JP4568421B2 - 免震装置の耐火被覆工法 - Google Patents

免震装置の耐火被覆工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビル、マンション等の既存建物の中間階免震層などに設置される免震装置の耐火被覆工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビル、マンション等の既存建物の中間階免震層などに設置される免震装置の耐火被覆工法として、以下に示す公知技術が存在する。
【0003】
(I)特開平3−87433号公報等に開示された耐火被覆工法は、所謂提灯型と云われるタイプであり、免震装置の積層ゴムの水平変位に十分追従できる長さを有する耐火材を袋状に加工製作して、前記耐火材により積層ゴムの外周面を取り囲む。
【0004】
(II)特開平11−71938号公報等に開示された耐火被覆工法は、所謂多段スライド型と云われるタイプであり、リング状の耐火材を積層して積層ゴムの外周面を取り囲み、積層ゴムの水平変位に対して分割層がスライドして追従する。
【0005】
(III)特開平10−22715号公報等に開示された耐火被覆工法は、所謂分割摺動型と云われるタイプであり、上下に2分割した耐火材により積層ゴムの外周面を取り囲み、積層ゴムの水平変位に対して分割層がスライドして追従する。
【0006】
(IV)特開平10−18433号公報に開示された耐火被覆工法は、所謂巻付け型と云われるタイプであり、発泡型防火性組成物のゴム材により積層ゴムの外周面を取り囲み、積層ゴムの水平変形に対して同等の弾性を有するゴム材により追従する。なお、前記ゴム材は、火災時の一定温度以上に加熱されると発泡型防火性組成物のゴム材が数十倍に発泡膨張して炭化層を形成して断熱材となる。
【0007】
(V)その他、実公平7−1369号公報に開示された耐火被覆工法は、免震装置の高さ相当の長さを有する帯状の耐火材が、上部構造体に固定した取付金物にピン支持されて上部構造体から回転自在に懸架され、帯状の耐火材により積層ゴムの外周面を取り囲む。なお、前記耐火材は、地震等による免震装置変形時に接触しても衝撃を受けないように可撓性の材料を用いている。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
上記(I)の公知技術は、免震装置の高さに制限があることから、耐火材の形状が複雑(中間部が膨張した提灯型)であり、取付け作業が煩雑で施工性が悪い。
【0009】
上記(II)の公知技術は、リング状の耐火材を構成する部材数が多く、その加工製作にコストが嵩む。また、積層ゴムの外周に多数のリング状耐火材を設置する必要があり、作業が煩雑で施工性が悪い。
【0010】
上記(IV)の公知技術は、発泡型防火性組成物のゴム材が所定の耐火性能を確保するためにかなりの被覆厚を必要とするためコストが嵩む。
【0011】
また、上記(I)〜(V)の公知技術は、通常、免震装置の定期点検時に耐火材を取り外さなければ積層ゴムの正確な損傷等を確認することができないにもかかわらず、構造上耐火材の取り外し作業が煩雑で、点検作業を容易に行うことができない。
【0012】
更に、上記(I)〜(V)の公知技術は、前記耐火材として構成されているだけなので見栄えが悪く、中間階免震層の用途によっては意匠性に劣り、別途、仕上材が必要でコストが嵩む。
【0013】
従って、本発明の目的は、構成が簡単で施工性が良く、免震装置の定期点検を容易に行え、しかも、意匠性に優れて仕上材を必要としないことでコストの削減に寄与することができる免震装置の耐火被覆工法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法は、
積層ゴムと、これを上部構造体及び下部構造体へ結合する上下のフランジとから成る免震装置の耐火被覆工法において、
上側又は下側のフランジの少なくとも一方を、前記免震装置の周辺部について耐火ボードで被覆し、前記フランジを固定するボルト又はナットの天端よりも若干高いレベルの平面を形成すること、
前記免震装置の外周を取り囲む配置で設けた耐火パネルの上下の端部の一方を構造体へ取付け、他方の端部は前記耐火ボードの平面に沿って移動可能に組立てることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法において、
