JP4024489B2 - 下地部材と係合する係合部材、下地部材組立体、及び、下地部材組立法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下地部材と係合する係合部材、下地部材組立体、及び、下地部材組立法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばトンネル内やコンクリート製高架橋、コンクリート製外壁を有する建築物等におけるコンクリート片やモルタル片の崩落が大きな社会問題となっている。このようなコンクリート片やモルタル片の崩落を防止するために、トンネルの内壁、コンクリート製高架橋の壁面や建築物等の外壁(以下、これらを総称して躯体と呼ぶ場合がある)を被覆材で被覆する工法がある。具体的には、躯体にアンカーボルトを取り付け、アンカーボルトに直接被覆材を取り付ける。このような工法は簡便な方法であるが、躯体の平滑度が低いと、被覆材のレベル出しに長時間を要し、工期が長期化したり、あるいは、時間当たりの施工面積といった施工効率が低下するという問題を有する。
【0003】
このような問題を解決するために、実公昭63−17770号公報、特開昭57−190860号公報等に開示された工法を適用することが考えられる。これらの公報に開示された工法は、建物の天井に天井材を取り付ける工法であり、予め、天井の所定の位置に多数の吊りボルトを埋め込み、吊りボルトに金具本体(実公昭63−17770号公報参照)や、むかでチャンネル(特開昭57−190860号公報参照)を取り付け、これらの金具本体やむかでチャンネルに野縁や軽量型鋼を取り付け、更に、野縁や軽量型鋼に天井材を取り付ける方法である。
【0004】
上記の公報に開示された工法は、金具本体やむかでチャンネル(以下、これらを金具本体等と呼ぶ)に野縁や軽量型鋼をワンタッチで取り付けることができ、しかも、吊りボルトを用いて金具本体等を天井に取り付けるので、アンカーボルトを用いて躯体に被覆材を取り付けるよりも、短期間での施工が可能となるし、天井の平滑度が低い場合でも、比較的容易に金具本体等のレベル出しを行うことが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、躯体に金具本体等を取り付け、金具本体等に軽量型鋼を係合させ、軽量型鋼に被覆材と取り付け、躯体から崩落したコンクリート片やモルタル片を被覆材にて受ける場合、軽量型鋼と金具本体等との間には充分に高い係合力が要求される。然るに、軽量型鋼と係合する金具本体等の部分の構造に起因して、軽量型鋼といった下地部材と金具本体等との間の係合力が余り高くないという問題がある。
【0006】
また、金具本体等を取り付ける躯体が平面ではなく曲面を描いている場合、あるいは又、被覆材に曲面を付する必要がある場合、かかる躯体に金具本体等を取り付けること、あるいは、被覆材に曲面を付することが困難であるといった問題もある。
【0007】
更には、吊りボルトを用いて金具本体等を天井等の躯体に取り付けるので、短期間での施工が可能であるが、金具本体等を1本ずつ吊りボルトを用いて躯体に取り付ける作業は以外と煩雑な作業である。また、天井の平滑度が低い場合でも、比較的容易に金具本体等のレベル出しを行うことが可能であるが、工期の短縮化等の要請により、一層容易にレベル出しを行い得る工法が要求されている。
【0008】
また、吊りボルトを用いるために、天井等の躯体と金具本体等との間に或る程度のスペースが要求される。しかしながら、リフォーム時、あるいは、建築物の設計等に依っては、このようなスペースを確保することは困難な場合がある。
【0009】
従って、本発明の第1の目的は、下地部材と金具本体等との間の係合力が余り高くないという従来の技術における問題を解決し得る係合部材、かかる係合部材を組み込んだ下地部材組立体、及び、かかる係合部材を使用した下地部材組立法を提供することにある。
【0010】
更には、本発明の第2の目的は、第1の目的に加え、一層短時間に下地部材と金具本体等とを組み立てることが可能であり、しかも、不陸調整を一層容易とした下地部材組立体、及び、かかる下地部材組立体を使用した下地部材組立法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、第1の目的に加え、天井等の躯体と金具本体等との間に殆どスペースが要求されない下地部材組立体、及び、かかる下地部材組立体を使用した下地部材組立法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第4の目的は、第1の目的に加え、躯体が平面ではなく曲面を描いている場合であっても、あるいは又、被覆材に曲面を付する必要がある場合、かかる躯体に容易に取り付け、あるいは又、被覆材に容易に曲面を付することが可能な係合部材あるいは下地部材組立体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するための本発明の係合部材は、略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材と係合する係合部材であって、
底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延び、
下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面が、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺と係合し、下地部材の第1のリップ部の先端部が、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合し、
下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面が、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺と係合し、下地部材の第2のリップ部の先端部が、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合することを特徴とする。
【0014】
上記の第1の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る下地部材組立体は、
(A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、及び、
(B)該下地部材と係合する係合部材、
から成り、
該係合部材は、底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延び、
下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面は、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺と係合し、下地部材の第1のリップ部の先端部は、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合しており、
下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面は、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺と係合し、下地部材の第2のリップ部の先端部は、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合していることを特徴とする。
【0015】
上記の第1の目的に加えて上記の第2の目的及び第3の目的を達成するための本発明の下地部材組立体は、本発明の第1の態様に係る下地部材組立体に加えて、係合部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネルを備えていることを特徴とする。このような本発明の下地部材組立体を、本発明の第2の態様に係る下地部材組立体と呼ぶ。あるいは又、下地部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネルを備えていることを特徴とする。このような本発明の下地部材組立体を、本発明の第3の態様に係る下地部材組立体と呼ぶ。固定用チャンネルの軸線方向と直角の仮想平面で固定用チャンネルを切断したときの、固定用チャンネルの断面形状は、例えば、「コ」の字形とすることができる。固定用チャンネルの「コ」の字の開いた部分(開口部)に係合部材あるいは下地部材の端部を挿入することによって、係合部材あるいは下地部材の端部を容易に固定用チャンネルに取り付けることができる。
【0016】
尚、本発明の第2の態様若しくは第3の態様に係る下地部材組立体においては、固定用チャンネルと係合部材あるいは下地部材との間に振動が伝わらないようにするために、あるいは又、耐震構造とするために、固定用チャンネルと係合部材あるいは下地部材とが係合する部分に、弾性材料(例えば、ゴム系材料、スポンジ系材料、スプリング鋼材、バネ材)から成る防振・耐震部材を配置することが好ましい。この場合、例えば、係合部材あるいは下地部材の端部の一部を収納するための切欠部あるいは溝部を防振・耐震部材に形成しておき、固定用チャンネルの「コ」の字の開いた部分(開口部)に防振・耐震部材を挿入し、防振・耐震部材に形成された切欠部あるいは溝部に係合部材あるいは下地部材の端部の一部を挿入すればよいが、このような構造に限定するものではない。
【0017】
上記の第1の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る下地部材組立法においては、係合部材の底面を躯体に取り付けた後、下地部材を係合部材に係合させる。即ち、本発明の第1の態様に係る下地部材組立法は、
(A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、及び、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)係合部材の底面を躯体に対して固定する工程と、
(b)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする。
【0018】
上記の第1の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る下地部材組立法においては、下地部材の底部を躯体に取り付けた後、係合部材を下地部材に係合させる。即ち、本発明の第2の態様に係る下地部材組立法は、
(A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、及び、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)下地部材の底部を躯体に対して固定する工程と、
(b)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする。
【0019】
上記の第1の目的に加えて第2の目的あるいは第3の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る下地部材組立法においては、本発明の第2の態様に係る下地部材組立体を使用し、下地部材組立体を予め組み立てた後、係合部材の底面及び/又は固定用チャンネルを躯体に取り付ける。即ち、本発明の第3の態様に係る下地部材組立法は、
(A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)係合部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、更に、係合部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させる工程と、
(b)係合部材の底面及び/又は固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程、
