JP5123717B2 - 床用目地カバー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、隣接する建造物の床相互間の目地を覆う床用目地カバー装置に関する。
緩衝機能を備えた免震装置によって下部が支持された建物にあっては、地震時における水平方向の揺れが大きくなる傾向がある。このような免震構造の建物の周囲には、隣接する人工地盤との間に、前記揺れを吸収し得る比較的広幅の目地が形成されており、かかる免震構造の建物の目地に好適に使用し得る床用目地カバー装置が、本願出願人によって既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる床用目地カバー装置は、図13(A)に示すように、建物としての建造物Aの床fと、該床fに目地sを介して隣接する人工地盤としての建造物Bとの間に差し渡されて前記目地sを覆うカバー体Cの一端を、前記床fの側縁に連結手段aを介して揺動可能に連結し、該カバー体Cの他端を自由端として、該自由端にその下面から外端上面に向けて傾斜する傾斜端縁bを設けるとともに、該傾斜端縁bの上部からカバー体Cの上面dと略面一となるようにして端部カバー板cを建造物B側に向けて突設する一方、前記建造物Bの側縁に、水平受縁eと、該水平受縁eの外端に前記傾斜端縁bと同方向に傾斜する傾斜受縁gとを備えた摺動受枠hを配設し、該摺動受枠hの水平受縁e上に、前記カバー体Cの自由端を乗載するとともに、前記端部カバー板cの外端を建造物Bの床面i上に乗載し、該端部カバー板cによってカバー体Cの傾斜端縁bと摺動受枠hの傾斜受縁g間に生じる作動空隙jの上方を遮蔽するように構成されている。
そして、地震時において、建造物Aと、隣接する建造物Bとが近接する方向に比較的小さく相対変位した場合には、カバー体Cの自由端が摺動受枠hの水平受縁e上を作動空隙jの範囲内で水平に摺動してその相対変位に追従し、さらに大きく相対変位すると、図13(B)に示すように、カバー体Cは、一端の連結手段aを支点として、自由端に形成された傾斜端縁bが摺動受枠hの傾斜受縁gに沿ってずれ上がることにより、その相対変位から逃げることができるようになっている。
また、カバー体C内に、モルタル及びタイル等からなる舗装材を充填し得るようにする場合には、該カバー体Cに、矩形状の底板と、該底板の四辺縁に立設した側壁板とによって、上面が開口した浅底矩形状の充填筐体部を設けるようにしている。
特開平10−317516号公報(図1、図2)
上記のように舗装材を充填し得る充填筐体部を備えた従来のカバー体Cにあっては、その素材に厚さ3mm程度のステンレスが用いられていた。周知のように、ステンレスは強度,耐食性,美観性に優れた材質であるが、高価であるため、ステンレスに比して安価な鋼板(スチール)を用いてカバー体Cを製作することが試みられた。この場合、厚さ2〜3mm程度の薄肉鋼板を用いて、浅底矩形状の充填筐体部を備えたカバー体Cを形成した後、鋼板の耐食性,美観性を高めるために溶融亜鉛メッキを施すのであるが、溶融亜鉛メッキは、溶融した500℃程度の亜鉛浴中に素材を浸漬して亜鉛被膜を形成するものであるため、このような高温の亜鉛浴中にカバー体Cを浸漬すると、充填筐体部の側壁板が熱歪みによって内外方向に波打つように変形してしまうことが分かった。ここで、カバー体Cは、目地に沿う方向に複数個を並列させて使用されるものであるため、特に隣接するカバー体Cの側壁板相互に変形が生じていると、並列させた場合にその変形が目立ち易く、見た目が悪いという問題点があった。