耐火パネルは、水平移動を許容するに足りる距離を積層ゴムから開け、前記耐火パネルの一方の端部は、上部又は下部構造体の一方へ固定した複数個の鋼製金物にボルトで固定し、この耐火パネルで積層ゴムの外周面を取り囲むこと、
前記耐火パネルの他端部と耐火ボードの間には、耐火パネルの水平移動を許容するに足る大きさの隙間を開け、前記隙間に発泡性耐火ガスケットを設けることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法において、
耐火パネルにおいて、耐火ボードの平面に沿って移動する端部とは反対側の端部を、構造体へヒンジ機構により回転可能に取り付けて、前記耐火パネルで積層ゴムの外周面を取り囲むこと、
耐火パネルにおいて耐火ボードの平面に沿って移動する端部と耐火ボードの間には、耐火パネルの水平移動を許容するに足りる大きさの隙間を開け、前記隙間に発泡性耐火ガスケットを設けること、
前記耐火パネルの内側面の四隅に位置するコーナー金物を、耐火パネルを回転可能に取り付けた構造体へ設け、該コーナー金物に隣接する二辺の耐火パネルはスプリングにより連結し、隣接する耐火パネルの相対面する小口の少なくとも一方に発泡性耐火ガスケットを設けることを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法において、
耐火ボードは、フランジの周辺部のみを被覆することを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法は、
積層ゴムと、これを上部構造体及び下部構造体へ結合する上下のフランジとから成る免震装置の耐火被覆工法において、
上側及び下側のフランジにおける前記免震装置の周辺部を耐火ボードで被覆し、前記フランジを固定するボルト又はナットの天端よりも若干高いレベルの平面を形成すること、
前記免震装置の外周を取り囲む配置で設けた耐火パネルの上下の端部は、前記耐火ボードの平面に沿って移動可能に組立てることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法において、
免震装置の積層ゴムの略中央の高さ位置に取り付けたリング状の金物と、前記リング状の金物に一端を取り付けて水平方向に配置した複数本のアーム材と、前記アーム材の他端に取り付けたコーナー金物とで構成した鋼製金物へ耐火パネルをボルトで固定し、前記耐火パネルで積層ゴムの外周面を取り囲むこと、
前記耐火パネルの上下の端部と耐火ボードの平面との間には、耐火パネルの水平移動を許容するに足りる大きさの隙間を開け、前記隙間に発泡性耐火ガスケットを設けることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項2、3又は6のいずれか一に記載した免震装置の耐火被覆工法において、
発泡性耐火ガスケットは、耐火パネルの端部と耐火ボードの平面との隙間の高さより若干低く形成していることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一に記載した免震装置の耐火被覆工法において、
耐火パネル及び発泡性耐火ガスケットは、仕上材として用いることを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項1又は請求項3、4、7、8のいずれか一に記載した免震装置の耐火被覆工法において、
積層ゴムと接触する耐火パネルの端部には、弾力性のある保護材を設けることを特徴とする。
【0023】
【本発明の実施の形態、及び実施例】
図1〜図4は、請求項1及び請求項2並びに請求項7、8に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法の実施形態を示す。
【0024】
この耐火被覆工法は、ビル、マンション等の既存建物の中間階免震層などに設置する積層ゴム3aと、これを上部構造体、下部構造体としての上部柱1及び下部柱2へ結合する上下のフランジ3b、3cとから成る免震装置3が、地震火災時に発生する火災により損傷したり、免震機能を損うことがないように耐火被覆して実施される。
【0025】
下側のフランジ3cを、前記積層ゴム3aの周辺部について耐火ボード4で被覆し、同下側フランジ3cを固定するボルト7の頭天端よりも若干高いレベルの平面を形成する。
【0026】