から成ることを特徴とする。
【0020】
尚、本発明の第3の態様に係る下地部材組立法においては、前記工程(a)において、下地部材と係合部材とを係合させた後、係合部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させてもよいし、係合部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させた後、下地部材と係合部材とを係合させてもよい。
【0021】
上記の第1の目的に加えて第2の目的あるいは第3の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る下地部材組立法においては、本発明の第3の態様に係る下地部材組立体を使用し、下地部材組立体を予め組み立てた後、下地部材の底部及び/又は固定用チャンネルを躯体に取り付ける。即ち、本発明の第4の態様に係る下地部材組立法は、
(A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)下地部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、更に、下地部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させる工程と、
(b)下地部材の底部及び/又は固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程、
から成ることを特徴とする。
【0022】
尚、本発明の第4の態様に係る下地部材組立法においては、前記工程(a)において、下地部材と係合部材とを係合させた後、下地部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させてもよいし、下地部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させた後、下地部材と係合部材とを係合させてもよい。
【0023】
上記の第1の目的に加えて第2の目的あるいは第3の目的を達成するための本発明の第5の態様に係る下地部材組立法においては、本発明の第2の態様に係る下地部材組立体を使用し、固定用チャンネルを躯体に対して固定した後、固定用チャンネルに係合部材の端部を取り付け、更に、下地部材を係合部材に係合させる。即ち、本発明の第5の態様に係る下地部材組立法は、
(A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)係合部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程と、
(b)固定用チャンネルに係合部材の端部を取り付ける工程と、
(c)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする。
【0024】
上記の第1の目的に加えて第2の目的あるいは第3の目的を達成するための本発明の第6の態様に係る下地部材組立法においては、本発明の第3の態様に係る下地部材組立体を使用し、固定用チャンネルを躯体に対して固定した後、固定用チャンネルに下地部材の端部を取り付け、更に、係合部材を下地部材に係合させる。即ち、本発明の第6の態様に係る下地部材組立法は、
(A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)下地部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程と、
(b)固定用チャンネルに下地部材の端部を取り付ける工程と、
(c)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする。
【0025】
本発明の第3の態様若しくは第4の態様に係る下地部材組立法における工程(a)において、あるいは又、本発明の第5の態様若しくは第6の態様に係る下地部材組立法における工程(b)において、固定用チャンネルと係合部材あるいは下地部材との間に振動が伝わらないようにするために、あるいは又、耐震構造とするために、固定用チャンネルと係合部材あるいは下地部材とが係合する部分に、弾性材料(例えば、ゴム系材料、スポンジ系材料、スプリング鋼材、バネ材)から成る防振・耐震部材を配置することが好ましい。この場合、例えば、係合部材あるいは下地部材の端部の一部を収納するための切欠部あるいは溝部を防振・耐震部材に形成しておき、固定用チャンネルの「コ」の字の開いた部分(開口部)に防振・耐震部材を挿入し、防振・耐震部材に形成された切欠部あるいは溝部に係合部材あるいは下地部材の端部の一部を挿入すればよいが、このような構造に限定するものではない。
【0026】
更には、躯体と係合部材の底面あるいは下地部材の底部との間に、弾性材料(例えば、ゴム系材料、スポンジ系材料、スプリング鋼材、バネ材)から成る第2の防振・耐震部材を配置することが好ましい。この場合、例えば、第2の防振・耐震部材の形状を楔形あるいは略「L」字形とし、躯体と係合部材の底面あるいは下地部材の底部との間にかかる楔形あるいは略「L」字形の第2の防振・耐震部材を挿入し、第2の防振・耐震部材を躯体に固定すればよいが、このような構造に限定するものではない。尚、本発明の第3の態様係る下地部材組立法にあっては、前記工程(b)において固定用チャンネルを躯体に対して固定する場合、躯体と係合部材の底面との間に、また、本発明の第4の態様係る下地部材組立法にあっては、前記工程(b)において固定用チャンネルを躯体に対して固定する場合、躯体と下地部材の底部との間に、更には、本発明の第5の態様係る下地部材組立法にあっては、前記工程(a)において、躯体と係合部材の底面との間に、また、本発明の第6の態様係る下地部材組立法にあっては、前記工程(a)において、躯体と下地部材の底部との間に、第2の防振・耐震部材を配置する工程を含むことが好ましい。
【0027】
本発明の係合部材、下地部材組立体、第1の態様〜第6の態様に係る下地部材組立法(以下、これらを総称して、単に本発明と呼ぶ場合がある)において、第1の台形部は略二等辺台形形状を有していると表現しているが、これは、第1の台形部が厳密に二等辺台形でなくともよいことを意味する。即ち、台形の2つの側辺の長さが厳密には等しくなくともよいし、上辺と下辺が厳密には平行でなくともよい。また、第2の台形部も略二等辺台形形状を有していると表現しているが、これは、第2の台形部が厳密に二等辺台形でなくともよいことを意味する。即ち、台形の2つの側辺の長さが厳密には等しくなくともよい。更には、第2の台形部における下辺は一直線ではないし、上辺と下辺とは平行でないが、第2の台形部は巨視的には台形形状であるが故に、略二等辺台形形状を有していると表現する。
【0028】
本発明においては、複数のストライプ状の係合部材を第1の方向に相互に並列して配置し、複数のストライプ状の下地部材を第2の方向に相互に平行とし、且つ、係合部材と係合させることが好ましく、第1の方向と第2の方向とは直交することが望ましい。第1の側面に設けられた凸部と、第2の側面に設けられた凸部の位置関係は、係合部材の長手方向軸線に対して対称に配置されていることが好ましい。
【0029】
本発明においては、第1の側面に設けられた凸部の1つと、かかる凸部に対向して第2の側面に設けられた凸部の1つとを一対とし、かかる一対の凸部に1つの下地部材を係合させる構成とすることができる。尚、通常、複数個の凸部毎に1つの下地部材を係合させる。
【0030】
あるいは又、本発明においては、第1の側面に設けられた凸部の複数と、第2の側面に設けられた凸部の複数とを一対の組とし、かかる一対の組の両端部に位置する2つの凸部に1つの下地部材を係合させる構成とすることもできる。即ち、下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面は、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+1}番目(但し、kは2以上の整数の定数であり、M=1,2,3・・・)の凸部における、第1の台形部の一方の側辺と係合し、下地部材の第1のリップ部の先端部は、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合し、あるいは、係合しており、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面は、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+n+1}番目(但し、nは1以上の整数の定数であり、k>n)の凸部における、第1の台形部の他方の側辺と係合し、下地部材の第2のリップ部の先端部は、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合し、あるいは、係合している構成とすることもできる。この場合、第{k(M−1)+1}番目の凸部における第1の台形部の他方の側辺や第2のリップ部を係合する第2の台形部の下辺は必ずしも必要ではなく、また、第{k(M−1)+n+1}番目の凸部における第1の台形部の一方の側辺や第1のリップ部と係合する第2の台形部の下辺は必ずしも必要ではない。このような構成の凸部も、本発明における凸部に包含される。尚、係合部材の先端から何番目の凸部を、第{k(M−1)+1}番目(但し、M=1)とするかは、本質的に任意である。
【0031】
本発明においては、第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで、第2の台形部の下辺が延在している構成とすることもできる。尚、第2の台形部の内部にまで延在した第2の台形部の下辺の部分を、便宜上、切欠部と呼ぶ。このような切欠部を設けることによって、下地部材と係合部材の係合を一層強固なものとすることができる。
【0032】
本発明においては、係合部材の第1の側面及び第2の側面の構造として、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに基部が設けられ、第1の台形部は基部から延在する構造とすることができる。この場合、上記の第4の目的を達成するために、係合部材の底面と基部が交差する領域には凹部あるいは切欠部が設けられており、あるいは、凸部が延在していない基部の部分に切欠部が設けられている構造とすることもできる。尚、この切欠部を、上述した第2の台形部の内部にまで延在した第2の台形部の下辺の部分を指す切欠部と区別するために、便宜上、第2の切欠部と呼ぶ。凹部あるいは第2の切欠部を設けることによって、係合部材を上向きに(隣接する凸部が相互に離れるように)、あるいは、下向きに(隣接する凸部が相互に近づくように)、容易に湾曲させることが可能となる。尚、凹部あるいは第2の切欠部は、係合部材の底面にのみ設けられていてもよく、基部にのみ設けられていてもよく、係合部材の底面及び基部の両方に設けられていてもよい。ここで、凹部とは、係合部材に設けられた凹みであり、係合部材を貫通していない。第2の切欠部は係合部材を貫通している。
【0033】
あるいは又、本発明においては、上記の第4の目的を達成するために、係合部材の第1の台形部が底面から延在する構造とすることもできる。第1及び第2の側面が存在しない底面の部分が存在するので、係合部材を上向きあるいは下向きに容易に湾曲させることが可能となる。
【0034】
本発明においては、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに、複数の貫通孔が設けられている構成とすることができる。溶接法に基づき、あるいは、補助器具を用いて、係合部材と係合部材とを接合してもよいが、貫通孔を設けることによって、係合部材と係合部材とを、例えばボルトとナットを用いて容易に接合させることが可能となり、長い係合部材を得ることができる。あるいは又、例えばボルトとナットを用いて、係合部材に不陸調整部材を容易に取り付けることが可能となる。