本発明は、かかる従来の問題点を解消し得る床用目地カバー装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上面が開口した浅底矩形状の充填筐体部を備え、該充填筐体部内に舗装材が充填されて、隣接する建造物の床相互間の目地に差し渡されるカバー体の一端が、一方の床の側縁に連結手段を介して連結されるとともに、該カバー体の他端を自由端とし、該自由端が他方の床の側縁に摺動可能に乗載されてなる床用目地カバー装置において、前記カバー体が、薄肉鋼板からなる充填筐体部の少なくとも目地幅方向に沿う左右の側壁板の上端部に、該左右の側壁板の上縁を夫々内側方に向けて屈曲させた熱歪み防止縁を備えてなり、該カバー体に溶融亜鉛メッキが施されていることを特徴とする床用目地カバー装置である。
ここで、薄肉鋼板からなる充填筐体部の左右の側壁板は、充填筐体部を構成する底板に左右の側壁板となる帯板部を一体形成して、これを上方に屈曲させて設けたり、或いは床板と別体形成した左右の側壁板を底板の側縁に接合することにより設けることができる。また、溶融亜鉛メッキは、左右の側壁板の上縁に熱歪み防止縁を備えたカバー体に対して施される。
上述した床用目地カバー装置にあって、充填筐体部の側壁板の内側に目地幅方向に沿って配設され、一側縁が充填筐体部の底板側に固着される一方、他側縁が側壁板の内側面に固着されて側壁板を支持する補強支持板を備えている構成が提案される。
また、薄肉鋼板が、厚さ2〜3mmの一般構造用圧延鋼材である構成が提案される。
さらに、カバー体が、矩形状の底板の目地幅方向に沿う両側縁に夫々立設された左右の側壁板と、前記底板の後端縁に立設された後壁板と、前記底板の前端縁から前部上方に向けて斜めに延出された傾斜壁板とを具備する充填筐体部を備えるとともに、該充填筐体部の前部に、前方へ延出する端部カバー板が配設され、該端部カバー板の下面が前記傾斜壁板の上端縁によって支持されている構成が提案される。
本発明は、上述したように、カバー体が、薄肉鋼板からなる充填筐体部の少なくとも目地幅方向に沿う左右の側壁板の上端部に、該左右の側壁板の上縁を夫々内側方に向けて屈曲させた熱歪み防止縁を備えてなり、該カバー体に溶融亜鉛メッキが施されているので、側壁板の上端部に設けられた熱歪み防止縁によって、薄肉鋼板からなる側壁板の面方向の強度が向上され、カバー体の溶融亜鉛メッキ時に、熱歪みによる側壁板の変形を防止することができる。そして、このように、薄肉鋼板からなる充填筐体部を備えたカバー体に溶融亜鉛メッキを施し得るので、従来のステンレス製のものに比して半額程度のコストでカバー体を製作することができるとともに、鋼板製のカバー体の耐食性及び美観性を高めることができる。
また、充填筐体部の側壁板の内側に目地幅方向に沿って配設され、一側縁が充填筐体部の底板側に固着される一方、他側縁が側壁板の内側面に固着されて側壁板を支持する補強支持板を備えている構成にあっては、該補強支持板によって、側壁板の強度をさらに向上させることができ、カバー体の溶融亜鉛メッキ時に、該側壁板の熱歪みによる変形をより確実に防止することができる。
また、薄肉鋼板を、厚さ2〜3mmの一般構造用圧延鋼材とする構成にあっては、厚肉の鋼板に比して軽量かつ安価であり、所定の強度を備えているので、側壁板の上端部に熱歪み防止縁を設ける充填筐体部の材質として、最も適したものとなる。
さらに、カバー体が、矩形状の底板の目地幅方向に沿う両側縁に夫々立設された左右の側壁板と、前記底板の後端縁に立設された後壁板と、前記底板の前端縁から前部上方に向けて斜めに延出された傾斜壁板とを具備する充填筐体部を備えるとともに、該充填筐体部の前部に、前方へ延出する端部カバー板が配設され、該端部カバー板の下面が前記傾斜壁板の上端縁によって支持されている構成にあっては、底板の前端縁から延出されて端部カバー板の下面を支持する傾斜壁板によって、端部カバー板の面方向の強度が向上され、カバー体の溶融亜鉛メッキ時に、端部カバー板の熱歪みによる変形を防止することができる。