前記耐火ボード4は、けい酸カルシウム又は強化石膏ボード等で構成する。耐火ボード4は、上面を平面に形成し、下面は下側のフランジ3cとそれを固定するボルト7、更にはこれらと下部柱2の切断面とが形成する段差へぴったり嵌め込むことができるように形成する。前記耐火ボード4の上面の高さは、前記免震装置3の周辺部へ耐火ボード4を配置した際にボルト7の天端よりも若干高い位置となるように、耐火ボード4は所定の厚みを有する。前記上面は、後述する耐火パネル6の下端部が移動する範囲に十分な平面長さを有している。
【0027】
前記構成の耐火ボード4を免震装置3の周辺部へ配置し、下部柱2に図示を省略したアンカー等で固定する。
【0028】
一方、前記免震装置3の外周を取り囲む配置で設けた耐火パネル6の下端部は、前記耐火ボード4の上面(平面)に沿って移動可能に組み立てる。
【0029】
具体的には、図2に示したように、上部柱1へ固定した複数個(8個)の鋼製金物5へボルト8で固定し、前記耐火パネル6で積層ゴム3aの外周面を四角形状に取り囲む(請求項2記載の発明)。
【0030】
鋼製金物5は、上部柱1の四隅に設けたL型のコーナー金物5a…と、各辺の略中間位置に設けたI型の鋼製金物5b…とで構成している。L型のコーナー金物5a及びI型の鋼製金物5bに、4枚の耐火パネル6…をそれぞれボルト8…で取り付けている。従って、耐火パネル6はボルト8により取り外し可能な構成となっている。そのため、免震装置3の定期点検時には耐火パネル6は容易に取り外すことができ、点検作業を容易に進めることができる。
【0031】
前記耐火パネル6の下端部と耐火ボード4との間には、図3に拡大して示すように、耐火パネル6の水平移動を許容するに足る大きさの隙間hを開け、前記隙間hに発泡性耐火ガスケット9を設けている(請求項2記載の発明)。前記発泡性耐火ガスケット9は、耐火パネル6の下端部と耐火ボード4の上面との隙間hの高さよりも若干低く形成する(請求項7記載の発明)。したがって、耐火パネル6の下端部にクリアランスを確保することができ、前記耐火パネル6の水平移動を妨げることがない。そのため、前記耐火パネル6は、図4に示すように、地震等による免震装置3の水平変形に対し、耐火パネル6の下端部がスムーズに水平移動(追従移動)することができる。
【0032】
前記耐火パネル6及び発泡性耐火ガスケット9は、仕上材として用いる(請求項8記載の発明)。具体的には、前記耐火パネル6の外側面には化粧板等の意匠性に優れた材料が用いられ、前記発泡性耐火ガスケット9を目地部材として用いる。従って、中間階免震層の空間をいずれの用途に用いても意匠性に優れている。そのため、別途仕上材を必要とせずコストの削減に寄与する。
【0033】
以上に説明したように、本発明の免震装置の耐火被覆工法は、耐火パネル6をボルト8により脱着可能としたので、免震装置3の定期点検作業を容易に行うことができるほか、構成が簡単であるため施工性も良い。しかも、意匠性に優れた耐火パネル6を用いることにより、中間階免震層の空間をいずれの用途に用いても意匠性に優れている。そのため、別途仕上材を必要とせずコストの削減に寄与する。
【0034】
なお、上記実施形態では、上部柱1へ鋼製金物5を固定し下部柱2を耐火ボード4で被覆しているが、逆に上部柱1へ固定したフランジ3bを耐火ボード4で被覆し、下部柱2へ鋼製金物5を固定し、耐火パネル6を取付けても良い。
【0035】
図5〜図7は、請求項1及び請求項3並びに請求項7〜9に記載した発明の実施形態を示す。上記図1〜図4の実施形態とは、耐火パネル6…の取付け方法を異にする。
【0036】
具体的には、図5及び図6に示したように、耐火パネル6の上端部を上部柱1へヒンジ機構10により回転可能に取り付け、この耐火パネル6で積層ゴム3aの外周面を取り囲む(請求項3記載の発明)。
【0037】
一方、前記耐火パネル6の下端部と耐火ボード14との間には、耐火パネル6の水平移動を許容するに足る大きさの隙間hを開け、前記隙間hに発泡性耐火ガスケット9を設けている。前記耐火ボード14は、下側のフランジ3cの周辺部のみを被覆して(請求項4記載の発明)、やはり、前記フランジ3cを固定するボルト7の頭天端よりも若干高いレベルの平面を形成している。前記発泡性耐火ガスケット9は、耐火パネル6の下端部と耐火ボード14の上面との隙間の高さよりも若干低く形成する(請求項7記載の発明)。したがって、耐火パネル6の下端部にクリアランスを確保することができ、前記耐火パネル6の水平移動及び開閉を妨げることがない。