【0035】
本発明における下地部材の断面形状は略リップ溝形である。即ち、下地部材を長手方向と直角の方向で切断したときの断面形状は、「U」字あるいは「コ」の字の両端が、それぞれ、内側に折れ曲がった形状、あるいは、「U」字あるいは「コ」の字の両端が、それぞれ、内側に折れ曲がり、更に、下方に(底部に向かって)折れ曲がった形状である。第1のリップ部及び第2のリップ部は、下地部材の長手方向に延びる縁部のそれぞれに該当している。下地部材は、例えば、JIS G3350(一般構造用軽量形鋼)によって規定された一般構造用軽量形鋼、亜鉛メッキされた軽量形鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンといった各種金属材料や合金材料から作製することもできるし、射出成形法等に基づき合成樹脂から作製することもできる。
【0036】
係合部材や固定用チャンネル、後述する不陸調整部材も、下地部材と同様の材料から作製することができる。尚、これらの部材や固定用チャンネルを構成する材料は、同じ材料であっても、同種の材料であっても、異種の材料であってもよい。
【0037】
本発明における係合部材と下地部材の組合せとして、具体的には、胴縁受けと胴縁、野縁受けと野縁、胴縁と胴縁受け、野縁と野縁受けを例示することができる。本発明の第1の態様、本発明の第3の態様あるいは本発明の第5の態様に係る下地部材組立法においては、下地部材の上に内装材や外装材といった被覆材を取り付けることができる。一方、本発明の第2の態様、本発明の第4の態様あるいは本発明の第6の態様に係る下地部材組立法においては、係合部材の上に内装材や外装材といった被覆材を取り付けることができる。被覆材とし、ステンレス鋼板やアルミニウム板、鉄板、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、塩ビ鋼板といった各種の金属製の平板や波板、スパンドレール、化粧石膏ボードを含む石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、スラグ石膏板、木毛セメント板、パルプセメント板、木片セメント板、抄造石膏板、モルタル板、ロックウール板、木質系壁材、合板、木質繊維板、化粧パルプセメント板、ガラス繊維やカーボン繊維入りボード、石綿セメント板、石綿スレートパネル、セラミックス板といった窯業材料から構成された板を例示することができる。また、躯体として、軽量鉄骨造や、木質構造(木骨造、枠組壁工法、木質プレハブ構造を含む)、トンネルの内壁、コンクリート製高架橋の壁面、コンクリート製外壁やコンクリート造壁、コンクリート・ブロック、ALC板、レンガ造、あるいは、天井スラブや床スラブを例示することができる。
【0038】
所望に応じて、躯体と係合部材や下地部材との間に断熱材を挿入してもよく、これによって高い結露防止効果を得ることができる。断熱材として、フェルト状のグラスウールやロックウール;ボード状のグラスウールやロックウール、インシュレーションボード;ばら状のグラスウールやロックウール、セルローズファイバー;ボード状のポリスチレンフォームやウレタンフォームを例示することができる。
【0039】
本発明においては、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに、特徴的な構造を有する複数の凸部を設けることによって、係合部材と下地部材との間に高い係合力を得ることができる。
【0040】
また、本発明の第2の態様〜第3の態様に係る下地部材組立体、あるいは、本発明の第3の態様〜第6の態様に係る下地部材組立法にあっては、固定用チャンネルを備え、あるいは、用いることによって、一層短時間に、下地部材と係合部材との組立や下地部材組立体の躯体への取り付けが可能となるし、不陸調整が一層容易となる。また、天井等の躯体と下地部材組立体との間に殆どスペースが要求されなくなる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発明を説明する。
【0042】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の係合部材及び第1の態様に係る下地部材組立体に関する。実施の形態1の係合部材10を第1の側面11A側から眺めた模式図を図2の(A)に示し、上方から眺めた図を図2の(B)に示す。また、係合部材10における1つの凸部12Aを拡大した模式図を図1に示す。更には、係合部材10と下地部材40とが係合した状態を模式的に図4に示し、係合部材10と下地部材40とが係合した状態の拡大図を模式的に図3に示す。尚、以下の説明においては、係合部材10の第1の側面11Aに関して説明する場合があるが、第2の側面11Bに関しても同様である。
【0043】
この係合部材10は、略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部41及び第2のリップ部42を備えた下地部材40と係合する。係合部材10は、底面14、及び、対向した第1の側面11A及び第2の側面11Bを有する。そして、第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれには、下地部材40の第1のリップ部41及び第2のリップ部42と係合する複数の凸部12A,12Bが設けられている。尚、第1の側面11Aに設けられた凸部12Aと、第2の側面11Bに設けられた凸部12Bとは、係合部材10の長手方向軸線に対して対称に配置されている。各凸部12Aは、上辺24が下辺21よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部20と、第1の台形部20の上辺24から延在し、上辺34が下辺31,32,33よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部30とから成る。そして、第2の台形部30の下辺31,32は、第1の台形部20の上辺24の端部から側面底部に向かう方向に延びている。尚、第2の台形部30の下辺33は、第1の台形部20の上辺24と共通である。図1においては、これらの第2の台形部30の下辺31,32の延びる方向を一点鎖線で表示した。尚、第2の台形部30の下辺31,32の延びる方向と水平線の成す角度θ2(図1参照)は、8度乃至24度であることが好ましい。ここで、参照番号15は、係合部材10の底面14に形成された穴部であり、参照番号35,36は、第2の台形部30の側辺である。尚、第2の台形部30の形状を言い換えれば、矩形若しくは等しい長さを有する台形(かかる矩形若しくは台形は下辺33、上辺34を有する)と、矩形の対向する2辺若しくは台形の側辺にそれぞれ接する三角形(三角形の2辺は、下辺31,32及び側辺35,36である)が組み合わされた形状(全体としては六角形)である。
【0044】
実施の形態1における下地部材40の断面形状は略リップ溝形である。即ち、下地部材40を長手方向と直角の方向で切断したときの断面形状は、「U」字あるいは「コ」の字の両端が、それぞれ、内側に折れ曲がり、更に、下方に(底部49に向かって)折れ曲がった形状である。第1のリップ部41及び第2のリップ部42は、下地部材40の長手方向に延びる縁部のそれぞれに該当している。
【0045】
そして、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面は、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25と係合し、下地部材40の第1のリップ部41の先端部は、この一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24の端部から延びる第2の台形部30の下辺31と係合している。一方、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面は、第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の他方の側辺26と係合し、下地部材の第2のリップ部42の先端部は、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24の端部から延びる第2の台形部30の下辺32と係合している。尚、第1の台形部20の側辺25,26と垂線の成す角度θ1(図1参照)は、15度乃至20度であることが好ましい。
【0046】
尚、複数のストライプ状の係合部材10を第1の方向に相互に並列して配置し、複数のストライプ状の下地部材40を第2の方向に相互に平行して、係合部材10と係合させる。第1の方向の射影像と第2の方向の射影像とは直交している。
【0047】
図3及び図4に示すように、第1の側面11Aに設けられた凸部12Aの1つと、第2の側面11Bに設けられた凸部12Bの1つとを一対とし、かかる一対の凸部12A,12Bに1つの下地部材40を係合させる構成としてもよい。図3及び図4に示した例では、4つの凸部12A,12B毎に1つの下地部材40が係合している。尚、例えば、係合部材10を野縁受けとしたとき、このような構成の下地部材40はシングル野縁に相当する。
【0048】
あるいは又、図5に示すように、第1の側面11Aに設けられた凸部12Aの複数(図5に示す例では2つ)と、第2の側面11Bに設けられた凸部12Bの複数(図5に示す例では2つ)とを一対の組とし、かかる一対の組の端部に位置する2つの凸部12A,12Bに1つの下地部材40を係合させてもよい。即ち、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面は、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれに設けられた第{k(M−1)+1}番目(但し、実施の形態1においては、k=5、Mは1,2,3・・・の自然数)の凸部12A,12Bにおける、第1の台形部20の一方の側辺25と係合し、下地部材40の第1のリップ部41の先端部はこの一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺31と係合しており、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面は、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれに設けられた第{k(M−1)+n+1}番目(但し、図5に示した例においては、n=1)の凸部12A,12Bにおける、第1の台形部20の他方の側辺26と係合し、下地部材40の第2のリップ部42の先端部は、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺32と係合している構成とすることもできる。尚、図5に示す例では、5つの凸部毎に、2つの凸部に対して1つの下地部材を係合させている。尚、係合部材10の先端から何番目の凸部を、第{k(M−1)+1}番目(但し、M=1)とするかは、本質的に任意である。尚、例えば、係合部材10を野縁受けとしたとき、このような構成の下地部材40はダブル野縁に相当する。
【0049】
実施の形態1の係合部材10においては、第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれには基部13A,13Bが設けられており、第1の台形部20は基部13A,13Bから延在している。
【0050】
下地部材40は、厚さ0.45mm乃至1.2mmの亜鉛鉄板あるいはステンレス鋼板から作製されている。一方、係合部材10は、厚さ1.0mmの亜鉛鉄板あるいはステンレス鋼板から作製されており、θ1を15度、θ2を8度とした。
【0051】
