JP3808848B2

JP3808848B2 - 外壁用エキスパンション・ジョイント

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Publication number: JP3808848B2
Application number: JP2003282493A
Authority: JP
Inventors: 亘小林
Original assignee: 日昭株式会社
Priority date: 2003-07-30
Filing date: 2003-07-30
Publication date: 2006-08-16
Anticipated expiration: 2023-07-30
Also published as: JP2005048489A

Description

本発明は、免震建物等における外壁用エキスパンション・ジョイントや比較的クリアランスCの大きな外壁用エキスパンション・ジョイントに関するものである。

建築用エキスパンション・ジョイントは、建物にかかる外力等の変動要因から発生する応力の伝達を分断するために設けられた分割ラインのことであり、隣接して建てられた左右の建物同士の激突を防ぐために設けられたクリアランスC（間隙）を建物の揺れ動きに追従可動する化粧カバープレートで塞ぎ、左右の建物を接続、一体化して使用出来るようにするジョイント部材のことである。

従って、エキスパンション・ジョイントは、その取付部位により名称が、外壁用、床用、天井用、屋根用、内壁用といったように異なり、その形状もそれぞれ取付部位により特性を有して異なっているが、概略すると、地震等によるクリアランスCの変化に追従する骨材と該骨材に取り付けられた化粧縁材および化カバープレートから構成されている。

従来のエキスパンション・ジョイント部分に取付られる化粧カバープレートは、地震等の一時変形や、不同沈下等の永久変形によるクリアランスCの変化の想定が比較的小さいこともあり、化粧カバープレートを支持するために設けられた両端の化粧縁材間に嵌合、装架されている構成のものが多い。

この従来型の化粧カバープレートの両端は、前記化粧縁材内に見込み伸張部分が重複して格納されており、且つ収縮にも対応出来るよう化粧縁材内に逃げの隙間を有する構成を有しており、該化粧縁材間で地震等によるクリアランスCの変化に追従している。

図１２及び図１３は従来型の外壁用エキスパンション・ジョイントの形状を示す従来例を説明する斜視断面説明図であり、図１２は、対向する建物A、Bの外壁面がクリアランスＣを介して同一面状にあるタイプ、図１３は、対向する建物A、Bの外壁面がクリアランスCを介して外壁コーナーを形成しているタイプを示している。

図１２および図１３において、互いに対向する建物A、B間には、クリアランスCが設けられており、該クリアランスCを覆うエキスパンション・ジョイント５０または５４が設置されている。

図１２において、エキスパンション・ジョイント５０は、骨材を形成する縁材５１a、５１bに固定された化粧縁材５２a、５２b、該化粧縁材５２a、５２bに両端を挟持された化粧カバープレート５３からなり、該化粧カバープレート５３は、建物A、B間のクリアランスCを塞ぎ、且つ建物A、Bが前後、左右、上下に揺れた場合のクリアランスC変化に追従できるように前記化粧縁材５２a、５２b内に見込み伸長部分が重複して格納されており、また、クリアランスCの収縮にも対応できるよう前記化粧カバープレートを両端で挟持する化粧縁材５２a、５２b内に逃げの隙間を有する構成となっている。

従って、クリアランスCが大きくなれば、塞ぎ材となる化粧カバープレート５３の幅は大きくなり、該化粧カバープレート５３の伸縮部分を保有する化粧縁材５２a、５２bの幅も大きなものとなる。

図１３は、所謂、外壁コーナー部分のエキスパンション・ジョイント５４を示し、該エキスパンション・ジョイント５４の化粧カバープレート５３の構造は、建物Aの外壁５５aに対して垂直に当接する化粧縁材５６a側では、前記伸縮部分を設けることはできないので、前後、上下の変化にはある程度対応できる構成とし、クリアランスCの伸縮に対しては、事実上は固定されており、その分、化粧縁材５６b内に前記化粧カバープレート５３の伸縮間隙５７を設けているので化粧縁材５６bの幅は非常に大きな物となる。