【0038】
前記耐火パネル6の内側面の四隅に位置するL型のコーナー金物15を、図6に示したように上部柱1へ固定して設け、四隅のコーナー金物15にそれぞれ隣接し上端をヒンジ機構10により回転可能に取付けた二辺の耐火パネル6、6はその比較的下部の位置をスプリング11により連結し、隣接する耐火パネル6、6の小口の一方に発泡性耐火ガスケット19を設けている。従って、隣接する耐火パネル6、6の小口の隙間からの火熱及び火炎の侵入を防止することができる。
【0039】
ちなみに、上記免震層に水平変形が生じると、図7に示すように水平変形の行き側(図中の右側)に位置する耐火パネル6は、略鉛直状態を保ったまま水平移動する。他方、来し側(図中の左側)に位置する耐火パネル6は、耐火ボード14の外周縁から積層ゴム3aの外周面まで略鉛直状態を保ったまま水平移動し、それ以上の水平変形に対しては、耐火パネル6の下端部が積層ゴム3aの外周面に接触し、同耐火パネル6は面外方向に回転しつつ追従する。その後の揺れ戻しに際しては、耐火パネル6はコーナー金物15を定規として、スプリング11により精度よく元の形状に復元する。
【0040】
したがって、図1〜図4の実施形態のように耐火ボードの平面長さを十分に確保する必要がなく、柱の太さが十分でない場合にも好適に実施できる。また、柱の太さが十分な場合でも、より大きな水平変形に追従することができる。なお、本実施形態の場合、前記積層ゴム3aと接触する耐火パネル6の下端部には、弾力性のある保護材12を設けている(請求項9記載の発明)。そのため、耐火パネル6の下端部が積層ゴム3aの外周面に衝突しても、当該積層ゴム3aの外周面を破損させることがない。
【0041】
更に免震装置3の定期点検時には、耐火パネル6を容易に開閉(図5の矢印方向)することができ、点検作業を容易に進めることができる。
【0042】
なお、本実施形態も前記耐火パネル6及び発泡性耐火ガスケット9、19を、仕上材として用いる(請求項8記載の発明)。従って、中間階免震層の空間をいずれの用途に用いても意匠性に優れている。そのため、別途仕上材を必要とせずコストの削減に寄与する。
【0043】
以上に説明したように、上記の耐火被覆工法は、耐火パネル6を回転可能としたので、免震装置3の定期点検作業を容易に行うことができるほか、構成が簡単であるため施工性も良い。しかも、意匠性に優れた耐火パネル6を用いることにより、中間階免震層の空間をいずれの用途に用いても意匠性に優れている。そのため、別途仕上材を必要とせずコストの削減に寄与する。
【0044】
図8〜図11は、請求項5〜8に記載した発明の実施形態を示す。この耐火被覆工法も、ビル、マンション等の既存建物の中間階免震層などに設置する積層ゴム3aとこれを上部構造体、下部構造体としての上部柱1及び下部柱2と結合する上下のフランジ3b、3cとから成る免震装置3が、地震火災時に発生する火災により損傷したり、免震機能を損うことがないように耐火被覆して実施される。
【0045】
上側及び下側のフランジ3b、3cにおける積層ゴム3aの周辺部を耐火ボード24で被覆し、同フランジ3b、3cを固定するボルト7の頭天端よりも若干高いレベルの平面を形成する。
【0046】
前記耐火ボード24は、図1〜図4の実施形態及び図5〜図7の実施形態と同様の構成とされ、同耐火ボード24を積層ゴム3aの周辺部へそれぞれ配置し、上下の柱1、2へ図示を省略したアンカー等で固定する。
【0047】
前記免震装置3の外周を取り囲む配置で設けた耐火パネル6の上下の端部は、前記耐火ボード24、24の上面及び下面(平面)に沿って移動可能に組み立てることが特徴である。
【0048】
具体的には、図9に示すように免震装置3の積層ゴム3aの略中央の高さ位置に取り付けたリング状の金物25aと、前記リング状の金物25aに一端を取り付けて水平な対角線方向に配置した複数本(4本)のアーム材25bと、前記アーム材25bの端部に取り付けたコーナー金物25cとで構成した鋼製金物25へ耐火パネル6をボルト8…で固定し、この耐火パネル6で積層ゴム3aの外周面を取り囲んでいる(請求項6記載の発明)。
【0049】