係合部材10と係合させる前の下地部材を長手方向と直角の方向で切断したときの模式的な断面図を図13に模式的に例示する。図13の(A)及び(B)に示す下地部材40においては、「U」字あるいは「コ」の字の両端が、それぞれ、内側に折れ曲がり(参照番号45,46で示す)、更に、下方に(底部49に向かう方向であり、図13においては紙面の上方に向かって)折れ曲がった(参照番号47,48で示す)形状である。図13の(A)においては、内側に折れ曲がった部分45,46と、下方に折れ曲がった部分47,48の角度との成す角度は約90度である。一方、図13の(B)においては、内側に折れ曲がった部分45,46と、下方に折れ曲がった部分47,48の角度との成す角度は鈍角である。図13の(C)に示す下地部材40においては、「U」字あるいは「コ」の字の両端が、それぞれ、内側に折れ曲がっている。下地部材40の側面43,44と、内側に折れ曲がった部分45,46の成す角度は鋭角である。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の変形である。実施の形態2の係合部材10Aを第1の側面11A側から眺めた模式図を図6の(A)に示し、上方から眺めた図を図6の(B)に示す。また、係合部材10Aにおける1つの凸部の部分を拡大した模式図を図7に示す。更には、係合部材10Aと下地部材40とが係合した状態の拡大図を模式的に図8に示す。
【0053】
実施の形態2の係合部材10Aにおいては、係合部材10Aの第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれの第2の台形部20の下辺31,32と第1の台形部20の上辺24端部とが交差する領域よりも第2の台形部30の内部にまで、第2の台形部30の下辺31,32が延在している。尚、第2の台形部30の内部にまで延在した第2の台形部30の下辺31,32の部分を切欠部16と呼ぶ。このような切欠部16を設けることによって、下地部材40と係合部材10Aの係合を一層強固なものとすることができる。更には、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25及び他方の側辺26には、段差25A,26Aが設けられている。下地部材40の第1のリップ部41及び第2のリップ部42の内側に折れ曲がった部分45,46の一部分と、段差25A,26Aが係合する。これによって、下地部材40の第1のリップ部41及び第2のリップ部42と、第1の台形部20の一方の側辺25及び他方の側辺26との係合が一層確実なものとなる。
【0054】
また、係合部材10Aの第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれには、複数の貫通孔17が設けられている。貫通孔17を設けることによって、図9に上から眺めた模式図を示すように、係合部材10Aと係合部材10Aとを、例えばボルト18とナット18’を用いて容易に接合させることができ、複数の係合部材10Aが接合された長い係合部材を得ることができる。尚、このような貫通孔17は、実施の形態1あるいは実施の形態3以降の実施の形態における係合部材にも適用することができる。
【0055】
実公昭63−17770号公報及び特開昭57−190860号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材を比較例として、下地部材組立体の引張り強度(係合部材と下地部材との間の係合力)の測定を行った。尚、実公昭63−17770号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材の模式図を図29の(A)に示し、特開昭57−190860号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材の模式図を図29の(B)に示す。尚、実施の形態2の係合部材10A、実公昭63−17770号公報及び特開昭57−190860号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材のそれぞれを同じ材料から作製し、下地部材40も同じものを使用した。引張り強度測定結果を以下の表1に示す。尚、比較例1は、実公昭63−17770号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材を用いた場合であり、比較例2は、特開昭57−190860号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材を用いた場合である。
【0056】
【表1】
引張り強度(15点平均)
実施の形態2 212kgf
比較例1 113kgf
比較例2 10kgf
【0057】
表1から明らかなように、比較例1と比べ、実施の形態2の係合部材の引張り強度は約2倍であった。比較例1においては、係合部材の側面に設けられた凸部が、下辺が上辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部(本発明の第1の台形部とは逆向きである)と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から略水平に延びているので、下地部材のリップ部のそれぞれが、第2の台形部の下辺のそれぞれとのみ係合している。一方、実施の形態2の係合部材10Aにおいては、下地部材のリップ部は、第1の台形部の側辺、及び、第2の台形部の下辺と係合しており、しかも、第2の台形部30の突出した下辺31,32は下方に向かって延びている。それ故、比較例1における係合部材と比較して、実施の形態2の係合部材の引張り強度は約2倍となった。また、比較例2においては、係合部材の側面に設けられた凸部が、略六角形の形状を有し、下地部材のリップ部のそれぞれが、六角形の一辺とのみ係合しているが故に、引張り強度は極めて低い値となった。
【0058】
(実施の形態3)
実施の形態3も実施の形態1の変形である。実施の形態3の係合部材10Bを第1の側面11A側から眺めた模式図を図10の(A)に示し、上方から眺めた図を図10の(B)に示す。実施の形態3においては、係合部材10Bの底面14と基部13A,13Bが交差する領域に切欠部(第2の切欠部)19A,19Bが設けられている。このような構造とすることによって、例えば、係合部材10Bを上向きに(隣接する凸部が相互に離れるように)容易に湾曲させることができる。尚、第2の切欠部19A,19Bの代わりに凹部とすることもできる。あるいは又、係合部材10Cを第1の側面11A側から眺めた模式図を図11の(A)に示し、上方から眺めた図を図11の(B)に示すように、凸部12A,12Bが延在していない基部13A,13Bの部分に第2の切欠部19C,19Dが設けられている構造とすることもできる。尚、図11に示すように、第2の切欠部19C,19Dを、底面14に至るように形成してもよいし、底面14にまでは至らないように形成してもよい。尚、係合部材10Bの第2の台形部30における下辺31,32の構成を実施の形態2にて説明したような切欠部16を有する構成とすることもできる。
【0059】
(実施の形態4)
実施の形態4も実施の形態1の変形である。実施の形態4の係合部材10Dを第1の側面11A側から眺めた模式図を図12の(A)に示し、上方から眺めた図を図12の(B)に示す。実施の形態4においては、係合部材10Dにおける第1の台形部20は底面14から延在する。第1及び第2の側面11A,11Bが存在しない底面14の部分が存在するので、係合部材10Dを上向きあるいは下向きに容易に湾曲させることができる。尚、係合部材10Bの第2の台形部30における下辺31,32の構成を実施の形態2にて説明したような切欠部16を有する構成とすることもできる。
【0060】
(実施の形態5)
実施の形態5は、本発明の第1の態様に係る下地部材組立法に関する。図14に模式図を示すように、実施の形態5の下地部材組立法においては、図6〜図8に示した実施の形態2の係合部材10Aの底面14を躯体である天井スラブに取り付けた後、下地部材40を係合部材10Aに係合させる。即ち、アンカーボルト51、取付金具52、金属プレート53、ボルト54及びナット55から構成された係止部材50を使用して、係合部材10Aの底面14を躯体に対して固定する。具体的には、アンカーボルト51を天井スラブに埋め込み、アンカーボルト51の先端部に取付金具52を取り付ける。そして、取付金具52に固定されたボルト54に金属プレート53及び係合部材10Aの底面14に設けられた穴部15を通し、ワッシャー及びナット55を用いて取付金具52に対して係合部材10Aを固定する。次いで、図8に示したように、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面と、係合部材10Aの第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25とを係合させ、下地部材40の第1のリップ部41の先端部と、この一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺31(切欠部16を含む)とを係合させ、且つ、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面と、係合部材10Aの第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の他方の側辺26とを係合させ、下地部材40の第2のリップ部42の先端部と、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺32(切欠部16を含む)とを係合させる。その後、下地部材40の底部49に天井材といった被覆材60をタッピングビス61にてビス止めする。尚、係合部材として、実施の形態1にて説明した係合部材10を使用してもよい。
【0061】
尚、図14に示した係止部材50の構造、形状、構成要素等は例示であり、本質的には任意とすることができる。例えば、係止部材の変形例として、図15に示すように、係止部材50Aを構成する取付金具52Aを「Z」型とすることができる。あるいは又、図16に示すように、ボルト54の取り付けられた取付金具52B,52Cとすることもできる。図16に示した例においては、取付金具52Bをコンクリートビス56を用いて躯体に取り付け、あるいは又、取付金具52Cをリベット57を用いて躯体に取り付ける。尚、図16においては、2種類の取付金具52B,52Cを1枚の図面中に描いた。
【0062】
(実施の形態6)
実施の形態6は、本発明の第2の態様に係る下地部材組立法に関する。図17に模式図を示すように、実施の形態6の下地部材組立法においては、例えば、トンネルの内壁に相当する躯体に、トンネルの走る方向に沿って下地部材40を平行に複数、取り付ける。下地部材40の躯体への取り付けは、例えば、アンカーボルト51及び金属プレート53を使用して、下地部材40の底部49に設けられた穴部(図示せず)にアンカーボルト51を通すことで行うことができる。そして、係合部材10Aを下地部材40に係合させる。具体的には、図8に示したように、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面と、係合部材10Aの第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25とを係合させ、下地部材40の第1のリップ部4 1の先端部と、この一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺31(切欠部16を含む)とを係合させ、且つ、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面と、係合部材10Aの第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の他方の側辺26とを係合させ、下地部材40の第2のリップ部42の先端部と、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺32(切欠部16を含む)とを係合させる。その後、係合部材10の底面14にステンレス鋼板から成る被覆材62をタッピングビス61にてビス止めする。尚、図17に示した係止部材50Dの構造、形状、構成要素等は例示であり、本質的には任意とすることができる。係合部材として、実施の形態1にて説明した係合部材10や、実施の形態3にて説明した係合部材10Bを使用してもよい。実施の形態6において使用する係合部材には、その底面14に穴部15を設ける必要はない。