本発明にかかる床用目地カバー装置の第一実施例を、図1〜図10に基づいて説明する。
図1において、Aは緩衝機能を備えた免震装置(図示省略)によって下部が支持された免震構造の建物からなる建造物、Bは該建造物Aの周囲に形成された人工地盤からなる建造物であって、目地sを介して隣接している。目地sは、建造物Aの周囲に沿って所定幅で形成され、地震時における建造物Aと周囲の建造物Bとの水平方向の相対的な揺れを吸収し得るようになっている。
前記建造物Bの床f2 の側縁には、図1に示すように、後述するカバー体Cの厚みに相当する深さで窪ませた支持段縁1が、目地sの幅方向(図1において左右方向)に所定幅で形成されており、該支持段縁1の前端稜部には水平受縁2aを備えた前部摺動受枠2が配設されている。また、該支持段縁1の後端側には、第一水平受縁3aの後端に傾斜受縁3bを介して第二水平受縁3cが連成され、さらに該第二水平受縁3cの後端に床f2 の上面に向けて上方傾斜する傾斜受縁3dが連成された後部摺動受枠3が配設されている。ここで、前記第二水平受縁3cの深さは、カバー体Cを構成する端部カバー板15の前端部分に斜め下方に曲成された屈曲端15aの上下幅に相当する深さに設定されている。これにより、カバー体Cの上面が床f2 の上面と略面一となるようにしている。この前部摺動受枠2と後部摺動受枠3は、目地sに沿う方向(図1において前後方向)に延在するように配設されており、その長さは、図10に示すように、複数個のカバー体Cを配置した状態において、その両端に位置するカバー体C,Cの側方に、該カバー体C,Cが目地sに沿う方向に摺動し得る作動空隙4,4が夫々生じる長さに設定されている。尚、前記前部摺動受枠2と後部摺動受枠3は、図示したように分割形成することなく、一体に形成することも可能である。また、後部摺動受枠3は、図2に示す変形実施例のように、前記傾斜受縁3bに代えて第一水平受縁3aの後端に略直角に立ち上がる立ち上がり縁3eを備えたものであってもよい。
建造物Aの床f1 と建造物Bの床f2 の間には、カバー体Cが差し渡され、目地sを覆っている。該カバー体Cは、目地sに沿う方向に複数個が連続状に配設されるものであって(図10参照)、各カバー体Cは、図1に示すように、その一端が建造物Aの床f1 の側縁に、後述する連結手段20を介して連結されている。各カバー体Cは、他端を自由端としており、該自由端が上述した前部摺動受枠2と後部摺動受枠3とを備えた支持段縁1上に摺動可能に乗載されている。
各カバー体Cは、図3,図4に示すように、上面が開口した浅底矩形状の充填筐体部5と、該充填筐体部5の前部に配設されて前方へ延出された端部カバー板15とを備えている。充填筐体部5は、厚さ1.5〜5mm程度、好ましくは厚さ2〜3mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)からなる薄肉鋼板が素材に用いられており、図3〜図5に示すように、矩形状の底板6と、該底板6の目地幅方向(図1において左右方向)に沿う両側縁に夫々立設された左右の側壁板7,7と、前記底板6の後端縁に立設された後壁板8と、前記底板6の前端縁から前部上方に向けて斜めに延出された傾斜壁板9とを備えている。ここで、前記左右の側壁板7,7と後壁板8は、底板6の三辺縁に一体形成された帯板部を上方に向けて略直角に屈曲させることによって設けられており、傾斜壁板9は、底板6の他の一辺縁に一体形成された帯板部を斜め上方に屈曲させることによって設けられている。尚、左右の側壁板7,7と後壁板8は、床板6と別体形成したものを底板6の三辺縁に溶接を介して接合することにより設けることも可能である。また、前記底板6上には、鋼材製の角パイプからなる複数の補強杆11が所定間隔で目地幅方向に沿って配設されている。該補強杆11は所要箇所が溶接を介して底板6の上面に接合されており、該補強杆11によって底板6の面方向の強度を向上させるようにしている。
