JPH0421327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は寝台、診察台、患者運搬者等に於ける
床部支持フレームの昇降機構に関するものであ
る。

（従来の技術およびその問題点） 寝台等に於ける床部支持フレームの昇降機構と
して、まず第３図ａに示すように、床部支持フレ
ームａの下方に足車ｂを設けた基部フレームｃを
構成し、該基部フレームｃと床部支持フレームａ
を回動腕ｄで連結したものがあり、この機構は、
駆動杆ｅによる駆動腕ｆの回動に連動させて回動
腕ｄを回動させて、夫々の回動腕ｄに対応する床
部支持フレームａの個所を昇降させるものであ
る。

ところが、この昇降機構では基部フレームｃが
あるために、床部支持フレームａの下方の空間を
スツールロツカー等の格納場所として使用するこ
とができず、また構成材が多く必要であるためコ
ストや重量が嵩むという問題点がある。

また従来、第３図ｂに示すように、床部支持フ
レームａの下方に直接に、ねじシヤフト式等の伸
縮脚体ｇを取り付け、この伸縮脚体ｇを伸縮させ
て床部支持フレームａの対応個所を昇降させるも
のがあり、この昇降機構では、前側のような問題
点はないが、昇降ストロークを大きくすると伸縮
脚体ｇは最も短縮させた状態に於いても比較的長
くなつてしまうので、床部支持フレームａの最低
高さが比較的高くなつてしまつて、乗り降りに不
便であるという問題点がある。

また第３図ｃに示すように、床部支持フレーム
ａの下方に突設した支持部材ｈと脚体ｉとを、平
行運動機構を構成する複数の支持リンクｊで連結
し、該支持リンクｊのいずれかを駆動杆ｅによる
駆動腕ｆの回動に連動させて回動させて、対応す
る床部支持フレームａの個所を昇降させるものが
あり、この機構では前２者のような問題点はない
ものの、昇降に際して脚体ｉが図中左右方向に移
動するので、足車ｂを設けていると昇降の度に位
置がずれ、また足車ｂにストツパーをかけている
と無理に移動するので、これに負担がかかつた
り、床面に跡がついたりする他、所要力が大きい
という問題点がある。

本考案は以上の問題点を解決することを目的と
するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案の構成を実施例に対応する第１図、第２
図に基づいて説明すると、本考案は、床部支持フ
レーム１の長手方向に案内レール部２を設け、該
案内レール部２に沿つて移動自在に構成した移動
部材３と接地用部材４とを平行リンク式平行運動
機構を構成するように複数の支持リンク５ａ，５
ｂによつて連結すると共に、床部支持フレーム１
に回動自在に設けた回動杆１１に突設した作動腕
６の先端側ａを、交叉リンク式平行運動機構の一
部を構成するように前記いずれかの支持リンク５
ａに回動自在に固定し、前記回動杆１１に突設し
た駆動腕７と前記床部支持フレーム１間に伸縮駆
動杆８を連結したものである。

（作用） かかる構成に於いて、伸縮駆動杆８を伸縮動作
させていない状態に於いては、作動腕６の基端側
ｂの回動杆１１は、伸縮駆動杆８に連結した駆動
腕７によつて回動不能に保持され、即ち作動腕６
の先端側ａも所定位置に保持されるので、作動腕
６と交叉リンク式平行運動機構の一部を構成する
支持リンク５ａ、そしてこの支持リンク５ａと平
行リンク式平行運動機構を構成する他の支持リン
ク５ｂも所定位置に保持され、こうして床部支持
フレーム１の荷重を保持することができる。

しかして第２図ａの状態に於いて、伸縮駆動杆
８を伸長すると、駆動腕７により回動杆１１が床
部支持フレーム１に対して時計回りに回動し、こ
れと共に作動腕６の先端側ａが円弧上に時計回り
に回動する。すると支持リンク５ａも該作動腕６
と平行運動機構を維持するように移動し、そして
支持リンク５ｂも支持リンク５ａと平行運動機構
を維持するように移動する。