【0063】
(実施の形態7)
実施の形態7は、実施の形態5の下地部材組立法の変形例である。図18に模式図を示すように、実施の形態7の下地部材組立法においては、図10に示した実施の形態3の係合部材10Bが、躯体である柱71の外周に取り付けられている。具体的には、例えば、実施の形態5にて説明したと同様の方法で、躯体である壁面70に係合部材10を取り付ける。尚、係止部材の図示は省略した。次いで、係合部材10Bを適切な長さに切断し、滑らかに曲げ、係合部材10Bの両端を係合部材10に、例えばボルト63とナットを使用して取り付ける。こうして、図18に示す状態を得ることができる。そして、係合部材10,10Bに下地部材を係合させ、下地部材に内装材といった被覆材を取り付ける。これによって、従来の工法では極めて困難であった、曲率半径の比較的小さな美しい曲面を有する壁面を容易に得ることができる。
【0064】
(実施の形態8)
実施の形態8も、実施の形態5の下地部材組立法の変形例である。図19に模式図を示すように、実施の形態8の下地部材組立法においては、図12に示した実施の形態4の係合部材10Dが、躯体である壁面70のコーナー部の外側に取り付けられている。具体的には、例えば、実施の形態5にて説明したと同様の方法で、躯体である壁面70に係合部材10を取り付ける。尚、係止部材の図示は省略した。次いで、係合部材10Dを適切な長さに切断し、滑らかに曲げ、係合部材10Dの両端を係合部材10に、例えばボルト63とナットを使用して取り付ける。こうして、図19に示す状態を得ることができる。そして、係合部材10,10Dに下地部材を係合させ、下地部材に例えば内装材といった被覆材を取り付ける。これによって、従来の工法では極めて困難であった、曲率半径の比較的小さな美しい曲面を有する壁面を容易に得ることができる。
【0065】
(実施の形態9)
実施の形態9は、本発明の第2の態様に係る下地部材組立体、及び、本発明の第3の態様、第5の態様に係る下地部材組立法に関する。実施の形態9の下地部材組立体の模式的な一部断面図を図20の(A)に示し、固定用チャンネル80の一部分の模式的な斜視図を図20の(B)に示す。
【0066】
実施の形態9の下地部材組立体は、実施の形態1にて説明した下地部材組立体に固定用チャンネル80が加えられた構造を有する。具体的には、係合部材10と下地部材40とが係合した実施の形態1において説明した状態であって、更に、係合部材10の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル80が備えられている。固定用チャンネル80は、厚さ1.0mmの亜鉛鉄板あるいはステンレス鋼板から作製されており、上面81、上面81の一端から下方に延びる側面82、側面の下端から上面81と略平行に延びる下面83から構成されている。側面82にはアンカーボルト(図示せず)を通すための複数の孔部84が設けられている。ここで、下面83の端部は上方に折り曲げられ、更に、側面81に向かって折り返されている。固定用チャンネル80は、図20の紙面垂直方向に、下地部材40と略平行に延びている。係合部材10の端部を、固定用チャンネル80の上面81と下面83の折返部83Aとの間に挿入することによって、係合部材10の端部を固定用チャンネル80に固定させることができる。
【0067】
尚、係合部材10と下地部材40との係合状態は、図5に例示した状態とすることもできるし、係合部材10として、実施の形態2や実施の形態3、実施の形態4にて説明した構造とすることもできる。
【0068】
実施の形態9における下地部材組立法にあっては、先ず、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25とを係合させ、下地部材40の第1のリップ部41の先端部と、この一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺31とを係合させ、且つ、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の他方の側辺26とを係合させ、下地部材40の第2のリップ部42の先端部と、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺32とを係合させる。次いで、係合部材10の端部のそれぞれを固定用チャンネル80に係合させる。具体的には、係合部材10の端部を、固定用チャンネル80の上面81と下面83の折返部83Aとの間に挿入する。あるいは又、係合部材10の端部のそれぞれを固定用チャンネル80に係合させた後、上述と同様にして、係合部材10と下地部材40とを係合させてもよい。
【0069】
このようにして、係合部材10と下地部材40と固定用チャンネル80から構成された一種の格子状の下地部材組立体を得ることができる。ここまでの作業は、例えば、施工現場の床面上にて行うことができる。場合によっては、このような一種の格子状の下地部材組立体を他の場所(例えば、施工現場の他の場所や、係合部材、下地部材、固定用チャンネルの製造工場等)にて組み立ててもよい。
【0070】
その後、躯体である天井面72の近傍にまで、かかる格子状の下地部材組立体を持ち上げる。そして、固定用チャンネル80の側面82を、躯体である壁面73にアンカーボルト(図示せず)を用いて取り付ける。尚、係合部材10の底面14を躯体である天井面72に対して固定してもよいし、固定用チャンネル80を躯体である壁面73に固定し、且つ、係合部材10の底面14を躯体である天井面72に対して固定してもよい。以上の下地部材組立法は、本発明の第3の態様に係る下地部材組立法である。
【0071】
その後、下地部材40の底部49に天井材といった被覆材をタッピングビスにてビス止めする。
【0072】
あるいは又、実施の形態9における下地部材組立法にあっては、先ず、固定用チャンネル80の側面82を、躯体である壁面73にアンカーボルト(図示せず)を用いて取り付ける。
【0073】
次いで、係合部材10の端部のそれぞれを固定用チャンネル80に係合させる。具体的には、係合部材10の端部を、固定用チャンネル80の上面81と下面83の折返部83Aとの間に挿入する。その後、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25とを係合させ、下地部材40の第1のリップ部41の先端部と、この一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺31とを係合させ、且つ、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の他方の側辺26とを係合させ、下地部材40の第2のリップ部42の先端部と、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺32とを係合させる。尚、係合部材10の底面14を躯体である天井面72に対して固定してもよい。以上の下地部材組立法は、本発明の第5の態様に係る下地部材組立法である。
【0074】
その後、下地部材40の底部49に天井材といった被覆材をタッピングビスにてビス止めする。
【0075】
(実施の形態10)
実施の形態10は、実施の形態9の下地部材組立体の変形である。実施の形態10においては、固定用チャンネル80Aと係合部材10との間に振動が伝わらないようにするために、あるいは又、耐震構造とするために、固定用チャンネル80Aと係合部材10とが係合する部分に、弾性材料(例えば、ゴム系材料、スポンジ系材料、スプリング鋼材、バネ材)から成る防振・耐震部材85が配置されている。尚、ゴム系材料として、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムを挙げることができる。実施の形態10の下地部材組立体の模式的な一部断面図を図21に示し、固定用チャンネル80Aの一部分の模式的な斜視図を図22の(A)に示し、図21の矢印B−Bに沿った係合部材等の模式的な一部断面図を図22の(B)に示し、防振・耐震部材85の模式的な斜視図を図22の(C)に示す。
【0076】
実施の形態10における固定用チャンネル80Aは、厚さ1.0mmの亜鉛鉄板あるいはステンレス鋼板から作製されており、上面81、上面81の一端から下方に延びる側面82、側面の下端から上面81と略平行に延びる下面83から構成されている。即ち、固定用チャンネル80Aの断面形状は「コ」の字形状を有する(図22の(A)参照)。また、防振・耐震部材85の形状は略直方体であり、係合部材10の端部を収納するための切欠部86(切欠部16、第2の切欠部19A,19Bと区別するために、便宜上、第3の切欠部86と呼ぶ)が防振・耐震部材85に形成されている(図22の(C)参照)。そして、固定用チャンネル80Aの「コ」の字の開いた部分(開口部)に防振・耐震部材85を挿入し、防振・耐震部材85に形成された第3の切欠部86に係合部材10の端部(具体的には、係合部材10の底面14)を挿入すればよい。
【0077】
実施の形態10における下地部材組立法にあっては、実施の形態9における下地部材組立法において係合部材10の端部のそれぞれを固定用チャンネル80Aに係合させる際、固定用チャンネル80Aと係合部材10とが係合する部分に、防振・耐震部材85を配置すればよい。具体的には、上述した方法にて固定用チャンネル80Aに係合部材10の端部を防振・耐震部材85を介して取り付ければよい。
【0078】
尚、下地部材40の底部49に天井材といった被覆材をタッピングビスにてビス止めする前に、躯体である天井面72と係合部材10の底面14との間に、弾性材料(例えば、ゴム系材料、スポンジ系材料、スプリング鋼材、バネ材)から成る第2の防振・耐震部材87を配置してもよい。この場合、例えば、第2の防振・耐震部材87の形状を楔形あるいは略「L」字形とし(図22の(D)及び(E)参照)、躯体である天井面72と係合部材10の底面14との間にかかる楔形あるいは略「L」字形の第2の防振・耐震部材87を挿入し(図21参照)、貫通孔88を通したアンカーボルト(図示せず)によって、第2の防振・耐震部材87を躯体である天井面72に対して固定すればよい。
【0079】
(実施の形態11)
実施の形態11は、本発明の第3の態様に係る下地部材組立体、及び、本発明の第4の態様、第6の態様に係る下地部材組立法に関する。実施の形態11の下地部材組立体の模式的な一部断面図を図23に示す。
【0080】
実施の形態11の下地部材組立体も、実施の形態9と同様に、実施の形態1にて説明した下地部材組立体に固定用チャンネル80が加えられた構造を有する。但し、実施の形態9と異なり、具体的には、係合部材10と下地部材40とが係合した実施の形態1において説明した状態であって、更に、下地部材40の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル80が備えられている。固定用チャンネル80の構造は、実施の形態9にて説明した固定用チャンネル80の構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。固定用チャンネル80は、図23の紙面垂直方向に、係合部材10と略平行に延びている。下地部材40の端部を、固定用チャンネル80の上面81と下面83の折返部83Aとの間に挿入することによって、下地部材40の端部と固定用チャンネル80とを係合させることができる。