前記左右の側壁板7,7及び後壁板8の上端部には、その上縁を夫々内方に向けて略直角に屈曲させた所定幅(8mm程度)の熱歪み防止縁10(図6,図7参照)が設けられており、該熱歪み防止縁10によって、側壁板7,7及び後壁板8の面方向の強度を向上させるようにしている。また、側壁板7,7の内側には帯板状の補強支持板12,12が目地幅方向に沿って夫々配設されている。夫々の補強支持板12は、図6(A)に示すように、底板6と側壁板7の上部間に亘って斜めに配置されており、その一側縁が底板6の上面に溶接を介して固着され、他側縁が側壁板7の内側面に溶接を介して固着されている。ここで、側壁板7の内側面に固着される補強支持板12の他側縁には、複数の透孔13が目地幅方向に所定間隔で形成されており、各透孔13に施されるプラグ溶接によって該透孔13の口縁と側壁板7の内側面とが接合されている。そして、該補強支持板12,12によって、側壁板7,7の面方向の強度をさらに向上させるようにしている。尚、補強支持板12は、上記のように斜めに配置する形態に代えて、図6(B)に示すように、断面L形に形成し、その水平部12aを前記補強杆11の上面に溶接を介して固着する一方、垂直部12bを前記プラグ溶接を介して側壁板7の内側面の上部に固着するようにしてもよい。
一方、前記後壁板8の内側には断面L形の補強支持板14が目地sに沿う方向に配設されている。該補強支持板14は、図7に示すように、その水平部14aが前記補強杆11の上面に溶接を介して固着される一方、垂直部14bが前記プラグ溶接を介して後壁板8の内側面の上部に固着されている。そして、該補強支持板14によって、後壁板8の面方向の強度をさらに向上させるようにしている。
充填筐体部5の前部に配設された端部カバー板15は、充填筐体部5の肉厚に比して若干厚肉の厚さ4〜6mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)からなる薄肉鋼板が素材に用いられており、図3,図4に示すように、その前端部分に斜め下方に向けて曲成された屈曲端15aを備え、かつ後端に下方に向けて略直角に屈曲された遮蔽壁部15bを備えている。該端部カバー板15は、遮蔽壁部15bの左右の側端部が、充填筐体部5の側壁板7,7の前端部に溶接を介して固着されており、該遮蔽壁部15bによって充填筐体部5の前部開口が遮蔽されている。また、該端部カバー板15の下面には、前記底板6から延出された傾斜壁板9の上端縁が溶接を介して固着されており、該傾斜壁板9によって端部カバー板15の下面が支持されている。これにより、端部カバー板15の面方向の強度を向上させるようにしている。
また、後述する連結手段20を介して建造物Aの床f1 の側縁に連結されるカバー体Cの一端には、図4,図5に示すように、底板6の目地幅方向(図1において左右方向)に沿う両側縁の近傍位置に、上下方向の挿通孔21,21が形成されており、該挿通孔21,21は、下端部が補強基板28(図8参照)を介して底板6に溶接された鋼材製の丸パイプからなるモルタル遮断筒22,22によって囲繞されている。尚、前記補強基板28にも挿通孔21,21に連続する上下方向の挿通孔が形成されている。
そして、カバー体Cは、このように形成された後、溶融した500℃程度の亜鉛浴中に浸漬されて溶融亜鉛メッキが施される。これにより、カバー体Cを構成する薄肉鋼板の耐食性及び美観性を高めるようにしている。また、カバー体Cの充填筐体部5内には、施工時に周囲の床f1 ,f2(図1参照)上に敷設されるモルタル16及びタイル17等からなる舗装材18と同じ舗装材18が充填されることとなる。