而して、近年は建物の大型化や高層化、そして免震構造の建物が多く建てられるようになってきたことにより、建物間のクリアランスCが、従来の５０mmから３００mm程度であったものが、８００mmから１６００mmと大きくなり、地震等の一時変形では、その可動量も±800mmにも追従出来る免震建物用エキスパンション・ジョイントが多く用いられる様になってきた。

上述の傾向の中で、クリアランスCの大きい外壁用のエキスパンション・ジョイントは、外壁間のクリアランスCをステンレス、アルミ等の金属加工にて作られる化粧カバープレート材で覆うため、当然のことながら化粧カバープレート材の自重が重くなり、該大重量の化粧カバープレート材をしっかりと持設する安全構成と、地震等の一時変形に対して、化粧カバープレート材をスムーズに動かして揺れに追従でき、建物やエキスパンション・ジョイントに損傷を与えない可動機構を備えたエキスパンション・ジョイントの具現が要望されいる。

また、クリアランスCが大きく、可動量も大きな外壁用エキスパンション・ジョイントを図１２および図１３にて説明した従来型の外壁用エキスパンション・ジョイントの構成にて製作すると、化粧カバープレート材の幅、並びに化粧縁材の幅が、非常に大きくなり、大重量の製品となるために高所作業での取付作業を困難なもにしている。

更に、タイル貼りや、石材を用いた化粧外壁部に、幅広の金属材料で、他の外壁面より突出した形状の縦型帯状エキスパンション・ジョイントが施工されることは、建物の意匠性を著しく阻害するもので、意匠的にも優れた外観形状を有するエキスパンション・ジョイントの具現が望まれている。

本発明が解決しようとする課題は、特に幅広のクリアランスCを覆うエキスパンション・ジョイントや免震建物等における外壁用エキスパンション・ジョイントにある。

本発明は、建物の外壁に間に設けられたクリアランスC内にエキスパンション・ジョイント機構を全て納めることにより、従来のエキスパンション・ジョイントに比べて優れた意匠性を生じせしめ、また、金属製の化粧カバープレートをその幅方向で少なくとも２分割できる構成として、施工性がよく、しかも化粧カバープレート材をしっかりと持設できる安全構成と、地震等の一時変形に対して、化粧カバープレート材をスムーズに動かして揺れに追従出来、エキスパンション・ジョイントや建物に損傷を与えない可動機構を備えたエキスパンション・ジョイントを提供することを目的としている。

本発明は、互いに対向する建物A、B間の外壁面が設定されたクリアランスCを介して同一面上にあり同面に構成されている場合にあって、該クリアランスCに外壁用エキスパンション・ジョイントとエキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートを設けるにあたり、該エキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートは少なくとも２分割された形状に構成され、該分割されたそれぞれの化粧カバープレートの化粧面が前記建物A、Ｂ間の外壁面に対して同面（どうづら）または面落ち（めんおち）で取り付けられ、該化粧カバープレートを含むエキスパンション・ジョイントは地震等でクリアランスCが収縮した場合には少なくとも２分割された化粧カバープレートの分割部で片側がせり上がることによりクリアランスCの収縮に追従可動し、該クリアランスCが広がった場合には化粧カバープレートの分割部に間隙が生じてクリアランスCの広がりに追従可動する構成とした。

また、本発明は、所謂、外壁コーナーのエキスパンション・ジョイントを、互いに対向する建物A、B間の外壁が外壁コーナー形状を形成し、該外壁コーナー部に設定されたクリアランスCを有している場合にあって、該クリアランスCに外壁用エキスパンション・ジョイントとエキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートを設けるにあたり、
該エキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートは少なくとも２分割された形状に構成され、該分割された化粧カバープレートの一端は外壁面に対して垂直に当接されており、他端は化粧カバープレイトの化粧面が前記建物の外壁面に対して同面（どうづら）または面落ち（めんおち）で取り付けられ、該化粧カバープレートを含むエキスパンション・ジョイントは地震等でクリアランスCが収縮した場合には少なくとも２分割された化粧カバーの分割部で片側がせり上がることによりクリアランスCの収縮に追従可動し、該クリアランスＣが広がった場合には化粧カバープレートの分割部に間隙が生じてクリアランスＣの広がりに追従可動する構成とした。