前記アーム材25bは、リング状の金物25aからおよそ柱躯体の四隅までの長さを有し、前記四隅にコーナー金物25cを設けている。前記コーナー金物25cは、図1〜図4の実施形態等と同様にL型に形成されている。なお、本実施形態は、耐火パネル6をより強固に固定するために、上部柱1の各辺の略中間位置にI型の鋼製金物25dを設けている。そのI型の鋼製金物25d及びL型のコーナー金物25cに、4枚の耐火パネル6…をそれぞれボルト8…で取り付けている。従って、耐火パネル6はボルト8により取り外し可能な構成となっている。そのため、免震装置3の定期点検時には耐火パネル6を容易に取り外すことができ、点検作業を容易に進めることができる。
【0050】
前記耐火パネル6の上端部と上側の耐火ボード24の下面及び耐火パネル6の下端部と下側の耐火ボード24の上面との間には、図1〜図4の実施形態等と同様、図10に拡大して示したように、前記耐火パネル6の水平移動に対し支障がないようにそれぞれ隙間hを開け、前記隙間hに発泡性耐火ガスケット9を設ける(請求項6記載の発明)。前記発泡性耐火ガスケット9は、耐火パネル6の上下の端部と耐火ボード24、24の上面及び下面との隙間hの高さより若干低く形成する(請求項7記載の発明)。したがって、耐火パネル6の上下の端部にクリアランスを確保することができ、耐火パネル6の水平移動の妨げにならない。
そのため、前記耐火パネル6は、図11に示すように、免震装置3の水平変形に対し、上下の端部が耐火ボード24、24の上面及び下面に沿ってスムーズに水平移動(追従移動)することができる。
【0051】
なお、本実施形態も、耐火パネル6及び発泡性耐火ガスケット9は、仕上材として用いる(請求項8記載の発明)。従って、中間階免震層の空間をいずれの用途に用いても意匠性に優れている。そのため、別途仕上材を必要とせずコストの削減に寄与する。
【0052】
以上に説明したように、本発明の耐火被覆工法も、図1〜図4の実施形態と同様に、耐火パネル6をボルト8により脱着可能としたので、免震装置3の定期点検作業を容易に行うことができるほか、構成が簡易であるため施工性も良い。しかも、意匠性に優れた耐火パネル6を用いることにより、中間階免震層の空間をいずれの用途に用いても意匠性に優れている。そのため、別途仕上材を必要とせずコストの削減に寄与する。
【0053】
なお、第1〜第3の実施形態では、柱1、2として角柱を用いているが、丸形でも良く、柱の形状は特に限定されない。
【0054】
また、第1〜第3の実施形態では、耐火パネル6をけい酸カルシウム又は石膏ボードで構成しているが、前記けい酸カルシウム又は石膏ボードを2枚の鋼板で挟んでサンドイッチ材として構成しても良い。その場合、耐火パネル6の剛性を高めることができ、鋼製金物5又は25に固定するときにボルト8の本数を削減することができる。
【0055】
更に、第1〜第3の実施形態では、耐火パネルと耐火ボードとの隙間に発泡性耐火ガスケット9のみを設けているが、ブチルゴム等の加熱発泡性ゴムを発泡性耐火ガスケット9と併設しても良い。
【0056】
【本発明の奏する効果】
請求項1〜9に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法は、耐火パネルを脱着可能又は回転可能としたので、免震装置の定期点検作業を容易に行うことができるほか、構成が簡単であるため施工性も良い。しかも、意匠性に優れた耐火パネルを用いることにより、中間階免震層の空間をいずれの用途に用いても意匠性に優れている。そのため、別途仕上材を必要とせずコストの削減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2、7、8に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法の実施形態を示した立面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】耐火パネルの周辺を示した拡大図である。
【図4】図1の水平変形時を示した立面図である。
【図5】請求項1及び請求項3並びに請求項7〜9に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法の実施形態を示した立面図である。
【図6】図5のB−B矢視断面図である。
【図7】図5の水平変形時を示した立面図である。
【図8】請求項5〜8に記載した発明に係る免震装置の耐火被覆工法の実施形態を示した立面図である。
【図9】図8のC−C矢視断面図である。