カバー体Cの自由端は、前記傾斜壁板9と上述した後部摺動受枠3の傾斜受縁3b(図1参照)または立ち上がり縁3e(図2参照)との間に適宜幅の空隙が生じるようにして前部摺動受枠2の水平受縁2a及び後部摺動受枠3の第一水平受縁3aが配設された支持段縁1上に乗載されており、前記空隙を作動空隙19としている。また、端部カバー板15は、建造物Bの床f2 側に向けて突出されて、その屈曲端15aが後部摺動受枠3の第二水平受縁3c上に乗載されており、この端部カバー板15によって前記作動空隙19の上方が遮蔽されている。
前記連結手段20を図8に基づいて説明する。
建造物Aの床f1 の側縁上には、目地sに沿う方向に延在するようにして保持受枠23が配設されている。該保持受枠23は、水平受縁23aと垂直縁23bとを備えた断面L形に形成されており、水平受縁23aの上面に、上述したカバー体Cを構成する充填筐体部5の一端が乗載されている。また、水平受縁23aには、その下面側から挿通して該水平受縁23aに固着したボルトからなる複数の連結杆24が、前記底板6の挿通孔21,21に対応する位置に夫々立設されている。各連結杆24は、水平受縁23a上にカバー体Cを構成する充填筐体部5の一端を乗載した状態において、前記底板6の挿通孔21,21に下方から遊嵌され、その上端にはナットからなる受圧部材25が螺着されている。また、各連結杆24には、前記受圧部材25と底板6との間に介装するようにしてコイルバネからなる弾発部材26が圧縮状態で外嵌されており、該弾発部材26の弾発力によってカバー体Cを常時下方に付勢するようにしている。尚、このカバー体Cの下方付勢手段としては、コイルバネに代えてゴムリング(図示省略)を用いることも可能である。これにより、建造物Aの床f1 の側縁に、カバー体Cの一端を揺動可能に連結する連結手段20が構成されている。また、この連結状態において、カバー体Cの上面が建造物Aの床f1 の上面と同一高さとなるようにしている。さらに、挿通孔21,21を囲繞するモルタル遮断筒22,22の上部は、前記弾発部材26及び受圧部材25の取付け操作を可能とする操作口となっており、該操作口には、遮蔽キャップ27,27が着脱可能に嵌着されている。
次に、かかる構成からなる床用目地カバー装置の作動態様について説明する。
カバー体Cの充填筐体部5内には施工時において、図1に示すように、周囲の床f1 ,f2 上に敷設されるモルタル16及びタイル17等からなる舗装材18と同じ舗装材18が充填される。そして、カバー体Cは、舗装材18が充填された充填筐体部5の上面が、建造物Aの床f1 の上面及び建造物Bの床f2 の上面と略面一になるように配設されていることにより、常時は、該カバー体Cと、建造物Aの床f1 または建造物Bの床f2 との間に段差が生じることがない。また、地震時において、建造物Aと、隣接する建造物Bとが近接する方向に比較的小さく相対変位すると、カバー体Cの自由端が作動空隙19の範囲内で水平に摺動してその相対変位に追従し、さらに大きく相対変位すると、カバー体Cは、自由端に形成された傾斜壁板9が、傾斜受縁3b(図1参照)または立ち上がり縁3e(図2参照)の上端に当接してずれ上がり、図9に示すように、連結手段20により連結された一端を支点として傾動することにより、その相対変位から逃げることができる。
また、建造物Aと、隣接する建造物Bとが離れる方向に相対変位すると、カバー体Cは、その自由端が支持段縁1上を、傾斜受縁3b(または立ち上がり縁3e)と逆方向に向けて水平に摺動してその相対変位に追従する。
そして、地震が終って建造物Aと建造物Bとが定常位置に戻ると、これに伴なってカバー体Cの自由端も、図1に示した定常位置に戻り、カバー体Cが定常状態に復帰する。