而して本発明は、互いに対向する建物A、Bの外壁同士が同一面状にある場合、並びに外壁コーナー形状の場合にあっても、クリアランスC内に縁材や化粧カバープレート材からなるエキスパンション・ジョイントを納めることの可能な新規な構成を実現でき、該構成はクリアランスC内に外壁面と同面（どうづら）、或いは面落ち（めんおち）エキスパンション・ジョイントを設置でき、更にはクリアランスCが１０００〜１６００ｍｍと大きくなると、面落ち形状よりも、もっと外壁面より内部側のセット・バックした所にエキスパンション・ジョイントを施工することができるもので、本発明のエキスパンション・ジョイントの具現は、金属板等で形成される幅広のエキスパンション・ジョイント化粧カバープレートが建物の意匠を台無しにしていた欠点を解消し、優れた意匠性を有する外壁用エキスパンション・ジョイントが提供できた。

更に、本発明において、互いに対向する建物Ａ、Ｂ間に装架されるエキスパンションジョイントの化粧カバープレートは、前記クリアランスＣ内に設置されたキャッチパン上で少なくとも２分割され互いに他端は建物Ａ、Ｂの縁部に丁番を介して固着され、前記キャッチパンはそれぞれの建物Ａ、Ｂの外壁縁部に設けられた通し材からなる縁材間に適宜な間隔をもって複数本斜めに装架配置され両端が縁材に対して摺動自在な可動アームにて支持されており、該キャッチパンは前記化粧カバープレートの分割部から侵入する雨水を下部に流して排水する構成が可能となった。

そして、上記キャッチパン上で少なくとも２分割された化粧カバープレートのそれぞれの他端は、建物A、Bの外壁のクリアランスC縁部に丁番を介して固着させることにより、幅広で重量の重い化粧カバープレートを分割部品とすることが可能となり、該構成は高所での取付作業を効率良いものにした。

更に、本発明は、キャッチパンを支持する可動アームの他の実施例として、本発明は、可動アームを伸縮自在なアームで構成して建物A、Bの縁部にそれぞれ一端が取り付けられるとき、該互いに対向する建物A、Bの左右、上下、前後の動きに対応できる自在継ぎ手を介して取り付けられている構成を提案している。

而して、本発明は、前記分割された化粧カバープレートの裏面にはアウターレールとインナーレールからなる伸縮自在のスライドレールが任意ピッチを有して複数本それぞれ設置されており、該スライドレールのアウターレールには前記化粧カバープレイトがビス等で固着されており、該スライドレールのインナーレールは前記可動アームに支持されたキャッチパンの縁部に当接載置されており、該キャッチパン上でスライドレールを介して摺動可能な前記化粧カバープレートは互いに斜めに当接した形状の分割めし合わせ部を有し、該分割された化粧カバープレートが左右に円滑に摺動可能とし、前記クリアランスCが収縮した場合には化粧カバープレートの斜め形状分割めし合わせ部片側がせり上がりすることによりクリアランスC内で、該クリアランスC内の収縮に追従可動できる具体的な機構を明示した。

上記構成により、互いに対向する建物A、Bの外壁同士が同一面状にある場合、並びに外壁コーナー形状の場合にあっても、クリアランスC内に縁材や化粧カバープレート材からなるエキスパンション・ジョイントを納めることが可能となり、従来のエキスパンション・ジョイントの如く、縁材に固定された化粧縁材、該化粧縁材に両端を挟持された化粧カバープレートからなり、該化粧縁材内に見込み伸長部分が重複して格納されている構成、また、クリアランスCの収縮にも対応できるよう前記化粧カバープレートを両端で挟持する化粧縁材内に逃げの隙間を有する構成が不要となった。

従って、クリアランスCが大きくなれば、塞ぎ材となる化粧カバープレートの幅は大きくなり、該化粧カバープレートの伸縮部分を保有する化粧縁材の幅も大きなもなってしまう従来の欠点は解消でき、クリアランスCが、外壁エキスパンション・ジョイントの幅自体を構成する構造となった。