従つて、接地用部材４と床部支持フレーム１と
は横方向に対しての相対位置が変化せず、移動部
材３のみが図中左方向に移動して第２図ａから第
２図ｂの状態に移行し、こうして床部支持フレー
ム１が上昇する。そして、逆に第２図ｂの状態に
於いて伸縮駆動杆８を短縮することによつて床部
支持フレーム１を第１図ａに示すように下降する
ことができる。

このように床部支持触れ１の昇降に際して、接
地用部材４は横方向に移動しないので、この接地
用部材４に設けた足車９をストツパー（図示省
略）によつて移動不能としておいても無理な力が
加わらないし、また伸縮駆動杆８を駆動する際の
抵抗ともならない。

（実施例） 本考案の昇降機構は、第１図ａの実施例に示す
ように床部支持フレーム１の頭側及び足側の両側
の下側に対向して設け、夫々独立に伸縮駆動杆８
によつて駆動し得るように構成すれば、両側を等
量昇降することにより床部支持フレーム１を水平
状態に於いて高さ調節ができると共に、両側の昇
降量を変えることにより該床部支持フレーム１を
傾斜させることができる。しかしながら、本考案
機構を片側のみに設け、他側は固定脚とすること
により、専ら水平状態から傾斜のみ可能なように
構成することもできる。尚、実施例に於いて、支
持リンク５ａ，５ｂ及び作動腕６は、床部支持フ
レーム１の短手方向の両側に対応して一対ずつ設
けると共に、それらを回動杆１０ａ，１０ｂ，１
１によつて一体に構成しており、前記駆動腕７は
該回動杆１１に突設したものである。また実施例
に於いては、回動杆１１を案内レール部２に固定
しており、こうすることにより、案内レール部２
を以つて床部支持フレーム１の適所に容易に取り
付け、取り外しを行なうことができる。

（考案の効果） 本考案の昇降機構は以上の通り、床部支持フレ
ームの下方に基部フレームを構成していないの
で、この床部支持フレームの下方をスツールロツ
カー等の格納空間として使用し得ると共にコスト
や重量を低減することができ、また床部支持フレ
ームの最低高さが比較的高くない状態に於いて十
分な昇降ストロークを得ることができると共に、
足車を介して病室等の床面に接地させる接地用部
材は床部支持フレームの昇降に際して横方向に移
動しないので、この足車をストツパーによつて移
動不能としている場合にも、該足車に無理な力が
加わつたり、床面に跡がついたりせず、また床部
支持フレームの昇降に際しての負荷にならないと
いう効果がある。尚、このように昇降に際して接
地用部材が動かないので、床面への接地は固定部
材で行なうようにすることもできることは勿論で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の実施例に対応するも
ので、第１図ａは本考案を適用した寝台の説明的
斜視図、第１図ｂは要部構成の説明的斜視図、第
２図ａ，ｂは動作を示す説明的側面図であり、ま
た第３図ａ，ｂ，ｃは従来例の説明的側面図であ
る。 符号、１……床部支持フレーム、２……案内フ
レーム部、３……移動部材、４……接地用部材、
５ａ，５ｂ……支持用リンク、６……作動腕、７
……駆動腕、８……伸縮駆動杆、９……足車、１
０ａ，１０ｂ，１１……回動杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床部支持フレームの長手方向に案内レール部を
   設け、該案内レール部に沿つて移動自在に構成し
   た移動部材と接地用部材とを平行リンク式平行運
   動機構を構成するように複数の支持リンクによつ
   て連結すると共に、床部支持フレームに回動自在
   に設けた回動杆に突設した作動腕の先端側を、交
   叉リンク式平行運動機構の一部を構成するように
   前記いずれかの支持リンクに回動自在に固定し、
   前記回動杆に突設した駆動腕と前記床部支持フレ
   ーム間に伸縮駆動杆を連結したことを特徴とする
   床部支持フレームの昇降機構。