また、建造物Aと、隣接する建造物Bとが前後方向(目地sに沿う方向)に相対変位すると、カバー体Cの自由端は、支持段縁1上を前後方向に摺動してその相対変位に追従する。この場合、図10に示すように、目地sに沿って連続状に配置された複数個のカバー体Cの、その両端に位置するカバー体C,Cの側方に位置させて、前部摺動受枠2と後部摺動受枠3の側端部に作動空隙4,4が設けられていることにより、該作動空隙4,4によって各カバー体Cの自由端の前後方向の摺動が可能となっている。
さらに、建造物Aと、隣接する建造物Bとが上下方向に相対変位すると、カバー体Cは、連結手段20により建造物Aの床f1 の側縁に連結された一端を支点として、建造物Aもしくは隣接する建造物Bの上下動に伴なって傾動して、その相対変位に追従する。
かかる構成にあって、上述したように、カバー体Cが、薄肉鋼板からなる充填筐体部5の少なくとも目地sの幅方向に沿う左右の側壁板7,7の上端部に、該左右の側壁板7,7の上縁を夫々内側方に向けて屈曲させた熱歪み防止縁10,10を備えているので、該熱歪み防止縁10,10によって、薄肉鋼板からなる側壁板7,7の面方向の強度が向上され、カバー体Cの溶融亜鉛メッキ時に、熱歪みによる側壁板7,7の変形を防止することができる。そして、このように、薄肉鋼板からなる充填筐体部5を備えたカバー体Cに側壁板7,7の変形を生ずることなく、溶融亜鉛メッキを施し得るので、従来のステンレス製のものに比して半額程度のコストでカバー体Cを製作することができるとともに、鋼板製のカバー体Cの耐食性及び美観性を高めることができる。
また、一側縁が充填筐体部5の底板6側に固着される一方、他側縁が側壁板7,7の内側面に固着されて側壁板7,7を支持する補強支持板12,12が、充填筐体部5の側壁板7,7の内側に目地sの幅方向に沿って配設されているので、該補強支持板12,12によって、側壁板7,7の強度をさらに向上させることができ、カバー体Cの溶融亜鉛メッキ時に、該側壁板7,7の熱歪みによる変形をより確実に防止することができる。
また、薄肉鋼板が、厚さ2〜3mmの一般構造用圧延鋼材であるため、厚肉の鋼板に比して軽量かつ安価であり、所定の強度を備えているので、側壁板7,7の上端部に熱歪み防止縁10,10を設ける充填筐体部5の材質として、最も適したものとなる。
さらに、カバー体Cが、矩形状の底板6の目地sの幅方向に沿う両側縁に夫々立設された左右の側壁板7,7と、前記底板6の後端縁に立設された後壁板8と、前記底板6の前端縁から前部上方に向けて斜めに延出された傾斜壁板9とを具備する充填筐体部5を備えるとともに、該充填筐体部5の前部に、前方へ延出する端部カバー板15が配設され、該端部カバー板15の下面が前記傾斜壁板9の上端縁によって支持されているので、該傾斜壁板9によって、端部カバー板15の面方向の強度が向上され、カバー体Cの溶融亜鉛メッキ時に、端部カバー板15の熱歪みによる変形を防止することができる。
図11,図12は、第二実施例を示し、この第二実施例は、建造物Aに目地sを介して隣接する建造物Bの床f2 が、建造物Aの床f1 の高さに比して、カバー体Cの厚み分だけ低く設定されており、該床f2 の側縁に水平受縁2aを備えた前部摺動受枠2と比較的長い水平受縁29aを備えた後部摺動受枠29が配設されている。尚、該後部摺動受枠29は前後に分割して形成することも可能である。また、建造物Aの床f1 と建造物Bの床f2 間の目地sに差し渡されて該目地sを覆うカバー体Cは、その一端が建造物Aの床f1 の側縁に、上述した連結手段20(図8参照)を介して揺動可能に連結され、他端の自由端が建造物Bの床f2 の側縁上に摺動可能に乗載されている。