更に、本発明は、前記スライドレールのインナーレールをキャッチパンに当接し、該スライドレールを裏面に有したそれぞれの化粧カバープレートが風圧等で煽られないよう前記それぞれの化粧カバープレートの他端は適宜ピッチでスプリング丁番を介して建物A、Bの縁部に固着され常に化粧カバープレートのインナーレールをキャッチパン縁部に押圧しているよう構成したことを提案した。

前記スプリング丁番で化粧カバープレートをキャッチパンに押圧して、該化粧カバープレートが風圧等で煽られ音を発生しないようにした構成は、従来のエキスパンション・ジョイントが該化粧カバープレート等を引っ張りコイルスプリングを張架して同様の効果を狙っていたものに比較して数段に施工が簡略化できる他、引っ張りスプリングの張架しろが、止水補助シートや耐火帯の取付に邪魔をして施工効率を悪くしていた点を大幅に改善できた。

斯くして、本発明は、特に幅広のクリアランスCを有するエキスパンション・ジョイントや免震建物等の外壁用エキスパンション・ジョイントおいて、タイル貼りや、石材を用いた外壁部に、従来型のように、幅広の金属材料で形成された化粧カバープレートが外壁面より突出した縦型帯状エキスパンション・ジョイントとして不格好に施工されることをなくして、互いに対向する建物A、Bの外壁同士が同一面上にある場合、および外壁コーナー形状の場合にあっても、クリアランスC内に縁材や化粧カバープレート材からなるエキスパンション・ジョイントを納めることの可能な新規な構成を実現でき、該構成はクリアランスC内に外壁面と同一面で同面（めんぞろ）、或いは面落ち（めんおち）、更にはクリアランスCが１０００〜１６００ｍｍと大きくなると、もっと外壁面より内部側のセット・バックした位置にエキスパンション・ジョイントを施工することができ、建物の意匠を損なわない意匠性の高い外壁用エキスパンション・ジョイントが提供できた。

そして本発明は、特に建物の外壁に実施されて、施工性がよく、しかも化粧カバープレート材をしっかりと持設できる安全構成と、地震等の一時変形に対して、化粧カバープレート材をスムーズに動かして揺れに追従出来、建物やエキスパンション・ジョイントに損傷を与えない可動機構を備えたエキスパンション・ジョイントを提供した。

以下本発明の実施例を図１乃至図１１に基づき詳説する。図１乃至図１１は本発明をエキスパンション・ジョイントに実施した例を示すもので、図１は斜視断面説明図、図２は外壁コーナー斜視断面説明図、図３は本発明の全体構成を示す斜視断面図、図４及び図５はキャッチパンの支持機構となる可動アームの配列を示す平断面図、図６は化粧カバープレートとスライドレールおよびキャッチパンの関連を示す正面図、図７は化粧カバープレートとスライドレールを建物A、Bの外壁に固着するためのスプリング丁番説明図、図８乃至図１１は本発明のエキスパンション・ジョイントがクリアランスの変動に対してどの様に作動するかを説明する示す作動説明図である。

図１及び図２に於いて、互いに対向する建物A、B間の外壁面１、２は、クリアランスCを有しており、縁材３と４が対向して設けられており、該縁材３と４上部にはそれぞれ化粧カバープレート５、６が、配置され、前記外壁面１，２に固着されている。
尚、７はキャッチパン、８は止水補助シートを示している。

而して、図１は、建物A、B間の外壁面１、２がクリアランスCを介して同一面上にあり、本発明のエキスパンション・ジョイント９の化粧カバープレート５、６の化粧面は外壁面１、２に対して面落ちした状態で取り付けられていることを示している。尚、想像線にて示すエキスパンション・ジョイント９aは、外壁面１、２に対して外壁内部側にセット・バックされた位置で取り付けられている状態を示している。