【0081】
尚、係合部材10と下地部材40との係合状態は、図5に例示した状態とすることもできるし、係合部材10として、実施の形態2や実施の形態3、実施の形態4にて説明した構造とすることもできる。
【0082】
実施の形態11における下地部材組立法にあっては、先ず、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25とを係合させ、下地部材40の第1のリップ部41の先端部と、この一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺31とを係合させ、且つ、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の他方の側辺26とを係合させ、下地部材40の第2のリップ部42の先端部と、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺32とを係合させる。次いで、下地部材40の端部のそれぞれを固定用チャンネル80に係合させる。具体的には、下地部材40の端部を、固定用チャンネル80の上面81と下面83の折返部83Aとの間に挿入する。あるいは又、下地部材40の端部のそれぞれを固定用チャンネル80に係合させた後、上述と同様にして、係合部材10と下地部材40とを係合させる。
【0083】
このようにして、係合部材10と下地部材40と固定用チャンネル80から構成された一種の格子状の下地部材組立体を得ることができる。ここまでの作業は、例えば、施工現場の床面上にて行うことができる。場合によっては、このような一種の格子状の下地部材組立体を他の場所(例えば、施工現場の他の場所や、係合部材、下地部材、固定用チャンネルの製造工場等)にて組み立ててもよい。
【0084】
その後、躯体である天井面72の近傍にまで、かかる格子状の下地部材組立体を持ち上げる。そして、固定用チャンネル80の側面82を、躯体である壁面73にアンカーボルト(図示せず)を用いて取り付ける。尚、下地部材40の底部49を躯体である天井面72に対して固定してもよいし、固定用チャンネル80を躯体である壁面73に固定し、且つ、下地部材40の底部49を躯体である天井面72に対して固定してもよい。以上の下地部材組立法は、本発明の第5の態様に係る下地部材組立法である。
【0085】
その後、係合部材10の底面14に天井材といった被覆材をタッピングビスにてビス止めする。
【0086】
あるいは又、実施の形態11における下地部材組立法にあっては、先ず、固定用チャンネル80の側面82を、躯体である壁面73にアンカーボルト(図示せず)を用いて取り付ける。
【0087】
次いで、下地部材40の端部のそれぞれを固定用チャンネル80に係合させる。具体的には、下地部材40の端部を、固定用チャンネル80の上面81と下面83の折返部83Aとの間に挿入する。その後、下地部材40の第2のリップ部42と対向する第1のリップ部41の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の一方の側辺25とを係合させ、下地部材40の第1のリップ部41の先端部と、この一方の側辺25側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺31とを係合させ、且つ、下地部材40の第1のリップ部41と対向する第2のリップ部42の面と、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bに設けられた第1の台形部20の他方の側辺26とを係合させ、下地部材40の第2のリップ部42の先端部と、この他方の側辺26側の第1の台形部20の上辺24端部から延びる第2の台形部30の下辺32とを係合させる。尚、下地部材40の底部49を躯体である天井面72に対して固定してもよい。以上の下地部材組立法は、本発明の第6の態様に係る下地部材組立法である。
【0088】
その後、係合部材10の底面14に天井材といった被覆材をタッピングビスにてビス止めする。
【0089】
(実施の形態12)
実施の形態12は、実施の形態11の下地部材組立体の変形である。実施の形態12においては、固定用チャンネル80Aと下地部材40との間に振動が伝わらないようにするために、あるいは又、耐震構造とするために、固定用チャンネル80Aと下地部材40とが係合する部分に、実施の形態10と同様の材料から成る弾性材料から作製された防振・耐震部材85が配置されている。実施の形態12の下地部材組立体の模式的な一部断面図を図24に示す。
【0090】
実施の形態12における固定用チャンネル80Aの構造は、実施の形態10にて説明した固定用チャンネル80Aと同様とすることができるし、防振・耐震部材85の構造も、実施の形態10にて説明した防振・耐震部材85と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0091】
実施の形態12における下地部材組立法にあっては、実施の形態11における下地部材組立法において下地部材40の端部のそれぞれを固定用チャンネル80Aに係合させる際、固定用チャンネル80Aと下地部材40とが係合する部分に、防振・耐震部材85を配置すればよい。具体的には、固定用チャンネル80Aの「コ」の字の開いた部分(開口部)に防振・耐震部材85を挿入し、防振・耐震部材85に形成された第3の切欠部86に下地部材40の端部(具体的には、下地部材40の底部49)を挿入すればよい。こうして、固定用チャンネル80Aに下地部材40の端部を防振・耐震部材85を介して取り付ることができる。
【0092】
尚、係合部材10の底面14に天井材といった被覆材をタッピングビスにてビス止めする前に、躯体である天井面72と下地部材40の底部49との間に、実施の形態10と同様の材料から成る弾性材料から作製された第2の防振・耐震部材87を配置してもよい。この場合、例えば、第2の防振・耐震部材87の形状を楔形あるいは略「L」字形とし(図22の(D)及び(E)参照)、躯体である天井面72と下地部材40の底部49との間にかかる楔形あるいは略「L」字形の第2の防振・耐震部材87を挿入し(図24参照)、貫通孔88を通したアンカーボルト(図示せず)によって、第2の防振・耐震部材87を躯体である天井面72に対して固定すればよい。
【0093】
(参考例)
参考例は、本発明の各種の下地部材組立体あるいは本発明の各種の下地部材組立法での使用に適した不陸調整部材に関する。但し、参考例の不陸調整部材は、本発明の各種の下地部材組立体あるいは本発明の各種の下地部材組立法での使用のみに限定するものではない。
【0094】
図25に、第1の態様に係る不陸調整部材90を使用したときの実施の形態9に係る下地部材組立法によって得られた本発明の第2の態様に係る下地部材組立体の模式的な一部断面図を示す。また、不陸調整部材90の模式的な平面図を図26の(A)に示し、不陸調整部材90を係合部材10に取り付けたときの模式的な断面図を図26の(B)に示す。
【0095】
この不陸調整部材90は、下方に湾曲した帯状の底面91と、底面91の2つの長辺の少なくとも一方(参考例においては両方)から上方に延びる側面92A,92Bと、底面91に設けられた複数の第1の貫通孔93と、側面92A,92Bに設けられた第2の貫通孔94から構成されている。第1の貫通孔93及び第2の貫通孔94の形状は、例えば、円形とすることができるが、これに限定するものではない。不陸調整部材90は、厚さ1.0mmの亜鉛鉄板あるいはステンレス鋼板から作製されている。
【0096】
不陸調整部材90の使用にあっては、先ず、例えば、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれに複数の貫通孔17が設けられている係合部材10を使用して、下地部材組立体が躯体72,73に取り付けられた状態を得る。この状態は、図20に示した状態と概ね同じ状態である。その後、第2の貫通孔94及び貫通孔17にボルト95Aを挿入し、不陸を調整しながら、ボルト95Aにナット95Bを取り付けることによって、係合部材10の第1の側面11Aに不陸調整部材90の側面92Aを取り付ける。その後、不陸調整部材90の底面91が躯体である天井面72と接する部分に位置する第1の貫通孔93を介して、アンカーボルト(図示せず)を用いて、不陸調整部材90の底面91を躯体である天井面72に固定する。係合部材10の第1の側面11Aに設けられた貫通孔17と対向する第2の貫通孔94と、不陸の関係を、模式的に図27の(A)、(B)、(C)に示す。尚、躯体である天井面72から第2の貫通孔94までの距離(不陸に相当する)を、図27においては矢印で示す。図27の(A)は不陸が最も少ない場合を示し、図27の(B)は不陸が中程度の場合を示し、図27の(C)は不陸が最も多い場合を示す。不陸の多少により、第2の貫通孔94から、不陸調整部材90の底面91が天井面72と接する部分までの底面91に沿った距離が変化する。然るに、底面91は下方に湾曲しており、しかも、複数の第1の貫通孔93が底面91に設けられているので、不陸調整部材90の天井面72と接する底面91の部分を天井面72に確実に固定することができる。
【0097】
図28の(A)及び(B)に、第2の態様に係る不陸調整部材90A,90Bの模式的な平面図を示す。図28の(A)に示す不陸調整部材90Aにおいては、底面に設けられた1つ第1の貫通孔93Aは長円形状を有する。また、図28の(B)に示す不陸調整部材90Bにおいては、底面に設けられた複数の第1の貫通孔93Bは長円形状を有する。これらの点を除き、図28の(A)、(B)に示した不陸調整部材90A,90Bの構造は、図25〜図27に示した不陸調整部材90と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0098】
不陸の多少により、第2の貫通孔94から、不陸調整部材90A,90Bの底面91が天井面72と接する部分までの底面91に沿った距離が変化する。然るに、底面91は下方に湾曲しており、しかも、長円形の第1の貫通孔93A,93Bが底面91に設けられているので、不陸調整部材90A,90Bの天井面72と接する底面91の部分を天井面72に確実に固定することができる。
【0099】
図28の(C)に、第3の態様に係る不陸調整部材96の模式的な斜視図を示す。この不陸調整部材96は、底面97Aと、底面97Aの少なくとも1つの辺(図28の(C)に示す例においては、1つの辺)から下方に延びる側面97Bと、底面97Aに設けられた第1の貫通孔98(例えば、円形の第1の貫通孔98)と、側面97Bに設けられた長円形状を有する第2の貫通孔99からから構成されている。不陸調整部材96は、厚さ1.0mmの亜鉛鉄板あるいはステンレス鋼板から作製されている。底面97Aは、平坦であってもよいし、例えば、上方に向かって湾曲していてもよい。
【0100】
不陸調整部材96の使用にあっては、先ず、例えば、係合部材10の第1の側面11A及び第2の側面11Bのそれぞれに複数の貫通孔17が設けられている係合部材10を使用して、下地部材組立体が躯体72,73に取り付けられた状態を得る。この状態は、図20に示した状態と概ね同じ状態である。その後、第2の貫通孔99及び貫通孔17にボルトを挿入し、不陸を調整しながら、ボルトにナットを取り付けることによって、係合部材10の第1の側面11Aに不陸調整部材96の側面97Aを取り付ける。その後、第1の貫通孔98を介して、アンカーボルト(図示せず)を用いて、不陸調整部材96の底面97Aを躯体である天井面72に固定する。不陸の多少により、第2の貫通孔99のボルトを取り付ける位置から、不陸調整部材96の底面97Aが天井面72と接する部分までの距離が変化する。然るに、側面97Aに設けられた第2の貫通孔99は長円形状を有するので、不陸を調整した状態で、不陸調整部材96の天井面72と接する底面97Aを天井面72に確実に固定することができる。