カバー体Cは、第一実施例と同様に、上面が開口した浅底矩形状の充填筐体部5と、該充填筐体部5の前部に配設されて前方へ延出された端部カバー板15とを備えている。充填筐体部5は、厚さ1.5〜5mm程度、好ましくは厚さ2〜3mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)からなる薄肉鋼板が素材に用いられており、矩形状の底板6と、該底板6の目地幅方向(図11において左右方向)に沿う両側縁に夫々立設された左右の側壁板7,7(図4,図5参照)と、前記底板6の後端縁に立設された後壁板8と、前記底板6の前端縁から前部上方に向けて斜めに延出された傾斜壁板9とを備えている。ここで、該側壁板7,7と後壁板8の上端部には、その上縁を夫々内方に向けて略直角に屈曲させた所定幅(8mm程度)の熱歪み防止縁10(図6,図7参照)が設けられており、該熱歪み防止縁10によって、側壁板7,7及び後壁板8の面方向の強度を向上させるようにしている。
また、側壁板7,7の内側には、補強支持板12,12(図6参照)が目地sの幅方向に沿って夫々配設されている。一方、後壁板8の内側には、断面L形の補強支持板14(図7参照)が目地sに沿う方向に配設されている。
また、充填筐体部5の前部に配設されて前方へ延出された端部カバー板15は、下方に傾斜されて設けられており、該端部カバー板15の下面が前記傾斜壁板9の上端縁によって支持されている。そして、この下方傾斜する端部カバー板15によって、カバー体Cの自由端側の端部上面と建造物Bの床f2 の上面との間に急激な段差が生じないようにしている。
そして、カバー体Cは、このように形成された後、溶融した500℃程度の亜鉛浴中に浸漬されて溶融亜鉛メッキが施される。
その他、第一実施例と共通する構成部分については第一実施例と同一の符号を付して重複説明を省略する。
かかる構成からなる床用目地カバー装置は、カバー体Cが、常時は図11に示す定常位置で目地sを覆っている。そして、地震時において、建造物Aと、隣接する建造物Bとが離近する方向または前後方向(目地sに沿う方向)に相対変位すると、カバー体Cの自由端が建造物Bの床f2 の側縁上を水平に摺動してその相対変位に追従する。
また、建造物Aと、隣接する建造物Bとが上下方向に相対変位すると、カバー体Cは、連結手段20により建造物Aの床f1 の側縁に連結された一端を支点として、建造物Aもしくは隣接する建造物Bの上下動に伴なって傾動して、その相対変位に追従する。
そして、この第二実施例にあっても、カバー体Cが、薄肉鋼板からなる充填筐体部5の少なくとも目地sの幅方向に沿う左右の側壁板7,7の上端部に、該左右の側壁板7,7の上縁を夫々内側方に向けて屈曲させた熱歪み防止縁10,10を備えているので、該熱歪み防止縁10,10によって、薄肉鋼板からなる側壁板7,7の面方向の強度が向上され、カバー体Cの溶融亜鉛メッキ時に、熱歪みによる側壁板7,7の変形を防止することができる。そして、このように、薄肉鋼板からなる充填筐体部5を備えたカバー体Cに溶融亜鉛メッキを施し得るので、従来のステンレス製のものに比して半額程度のコストでカバー体Cを製作することができるとともに、鋼板製のカバー体Cの耐食性及び美観性を高めることができる。
また、側壁板7,7を支持する補強支持板12,12が、充填筐体部5の側壁板7,7の内側に目地sの幅方向に沿って配設されているので、該補強支持板12,12によって、側壁板7,7の強度をさらに向上させることができ、カバー体Cの溶融亜鉛メッキ時に、該側壁板7,7の熱歪みによる変形をより確実に防止することができる。
また、薄肉鋼板が、厚さ2〜3mmの一般構造用圧延鋼材であるため、厚肉の鋼板に比して軽量かつ安価であり、所定の強度を備えているので、側壁板7,7の上端部に熱歪み防止縁10,10を設ける充填筐体部5の材質として、最も適したものとなる。