図２は、所謂、外壁コーナーとよばれている外壁間の形状に本発明のエキスパンション・ジョイント９ｂを取り付けた状態を示しており、クリアランスC内に取り付けられたエキスパンション・ジョイント９ｂの化粧カバープレート５、６化粧面は外壁面２に対して同面（どうづら）に取り付けられ、前記化粧カバープレート５の一端は外壁面１に対して垂直に当接されている状態を示している。

図３において、１，２は外壁面、３、４は縁材、５、６はアルミまたはステンレス鋼板等で加工された化粧カバープレート、７はキャッチパン、８は軟質塩ビからなる止水補助シート、１０はセラミックファイバー等からなる耐火帯を示している。

前記化粧カバープレート５、６はそれぞれの外壁面１、２の縁部設けられた通し材からなる縁材３、４間に適宜な間隔持って複数本斜めに装架配置され両端が縁材３、４に対して摺動自在な可動アーム１１a、１１b、１１c・・・により支持されたキャッチパン７上で左右に分割され互いに他端は建物A、Bの外壁面１、２の縁部にそれぞれスプリング丁番１２a、１２b、１２c・・・、１３a、１３b、１３c・・・を介して固着されている。

また、図４は、前記可動アーム１１a、１１b、１１c・・・の配置状況は、図４に示すように、外壁面１、２の縁部に設けられた通し材の縁材３、４間に適宜な間隔を持って複数本配置されるもので有り、可動アーム１１a、１１b、１１c・・・の両端は摺動性の良い球形状の嵌合体１４がそれぞれ形成されていて、該嵌合体１４が前記縁部１、２にそれぞれ刻設されれた円径形状溝１５内に緩嵌されて、該緩嵌部で前記可動アーム１１a、１１b、１１c・・・の両端部は自在継ぎ手の如く回動および摺動できる。
尚、図４において、１６は前記キャッチパン７を螺着するためのボルト位置を示しており、１２a、１２ｂ、１２c・・・、１３a、１３ｂ、１３ｃ・・・は図３に示したスプリング丁番の配列を示している。

図５は可動アーム１１a、１１b、１１ｃ・・・の他の実施形態を示すもので、可動アーム１１a、１１b、１１c・・・の形状がX形状をしており、中央のクロス部分１６がキャッチパン７を支持するボルト位置となっており、該ボルト位置１６を中心に各２本のアームが回動することで、クリアランスCの伸縮に追従できる。

上記可動アーム１１a、１１b、１１c・・・の形状は他にもアーム本体を伸縮自在構造として縁部１、２間に装架して、該縁部１、２との嵌合部は自在継ぎ手を介して嵌着させる等の方法がある。

斯くして、図３と図６を参照に前記キャッチパン７上で少なくとも２分割された化粧カバープレイト５、６の回動および摺動機構を説明する。
前記、分割された化粧カバープレート５、６の裏面には、アウターレール１７とインナーレール１８からなる２本のレールの組み合わせにて伸縮自在のスライドレール１９a、１９b、１９c・・・が任意ピッチを有して複数本それぞれ設置されている。

該スライドレール１９a、１９b、１９ｃ・・・のアウターレール１７には、前記化粧カバープレートがビス２０a、２０b、２０c、２０d等で取付作業最終工程で固着されるもので、本発明のエキスパンション・ジョイントは、化粧カバープレート５、６が該部分で後日でも容易に取り外し可能で、メンテナンスの容易な構成となっている。

而して前記スライドレール１９a、１９b、１９c・・・のインナーレール１８は前記可動アーム１１a、１１b、１１c・・・にて支持されたキャッチパン７の立ち上がり部２１に当接載置されているが、前記インナーレール１８とアウターレール１７の円滑な摺動は、該スライドレール１９a、１９b、１９c・・・上に装着された化粧カバープレート５、６の動きを円滑なものとし、クリアランスCの伸縮に十分に追従可動できる。

上記キャッチパン７上でスライドレール１９a、１９b、１９c・・・を介して向き合う摺動可能な化粧カバープレート５、６はその平断面形状で、互いに斜めに当接した形状の分割めし合わせ部２２、２３を有し、該めし合わせ部２２，２３は前記の如く斜めに当接しているため、通常では、内部または外部が透けて見える隙間をつくりださない。