【0101】
以上に説明した参考例の不陸調整部材にあっては、不陸を調整するために、底面に設けられた第1の貫通孔を介して不陸調整部材を躯体に取り付け、側面に設けられた第2の貫通孔を介して、係合部材の第1の側面若しくは第2の側面に、あるいは又、下地部材の側面に不陸調整部材を取り付けるので、天井等の躯体と下地部材組立体との間に殆どスペースが要求されなくなるし、不陸の調整を極めて容易に行うことができる。
【0102】
尚、参考例においては、係合部材10と下地部材40との係合状態を、図5に例示した状態とすることもできるし、係合部材10として、実施の形態2や実施の形態3、実施の形態4にて説明した構造とすることもできる。また、参考例の各種の不陸調整部材を、実施の形態10〜実施の形態12に適用することができるし、実施の形態5〜実施の形態8にも適用することができる。
【0103】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。係合部材の突起部の形状、係合部材の各部位の大きさや寸法、構成材料等、また、下地部材、固定用チャンネル、不陸調整部材の形状、構造、各部位の大きさや寸法、構成材料等は例示であり、適宜変更することができる。
【0104】
【発明の効果】
本発明においては、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに特徴的な構造を有する複数の凸部を設けることによって、係合部材と下地部材との間に高い係合力を得ることができる。その結果、従来、使用されていた分野だけでなく、例えばトンネル内やコンクリート製高架橋、コンクリート製外壁を有する建築物等におけるコンクリート片やモルタル片の崩落を防止するための被覆材を確実にこれらに取り付けることが可能となる。また、係合部材の構成によっては、躯体が平面ではなく曲面を描いている場合であっても、あるいは又、被覆材を曲面をもって取り付ける必要がある場合であっても、即ち、例えば、柱や天井、梁、壁の外周に容易に係合部材を取り付けることが可能となる。
【0105】
しかも、係合部材と下地部材との係合をワンタッチで行うことができ、しかも、完全乾式工法であるが故に、工期の短縮化を図ることができるし、不燃・無溶接工法とすることができるが故に、安全性が高い。更には、完成後の躯体の補修を容易に、且つ、短期間で行うことが可能である。また、躯体と係合部材や下地部材との間に断熱材を挿入することが可能であり、高い結露防止効果を得ることができる。更には、例えば、トンネル内で漏出してきた地下水等を下地部材あるいは係合部材に取り付けられた被覆材で受けることができ、下地部材あるいは係合部材に面した被覆材の表面上を伝わり、あるいは流れる地下水等を容易に外部に排出することができる。
【0106】
更には、固定用チャンネルを用いれば、一層短時間に下地部材と係合部材とを組み立てることが可能であり、しかも、不陸調整が一層容易となるし、固定用チャンネルを用いて下地部材組立体を躯体に取り付ければ、天井等の躯体と下地部材組立体との間に殆どスペースを要求としない構造とすることができる。例えば、従来の工法においては、最低100〜110mm程度のスペースが必要とされるが、本発明にあっては、30〜50mm程度のスペースでよい。また、溶接が不要であり、安全性に優れる。
【0107】
また、参考例の不陸調整部材を用いることで、不陸調整が一層容易となるし、天井等の躯体と下地部材組立体との間に殆どスペースを要求としない構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態1の係合部材における1つの凸部を拡大した模式図である。
【図2】 発明の実施の形態1の係合部材を第1の側面側から眺めた模式図、及び、上方から眺めた模式図である。
【図3】 発明の実施の形態1の係合部材と下地部材とが係合した状態の拡大図を模式的に示す図である。
【図4】 発明の実施の形態1の係合部材と下地部材とが係合した状態を模式的に示す図である。
【図5】 発明の実施の形態1の係合部材と下地部材とが係合した状態(但し、図4に示した状態とは異なる)を模式的に示す図である。
【図6】 発明の実施の形態2の係合部材を第1の側面側から眺めた模式図、及び、上方から眺めた図である。
【図7】 発明の実施の形態2の係合部材における1つの凸部の部分を拡大した模式図である。
【図8】 発明の実施の形態2の係合部材と下地部材とが係合した状態の拡大図を模式的に示す図である。
【図9】 発明の実施の形態2の係合部材と係合部材とを接合した状態を模式的に示す図である。
【図10】 発明の実施の形態3の係合部材を第1の側面側から眺めた模式図、及び、上方から眺めた図である。
【図11】 発明の実施の形態3の係合部材の変形例を第1の側面側から眺めた模式図、及び、上方から眺めた図である。
【図12】 発明の実施の形態4の係合部材を第1の側面側から眺めた模式図、及び、上方から眺めた図である。
【図13】 係合部材と係合させる前の下地部材の模式的な断面図である。
【図14】 発明の実施の形態5における下地部材組立法を説明するための模式図である。
【図15】 発明の実施の形態5の下地部材組立法における係止部材の変形例を示す模式図である。
【図16】 発明の実施の形態5の下地部材組立法における係止部材の変形例を示す模式図である。
【図17】 発明の実施の形態6における下地部材組立法を説明するための模式図である。
【図18】 発明の実施の形態7における下地部材組立法を説明するための模式図である。
【図19】 発明の実施の形態8における下地部材組立法を説明するための模式図である。
【図20】 発明の実施の形態9の下地部材組立体の模式的な一部断面図、及び、固定用チャンネルの一部分の模式的な斜視図である。
【図21】 発明の実施の形態10の下地部材組立体の模式的な一部断面図である。
【図22】 発明の実施の形態10における固定用チャンネルの一部分の模式的な斜視図、図21の矢印B−Bに沿った係合部材等の模式的な一部断面図、及び、2種類の防振・耐震部材の模式的な斜視図である。
【図23】 発明の実施の形態11の下地部材組立体の模式的な一部断面図である。
【図24】 発明の実施の形態12の下地部材組立体の模式的な一部断面図である。
【図25】 参考例における不陸調整部材を用いた下地部材組立体の模式的な一部断面図である。
【図26】 第1の態様に係る不陸調整部材の模式的な平面図、及び、不陸調整部材を係合部材に取り付けたときの模式的な断面図である。
【図27】 係合部材の第1の側面に設けられた貫通孔と対向する第2の貫通孔と、不陸の関係を模式的に示す図である。
【図28】 第2の態様に係る不陸調整部材の模式的な平面図、及び、第3の態様に係る不陸調整部材の斜視図である。
【図29】 実公昭63−17770号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材の模式図、及び、特開昭57−190860号公報に開示されたと同様の形状を有する係合部材の模式図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C,10D・・・係合部材、11A・・・第1の側面、11B・・・第2の側面、12A,12B・・・凸部、14・・・底面、15・・・穴部、16,19A,19B,19C,19D・・・切欠部、17・・・貫通孔、18・・・ボルト、18’・・・ナット、20・・・第1の台形部、21・・・第1の台形部の下辺、24・・・第1の台形部の上辺、25,26・・・第1の台形部の側辺、25A,26A・・・段差、30・・・第2の台形部、31,32,33・・・第2の台形部の下辺、34・・・第2の台形部の上辺、35,36・・・第2の台形部の側辺、40・・・下地部材、41・・・第1のリップ部、42・・・第2のリップ部、49・・・底部、50,50A,50B,50C・・・取付金具、51・・・アンカーボルト、52,52A・・・取付金具、53・・・金属プレート、54・・・ボルト、55・・・ナット、56・・・コンクリートビス、57・・・リベット、60,62・・・被覆材、61・・・タッピングビス、63・・・ボルト、70,73・・・躯体(壁面)、72・・・躯体(天井面)、71・・・躯体(柱)、80,80A・・・固定用チャンネル、81・・・上面、82・・・側面、83・・・下面、83A・・・折返部、84・・・孔部、85・・・防振・耐震部材、86・・・切欠部、87・・・防振・耐震部材、88・・・貫通孔、90,90A,96・・・不陸調整部材、91・・・底面、92A,92B・・・側面、93・・・第1の貫通孔、94・・・第2の貫通孔、95A・・・ボルト、95B・・・ナット、97A・・・底面、97B・・・側面、98・・・第1の貫通孔、99・・・第2の貫通孔
Claims (31)
- 略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材と係合する係合部材であって、
底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延び、
下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面が、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺と係合し、下地部材の第1のリップ部の先端部が、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部と係合し、
下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面が、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺と係合し、下地部材の第2のリップ部の先端部が、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部と係合することを特徴とする係合部材。 - 下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面が、第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+1}番目(但し、kは2以上の整数の定数であり、M=1,2,3・・・)の凸部における、第1の台形部の一方の側辺と係合し、下地部材の第1のリップ部の先端部が、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合し、
下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面が、第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+n+1}番目(但し、nは1以上の整数の定数であり、k>n)の凸部における、第1の台形部の他方の側辺と係合し、下地部材の第2のリップ部の先端部が、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合することを特徴とする請求項1に記載の係合部材。 - 第1の側面及び第2の側面のそれぞれには基部が設けられ、第1の台形部は基部から延在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の係合部材。
- 底面と基部が交差する領域には凹部あるいは第2の切欠部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の係合部材。
- 第1の台形部は底面から延在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の係合部材。
- 第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の係合部材。
- (A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、及び、
