セメント板の割り付けに制約されることなく仕上げ材を取り付けることができるので、壁面の意匠性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る仕上げ材取付構造の基礎部の垂直断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る仕上げ材取付構造の中間部の垂直断面図である。
【図4】本発明に係る仕上げ材取付構造の目地部以外の中間部の垂直断面図である。
【図5】本発明に係る仕上げ材取付構造の上部の垂直断面図である。
【図6】本発明に係る仕上げ材取付構造の変形例を示す水平断面図である。
【図7】従来の仕上げ材取付構造を示すジョイント部の垂直断面図である。
【図8】従来の仕上げ材取付構造を示すジョイント部の水平断面図である。
【図9】従来の仕上げ材取付構造を示す上部の垂直断面図である。
【符号の説明】
53…押出成形セメント板、55…ロッキングブロック(支持部)、83…仕上げ材取付用下地金物、83a…一方の片(水平固定部)、83c…遊嵌穴、85…ボルト、87,105…仕上げ材取付用プレート、87a…ボルト穴、89,91…だぼピン、95…仕上げ材

Claims (4)

  1. 躯体の側面に、複数の押出成形セメント板を取り付け、該押出成形セメント板の表面に仕上げ材を取り付ける押出成形セメント板への仕上げ材取付構造であって、
    前記押出成形セメント板が前記躯体側面と平行な面方向で揺動可能となるように、前記押出成形セメント板を前記躯体に取り付け、
    前記押出成形セメント板の幅方向に水平に連続する仕上げ材取付用下地金物を、前記押出成形セメント板の高さ方向に複数本、前記押出成形セメント板の表面側幅方向中央部に滑り材を介して上端側がボルト固定された支持プレートの下端側に固定し、
    前記仕上げ材取付用下地金物に前記仕上げ材を取り付けることを特徴とする押出成形セメント板への仕上げ材取付構造。
  2. 前記押出成形セメント板中央下端面をロッキングブロックによって支持したことを特徴とする請求項1に記載の押出成形セメント板への仕上げ材取付構造。
  3. 前記仕上げ材取付用下地金物に前記仕上げ材取付用プレートを取り付け、該仕上げ材取付用プレートの上側に突出するだぼピンを上側仕上げ材の下端面に挿嵌するとともに、下側に突出するだぼピンを下側仕上げ材の上端面に挿嵌し、
    前記仕上げ材の上端面に挿嵌されただぼピンのみを前記押出成形セメント板の幅方向へ平行移動可能に前記仕上げ材取付用プレートに取り付けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の押出成形セメント板への仕上げ材取付構造。
  4. 前記仕上げ材取付用下地金物は、水平に連続した片を有しており、
    この片又はこの片に取り付けられる仕上げ材取付用プレートのいずれか一方にボルト穴を形成し、
    前記又は前記仕上げ材取付用プレートのいずれか他方に前記ボルト穴より長い遊嵌穴を前記押出成形セメント板の幅方向に形成し、
    前記ボルト穴及び遊嵌長穴とにボルトを挿嵌し、
    前記に対して水平方向に相対移動可能となった前記仕上げ材取付用プレートを、前記に締着したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の押出成形セメント板への仕上げ材取付構造。
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