斯くして、略中央部で分割された化粧カバープレート５、６はスライドレール１９a、１９b、１９c・・・の働きにより前後、左右に円滑に摺動可能で、前記クリアランスCが地震等により収縮した場合には化粧カバープレート５の分割めし合わせ部２２が、化粧カバープレート６のめし合わせ部２３に突き当たり、せり上がるのでクリアランスCの収縮に追従可動できる。

また、地震等でクリアランスCが広がった場合には、前記分割めし合わせ部２２，２３には或るピッチで、適宜配置されたインナーレール１８の先端部が突出して摺動するよう切り欠き部２４がそれぞれ設けてあり、該インナーレール１８の摺動により分割めし合わせ部２２、２３間に間隙が生じて、クリアランスCの広がりに追従可動できる。

更に本発明では、スライドレール１９a、１９b、１９c・・・のインナーレール１８をキャッチパン７に当接し、該スライドレール１９a、１９ｂ、１９・・・に一体化した化粧カバープレートが風圧等で煽られ風切り音を発生しないよう前記スライドレールを適宜ピッチでスプリング丁番２５を介して建物A、Bの外壁部１，２の縁部に固着せしめ、常に化粧カバープレートとインナーレール１８がキャッチパン７の立ち上がり部２１に押圧しているように構成している。

尚、図７は前記スプリング丁番１２、１３等の形状例を示すものでスプリング丁番１２，１３は、軸２５に対し回動可能なあて板２６、２７が設けてあり、該あて板２６，２７の動きを規制するコイルバネ２８により形成されている。

図８乃至図１１は本発明のエキスパンション・ジョイントがクリアランスの変動に対してどの様に作動するかを説明する示す作動説明図である。
図８乃至図１１に於いて図１乃至図７と同一符号は、同一構成要素を示している。
図８は建物A、B間のクリアランスCを設定しエキスパンション・ジョイントをクリアランスC内に面落ちの状態で設置した通常状態の断面形状を示している。

図９は地震等の一時変形によりクリアランスCが極端に狭まってしまった場合の化粧カバープレート５、６の動作を示しており、該化粧カバープレート５、６を含むエキスパンション・ジョイントはクリアランスCが収縮して２分割された化粧カバープレート５、６の分割めし合わせ部２２、２３で、分割めし合わせ部２２がせり上がりることによりクリアランスC収縮に追従し、化粧カバープレート５、６は損傷することがない。

図１０はクリアランスCが極端に広がってしまった場合の化粧カバー５、６の動作を示している。スライドレール１９a、１９b、１９c・・・のアウターレール１７とインナーレール１８は伸長し、特にインナーレール１８は、前記分割めし合わせ部２２，２３に適宜配置されたインナーレール１８の先端部が突出して摺動するよう切り欠き部２４がそれぞれ設けてあり、該インナーレール１８の摺動により、分割めし合わせ部２２、２３間に間隙が生じて、クリアランスCの広がりに追従可動できる。
この時、互いに化粧カバープレート５、６間は離れているが、内部にキャッチパン７が介在しているため、隙間内部にはキャッチパン７が介在して目隠しとなり、化粧カバープレート５，６の内部は見通せない。

また、図１１は建物A、Bの外壁面１、２が前後に揺れた場合の動作を示している。
この動きに対しては、可動アーム１１a、１１b、１１c・・・を両端で支持する縁材３、４がアルミ形材にて形成されるアルミ丁番２９にて追従し、化粧カバープレート５、６およびスライドレール１９a、１９b、１９c・・・はスプリング丁番１２，１３等で追従している。

