JPS6133952Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特に手術台、ストレツチヤー等に用
いるに適した昇降装置に関する。

従来のこの種昇降装置では、適当なリンク機構
を用い、このリンク機構を油圧シリンダなどによ
り伸縮させる構成がとられているが、昇降量は油
圧シリンダなどの駆動装置の伸縮量にほぼ比例す
る量となる。

一方、床側の固定ブラケツトに基端を枢着され
た上下の平行リンクからなる底部平行リンク機構
と、昇降されるべき対象物の下面の固定ブラケツ
トに基端を枢着された上下の平行リンクからなる
頂部平行リンク機構と、底部平行リンク機構の平
行リンクの先端および頂部平行リンク機構の平行
リンクの先端に枢着された共通の上下方向中間リ
ンクと、頂部平行リンク機構を上下方向に回動変
位させる駆動装置と、この駆動装置による頂部平
行リンク機構の回動変位によつて生起する前記中
間リンクに対する頂部平行リンク機構の角度変位
を検出し、その角度変位と量的に等しくかつ中間
リンクに対しては前記角度変位とは逆方向の変位
を底部平行リンク機構に与える角度変位伝達機構
とを備え、この角度変位機構を、頂部平行リンク
機構の一方のリンクの先端から突出する腕状の延
設片と、底部平行リンク機構の一方のリンクの先
端から突出する腕状の延設片と、両延設片を連結
するリンクとにより構成した昇降装置が知られて
いる（実開昭56−56326）。この昇降装置では、被
昇降部を垂直方向に前後左右動のない状態で昇降
させることができる。

しかし、この公知の昇降装置では、頂部平行リ
ンク機構の延設片が大きく外側に突出し、また、
延設片を有する頂部のリンクおよび延設片を有す
る底部のリンクを別部品として形成しなければな
らない。

よつて、本考案は、延設片のような大きい突出
部分がなく、頂部平行リンク機構の一つのリンク
と底部平行リンク機構の一つのリンクとを同じ部
品として形成することができ、しかも前述の公知
の昇降装置の効果をも併用する昇降装置を得るこ
とを目的とする。

本考案によれば、この目的を達成するために、
角度変位伝達機構を、頂部および底部の両平行リ
ンク機構の先端同志を連結する中間リンクに互い
に噛み合い状態で支持された上下一対の歯車と、
これらの歯車の上方のものにかみ合うように頂部
平行リンク機構の先端部に固設つした下向きのセ
クタ歯車と、前記１対の歯車の下方のものにかみ
合うように底部平行リンク機構の先端部に固設し
た上向きのセクタ歯車とにより構成する。

次に、図面を参照して本考案の一例を説明す
る。

第１図は本考案を施す一例としての患者用スト
レツチヤーを示し、このストレツチヤーは、車輪
１を有する基台２と、その上に昇降柱３を介して
支持された患者支持台４とにより構成されてい
る。昇降柱３内には第２図に示すような昇降装置
が設置される。

第２図において、基台２上には固定ブラケツト
６が支持されており、このブラケツト６には枢軸
７ａ，７ｂにより上下の平行リンク８ａ，８ｂの
基端が枢着されている。平行リンク８ａ，８ｂは
底部平行リンク機構８を構成する。平行リンク８
ａ，８ｂの先端は枢軸９ａ，９ｂにより中間リン
ク１０に枢着されている。中間リンク１０は上下
方向に延びるリンクである。

患者支持台４にはその下面にブラケツト１２が
固定され、このブラケツトに上下の平行リンク１
３ａ，１３ｂの基端が枢軸１４ａ，１４ｂにより
枢着されている。平行リンク１３ａ，１３ｂは頂
部平行リンク機構１３を構成する。平行リンク１
３ａ，１３ｂの先端は、前記中間リンク１０に枢
軸１５ａおよび前記枢軸９ａによつて枢着されて
いる。

１７は駆動装置としての油圧シリンダで、その
基端は前記枢軸７ｂにより枢着され、そのピスト
ンロツド１８の先端は枢軸１９によつて前記平行
リンク１３ｂの途中部分に枢着されている。