(B)該下地部材と係合する係合部材、
から成る下地部材組立体であって、
該係合部材は、底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延び、
下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面は、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺と係合し、下地部材の第1のリップ部の先端部は、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部と係合しており、
下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面は、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺と係合し、下地部材の第2のリップ部の先端部は、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部と係合していることを特徴とする下地部材組立体。 - 前記係合部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネルを備えていることを特徴とする請求項7に記載の下地部材組立体。
- 固定用チャンネルと係合部材との間に、防振・耐震部材が配置されていることを特徴とする請求項8に記載の下地部材組立体。
- 前記下地部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネルを備えていることを特徴とする請求項7に記載の下地部材組立体。
- 固定用チャンネルと下地部材との間に、防振・耐震部材が配置されていることを特徴とする請求項10に記載の下地部材組立体。
- 下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面は、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+1}番目(但し、kは2以上の整数の定数であり、M=1,2,3・・・)の凸部における、第1の台形部の一方の側辺と係合し、下地部材の第1のリップ部の先端部は、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合しており、
下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面は、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+n+1}番目(但し、nは1以上の整数の定数であり、k>n)の凸部における、第1の台形部の他方の側辺と係合し、下地部材の第2のリップ部の先端部は、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺と係合していることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の下地部材組立体。 - 係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれには基部が設けられ、第1の台形部は基部から延在することを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載の下地部材組立法。
- 係合部材の底面と基部が交差する領域には凹部あるいは第2の切欠部が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の下地部材組立法。
- 係合部材の第1の台形部は底面から延在することを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載の下地部材組立法。
- 係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項15のいずれか1項に記載の下地部材組立法。
- (A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、及び、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)係合部材の底面を躯体に対して固定する工程と、
(b)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする下地部材組立法。 - (A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、及び、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)下地部材の底部を躯体に対して固定する工程と、
(b)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする下地部材組立法。 - (A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)係合部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、更に、係合部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させる工程と、
(b)係合部材の底面及び/又は固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程、
から成ることを特徴とする下地部材組立法。 - 前記工程(a)において、係合部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させる際、固定用チャンネルと係合部材とが係合する部分に、防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の下地部材組立法。
- 前記工程(b)において固定用チャンネルを躯体に対して固定する場合、躯体と係合部材の底面との間に、第2の防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の下地部材組立法。
- (A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)下地部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、更に、下地部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させる工程と、
(b)下地部材の底部及び/又は固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程、
から成ることを特徴とする下地部材組立法。 - 前記工程(a)において、下地部材の端部のそれぞれを固定用チャンネルに係合させる際、固定用チャンネルと下地部材とが係合する部分に、防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項22に記載の下地部材組立法。
- 前記工程(b)において固定用チャンネルを躯体に対して固定する場合、躯体と下地部材の底部との間に、第2の防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の下地部材組立法。
- (A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)係合部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程と、
(b)固定用チャンネルに係合部材の端部を取り付ける工程と、
(c)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする下地部材組立法。 - 前記工程(b)において、固定用チャンネルと係合部材とが係合する部分に、防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項25に記載の下地部材組立法。
- 前記工程(a)において、躯体と係合部材の底面との間に、第2の防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項25又は請求項26に記載の下地部材組立法。
- (A)略リップ溝形の断面形状を有し、第1のリップ部及び第2のリップ部を備えた下地部材、
(B)底面、及び、対向した第1の側面及び第2の側面を有し、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれには、下地部材の第1のリップ部及び第2のリップ部と係合する凸部が、複数、設けられており、
各凸部は、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第1の台形部と、第1の台形部の上辺から延在し、上辺が下辺よりも短い略二等辺台形形状を有する第2の台形部とから成り、
第1の側面及び第2の側面のそれぞれの第2の台形部の下辺と第1の台形部の上辺端部とが交差する領域よりも第2の台形部の内部にまで第2の台形部の下辺が延在し、第1の台形部の側辺と第2の台形部の下辺とが交差する領域から切欠部が第2の台形部の内部に延びており、
第2の台形部の下辺は、第1の台形部の上辺端部から側面底部に向かう方向に延びる、下地部材と係合する係合部材、及び、
(C)下地部材の端部のそれぞれに係合する固定用チャンネル、
を用いた下地部材組立法であって、
(a)固定用チャンネルを躯体に対して固定する工程と、
(b)固定用チャンネルに下地部材の端部を取り付ける工程と、
(c)下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させ、且つ、下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、第1の側面及び第2の側面に設けられた第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺及び切欠部とを係合させる工程、
から成ることを特徴とする下地部材組立法。 - 前記工程(b)において、固定用チャンネルと下地部材とが係合する部分に、防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項28に記載の下地部材組立法。
- 前記工程(a)において、躯体と下地部材の底部との間に、第2の防振・耐震部材を配置する工程を含むことを特徴とする請求項28又は請求項29に記載の下地部材組立法。
- 下地部材の第2のリップ部と対向する第1のリップ部の面と、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+1}番目(但し、kは2以上の整数の定数であり、M=1,2,3・・・)の凸部における、第1の台形部の一方の側辺とを係合させ、下地部材の第1のリップ部の先端部と、該一方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させ、
下地部材の第1のリップ部と対向する第2のリップ部の面と、係合部材の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに設けられた第{k(M−1)+n+1}番目(但し、nは1以上の整数の定数であり、k>n)の凸部における、第1の台形部の他方の側辺とを係合させ、下地部材の第2のリップ部の先端部と、該他方の側辺側の第1の台形部の上辺端部から延びる第2の台形部の下辺とを係合させることを特徴とする請求項17乃至請求項26のいずれか1項に記載の下地部材組立法。
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