斯くして、本発明は、互いに対向する建物A、B間の外壁面１、２が設定されたクリアランスCを介して同一壁面で同面に構成されている場合にあって、該クリアランスCに外壁用エキスパンション・ジョイントとエキスパンション・ジョイントの化粧カバープレート５、６を設けるにあたり、該エキスパンション・ジョイントの化粧カバープレート５、６は少なくとも２分割された形状に構成され、該分割された化粧カバープレート５、６の化粧面が前記建物A、B間の外壁面１、２に対して同面または面落ち或いは外壁面１，２内部にセット・バックして取り付けられ、該化粧カバープレート５、６を含むエキスパンション・ジョイントは地震等でクリアランスCが収縮した場合には少なくとも２分割された化粧カバープレート５，６の分割めし合わせ部２２、２３で片方がせり上がりることによりクリアランスC収縮に追従し、該クリアランスCが広がった場合には化粧カバープレート５，６の分割めし合わせ部２２、２３に間隙が生じてクリアランスCの広がりに追従する外壁用エキスパンション・ジョイントを提供した。

尚、上記化粧カバープレートは例えば、３分割構成として、真ん中に位置した化粧カバーを両サイドに位置した化粧カバープレートが押圧して真ん中の化粧カバープレートをせり上げ、クリアランスCの収縮に対応することも可能である。

また本発明は、外壁用エキスパンション・ジョイントに実施して、最良の効果を生じるが、内壁用や、屋根用のエキスパンション・ジョイントにも使用でき顕著な効果を発生させることができる。

また、本発明は、互いに対向する建物A、B間の外壁１、２が外壁コーナー形状を形成し、該外壁コーナー部に設定されたクリアランスCを有している場合にあって、
該クリアランスC内に外壁用エキスパンション・ジョイントとエキスパンション・ジョイントの化粧カバープレート５、６を設けるにあたり、該エキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートは少なくとも２分割された形状に構成され、該分割された化粧カバープレート５、６の一端は外壁面１に対して垂直に当接されており他端は化粧カバープレイトの化粧面が前記建物の外壁面２に対して同面または面落ち或いはセット・バックして取り付けられ、該化粧カバープレート５、６を含むエキスパンション・ジョイントは地震等でクリアランスCが収縮した場合には少なくとも２分割された化粧カバーの分割めし合わせ部２２、２３で片側がせり上がることによりクリアランスCの収縮に追従可動し、
該クリアランスCが広がった場合には化粧カバープレート５、６の分割めし合わせ部２２、２３に間隙が生じてクリアランスCの広がりに追従可動することする外壁用エキスパンション・ジョイントを提供した。

本発明の一実施例を示す斜視断面説明図である。本発明の一実施例を示す斜視断面説明図である。本発明の構成を示す斜視断面説明図である。可動アームの配列を示す平面図である。可動アームの他の実施例を示す説明図である。本発明を説明する平面図である。本発明に使用する丁番の例を示す説明図である。本発明の作動説明図である。本発明の作動説明図である。本発明の作動説明図である。本発明の作動説明図である。従来例を説明する斜視図である従来例を説明する斜視図である。

符号の説明

A 建物
B 建物
C エキスパンション・ジョイントのクリアランス
１外壁面
２外壁面
３縁材
４縁材
５化粧カバープレート
６化粧カバープレート
７キャッチパン
８止水補助シート
９エキスパンション・ジョイント
１０耐火帯
１１a、１１b、１１c・・・可動アーム
１２a、１２b、１２c・・・スプリング丁番
１３a、１３ｂ、１３c・・・スプリング丁番
１４球状の嵌合体
１５円形状溝
１６クロス部分
１７アウターレール
１８インナーレール
１９a、１９b、１９c・・・スライドレール
２０a、２０b、２０c、２０d ビス
２１キャッチパン立ち上がり部
２２分割めし合わせ部
２３分割めし合わせ部
２４切り欠き部
２５軸
２６あて板
２７あて板
２８コイルバネ
２９アルミ丁番