さらに、充填筐体部5の前部に、前方へ延出する端部カバー板15が配設され、該端部カバー板15の下面が傾斜壁板9の上端縁によって支持されているので、該傾斜壁板9によって、端部カバー板15の面方向の強度が向上され、カバー体Cの溶融亜鉛メッキ時に、端部カバー板15の熱歪みによる変形を防止することができる。
尚、上記各実施例において、建造物Aを免震構造の建造物、建造物Bを人工地盤からなる建造物としたが、これに代えて、建造物Aを人工地盤からなる建造物、建造物Bを免震構造の建造物としてもよい。また、本発明にかかる床用目地カバー装置は、免震装置によって下部が支持された免震構造の建造物以外の一般的な建造物にも適用することが可能である。
第一実施例にかかる床用目地カバー装置の施工状態を示す縦断正面図である。 第一実施例の変形実施例にかかる床用目地カバー装置の施工状態を示す縦断正面図である。 同上の床用目地カバー装置を構成するカバー体Cの縦断正面図である。 同上のカバー体Cの平面図である。 同上のカバー体Cの図4におけるD−D断面図である。 (A)は側壁板7の内側に斜めに配置された補強支持板12を示す要部の拡大断面図、(B)は補強支持板12の他の配置態様を示す要部の拡大断面図である。 後壁板8の内側に配置された補強支持板14を示す要部の拡大断面図である。 連結手段20部分の拡大断面図である。 カバー体Cの作用説明図である。 複数個のカバー体Cを目地sに沿う方向に連続状に配設した状態を示す平面図である。 第二実施例にかかる床用目地カバー装置の施工状態を示す縦断正面図である。 同上の床用目地カバー装置を構成するカバー体Cの縦断正面図である。 (A)は従来構成の床用目地カバー装置の概略縦断正面図、(B)はその作用説明図である。
符号の説明
A 建造物
B 建造物
C カバー体
f1 床
f2 床
s 目地
5 充填筐体部
6 底板
7 側壁板
8 後壁板
9 傾斜壁板
10 熱歪み防止縁
12 補強支持板
15 端部カバー板
18 舗装材
20 連結手段

Claims (4)

  1. 上面が開口した浅底矩形状の充填筐体部を備え、該充填筐体部内に舗装材が充填されて、隣接する建造物の床相互間の目地に差し渡されるカバー体の一端が、一方の床の側縁に連結手段を介して連結されるとともに、該カバー体の他端を自由端とし、該自由端が他方の床の側縁に摺動可能に乗載されてなる床用目地カバー装置において、
    前記カバー体が、薄肉鋼板からなる充填筐体部の少なくとも目地幅方向に沿う左右の側壁板の上端部に、該左右の側壁板の上縁を夫々内側方に向けて屈曲させた熱歪み防止縁を備えてなり、該カバー体に溶融亜鉛メッキが施されていることを特徴とする床用目地カバー装置。
  2. 充填筐体部の側壁板の内側に目地幅方向に沿って配設され、一側縁が充填筐体部の底板側に固着される一方、他側縁が側壁板の内側面に固着されて側壁板を支持する補強支持板を備えていることを特徴とする請求項1記載の床用目地カバー装置。
  3. 薄肉鋼板が、厚さ2〜3mmの一般構造用圧延鋼材であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の床用目地カバー装置。
  4. カバー体が、矩形状の底板の目地幅方向に沿う両側縁に夫々立設された左右の側壁板と、前記底板の後端縁に立設された後壁板と、前記底板の前端縁から前部上方に向けて斜めに延出された傾斜壁板とを具備する充填筐体部を備えるとともに、該充填筐体部の前部に、前方へ延出する端部カバー板が配設され、該端部カバー板の下面が前記傾斜壁板の上端縁によって支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載した床用目地カバー装置。
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