【図10】耐火パネルの周辺を示した拡大図である。
【図11】図8の水平変形時を示した立面図である。
【符号の説明】
1 上部柱
2 下部柱
3 免震装置
3a 積層ゴム
3b、3c フランジ
4、14、24 耐火ボード
5、25 鋼製金物
5a、15、25c コーナー金物
25a リング状の金物
25b アーム材
6 耐火パネル
7、8 ボルト
9、19 発泡性耐火ガスケット
10 ヒンジ機構
11 スプリング
12 保護材
h 隙間

Claims (9)

  1. 積層ゴムと、これを上部構造体及び下部構造体へ結合する上下のフランジとから成る免震装置の耐火被覆工法において、
    上側又は下側のフランジの少なくとも一方を、前記免震装置の周辺部について耐火ボードで被覆し、前記フランジを固定するボルト又はナットの天端よりも若干高いレベルの平面を形成すること、
    前記免震装置の外周を取り囲む配置で設けた耐火パネルの上下の端部の一方を構造体へ取付け、他方の端部は前記耐火ボードの平面に沿って移動可能に組立てることを特徴とする、免震装置の耐火被覆工法。
  2. 耐火パネルは、水平移動を許容するに足りる距離を積層ゴムから開け、前記耐火パネルの一方の端部は、上部又は下部構造体の一方へ固定した複数個の鋼製金物にボルトで固定し、この耐火パネルで積層ゴムの外周面を取り囲むこと、
    前記耐火パネルの他端部と耐火ボードの間には、耐火パネルの水平移動を許容するに足る大きさの隙間を開け、前記隙間に発泡性耐火ガスケットを設けることを特徴とする、請求項1に記載した免震装置の耐火被覆工法。
  3. 耐火パネルにおいて、耐火ボードの平面に沿って移動する端部とは反対側の端部を、構造体へヒンジ機構により回転可能に取り付けて、前記耐火パネルで積層ゴムの外周面を取り囲むこと、
    耐火パネルにおいて耐火ボードの平面に沿って移動する端部と耐火ボードの間には、耐火パネルの水平移動を許容するに足りる大きさの隙間を開け、前記隙間に発泡性耐火ガスケットを設けること、
    前記耐火パネルの内側面の四隅に位置するコーナー金物を、耐火パネルを回転可能に取り付けた構造体へ設け、該コーナー金物に隣接する二辺の耐火パネルはスプリングにより連結し、隣接する耐火パネルの相対面する小口の少なくとも一方に発泡性耐火ガスケットを設けることを特徴とする、請求項1に記載した免震装置の耐火被覆工法。
  4. 耐火ボードは、フランジの周辺部のみを被覆することを特徴とする、請求項2又は3に記載した免震装置の耐火被覆工法。
  5. 積層ゴムと、これを上部構造体及び下部構造体へ結合する上下のフランジとから成る免震装置の耐火被覆工法において、
    上側及び下側のフランジにおける前記免震装置の周辺部を耐火ボードで被覆し、前記フランジを固定するボルト又はナットの天端よりも若干高いレベルの平面を形成すること、
    前記免震装置の外周を取り囲む配置で設けた耐火パネルの上下の端部は、前記耐火ボードの平面に沿って移動可能に組立てることを特徴とする、免震装置の耐火被覆工法。
  6. 免震装置の積層ゴムの略中央の高さ位置に取り付けたリング状の金物と、前記リング状の金物に一端を取り付けて水平方向に配置した複数本のアーム材と、前記アーム材の他端に取り付けたコーナー金物とで構成した鋼製金物へ耐火パネルをボルトで固定し、前記耐火パネルで積層ゴムの外周面を取り囲むこと、
    前記耐火パネルの上下の端部と耐火ボードの平面との間には、耐火パネルの水平移動を許容するに足りる大きさの隙間を開け、前記隙間に発泡性耐火ガスケットを設けることを特徴とする、請求項5に記載した免震装置の耐火被覆工法。
  7. 発泡性耐火ガスケットは、耐火パネルの端部と耐火ボードの平面との隙間の高さより若干低く形成していることを特徴とする、請求項2、3又は6のいずれか一に記載した免震装置の耐火被覆工法。
  8. 耐火パネル及び発泡性耐火ガスケットは、仕上材として用いることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載した免震装置の耐火被覆工法。
  9. 積層ゴムと接触する耐火パネルの端部には、弾力性のある保護材を設けることを特徴とする、請求項1又は請求項3、4、7、8のいずれか一に記載した免震装置の耐火被覆工法。
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