Claims

互いに対向する建物Ａ、Ｂ間の外壁面が設定されたクリアランスＣを介して同一壁面で同面に構成されている場合にあって、
該クリアランスＣに外壁用エキスパンション・ジョイントとエキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートを設けるにあたり、
該エキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートは少なくとも２分割された形状に構成され、
該分割された化粧カバープレートの化粧面が前記建物Ａ、Ｂ間の外壁面に対して同面または面落ち或いは外壁面内部にセット・バックして取り付けられ、
前記分割された化粧カバープレート裏面にはアウターレールとインナーレールからなる伸縮自在のスライドレールが任意ピッチを有して複数本それぞれ設置されており、
該スライドレールのアウターレールには前記化粧カバープレートがビス等で固着されており、
該スライドレールのインナーレールは可動アームに支持されたキャッチパンの立ち上がり部に当接載置されており、
該キャッチパン上でスライドレールを介して摺動可能な前記化粧カバープレートは互いに斜めに当接した形状の分割めし合わせ部を有し、
該化粧カバープレートを含むエキスパンション・ジョイントは地震等でクリアランスＣが収縮した場合には少なくとも２分割された化粧カバープレートの分割めし合わせ部で片方がせり上がりることによりクリアランスＣの収縮に追従可動し、
該クリアランスＣが広がった場合には化粧カバープレートの分割部に間隙が生じてクリアランスＣの広がりに追従可動することを特徴とする外壁用エキスパンション・ジョイント。
互いに対向する建物Ａ、Ｂ間の外壁が外壁コーナー形状を形成し、
該外壁コーナー部に設定されたクリアランスＣを有している場合にあって、
該クリアランスＣ内に外壁用エキスパンション・ジョイントとエキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートを設けるにあたり、
該エキスパンション・ジョイントの化粧カバープレートは少なくとも２分割された形状に構成され、
該分割された化粧カバープレートの一端は外壁面に対して垂直に当接されており他端は化粧カバープレートの化粧面が前記建物の外壁面に対して同面または面落ち或いはセット・バックして取り付けられ、
前記分割された化粧カバープレート裏面にはアウターレールとインナーレールからなる伸縮自在のスライドレールが任意ピッチを有して複数本それぞれ設置されており、
該スライドレールのアウターレールには前記化粧カバープレートがビス等で固着されており、
該スライドレールのインナーレールは可動アームに支持されたキャッチパンの立ち上がり部に当接載置されており、
該キャッチパン上でスライドレールを介して摺動可能な前記化粧カバープレートは互いに斜めに当接した形状の分割めし合わせ部を有し、
該化粧カバープレートを含むエキスパンション・ジョイントは地震等でクリアランスＣが収縮した場合には少なくとも２分割された化粧カバーの分割めし合わせ部で片側がせり上がることによりクリアランスＣの収縮に追従可動し、
該クリアランスＣが広がった場合には化粧カバープレートの分割部に間隙が生じてクリアランスＣの広がりに追従可動することを特徴とする外壁用エキスパンション・ジョイント。
前記互いに対向する建物Ａ、Ｂ間に装架されるエキスパンションジョイントの化粧カバープレートは、
前記クリアランスＣ内に設置されたキャッチパン上で少なくとも２分割され互いに他端は建物Ａ、Ｂの縁部にスプリング丁番を介して固着され、
前記キャッチパンはそれぞれの建物Ａ、Ｂの外壁縁部に設けられた通し材からなる縁材間に適宜な間隔をもって複数本斜めに装架配置され両端が縁材に対して摺動自在な可動アームにて支持されており、
該キャッチパンは前記化粧カバープレートの分割部から侵入する雨水を下部に流して排水する樋機能を有していることを特徴とする請求項１または請求項２記載の外壁用エキスパンション・ジョイント。
前記互いに対向する建物Ａ、Ｂ間に装架されるエキスパンションジョイントの化粧カバープレートは、
前記クリアランスＣ内に設置されたキャッチパン上で少なくとも２分割され互いに他端は建物Ａ、Ｂの縁部に適宜ピッチでスプリング丁番を介して固着され、
該スプリング丁番のコイルバネにて化粧カバーの裏面に設置されたスライドレールのインナーレールを前記キャッチパンの立ち上がり部に常に押圧して当接しているようになし、
前記それぞれの化粧カバープレートが風圧等で煽られないよう構成したことを特徴とする請求項１または請求項２記載の外壁用エキスパンション・ジョイント。