底部平行リンク機構８のリンク８ｂの先端に
は、枢軸９ｂを中心とするセクタ歯車２０が固定
されている。また、頂部平行リンク機構１３のリ
ンク１３ａの先端には、枢軸１５ａを中心とする
セクタ歯車２１が固定されている。一方、中間リ
ンク１０には、上下のセクタ歯車２１，２０の間
に、互いに噛み合う歯車２２，２３が軸２４，２
５によつてそれぞれ回転自在に支持されている。
上部の歯車２２は前記セクタ歯車２１と噛み合
い、また、下部の歯車２３は前記セクタ歯車２０
と噛み合つている。以上の歯車２０，２１，２
２，２３は角度変位伝達機構２７を構成する。

第２図の状態は、昇降装置が最も収縮した状態
であつて、リンク１３ｂの基端は、リンク８ａの
基端上に接している。この状態で油圧シリンダ１
７を伸長させると、そのピストンロツド１８の先
端はＡ方向に変位し、頂部平行リンク機構のリン
ク１３ａ，１３ｂはそれぞれ矢印Ｂ、Ｃの方向に
枢軸１５ａ，９ａのまわりで回動変位し、支持台
４は上昇する。

これによつて、リンク１３ａと一体をなすセク
タ歯車２１は矢印Ｄ方向に回動し、これと噛み合
う歯車２２は時計方向に回動し、歯車２３は反時
計方向に回動する。よつて、セクタ歯車２０には
時計方向のモーメントが作用し、中間リンク１０
に対し、リンク８ｂも時計方向に回動し、リンク
８ｂは結果的に第３図に示すようにその基端の枢
軸７ｂまわりに時計方向に回動し、中間リンク１
０自体は上昇することになる。したがつて、支持
台４には、中間リンク１０に対する頂部平行リン
ク機構１３の反時計方向回動による上昇変位に加
えて、中間リンク１０の上昇変位が重畳して加え
られることになる。

そして、この変位の重畳によつて、支持台４は
前後左右に動くことなく、また傾くことなく上下
に正しく変位する。

一方、先端にセクタ歯車２０，２１を有するリ
ンク１３ａ，８ｂは、図示の例では、その基部で
やや構造が異なつているが、実際上、上下の向き
さえ変えれば同じ部品を用いることができる。こ
れは、セクタ歯車を用いたことによつて可能とな
る。一方、セクタ歯車２０，２１はもとより、そ
れらの間の歯車２２，２３も外側に大きく張りだ
すことがないので、機構がコンパクトになる。

以上のような、本考案は、前述の公知例の効果
を併有しつつ、大きな突出部がなく、しかも２種
の部材を同じ部品で兼用してコストの節減をはか
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はストレツチヤーの立面図、第２図は本
考案の一実施例の収縮状態を示す正面図、第３図
は同伸長状態を示す正面図である。 ６，１２……ブラケツト、８……底部平行リン
ク機構、８ａ，８ｂ……平行リンク、１３……頂
部平行リンク機構、１３ａ，１３ｂ……平行リン
ク、７ａ，７ｂ，９ａ，９ｂ，１４ａ，１４ｂ，
１５ａ……枢軸、１０……中間リンク、２７……
角度変位伝達機構、２０，２１……セクタ歯車、
２２，２３……歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床側の固定ブラケツトに基端を枢着された上下
   の平行リンクからなる底部平行リンク機構と、昇
   降されるべき対象物の下面の固定ブラケツトに基
   端を枢着された上下の平行リンクからなる頂部平
   行リンク機構と、底部平行リンク機構の平行リン
   クの先端および頂部平行リンク機構の平行リンク
   の先端に枢着された共通の上下方向中間リンク
   と、頂部平行リンク機構を上下方向に回動変位さ
   せる駆動装置と、この駆動装置による頂部平行リ
   ンク機構の回動変位によつて生起する前記中間リ
   ンクに対する頂部平行リンク機構の角度変位を検
   出し、その角度変位と量的に等しくかつ中間リン
   クに対しては前記角度変位とは逆方向の変位を底
   部平行リンク機構に与える角度変位伝達機構とを
   備え、この角度変位伝達機構は、中間リンクに互
   いに噛み合い状態で支持された上下１対の歯車
   と、これらの歯車の上方のものにかみ合うように
   頂部平行リンク機構の先端部に固設した下向きの
   セクタ歯車と、前記１対の歯車の下方のものにか
   み合うように底部平行リンク機構の先端部に固設
   した上向きのセクタ歯車とにより構成されている
   ことを特徴とする昇降装置。